74家の手配と褒賞金配付担当
「たっだいまーっ」
元気な声が響く。
「朱音さん。お帰りなさい。良い話が聞こえそうですか?」
「うん。結構有利な条件で買えそうだよ。って言うかさ。どんな条件を整えれば、そんな幸せそうな事になるのか知りたい!!」
幸せそう?
「幸せそうなって…僕がだよね?」
「リーフ様がだよ!!私も美孝さんに抱き付いたら、怒鳴られて弾き飛ばされたんだよ?なんで、そんなに幸せそうな顔で、ベッタリ抱きついてるの?羨ましいよ!!」
それは…
自業自得でしたよね?
「朱音さん、それは貴女の自業自得です。諦めてください。リーフさん?貴女のさっきの発言の責任を取って下さいますよね?」
「…はい」
すっごい名残惜しそうに離れていくリーフさん。
そんなに僕の側って居心地良いですか?
フィトンチッドでも出てるんかな?
脇や手をクンクン嗅いでみたけど、そんな匂いは感じられない。
「匂いなんて嗅いでどうかしましたか?まさか…!!私の体臭が気になりましたか?ごめんなさ…」「違う違う!!違うよリーフさん。泣かないで!!」
「じゃあ、何故ですか?」
不思議そうに愛らしい顔で見つめないで!
「さっき、リーフさんが凄く名残惜しそうに離れていったから、僕の体から何か居心地の良くなるような、例えばフィトンチッドみたいな匂いでも出てるのかなぁって思っただけなんですよ。まぁ、そんな形跡はありませんでしたけどね」
「まぁっ!そんな匂いなんか無くても、美孝さんの側は心地良いですよ。暖かいんです」
右隣に来て肩を寄せる。
ついでに、ユサっとした塊も右腕全体にのし掛かってくる。
全身鎧が憎いぜ!!
「あっ狡い。私も私もっ!!」
朱音さんが左腕に絡んでくる。
恵美さん程ではないけど、立派な毬状の何かが左腕を包み込んでいる。
あぁっ!!
全身鎧めっ!!
一身に柔らかい感触を独り占めしやがって!!
スゲエ悔しいぜ…
って言うか。
セーフ、悲しそうに自分の胸を触らないでよ。
可哀想になるでしょうが…
でも、敢えて声はかけませんよ?
「ほっほっほ。仲が良いことで…じゃがな、話さんと日が暮れても知らんぞ?」
ナイス、アーサー。
さすがジジイ!!
やっぱ年の功が素晴らしいぜ!!
「朱音さん、そこに所在無さそうにしている二人を紹介してくださいよ!!」
「はーい。この二人の内の一人は知ってるよね。奴隷の天都春臣だよ。元騎士団で回復魔法のエキスパートでもあるよ。リーフ様の足の血止めをしたのも春臣だよ。でね、馬の手配も凄く詳しい、一粒で二度美味しい奴なんだ」
うん、知ってるよ。
回復魔法も上級だから、かなり努力してるよね。
素晴らしい。
「そうだったんだね。春臣さん、その節はリーフさんを救ってくれてありがとう。貴方が居なければ、僕はこの可愛らしいお嫁さんに会えなかったかもしれないと思うと、背筋が凍る思いだよ」
右手を差し出すと、物凄く力強く握り返された。
多分僕でなければ、骨が砕かれているレベルだ。
因みに、差し出すと同時に、リーフさんの変形した塊も一緒にふよふよしている。
ちょっと、扇情的すぎるよね。
「美孝さん、リーフ様の事を放っておいて、そんな事を口にされるとは…私は貴方を見誤ったかもしれませんね…隣の方は一体誰ですか?リーフ様は何処にいらっしゃるのですか?」
はあっ!?
「春臣。私がリーフですよ?何を言っているのですか?」
だよね!
あっ!!
胸か!!
「ハッ!!あのリーフ様がそんなだらしない顔で笑っているわけが……あっ!!リーフ様!?…その胸はどうしたんですか?ああっ!!足が!!足が治っているではありませんか!?一体、何があったんですか?という事は……大変失礼致しました!!平にっ、平にご容赦ください!!」
土下座を始めてしまった…
「リーフさんの足が治った事を、春臣さんに話してないのかい?朱音さん。可哀想な事になってるじゃない」
「春臣、気にしなくて良いわ。足が治った事を喜んで頂戴。その方が嬉しいわ。まぁ、胸はサラシで潰してたものねぇ。朱音と燈佳以外知らないわよね。雰囲気が全く変わってしまっているものね。仕方ないわよ。お立ちなさい」
そうだね。
「そうですよ。立ってください。リーフさんがこんなに魅力的な格好をした状態を見た事が無いんですから、僕の浮気を疑っても仕方ないですよ。気持ちはわかりますから気にしてません!!立ってください」
「は、はい。部屋に入った時に、見慣れたリーフ様のお姿が見えずに、見知らぬ女性…リーフ様だったわけですが…を見て、完全に我を忘れてしまいました」
まだ、信じられない顔でおずおずと春臣さんが立ち上がる。
僕らのやり取りも耳に届かないほど、衝撃を受けたんだね。
まぁ、さっき僕らが見送っていた立ち去った3人と赤ん坊が勇者だなんて思わないだろうしね。
「美孝さん、外で足が治った事を話したら、皆がお祝いに来て滅茶苦茶になっちゃうわ。まだ、話せないでしょ」
そっか。
「あぁ、確かにそうだね。春臣さんには悪いけど」
「恐縮です」
まぁ、リーフさんを尊敬してるんだよね。
「でね、こっちが不動産屋で、ラードの中では一、二を争う、スターダストラインアップで働いていた御影石忠康さんだよ」
こちらは奴隷契約してないね。
「先程は大変美味しい食事を、ありがとうございます。御影石忠康と申します。私が知っている分野でお力になれるそうですね?是非ともお話を聞かせて下さい」
「はい、そうですね。御影石さん。よろしくお願いします」
「つきましては、美孝さんの住居と、協力者の住居が必要との事ですが、具体的にどれ位の規模を考えてますか?」
そうだねぇ。
「その前に、僕は御影石さんの安全の為にも、協力者になるために僕とある契約を結んで貰いたいんですが?」
「うーん。契約内容によりますね。私にも夢がありますので、夢に影響のある契約はご勘弁頂きたいです。まぁ、明日の飯にも困っている分際で、何を言っているとお思いかもしれませんが、夢を無くす事は、即ち私の死と同等に近いと思いますので…」
ふむ、信念のある人なんだね。
好ましい人柄だよね。
「まず、夢と譲れない点を教えて頂けませんか?」
「はい、良いでしょう。夢は不動産屋として独立する事!!ですから、受け入れられない条件は、ラードの状況が落ち着いた後も、不動産屋として働けない事ですね」
ふむ。
「そうですか…僕の計画を聞いて頂いても良いですか?」
「勿論、拝聴致しましょう」
「僕は、今日から協力者の皆と、ラードを救う為の行動を起こしたいと思っています。具体的には、街道に巣食う魔物を狩り、町に食料として提供すること。そして、騎士団が減らしていた適正量まで数を減らす事。勿論、その際に狩った魔物は食料にします」
「ほう、一介の民間人である貴方がですか?あぁ、リーフ様が主で行うのですね?」
「いえ、主に戦うのは僕ですね。現段階で、僕の方がリーフさんの三倍は強いですから。話を続けますよ?狩りが一段落した後に、街道の安全を守りつつ交易が始まれば、ラードは落ち着くでしょう。そして、本当は協力者達には居なくなった騎士団の代わりの戦力として、働いて貰いたいんです」
「三倍?ホントですか?しかも、治安維持は出来かねますよ?残念ですが…」
まぁ、そうだよね。
予想通りの答だ。
「三倍は置いておいてですね。御影石さんには、治安の回復までの協力で構わないと思って、お話ししたんです。貴方に非常にメリットのある話を出来ると思いますよ?尚且つ、狩りの楽しさに目覚めたなら、治安維持に勤しんで貰っても良い。どうですか?給料も出しますよ?独立する資金位は多分貯まるでしょうね。真面目に働けば…ですが」
「えっ?詳しく教えて下さい!!独立する資金は今回の事で、すっからかんです。それでも、可能だと?」
「僕は2日間で狩りの利益だけで八十万ラードを楽勝で稼いだ男ですよ?因みに、それ以外にも一千万ラード以上稼いでます。僕のギルドカードを確認してください」
「せ、千…五百万ラードを超えてる!!お見それしました。何でも言ってください。奴隷にだってなります!!」
ほう!!
金勘定は任せた!!
「二言はないね!?」
「へっ?はい!!」
瑞木美孝18才
レベル28(15)
体力値215(140)=30100
魔力値219(140)=30660
力339(140)=47460
知力231(140)=32340
俊敏さ214(140)=29960
器用さ220(140)=30800
幸運値250(140)=35000
魅力437(140)=61180
風10(140)=1400
水10(140)=1400
火10(140)=1400
土10(140)=1400
光10(140)=1400
称号
貧乳も好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、コボルトの天敵、難病の克服者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
精霊魔法信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・範囲観測中級
回復・催眠・風魔法・馬術・火魔法初級
武装レベル:槍13、剣8、投擲19、打撃1、短剣20
妻
リーフ
相性
綱芳(340)さやか(653)恵美(595)武司(95)玲子(55)朱音(1625)メルー(72)道緒(83)直(101)メアリー(87)燕(89)レモン(83)流々(88)里乃(81)リーフ(1633)奈美枝(203)御影(50)
天河(53)春臣(63)君里(71)秋虎(72)アーサー(203)太陽(79)七海(71)
精霊:風(12,2)水(9,3)火(9,1)土(8,7)光(7,9)闇(10,8)
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・天河・春臣・君里・秋虎
設定
一部非表示
予定より一時間半押しました。
大変申し訳ないです。
一から書くには二時間半はかかりますね。
見通しが甘かったです。
楽しんで頂けましたか?
明日は…
頑張ります。