外伝2 ダークネス 後編
二日連続で遅れてすみません。ほんとに最近忙しくて原稿が書けないです。すみません。
前の話で二つ名は混沌といったが、実はもう一つ有名な二つ名が存在する。深海の女神。名前の由来は深海魔法を使って戦うが、一人も殺さなかったというところからだ。女神って平和とかとにかく良い方のイメージがつくが、深海はなんか、○これとかでもあるように、あまり良い方のイメージがつかない。むしろ悪のようなイメージがある。しかし、その不釣り合いなところがいいとされているらしい。…二つ名なんてそんなものだよ。
メア自身も外部から情報は得ていたので、2つの二つ名のことは耳に入っているが、女性としての感覚か、後者の方が好きらしい。むしろ気に入っている。…僕にはあまりわかんないな。
さて、ダンジョンに立てこもったメアだが、何日かは結界を破られるのではないかと丸くなり、怯えながら過ごしていた。強いといっても、やりたくないことをしようとするとうまくいかないものなのだ。しかし、数日か経過し、結界への攻撃がなくなり外を見に行くと誰もいなかった。どうやら、こんなのに気にしてる余裕がなかったらしい。城の防衛に帰ったようだ。まあ、2、3人くらいは監視ということで待機していたけど。
食料とかが気になったが、魔法でゲートを繋いで王都に帰ることができた。…これって転移魔法だよね。昔はチートだらけだったのかな?ま、とにかくそのあたりは問題なかったようだ。
それからさらに15年が経過した。警備も遂にはいなくなった。魔法で魔素を栄養にできるようになったため、食物がいらなくなった。それによってさらに引きこもった。…これは光合成かな?なんでもありだな、ほんと。
そうやって長い年月をただ、引きこもって過ごした。そうこうしていく内に100年が経過した。ずっと1人でいたせいか、少し心が落ち着いてきた。…今までずっと壊れたままかよ。と思うあなた。僕も思います。
それで、いろんなことを考えた。家族や学園、王都や人族、獣族のことといった、あらゆることについて考えた。どこから、自分の世界が変わったのか。自分はこれからどうしたいのか。
結果はわからなかった。自分の、個人の努力がみんなから恐れられた、ということしかわからなかった。でも努力は誰もがしていること。それなのに、何故?何が原因でこうなった?深海魔法が…。そういえば、深海魔法を得てから魔法が禍々しく感じるようになっていたけど、まさか…。
それは正解だった。彼女の禍々しさが体内から体外へ漏れ出していて、関わりづらくなっていた、というのも一つの理由だった。そう思った時には抑える術を身につけていた。
でも、もちろんそれが最もな理由ではなかった。強い力は他者から疎まれるが、強すぎると他者から恐れられる、動物の本能とまで言えるであろうことに。
強すぎる力は時々自分をも苦しめる。よく言われたことだが、まさにそういうことなのだろう。これに気づき出したのはそれから700ぐらい経過した時だった。
それから150年が経過した。既に他人の心がよくわからなくなっていた。自分の感情も曖昧になってきた。鈍ってたからなのか、それはわからない。ただ、一人は寂しかった。それだけはわかった。
だから、変装して迅速の城にいた。理由は単に近かったから。魔法で急にいなくなったりしたら怪しまれるから魔法は使わないことにした。図書館に行ったり、酒場に行ってみたり、バイトしてみたり。いろんなことをした。
そうして40〜50年が経過した。感情を少しずつ取り戻して今ではそれなりにわかってきた。他人の感情までは取り敢えずわかるようになった。それなりに人間らしく過ごし、人間のことがわかるようになった。不器用な方では無かったので仕事も普通にこなせた。思ってたより楽しかった。
ただ、まだ他人と仲良くすることはできなかった。深く関わると前のように怖がれるかも知れないと恐れて…。
そんな時に国のお偉いさんがバイト中にやってきた。なんでも、技量を見込んで城でメイドとして雇いたいと言われた。すぐに断ろうとしたがその人が勇者がどうとか言っていたので気になりひとまず付いていくことにした。
城に着くとメイド長らしき人に会い説明を受けた。なんでも召喚される勇者の専属メイドとして雇うということらしい。専属、という言葉に引っ掛かったが滅多にない体験ができると思い、雇われることにした。…敵の本拠地にいるのに平然としているのだからすごいと思うよ。
ここでは、メイドには本名とは別の名前を付けることになっているらしい。なので私はメイド長のマリアにこう名付けられた。ミレイユ、と。
ミレイユとしてここにいること三日。遂に勇者が召喚された。41人の勇者とされる人がいた。陰から召喚を見ていた時にふと気になる人達を発見した。
なんだか退屈そうにしていたが、この世界に来て嬉しそうな子。だけど、表には出さず、現状を分析している男の子。何の根拠もないが、今後何か大きなことを起こしそうな感じがした。
そしてもう一人の男の子。彼からは私に似た何かがあった。すぐにはわからなかったが、魔族の者と同じ感覚があった。
その二人が仲良さそうに話している。現状を分析し、どの選択が最善なのか考えていた。だけど、どちらも周りと合わせるため行動には移せていなかった。
召喚された後、国王による長話の最中、メイドは集められた。誰の担当をするか、ということらしい。私は二人の内のどちらにしようか悩んでいたが、どうやら考えている間に決まってしまったらしい。ボーっとしているといけないね…。ただ、偶然にも最初に挙げた男の子だった。…余りって知ったら悲しむかな(笑)
皆さんが部屋に戻ったのを聞き、私たちは今日から始まる新しい仕事に入った。私は緊張したが何も考えずいつも通りに接することにした。すると男の子、翼明人と名乗った男は少し嫌な顔をした。…私のことが嫌いなのだろうか。会ったばっかりなのに…。
そう思っていたらどうやら話し方が嫌いだと言われた。まさかそんなことだとは思わなかったが正直、私も話しづらかったので遠慮なくいつも通りの話し方に変えた。すると彼は微笑んだ。…なんだかちょっと可愛かった。それから少しずつだけど話す機会が増えた。その間、私は本当の私を出せて、それを受け止めてくれた。それでいて楽しそうにしてくれた。たった二日間だったけど楽しかったし、嬉しかった。。
三日目。なんとみんなが私の家に来ることになった。なんでも私の家はこの城の近くにある優しいダンジョンらしい。…なんか、イラっとしたがその前に焦りでいっぱいだった。そういや、50年くらい前から上の方が騒がしいなと思っていたが、気にせずにいた。それがこの国の人だとは思わなかった。はっきり言おう、不法侵入だ!流石にそれは嫌だったので返り討ちにしようと家で待ち構えることにした。
しかし、何分たっても来ないことが気になり念視という魔法で物を透かして見た。すると、何年も経ったがゆえに家の上にできていた洞窟にいた。どうやらそこまでらしい。…自分が来た意味は一体…。
そう思っていたら下へ続く階段、私の家へ繋がる入り口を見つけたようだ。そして、みんなが下に来るようだ。仕方ないので(少し嬉しかった)ゴーレムを召喚する罠を発動し、追い返すことにした。軽く追い払うつもりがアキトさんが一人で時間を稼いでいた。…てか、一人で倒せそうだった。あの光景は驚いた。まだレベルが10にも満たないのにゴーレム相手に優勢だったことにとても驚いた。
みんなを私の家から追い出し、自分も戻ろうと思い階段に向かった時に、気になっていたもう一人の子、相沢友がアキトさんに攻撃し、床を魔法で粉砕した。…人の家を何だと思っているのでしょう。
そんなことより、そこから先は階段で進むため床を全く作らなかったので、アキトさんはその高さを落ちることとなった。流石に私もその高さから落ちたら危ないレベルだったので、まだレベルの低いアキトさんは確実に死ぬ。それだけはなんとしても避けたかったので魔法で速度を緩めた。…緩めることしかできないのです、私は。
結果、怪我したもののなんとか無事なようだった。安心したがそこにいてはかわいそう。だけど、そこから先は私が家の手入れと防衛のために創った魔物だらけ…。流石に悪いので急にあのような設定を作った。その効果あってかすぐに私のところまできた。嬉しかったが、どうも困った。
ミレイユの時は顔を魔法で変えていたので本当の顔を見られてなかったが、今回はそうにもいかない。ただ、ここに来て「あ、はい。」で終わらすのもなんか物足りない。…折角だし、手合わせしてみようかな。もちろん手加減するけど。
そう思って雰囲気を出したら本当に危なかった。魔法防壁のおかげで初撃を防げたし、それがなかったら正直危なかった。…つい、本気になってしまった。楽しかった。だけど、やりすぎてしまった。初めて人を殺ってしまった、と思った。私を受け止めてくれた大事な人だったので焦った。どうしようと思い焦っていたら起き上がった。死んではなかったようだ。私は安心した。
人と過ごすとこういうことがあってそれでいて楽しい。ただ、やっぱり別れは辛い。でも、行動には移せなかった。怖いから。だけど、彼はそれでも進むべきだといった。隣にいるから一緒にと。嬉しかった。そう言ってくれる人がいるんだと思った。その時に感じた。
私はこの人が私の特別であることを求めている、と。
ちょっと、話に無理があった…。下手なんでこんなもんだよ…。
次から本編の予定でしたが、もう一話外伝が入ります。すみません。