87懸念材料と全員参加
「解体の段取りとしてはどうするんじゃ?」
そうだなぁ。
「取り敢えず僕とリーフさんが帰ってくるまでは、シェルターの中に籠りながら、現れたコボルトを狩る形でいいんじゃないかな?って事でシェルターの中で解体かな?」
「んー。良いんだけど、それだと、逃げ場がないんだよね…」
あれ?
「随分慎重ですね。何か懸念でも!?」
「いや、今日の午後からの狩りで決まってくるんだけど…オークを千頭、コボルトを千頭狩ったら、コボルトヘビーやラージコボルトを主に相手取ることになるよね?」
あぁ。
「確かに、今日四百頭近く狩ってるから、そうですね」
「多分だけど、結構な確率で、その上のランクの奴が現れないかなって…少し不安なんだ」
そうか!!
「今までは、所詮四百ですからね。上のランクのコボルトヘビー達を見ませんでしたけど、状況によっては、上のランクのコボルトが現れることは、充分あり得ますね…」
「そうなのよ。協力者の皆は、今日が初陣の子達も多い。戦いに慣れた元騎士団に指揮をして突破するのとは根本から違うでしょう?」
「でも、ですよ。根本的に戦術が違いますし、能力も段違いに強い筈です。あまり心配しない方が良いのでは?」
「うーん」
歯切れが悪かったのはこの辺か…
「僕は、今の朱音さんに全然及ばない能力で、四百頭という数を狩ってるわけですし」
「にしても、戦い方や心構えってのは、大事だから…具体的には、戦闘担当とほかの担当との温度差があると辛いなぁ」
確かに仰る通り。
僕も初めて獲物を仕留めた時は、結構キツかったもんなぁ…
「ならですね。一万二千頭を狩り尽くすまでは、担当分けをしないことにしたらどうでしょうね?」
「ほぅ。具体的にはどうする気なんじゃ?」
アーサー、凄く唐突だよ。
ビックリするじゃない。
「聞きたいねぇ」
はいはい。
「確認しておきたいですね」
リーフさんは嬉しそうだね。
「どうせ、私は索敵担当でしょう?」
まぁな。
「効果的なの?」
どの程度まで効果があるかな…
「御影はその通りだ。効果のほどは、蓋を開けてみないと解らないですね。でも、元々解体は全員参加と言うわけですから、悪くないと思えますが…」
「と言うと?」
「戦闘時は、必ず索敵担当か戦闘担当を受け持って貰います。解体は皆で、運搬担当は、輸送後にまた、解体に戻ることにして、固定せずに順番に。料理の配布は全員参加。褒賞金の受け取りと、販売は僕の嫁さんであるリーフさんが受け持つ、料理は恵美さんが1人でする。褒賞金の配付については、計算をキチンと出来る御影に任せるってな具合なんだけど?あぁ、検算は希望者がいれば参加して貰ってもいいな」
「確かに、今までも選べる余地はほとんど無かったのう…」
そうだねぇ。
「まぁ、自分に合った生き方を探るって意味では悪くないんじゃないかい?皆が等しく、今後の仕事を担う為の機会を持てるじゃないか!!」
そうなんだよね。
「ええ、特に料理配付担当なんて、完全に戦闘から排除されますからね。希望者が殺到したら目も当てられませんものね」
「安定するまでは、皆で力を合わせましょうという考え方で、動けるというのは組織としては、非常に動きやすくなると思いますよ」
さすが元騎士団長。
わかってますね。
「そうだね。そういう形で意思の統一が出来るなら、危機にもキチンと対応できそうだね。私の指揮でも生き残れると思う」
いやいや。
「逆に朱音さんの指揮を受けて生き残れなかったら、ラードのほかの誰の指揮を受けても生き残れないはずでしょう?燈佳さんの太鼓判なんですよね?」
「いや、まぁ、多分…でも、そんなことないよ。リーフ様の指揮にはとても敵わないし」
珍しく照れてるね。
「いいえ、朱音、攻めの指揮ならともかくとして、死なないための指揮なら確実に貴女が上ですよ。自信を持って!!」
リーフさんも太鼓判だね。
「是非、皆に生きるための指揮をしてあげてください!!」
「全力を尽くすね」
助かります。
「ありがとう」
「さて、戻るかのぅ。8じゃ」
ありがとう、アーサー。
貴方がいなければ、ホントに進まないですね。
「褒賞金だね。」
「取り敢えず、戦闘と運搬と解体と料理配付担当は、全員が対象になるから、褒賞金の額は同じになるね。索敵担当はその分増額、運搬は出来ないけど、一緒に着いていくんだから良いでしょう?」
「私が褒賞金と販売の担当なんて心苦しい気がします」
まぁ、気持ちはわからんではない。
「リーフさん、信用が出来る人で他に頼める人がいませんよ。担当を作らないのは論外ですしね」
「そうだよね。私は索敵担当としての戦闘の指揮で離れられない。美孝さんは解体に大わらわ、御影は信用できない。アーサーさんは幽霊だもんね。セーフさんも同様。リーフ様以外居ないな」
いや、そんな消去法のような言い方は止めてあげて!?
「仕方ないのですね…」
あぁ、落ち込んじゃってるじゃない!!
「リーフさん、貴女の強さと誠実さ、そして僕のお嫁さんとしての立場もあってリーフさんなんですよ!?ほかの人では困るんです」
「そ、そうですか?じゃあ頑張りますね。でも、わからないことだらけなので応援してくださいね」
わかりました。
「ありがとうございます」
「いいえ、そんな…」
でも…
「でも、ごめんなさい。僕が直接は一緒に行けないんです。だから、セーフと一緒に行動してもらいますね」
「そう…そうですよね…美孝さんの代理で動くんですものね…」
そんなに悲しい顔をしないでよ…
「でも、今日の内なら時間がとれる筈です。さっき約束したデートの時に、一緒にギルドや友人とも会ってください」
「はいっ!!是非ともに!!喜んでご一緒します。うーっ!はっつデェート!!たっのしみぃーっ!!…はっ」
踊り出した…
自然と皆の視線もリーフさんに集まる。
こんなに浮かれたリーフさんは初めて見た…
そんなに長い付き合いじゃないんだけどさ。
しかも、無意識だったらしく、気付いて縮こまってるし…
「リーフ様が、踊りだすのはずいぶん久しぶりだね」
「可愛いですね…僕とのデートをそんなに楽しみにして頂けて幸せですよ」
「はぅ。止めてください。燈佳にも、騎士団長らしくないからとたしなめられていたんです。恥ずかしい…」
「もう騎士団長ではないですから、気にしなくて良いですよ。僕は貴女の可愛らしい姿が見られて幸せです」
「でも…いいなぁ。デート、羨ましいなぁ…」
朱音さん…
「燈佳さんが甦って、一段落したらデートしましょうよ。貴女も僕のお嫁さんになってくれるんでしょう?」
瞬間的に笑顔がこぼれ落ちた。
「えっ!?いいの?」
もちろん。
「大したことは出来ないですし、朱音さんが僕に愛想を尽かしてなければですけどね」
「嬉しいっ!!約束ね!?絶対よ!!」
元気ですねぇ。
「その時は私もお邪魔していい?」
「えーっ!!そんなこと言うならリーフ様のデートも着いていきますよ!?」
「あっ、そうよね。ごめんなさい。2人きりでお願いします」
「でしょう?なら、私も邪魔はしません!!」
「そろそろ、ええかのぅ?話を戻すぞ?」
うおぉ…
アーサー、ありがとう。
「料理担当については、交渉のもと仲間に入って貰います。多分協力して貰えると思いますよ」
「検算について思い付いたんだがねぇ。希望者には全員で参加させても良いんじゃないかい?それで、参加に対しての褒賞金と、万が一間違いを見つけた時の褒賞金を出すんだ」
「具体的には?」
「参加には千ラード。間違いを見つけた奴には一万ラードと、褒賞金配付担当の座でどうかねぇ」
「千ラードは高すぎます。200ラードで十分だと思いますよ」
「そうじゃな」
「じゃあその方向で決定ね。がんばってな御影…」
「うぅ、キツいなぁ」
仕方ないだろう?
「さて、9の飯の配布じゃが…結論が既に出とるのぅ」
なんとかここまで来たか…
「そうだね。次に進んでいいじゃない?」
「10の褒賞金の受け取りと肉の売却も結論がついとるの」
「はい、今話しましたからね、じゃあ検討し残しは無いと思いますが、意見があれば言ってください」
「「…」」
「では、検討は終わりです!!」
「次は…」
「やっと、実験を開始できます!!」
長かったなぁ。
瑞木美孝18才
レベル28(16)
体力値215(150)=32250
魔力値219(150)=32850
力339(150)=50850
知力231(150)=34650
俊敏さ214(150)=32100
器用さ220(150)=33000
幸運値250(150)=37500
魅力437(150)=65550
風10(150)=1500
水10(150)=1500
火10(150)=1500
土10(150)=1500
光10(150)=1500
称号
貧乳も好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、コボルトの天敵、難病の克服者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
精霊魔法信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・範囲観測中級
回復・催眠・風魔法・馬術・火魔法初級
武装レベル:槍13、剣8、投擲19、打撃1、短剣20
妻
リーフ
相性
綱芳(340)さやか(653)恵美(595)武司(95)玲子(55)朱音(2101)メルー(72)道緒(83)直(101)メアリー(87)燕(89)レモン(83)流々(88)里乃(81)リーフ(2403)奈美枝(203)御影(30)
天河(53)春臣(87)君里(71)秋虎(72)アーサー(238)太陽(79)七海(71)
精霊:風(13,5)水(9,3)火(9,1)土(8,7)光(7,9)闇(10,8)
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・御影
天河・春臣・君里・秋虎
設定
一部非表示
やっと書けました。
なんか気に入らなくて、ぐちゃぐちゃ書いては消してたら、時間かかっちゃいました。
お待たせしてすみません。
楽しんでいただければ幸いです。