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処刑20 侍と忍

「御主、何者でござる?」


 マイケルの眼が茜へ疑いを向けている


「何を言っている? お前の主の桐谷茜本人であろう?」


「そうとは思えないでござるなぁ、まず会長殿なら儂の怪我に気づきそこに対し声を掛けるはずでござる」


「私の部下ならばその程度の傷は大したことの無いものだ」


「そうでござるか」


 茜への違和感が徐々に膨れ上がる、マイケルが最も引っかかっている部分は別にあった


「何をジロジロ見ている」


 恥ずかしがるように身をよじる茜、おかしい、おかしいのだ、本来茜に無いものがある


「会長殿......」


「なんだ?」


 マイケルは大きく息を吸い込む


「御主は偽物でござる! 何者でござるかぁ!」


「お前今日おかしいぞ? どうした?」


「ええい! まどろっこしい! もう言うでござる! 会長殿は......本物の会長殿はぁ!」


「おいおい」


「ぺったんこでござるよぉ!!」


「ぺった、え?」


 本来桐谷茜に無いもの、それは胸だ、この女の胸元には行隠し切れず己の存在を主張する膨らみがある、日頃の茜を知っていれば違和感しかない


「生憎うちの会長殿はその様なたわわに実った果実は持ち合わせてないでござる!」


 ♦︎♢♦︎♢


「くちゅっ!」


 ギルド内で茜が可愛らしいくしゃみをする


「何よ風邪? 夏風邪? あんたらしいわね」


「美遊、それはどういう意味だ?」


「それよりこれからどうするのよ」


 ギルドでは今後の作戦会議が行われていた、岡部が入れたお茶をすすりながら茜が答える


「まずはマイケル待ちだ、彼奴が戻らないと動けない」


「何でマイケル1人に行かせたの?」


「敵の要望だ、そうでもしなければ被害が増える、マイケルなら大丈.....ぶ」


 茜は突如意識を失い額から会長席に強打し、かなり強く打ち付け鈍い音がしたが茜は動かない、1番に動いたのは岡部


「会長!? 会長! しっかりしてください!」


 肩を揺すっても返事がない、岡部の顔が青ざめていく


「ちょっとちょっと! 何が起きてるの! バ会長! 遊んでる場合じゃないでしょ!」


「美遊さんは会長の事をお願いします! 私は救急車......いえ! FBIとレスキューに連絡します!」


「副会長! 落ち着いてよ! 貴方がパニック起こしたらこの場は終わりよ! 落ち着いて!」


「落ち着いて入られますか! これはやり過ぎです、会長! 会長ぉ!」


「まずは救急車! あと日本にFBIはいないわ!」


 パニックを起こしている2人とは対照的に冷静な楓が会長席に近づき茜の顔を横に向ける


「寝てるだけだよー!」


「「え?」」


 額は強打し赤くなってるものの、茜は穏やかな表情で寝息を立てている


「何でいきなり寝たのよこいつ」


「んー? 疲れてたんじゃない?」


 茜が被害を受けていない事を理解できた岡部は冷静さを取り戻した


「おかしいですね、会長が作戦中に居眠り何て有り得ません」


「楓先輩の言う通り疲れてんでしょ? 寝かせてあげましょう?」


「ですが......」


「どっちにしろ、バ会長がこの状況ならマイケルが戻るまで動けないのは確かな筈よ」


「そうですが」


「とりあえず待機だねー!」


 茜が起きるのを待ちながらギルドで待機する事が決定した


 ♦︎♢♦︎♢


「そんな馬鹿な!?」


 偽物の茜は自らの胸を揉みながら確認するとマイケルは目を背ける


「御主は何者でござるか、会長殿に変装とはいい度胸でござる、そして、その……目のやり場に困るでござるからやめるでござる」


「そんなに大きい?」


「やめるでござる! 会長殿のイメージが下がるでござるぅ!」


「ふっ! あはは! 良く見破ったね! そうさあたいは桐谷茜ではない! ご本人は今頃お寝んねさ!」


 制服を脱ぎ捨て一瞬で姿を変えた女は肌を多く露出したくノ一


「また目のやり場に困るでござるぅ! 会長殿に何をした!」


「はっはっは! そう照れるな照れるな! ちょこっと睡眠薬をね」


 茜の爆睡の原因は岡部の入れたお茶、先日お茶を切らしていたのは諜報部の作戦、新品を購入させ、睡眠薬を調合したお茶っ葉と入れ替えたのだ


「会長殿は無事でござるか?」


「安心しなよ、日頃疲れてるだろうからね、偶にはぐっすり寝て貰おうと思ってね」


「御主は敵でござるな」


「そうだよ? あんた強いね、翔くんをここまでボコボコにするとはね」


「翔くん?」


 女が指差したのは先程の鎖鎌の男、壁に埋まっている


「鎖鎌の翔、うちの副部長さ、そしてあたいが部長の霧隠きりがくれ 麗羽れいは


「此奴が頭では無かったでござるか?」


「そうだよ? 前に会った事あるよまぁその時はあたいの変装に気づけなかったんだろうね、とにかくさ、その刀欲しいんだけど」


「解らぬでござる」


「仕方ないじゃん、あたい達にはその刀が必要なんだ」


「違う! 御主は部下がこの様な目に遭っているのに何故そうヘラヘラとしておる!」


「まさか、アタイだって腹わたが煮えくり返りそうだよ」


「ならば!」


 女は右手を額に当てやれやれと溜息をついた


「勘違いしてない? その刀を奪うためなら何だってする、まずは目的が第一!」


「……っ!?」


 マイケルの頬を苦無がかすり背後の壁に突き刺さる、数秒経ってから血が流れ始めた


「どしたの? この程度避けれなきゃ話にならないよ?」


 この女、先程の男より強い


「油断ならぬでござるな」


「あんたもね、一年前の惨事の事はまだ恨んでるから」


「ならば、尋常に!」


「遅い!」


 麗羽はマイケルが刀を抜く前に動いた、数が増えたのだ、十数人の麗羽がマイケルを囲む


 分身の術、高速で動くことで残像で幻覚を見せる


「こんなシチュエーションでは美女に囲まれても嬉しくないでござるな」


「はは! 上手だね!」


「っ!?」


 苦無だ、四方八方どの方向から飛んで来たか解らない苦無がマイケルを襲う、数秒で生傷が増えていく


「こんなものかい?」


「ぬぅぅぅ!」


 マイケルの左胸に苦無が突き刺さる、多量の出血でら赤黒い染みが和服に浮かび上がる


「あーあ、こんな雑魚にうちらは潰されたの……」


「っの……舐めるなぁ! 小娘が!」


 苦無を抜き取り床に投げ捨てる


「やるぅ!」


「桜花抜風!」


 居合と共にマイケルを中心に空間が裂け円状の衝撃波が発生する


「はっはっは! すごいね、二階を突破したやつだ!」


「なぬ!?」


 マイケルが吹き飛ばしたのは布、和服がひらひらと床に落ちる


 空蝉の術、変わり身の術の布タイプ


「すごいねその刀、あ、後ろだよ?」


「ぬっ!?」


 マイケルが振り返ると麗羽の人差し指が頬をつついた、余裕の有る悪戯だ


「焦らない焦らない」


「おちょくりおって!」


 マイケルの蹴りが炸裂したがまた空蝉の術で躱された


「今からあんたは忍術を経験するんだ」


 麗羽が高く跳躍、額に苦無を1本構え何かを念じてから投げつけた


「どこを狙っているでござる!」


 苦無はマイケルに掠ることもなく床に突き刺さる、麗羽は綺麗に着陸しマイケルに歩み寄る


「どんな感じ?」


「ぬっ! うぅ! これは!?」


 体が動かない、苦無に念を込め投げた際に狙ったのはマイケルの影、床に突き刺さっている苦無が動きを封じている、薄暗く蝋燭の灯りは無防備な影を作り出していた


「影縫いの術、やるもんでしょ?」


「くぬぬ……ぬぎぎぎぎぎ!」


「無駄無駄ぁ! この術は得意なんだ! さーて、じゃあいただくよ」


 鞘ごと刀を抜き取ろうとするが


「させぬ! させぬぅ!」


 息を荒げ気合いと根性だけで呪縛を解き、何とか動かせたマイケルの右手が麗羽の腕を掴んだ、千切れそうな程に血管が浮き出ている


「駄目だよ、この刀が必要だ」


「何故この刀を狙う、目的は何だ!」


「うるさいよ」


 強烈な平手打ちを食らった音が木霊する


「つぅ……女性の平手は聞くでござるな」


「どっちにしろ動けない筈だよ、そのまま黙って」


「幸い口は動くでござる」


「口が動いてもどうしようもないだろう? それともあたいにキスでもするか?」


 がっちり麗羽の手首を握りながらマイケルは話す、彼女の冗談を物ともしない


「諜報部は迷っているでござる」


「迷っている?」


「御主もだ麗羽殿、儂の左胸に刺さった苦無、激痛ではあるが致命傷ではない、何故留めを刺さない、御主からは殺気が感じられない」


「何が言いたい」


「翔殿もだ、まだ彼奴の方が殺気はあったが、焦っているのは御主ではないのか?」


「うるさい! 離して!」


 麗羽が乱暴に振り払う、目の焦点が合わず明らかに同様している


「御主は何が目的だ、この刀を狙う理由は」


「黙れ! 黙れ黙れ黙れ!」


「本当はこんな事したく無いのだろう」


 影縫いの術が溶けていく、麗羽の精神力が落ち始めている


「刀をよこせ! でなければ!」


「でなければ?」


「命はいただくよ!」


 完全に術が溶けてマイケルは自由になると麗羽は距離を取り両手を組み人差し指を立てながら念を唱える


 また地響きがしてからそいつは姿を現した


「見事でござるな」


 巨大な其奴を見上げ思わずマイケルは呟いた


 麗羽が載っているのは巨大な蛙の頭、この口寄せの術は大昔に自来也という有名な忍が生み出した大蝦蟇だ


「どうだ恐れたか! たとえどんな奴だろうとこの大蝦蟇には敵わない!」


「悪いがそのペットでは儂には届かぬ」


「やってしまえ! 殺しても構わない!」


「無駄な殺生は嫌いだ」


「どの口が! あんたの正体は知ってるんだ!」


 大蝦蟇が飛び上がりマイケル目掛け落下する


「その情報はどこから得た、儂は御主達を救いたい」


 マイケルは大蝦蟇の下敷きにされた様に見えたが一瞬で移動したマイケルはしっかりと攻撃を避けていた


「そこだぁ! ワン助!」


「ほぅ?」


 マイケルの右腕に柴犬が噛み付いた、かなりの顎の力、犬歯が深々と刺さっている


「口寄せは大蝦蟇だけじゃ無いのさ! ワン助もミャー子もトゲ太郎もアタイの手足さ!」


 トゲ太郎が何なのか妙に気になるが、彼女が動物好きなのは解った


「犬っころ、お前の主人は儂が救う、こんな事間違っているでござる」


 ワン助はマイケルの事を信用したのか顎の力を弱め解放した


「ワン助!? ワン助ぇぇ!」


「ん?」


 マイケルが目をやると壁の方で一匹の猫が爪研ぎしている


「あぁぁぁ! 壁で爪研ぎしちゃダメっていつも言ってるだろぉ! でもそんな姿もかわいいよミャー子ぉ!」


 猫とは自由な生き物である


「何なんでござる、これ」


「うるさい! あんたなんか大蝦蟇とトゲ太郎で充分さ!」


「だいたいトゲ太郎……ハリネズミィィ!?」


 突如遠方から丸まって飛んできたハリネズミがマイケルの右頬に直撃、その後トゲ太郎は二本足で床に着陸し両手を広げて決めポーズを取る


「よくやった! よくやったトゲ太郎! 後でおやつあげる!」


 拍手しながら麗羽は頷いている、この親バカめ


「まるで道化でござる」


「何だと?」


 マイケルへ大蝦蟇の鋭利な舌が伸びるが飛んで回避


「御覚悟を!」


 マイケルが着地したのは大ガマの舌先、そのまま全力で駆け上がっていき、すぐに大蝦蟇の頭上に飛び乗る


 麗羽の目の前で身を低くし目線を合わせる


「なっ……!?」


「御免!」


 右の拳を振り上げ麗羽を殴り飛ばす、彼女が床に背面から落ちるのと同時に口寄せの術が解け大蝦蟇は小さな蛙へと姿を戻した


「ったいなぁ!!」


 上半身を起こし右頬を摩りながらマイケルを睨みあげる


「勝負ありでござる」


「流石は生徒会のマイケルって事か」


 麗羽は抵抗する素振りを見せない


「今回もまた相手が悪か……翔殿?」


 麗羽に歩み寄るマイケルの足を地面に這い蹲りながら鎖鎌の翔が必死に両手で抑えている


「頭領に、手出すんじゃねぇ……」


 眼を赤く充血させながら微かに息を漏らしながら呼吸する翔の憎悪は悪寒が走るほどだ


「やめなよ翔くん、アタイ達の負けさね」


「頭領! 俺はこいつの首を刈り取る! まだ諦めねぇ、諦めらんねぇ!」


「ごめんねぇ、聞き分けの無い部下で」


「離すでござる、儂は麗羽殿に危害は加えぬ」


 吠える翔を離そうとしてもがっちり掴んだその手は離れない


「うるせぇ! 噛み殺すぞごらぁ!……あふぅん」


 翔の力が抜け床に顔を突っ伏した、恐る恐る麗羽を見ると竹筒を加えていた


「ごめん翔くん静かにしててね」


「吹き矢でござるか」


「忍は薬のプロでもあるのさ、唯の睡眠薬だよ、翔くんいると話が進まないし余計ややこしくなるから」


「不憫でござるな」


 熟睡中の翔は寝息を立てながら手を離す、麗羽は胡座をかいて話し始める


「まず始めに、その刀を此方に渡すつもりは無いのだろう?」


「常人が持つ物ではござらん」


「後悔する事になるよ、桜花流」


 マイケルの片眉が動き瞬時に刀を抜くと刀身は麗羽の首筋へ当てられていた


「誰から情報を得た、裏にいるのは桜花流か」


 麗羽は恐る事もなく毅然とした態度でマイケルの眼を見つめる


「あんたは頑張ったから情報をあげる、刀を渡して、それが正しい選択だよ、あたい達は全て知っている」


「何が情報でござるか、それは唯の横暴でござる、話しが進んでいないでござる」


「まったく頑固だねぇ、世の中には譲れない物があるんだよ、桜花流師範……」


 麗羽の首が斬られ体と離れたかと思うと煙幕に包まれまた布が床に落ちる


「御主どこまで知っている」


「どこまでもかな、あたい達の負けさ、早く生徒会に帰りな」


「あっさりとしているでござるな」


「これはあくまで忠告だよ、今回の行動含めてね、そして警告は豊に手を出したら生徒会全員無事では済まさないよ、どんな卑劣な手段を取ろうともね」


「何の事でござる?」


「さぁ帰った帰った、もう悪さはしないからさ」


 釈然としないがマイケルは城を跡にするしかなかった、この女はこれ以上情報を出すつもりは無いらしい、更に刀は無事だ


 諜報部もおとなしくなり無事処刑完了、なのだが胸騒ぎが治らない


「今回の件は桜花流が必ず絡んでいる、しかし何故」


 考えても解らないがとりあえず処刑は完了した、このままギルドに戻り報告が待っている、マイケルは重い足取りで山を下っていった


「あーあ、負けちゃったなぁ、強いね生徒会は」


 麗羽が仰向けに寝転がる、ワン助が申し訳なさそうに顔を舐めてくると優しく頭を撫でた


 翔はまだ起きる気配がない


 静かな堂内で気配があるのは自分達だけだと思っていた


「人が悪いね、覗いてたのかい」


 無言で鎮座する仏像の方角へ麗羽が声をかけると男の声が返ってきた


「酷くやられたね」


「約束は守った、生徒会のマイケルと全力で闘ったよ、これでいいんだろ?」


「ダメだね、全く君達には失望したよ、この学園最強だって聞いたから協力要請したのにこのざまだ」


「何だと?」


「まぁ今日はゆっくり休みなよ、明日からまた頑張ってもらうから」


 そう言葉を残すと男の気配が消えていた、唇を噛み締め天井を仰ぐ、悔しい、その想いだけが麗羽の胸に過ぎった


 ♦︎♢♦︎♢♦︎♢


「ただいまでござる……!?」


 ギルドの扉を開くと岡部に口を塞がれた


「静かに、物音立てたら殺されますよ」


 生徒会室内では女子3人が寝息を立てている


「何事でござる?」


 小声で話すマイケルへ手でジェスチャーして廊下へ出し説明を始める


「突如会長が眠ってしまいまして、美遊さんと楓さんも退屈で昼寝を……」


「人が死にかけながら処刑をして来たというのに呑気な人達でござる」


「ですがよくぞ無事に帰っ!? 怪我を! 直ちに手当します!」


「岡部殿は大袈裟でござるなぁ、この程度怪我に入らないでござるよ、儂は平成一の侍でござる、それより面白い事があったでござる」


「面白い事?」


「相手の大将でござるが、会長殿に変装して儂に近づいて来たでござるよ」


「失礼な行為ですね、会長に変装とは」


「それが見た目そっくりでござったが胸だけは変装でも誤魔化せなかったでござる! 会長殿がぺったんこで助か……岡部殿?」


 岡部が冷や汗を流しながら青ざめマイケルの後ろを凝視して動けなくなってしまった


 恐る恐るマイケルも振り返ると、桐谷茜が不機嫌そうに腕を組み仁王立ちしている、顔は笑っているがこれは確実に怒っている、ドス黒い殺気が滲み出て周りの空間が暗くなるのを錯覚する程だ


「どうした? 報告を続けろ」


「これはこれは会長殿! 嫌でござるなぁ! 男子の会話を盗み聞きとは! はっはっは! 今日も会長殿は美し……!?」


 茜の右手が伸びてマイケルの顔に拳を突き立てる、目に見えない速度で飛んだ拳が鼻先で止まった


「続けろ」


 茜の背後に阿修羅が見える


「お、岡部殿! そうでござろう! 会長殿は今日も!」


 岡部の眼鏡に亀裂が入る、緊張と恐怖が体から滲み出て媒体である眼鏡が限界を迎えていた


「か、会長、私は気分が優れません」


「よし、もう帰っていいぞ、私はマイケルと楽しい楽しい状況報告があるからな」


「失礼します」

(すいませんマイケル、私にはもう何もできません)


「岡部殿がいつもより速い!?」


 岡部は光の速さで帰宅した、ゆっくりとマイケルに目線を合わせる茜が怖い


「よく無事に帰ってきたな」


「は?」


「手当は自分でやれ、それくらいの体力は残っているだろう」


 茜は拳を納めて背を向けた


「折檻は……」


「なんだ? 御所望か?」


「断じて! 断じてぇ!」


 必死に懇願するマイケルを見て茜の口元が緩む


「今回だけは許してやろう、諜報部は大人しくなったか?」


「ははぁ! このマイケルがしっかりと処刑してきたでござるぅ!」


「そうか、今回の件は謎が多い、まだ警戒は解くなよ」


「会長殿……今回は儂が招いた謀反かもしれないでござる」


「何?」


 いつになく真剣なマイケルに茜は耳を傾けた、窓からそよ風が入り込みカーテンが揺れる、そしてマイケルが口を開いた


「桜花流」


 諜報部を抑えることに成功した生徒会、しかしこの事でまた新たな歯車が動き出す

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