72リーフと離婚
「自分達の存在を再認識した所で、アーサーに確認したい事がある。リーフさんの家は王家にかなり近いのか?」
「なんじゃ、やっぱりわかっとらなんだか。結婚しとるのに何を今更…ん?そうか。お主は凄いスピード結婚したんじゃな。まぁ、結婚は勢いじゃ。好きにするがよかろう。でじゃ、御厨家にはな…秘密があるんじゃよ。公然の秘密がな」
公然の秘密?
あと、アーサー、1人で納得されてるとムズムズするんだけどな。
「どういう意味ですか!?」
「おかしいとは思うたろう?騎士団長の年と女と言う事実を。団長じゃぞ?」
確かに思ったよ…
「普通なら年配の男性ですよね」
「そして、リーフの嬢ちゃんの家は代々の騎士団長を、ほぼ全て輩出する家と言ったら、話が繋がるかの?」
僕の問いに対する謎かけか…
普通なら…
「それは、自己の奴隷化の為のカリスマを育成しては輩出する家柄で、王家との血縁の交流も頻繁にある大貴族って意味ですか?」
「まぁ、そうなるのぅ。簡単すぎたか?ほっほっほ。自己の奴隷化という単語は初めて聞くが、若くて綺麗で強い騎士団長のカリスマを利用して、強い騎士団を作っとるんじゃから、表現をマイルドにしても意味としては変わらんじゃろうな」
うん。
「私たちは団員の適正化と表現してましたね。自己の奴隷化…ですか?表現が穏やかじゃないですね」
まぁね。
リーフさん。
「事実、そのまんまの意味だったとしても、運用上では使い難い表現だねぇ。自己の奴隷化って奴はさ」
ゲス姐さん化し始めてませんか?
「お待ちください。いわゆる馬鹿王ジェミニの時も同じ様な事を仰ってましたが、自己の奴隷化って何なのですか?」
「あれ?言ってなかったかねぇ。各職業で能力を五倍に上げる方法。ありゃ自己の奴隷化って言ってね。私達の最終目標、倒すべき敵なのさ」
相変わらず抽象的だよな。
「倒すべき…敵?一般人を相手取るのですか?」
わかりにくいよね。
「リーフさん、僕らは何も自己の奴隷化をしてる人の排除をしようとしてる訳じゃないですよ」
「じゃあ一体、何を相手取るんですか?」
「この世界の理…ですよ。自己の奴隷化を使わなくでも生きて行ける世界を作るんです。だから、相手は世界の理そのものでしょう。リーフさん、自己の奴隷化によって、レストは危機に陥っています。これはわかりますか?」
「えっ?危機ですか?思い当りませんよ?とにかく、団員の適正化は必要不可欠の技術です。これを除いては騎士団が成り立ちません。第一、強さが確保できないのですから」
騎士団か…
「実は自己の奴隷化が、ほぼ唯一プラスに働く場所が軍隊なんですよね。何故なら、能力が上がる上に従順に、画一的に、機械のようになるんですから。指揮官からすれば最高の部隊構成員でしょう。でも、個人から見たらどうか考えてみて下さい」
「自分の意思を封じられて行動を制限されるんだ、果たして幸せなのかい?適正化とやらをされるそいつ個人にとっては…さ」
僕は嫌だな。
「そんな…そ…んなこと」
今までの常識から外れすぎだからね。
考えた事もなかったよね。
「元の世界の軍隊も似たような事やってたみたいなんです。新兵を集めてブートキャンプなんて言って、しごいてしごいてしごき抜いて価値観を崩壊させるとかね。だから…心を壊す恐れのない自己の奴隷化について全否定はしませんが、少なくとも能力だけの面なら他にも方法がありそうですよね?」
「例えば何でしょう?」
「敢えて、きちんと奴隷化するってのも1つの方法だと思いませんか?騎士団長のカリスマによって、奴隷契約をきちんと結ぶんです。僕が協力者と結んだ内容を参考にしてもらえれば、変な話にはならない事は自明でしょう?もちろん、運用する人間の心次第ですが!!少なくとも今回のように、カリスマを失って総崩れなどということが無いだけでも優秀だと思いますよ?」
「あっ、適正化された団員達が戻ってしまったのは私のせいですものね。確かに、他の方法を使えればかなり違いますね。それに、ジェミニも自己の奴隷化で暴走してしまったという事ですよね。確かに危機といえますね。でも、皆は奴隷を受け入れられるでしょうか?」
まぁ、確実にネックになるよね。
「確かに…では、能力だけで言うなら相性値をあげてからレベル上げとか。身体能力強化のスキルや精霊魔法を覚えるって方法も悪くないと思いますよ?どうでしょう?」
「…確かに。確かにその通りです。すぐに返答をお聞かせ頂けるなんて素晴らしいです。ずっと検討してらっしゃったんでしょう?でも、今までのずっと行われていた事を変えるなんて…そんな事!!イバラの道も良いところじゃないですか!!」
その通りさ。
「国の体制どころか、この世界の理そのものに喧嘩を売る行為だって知ってます。イバラの道だって事もね。でもね。だからこそ、僕は心と心で繋がったパートナーが欲しいんですよ。一人で出来る事は、たかが知れています。でも、2人なら…少しは違いそうじゃないですか。だから、たとえ世界を敵にまわしても2人で立ち向かえる。そんなパートナーが…欲しいんです」
「まぁ、2人じゃなくてもっと人数が増えるかもしれない感じだけどねぇ」
セーフ、混ぜっ返すなよ。
「す…ごい…完全に想定しているレベルが違いますね。その考えをお持ちなら、勇者ごときの能力位は持っていないと厳しいと考えるのがむしろ当然でしょう。今なら…今なら美孝さんが性奴隷に拘ったその意味を理解出来る気がします」
抽象的かつ、無駄に壮大だからね。
仕方ないさ。
でも、僕は勇者になるつもりはないといったけど、勇者ごときという表現を使った覚えはないんだけれど…
まぁ、いいや。
「リーフさん、怖くなりましたか?一緒に立ち向かうことは出来そうにないですか?離婚を考えますか?今なら…まだ引き返せますよ?」
引き返しても飯は食わせるけどな。
無理矢理にでもね。
「…いいえ、…いいえ。…いいえ!!そんな事言わないで下さい!!美孝さん。私は貴方と居たいんです!!ついさっき誓ったあの言葉は永遠です!!全てを捧げると誓った私の気持ちは、永久に不滅なんです。まだ、お会いして一日も経っていません。でも、私にはあの時の貴方の言葉が今でも輝いています。そして、この輝きが鈍ることなど無いと世界中にだって誓えます。だから、だがら…ぞんな悲じ…」「わかりました!!」
「わかりましたよ、リーフさん。突然試すような事を言って、ごめんなさい。でも、世界を相手に戦う事を、確認もせずに巻き込んだという意識があるのは確かなんですよ。だから、万が一を考えて確認したんです」
「万が一?…確認?お別れしなくて良いのですか?てっきり、怯んだ私は愛想を尽かされたと思いました」
純粋に確認しただけだよ
「別れたくなんか無いですよ。単に希望の確認を純粋にしただけです。もしも、意にそぐわないのに結婚してしまったから仕方なく我慢して付き合ってくれてたとしたら、それは、僕が一番避けたい事ですから、そんな状態死んでも嫌です」
「あら、貴方は自分の魅力を、その程度だと思ってらっしゃるのですか?」
まぁ、生前は彼女も居なかったからね。
嫁さんを貰えている現状が、信じがたい事は確かだね。
「えぇ。そこまで大した面相でもありませんし、モテた事はなんてありませんでしたからね」
「愛くるしいお顔はともかくとして、美孝さん。私は貴方が好きなんです。全てが…です。貴方と共に歩く。共に生きていく。その為に生きているんですよ?…こんなに好きにさせておいて、良くそんな事を仰いますね」
照れるな。
「照れます」
「もうっ。照れてないで聞いて下さい。二度と離婚を考えますか?なんて聞かないで下さいませ!!もし、それを聞くなら、悲しいですが美孝さんが別れたいと思った時だけにしてください!!二度と、離婚したいか?などという意味の言葉は聞きたくありません。答えは永遠に、未来永劫に!いいえ!!なんですから!!わかりましたね!?」
「はい、わかりました。ごめんなさい!!」
瑞木美孝18才
レベル28(15)
体力値215(140)=30100
魔力値219(140)=30660
力339(140)=47460
知力231(140)=32340
俊敏さ214(140)=29960
器用さ220(140)=30800
幸運値250(140)=35000
魅力437(140)=61180
風10(140)=1400
水10(140)=1400
火10(140)=1400
土10(140)=1400
光10(140)=1400
称号
貧乳も好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、コボルトの天敵、難病の克服者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
精霊魔法信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・範囲観測中級
回復・催眠・風魔法・馬術・火魔法初級
武装レベル:槍13、剣8、投擲19、打撃1、短剣20
妻
リーフ
相性
綱芳(340)さやか(653)恵美(595)武司(95)玲子(55)朱音(1599)メルー(72)道緒(83)直(101)メアリー(87)燕(89)レモン(83)流々(88)里乃(81)リーフ(1567)奈美枝(203)天河(53)春臣(63)君里(71)秋虎(72)アーサー(170)太陽(79)七海(71)
精霊:風(12,0)水(9,3)火(9,1)土(8,7)光(7,9)闇(10,8)
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・天河・春臣・君里・秋虎
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