06最大の誤算と童貞の涙
僕は正座をしたまま木漏れ日の中に居た。
移動した瞬間に、それまでの空間では感じていなかった自身の体重を自覚する。
「さっきまでは正座の意味無かったんだね」
そんな言葉が口をついて出てしまった。
「さっさと立ちな。ここはもう森の中だ!!どこにモンスターがいるかわかったもんじゃ無いんだからね」
開口一番が僕の心配なんだね。
さすが…
「ありがとうセーフさん」
「瑞木!!さん付けなんて止めとくれ。私は妖精セーフ。セーフでいいさ」
身長170センチの妖精さん…
最高です。
「小さくなったりしないんだね?イメージとかだと、妖精って羽根が生えた20センチ位の子供ってのが定番なんだけど」
「羽根位は生やして翔べるけど、こんな森の中じゃ危ないし邪魔くさいじゃないか。そして私の身長を低くして何が楽しいんだい?」
目を見開き、心底不合理だと言わんばかりだね。
「でも、何にも触れられないんじゃないの?」
「あぁそうだったね。忘れてたよ」
マジですか。
「普段も似たような感じじゃなかったの?神様だよね?」
「元神様だよ。今は違うじゃないか。あと神は実体が無い訳じゃないのさ。基本的に人間とあまり変わらないねぇ。神通力がある位の差しか無いよ…」
ぇえっ?
それってまさか…
「もしかして…さっきまでの空間で…付き合ってくださいってお願いしてたら、付き合ってくれましたか?」
「血の涙を流してどうしたんだい?またその話を聞くって本当に物好きだねぇ。使命があるからあまり長くは付き合ってやれないけど1日位なら応じてやれたよ?」
ふっふふっ。
自嘲の笑みがこぼれた。
「エッチなことも…?」
「当たり前だろ?あの暗闇の中で他に何をするつもりなのか。逆に聞きたいねぇ」
屈託ないなぁ。
「い…今は?」
「無理だって伝えただろ?もう忘れたのかい?」
心底疑問という顔が可愛すぎるぅ。
「そうですよねー。じゃあそういう提案をしなかったのは何か意味があるんですか?」
「瑞木が…わざわざレストで付き合ってって言ったじゃないか。それに…世辞なんだろ?」
セーフがそう言うなら間違いないねーっ!!
きっとそう言っちゃってたってことだーっ!
「地獄だっ!!」
僕はその場に崩れ落ちた。
もう森の中とかどうでも良かった。
それ位童貞の心を抉られる出来事だった。
そして力を振り絞りこれだけは伝えた。
「僕はセーフとエッチな事が出来なかったことで、心が張り裂けそうな程衝撃を受け、血の涙を流すほど悔しい思いをしてる。だから二度と僕の思いをお世辞なんて思わないで、お願いだ…」
幸い、僕が諦めの境地にたどり着き、よろけながら立ち上がるまでの30分の間に敵が来ることはなかった。
ただ、心の中では「一日あればキス位までは行けただろうに!!」というリフレインが鳴り止まなかった。
瑞木美孝18才
レベル1(1)
体力値100(1)=100
魔力値100(1)=100
力200(1)=200
知力100(1)=100
俊敏さ100(1)=100
器用さ100(1)=100
幸運値100(1)=100
魅力50(1)=50
称号
貧乳好き、童貞、心清き者、地母神の養い子
スキル
鑑定、他種族言語理解、スキル取得補正、レベルリセット、緊急避難、スキルリセット、収納ポケット、レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
相性
なし
奴隷
なし
楽しんで頂けましたか?次回は明日18日の18時にお会いできたら幸いです