82口移しのスープと10年寝る魔法
「納得したところで、次に移るかねぇ」
セーフが引き気味だ…
珍しいな。
「じゃあ、いくかの。討伐した肉の回収じゃな」
「近付く魔物の全てを倒滅するのは良いとして、美孝さんが徒歩で回収って…無理がありませんか?そりゃ力や早さは凄いですけど、普通に考えて荷馬車までの往復が千回必要でしょ?」
ん?
千回?
「御影、2千回の間違いじゃないのか?」
「貴方なら、両手で引き掴んで持ってくるでしょ?」
うっ!!
「まぁ、それ位の力は楽勝であるけど…不正解だ!!」
「じゃ、どうするんですか?」
「収納ポケットを使うんだよ」
「「「収納ポケット?」」」
あれ?リーフさんや朱音さんまで?
「あれ?皆に飯を配った時に見せてるんだけど…わからないかな?あと、色んなものを出し入れしてるし…」
「確かに、さっきの能力で名前は見ましたけど…どんな力かはさっぱりです」
はれ?
全然着目されてない…
「右に同じ。飯の時は、手品しながら配るなんて酔狂な兄ちゃんだなぁと思っただけです」
そんな感想?
その後も何回か使ってますが…
「私は御飯の時は、既に手に持っていたのを貰っただけなので、イカれた光景を見た覚えはありません」
悪意のある物言いだなぁ…
御影よぉ!!
「そうですか…じゃあ謎のままと言う事で、次に行きましょう!!大丈夫です。僕が回収すれば良いですから!!問題無しです」
「ま、待ってください」「すごく気になるよ」「生殺しじゃないですか!!」
さっきまで、気にしてなかったでしょうが。
「黙りなさい。結構、覚悟して能力をさらしたのに…それで済むんなら、隠す必要ないですし…知らなきゃ広まらないんですから…言いません!!」
「まぁまぁ、瑞木、リーフと朱音には教えてやりなよ」
ん、まぁ使う可能性あるしね…
セーフがそう言うなら。
「ふぅっ!!仕方ないですね。御影、部屋から出な」
「いやっ、いやいや、わた、私も教えて下さいよ!!仲間外れなんて酷いじゃないですか!!」
長い髪を振り乱して、涙を浮かべて抗議する。
絵になる姿だ。
個人的には全くそそられないが…
「うるさいから少し黙れ。この二人は同じ能力を使う可能性が高いから話すだけだ。お前には欠片も可能性がないんだから聞いても無駄だよ」
「そうですよ」「美孝さんの嫁にしか関係ないよ」
あっ!!
朱音さん!?
なんで言ったのさ!!
「朱音さん!!」
「あっ、ごめんなさい美孝さん!!」
全くもう!!
「聞き捨てなりませんね!!美孝さんの嫁にしか?それって嫁になれたら凄いことが起きるってことなんですか?」
あーあ。
「朱音さん!!猛省してください。二度目は許しませんよ!!」
「はいっ!!ごめんなさい!!」
「もしもーし!!美孝さーん!!質問に答えなさーい!!」
嫌だよ。
「こういうお馬鹿さんに教えるとろくな事が無いんですから!!気を付けて下さいね」
「わかりました…」
「おぉーい。無視しないで下さいよぉ。ホントに泣きますよ?」
さっきのはやっぱり嘘泣きかよ!
ギルティ!!
「あのな、お前は欠片も好みじゃねぇ。寧ろ一番嫌いだって言ったろうが!?嫁にするわけねえだろう!!無関係なんだから黙って外に失せろ!!」
「いやぁ、えへへへっ『美孝さんみたいに真面目な人なら、既成事実から嫁の座を勝ち取る位造作もないでしょう?』」
テメェ!!
ぶちっ!!
「御影ぇ。お前は俺を怒らせた!!覚悟しろ!!」
「かっ、覚悟なんて嫌です!!」
ま、殺しはしない。
「マナよっ!!メタルスリープ10分間!!」
その瞬間、不可思議な音が部屋の中に響く。
そこには引き吊った顔の御影の像が現れた。
材質は青銅だ。
勿論、御影の成れの果てである
「全く、最低だ」
「愚かだねえ」
セーフ?
「どうせ、この馬鹿は体で迫ろうとか考えたんだろうね」
ふむ。
「でしょうね」
言葉を濁す。
「10分経ったら戻るんでしょう?」
リーフさん、わかるの?
「うん、そうだよ。でも、心配要らない。金属から戻るときに直前2分の記憶が消えるからね」
「あぁちょうど、私が漏らした時刻ですね」
えっ、と言ってリーフさんが、下腹部に視線を走らせた後、顔を赤くする。
いやいや、下品なボケは止めなさい。
「リーフさん、朱音さんが御影に嫁の件を知られた時刻です」
「はぁっ!!」
…俯いた。
可愛いねぇ。
「この馬鹿が起きる前に手短に話すとしますか」
「…お願いします」「はい!!」
よろしい。
「収納ポケットというスキルがあります。体の一部に触れている状態のものなら、いつでも、仕舞うことが可能です」
「「何処に?」」
「亜空間だと思われます。収納してると、時間を経過していないので…このレストとは違う物理法則の世界を作り出して、その中に置いてくるイメージです」
「「亜空間?」」
わからないかな?
「見えない、大きな大きな袋を隠し持てると思ってください。しかも、その袋には重さを無くしてしまう。不思議な魔法がかかっています。入れるには体の一部が触れていれば大丈夫。出すのは体の何処からでも出す事が出来ますよ。こんな風にね!!」
着ている鎧を収納に仕舞って、指先から薄いスープをポタポタとスープを出してみる。
勿体ないから、ホンの少しだ。
「これは?」
「弱ってる子に飲んで貰った薄いスープですよ。飲みますか?」
「うん」
うわっ!!
指先に吸い付かれた!?
何すんの、朱音さん!!
「ふみゅ。おいひい。もっひょ」
くわえたまま話されると指先がくすぐったい!!
もっと?
仕方ないな。
指先から出す量を少し増す。
ゴクンゴクンと、喉を鳴らしながら飲む姿が愛らしい。
「こんな感じで良いですか?」
不満そうな瞳、軽く二の腕をトントンと触れられたので、スープを出すのを止める。
「すごく美味しいんだけど…飲みにくいの!!美孝さんに座って良い!?」
えっ!?
答える間もなく、すぐに膝に座って見上げられた。
「仕方ないですね。特別ですよ?」
赤ん坊を抱くように背中を腕で支えて、指先を差し出すと、さっきのように口にふくまれた。
「じゃあ、最初は少しずつね」
軽く頷くので、スープを出すのを始める。
「もう少し多くしますが、もう良いなら、肩を叩いて下さいね」
頷くと、幸せそうに飲み始めた…
うーん。
これって授乳してる感じが物凄く強いんですが!!
母性に目覚めそうだ…
相手は年上の女の子なんですがね!!
2分位して、満足したらしい。肩を叩かれたので供給を停止。
「ごちそうさまでした」
満足そうだ。
「はい。じゃあ降りてくださいね」
「嫌だって言ったら?」
そりゃあ。
「あそこで順番待ちしてる人にも同じこと言えます?」
「えっ!?」
気付いてなかったんかい!!
「早く退かないと、殺気に射殺されても知りませんよ?」
「はーい」
と言いながら、抱き着いてから立ち上がる。
鎧を仕舞ってしまったので、丸く大きな何かが僕の胸に押し付けられて凄く気持ち良いです。
本当にありがとうございました
「つ、次は、わた…私の番ですね!!」
リーフさん…
緊張しすぎでしょう?
「はい。どうぞ」
椅子を引いて、朱音さんに捩じ込まれて、開いた机との空間をさらに広くする
「わぁい。嬉しい」
物凄い勢いで、リーフさんとともに巨大な2つの丸い物体が飛び込んできた。
柔らかい…
どこまでも柔らかい感触が素晴らしいです。
本当に本当にありがとうございました。
「そんなに抱き締められたら、指先からは飲んで貰えませんよ?」
「何処からでも出せると仰いましたよね?こうすれば良いんですよ!!」
言いながら、肩に手を回されて、顔が迫ってくる。
「まさ…」
最後まで言うことなく、唇は奪われた。
このまま、口移しってことですか?
っていうか。
俺ってやつはセカンドキスすら相手からですかい…
「んー。んんーっ!!」
考え事してたら抗議されました。
積極的だなぁ。
その間にも、僕の唇は弄ばれ、揉みくちゃにされ、貪り尽くされた。
「ん」
スープを口移ししはじめる。
口の中には甘やかな、リーフさんの香りだけでなく、スープが満たされて、2人で飲み干しては供給される。
数分の間、2人で我を忘れて抱き合っていると…
うるさい奴が目を覚ましたらしい。
「いきなり、ふたりして何て事してるんですか!!羨ましい!!」
起きたか。
「黙りなさい。夫婦が人目を忍んでキスしてて何が悪いというんですか?」
リーフさん…
忍んでましたっけ?
「全く忍んでないじゃないですか!!」
そうだな、御影。
「美孝さん、私も次はリーフ様と同じにして!!凄く羨ましいっ!!」
朱音さんも…
「もう、コイツらダメ人間だよ!!」
まぁ、否定はしない。
「うるっさいねぇ。御影、黙りな!!」
あら、セーフ、貴女もフラストレーションがたまったみたいだね…
触れないからなぁ…
こればっかりは何ともしがたいんだよな…
瑞木美孝18才
レベル28(16)
体力値215(150)=32250
魔力値219(150)=32850
力339(150)=50850
知力231(150)=34650
俊敏さ214(150)=32100
器用さ220(150)=33000
幸運値250(150)=37500
魅力437(150)=65550
風10(150)=1500
水10(150)=1500
火10(150)=1500
土10(150)=1500
光10(150)=1500
称号
貧乳も好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、コボルトの天敵、難病の克服者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
精霊魔法信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・範囲観測中級
回復・催眠・風魔法・馬術・火魔法初級
武装レベル:槍13、剣8、投擲19、打撃1、短剣20
妻
リーフ
相性
綱芳(340)さやか(653)恵美(595)武司(95)玲子(55)朱音(1975)メルー(72)道緒(83)直(101)メアリー(87)燕(89)レモン(83)流々(88)里乃(81)リーフ(2222)奈美枝(203)御影(55)
天河(53)春臣(87)君里(71)秋虎(72)アーサー(223)太陽(79)七海(71)
精霊:風(13,0)水(9,3)火(9,1)土(8,7)光(7,9)闇(10,8)
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・御影
天河・春臣・君里・秋虎
設定
一部非表示
すみません。
寝落ちました。
楽しんで頂ければ幸いです。