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女神とともに転移した世界がまるで地獄(エロゲ)でした  作者: 瑞木美海
第3日目 もう後悔はしない…そのために動き出すと決めたんだ!
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62降霊術と現れた勇者

「まずは、欠損の回復の魔法を使ってみるよ。セーフ!!詠唱を頼むよ」


「任せときな!!」

力強い!!


「さて、リーフさん、こちらに来て右足を見せてくれるかい?」


「はいっ!!」

いい返事だね。


「事前に状況を確認しておかないと、違いが解らないかもしれないからね」


 履いているズボンを脱ごうとするリーフさんを止めて、足先から覗こうとして、セーフに怒られた。


「やましい事なんてありゃしないんだから、リーフにズボンをさげさせて確認しな!!そんな穴からじゃ確認なんて出来ゃしないよ!!なめてんのかい!!」

厳しいっす。

僕はまだ童貞なんだから辛いっての。


「仕方ないね。リーフさん、悪いけどズボンをさげて」


「はい」

躊躇なく片足で立ったままズボンをさげるリーフさん。

羞恥心は?


「ありがとね。そのまま少しの間、動かないでね」


 乗馬を常時していたからか、非常に発達した太股の筋肉だ。

 切り落とされた右足も周りから筋肉がせりだして骨を隠すように傷口を塞いでいるのがわかった。


「凄い筋肉ですね。日頃の訓練の賜物でしょう。僕のような促成栽培では、こうはなれない」


「そう…ですか…」

あれれ?

随分気落ちしてる…

あっ!!


「もとい!!美しい筋肉です。スラッとした両足が想像できるようですね」


「ありがとうございます!!」

笑顔が戻った。

危ない。


「瑞木、調べられたよ。用意は良いかい?」

若干睨まれました。


「おう。いいよ」


「我と我に連なる眷属とで、永遠に失われし彼の者の肉体を、今ここに顕現させよう。リビルドだね」

うーん、言葉の内容を聞いた限りでは、いくらやっても厳しいかも…


「じゃあ、いこうか。リーフさん、ちょっと失礼するよ。我と我に連なる眷属とで、永遠に失われし彼の者の肉体を、今ここに顕現させよう。リビルド」


 右足の付け根に手を触れて、詠唱を唱えた途端、僕の触れている右手が輝きだした。

 成功かな?と見ていると…

 段々輝きが強くなり、抑えきれなくなった。

 輝きを増す光の塊を上に向かって打ち出すと、そのまま天井をすり抜けていった。

 セーフに聞いたら、空高くどこまでも上昇し、彼方に消えたらしい。


「美孝さん、触れられていた所は暖かく、何かを感じましたが…再生した感触はありません…」

そっかぁ。


「もう二度だけ試してみるよ」


「「「二度?」」」


「さっきの光の塊を、まずセーフに向かって放つ。問題なければ今度はリーフさんだよ。光の塊に回復を促す何かがあるかもしれないからね」


「はいよ」「承知しました」


「まず、セーフいくからね!!」


「いつでも来な!!」


 詠唱を唱えて、出来上がった光の塊をセーフに向かって打ち出すと、光の塊が光跡を残して飛んでいく。

 そして、セーフに当たるとそのまま何もなかったかの様にすり抜けて壁に当たって消え去っていった。


「セーフ、気分は?」


「光の塊に当たった時に、何かが入り込んで来た気がするよ…でも一瞬だね。危険は無いよ」

無理かな。


「じゃあ、リーフさんいくよっ!!」「はい」


 右足の付け根に手を触れて詠唱する。

 光の塊はリーフさんの体を突き抜けて、天井へと消えた。


「セーフさんと同様に、塊が当たった瞬間は何か感じましたが、再生した感覚はありませんね」

くそーダメか。


「残念ながら、この方法では再生が出来ない様ですね。一端別の方法に切り替えましょう」


「そうさね、でも、魔法が発動してるんだから、あと少しな気がするよ。何が違うって言うのかねぇ…歯痒いねえ!!」

同感だ!!


「いつまでも言ってても仕方ないので、降霊術で勇者の霊を呼びましょう。ただ、この術も未確認の事が多いので、確認しながら行きますよ」


「おうよ」「はい」「うん」

あっ。


「その前にリーフさんはズボン履いてね」「あっ…はい」


「まずは、指定した霊を喚ぶよ。御厨アーサーのじいさんだ」


「アイツか」「御厨?」「お身内かしら?」


「御厨アーサーは、榊玲子さん、旧姓御厨玲子さんの祖父だそうなんだけど…リーフさん知ってますか?」


「玲子さんは遠い血縁だったんですね。しかし、うーん、記憶に無いですね。かなり前に分家として別れたお家かもしれません。400年の間に相当別れたりくっついたりしてますので」

まぁ、そっか。


「まあ、それはそれとして喚ぶからね。天と地に漂いし慈悲深き英霊、御厨アーサーよ。我が前に現れて質問に答えよ」


 詠唱が終わると重厚な鎧に身を包んだ白髪白髭の騎士が現れた。

 その姿は透けている。


「我こそは騎士、御厨アーサー。馳せ参じたが…何用じゃ?騎士稼業に性を出しとったからのぅ。単なる猪突猛進の爺じゃぞ」

と告げて佇んでいる。


「勿論、知ってる範囲で教えて頂ければ結構ですよ。まず、喚んで色々お願いした時に対価って必要なんですかね?」


「おおっ、お主は昨日喚びおった小僧!!1日で随分強くなったもんじゃのう。お陰で出てくるのも楽々じゃったよ。…あぁ、対価な。最初に霊力を少し貰っとるからな、基本的には要らんよ。所詮、儂等は成仏出来ずにその辺りを漂ってる霊じゃからの」

霊力?


「えっ?霊力を渡してるの?いつの間に?」


「詠唱を唱えた時じゃよ。何じゃ知らんかったのか?要は体力を貰っとるんじゃ、とは言ってもホンの少しじゃよ。固定された数字じゃ、昨日のお前さんでも、気付かない位のもんじゃ。今なら鼻くそ並の体力じゃな。ほっほっほ」

そんなもんか…

でも一応。


「セーフ、僕のステータスで減ってるの何?」


「体力値が2減ってるね。ホントに微々たるもんだよ。当然休めば治るよ」


「おっと、1つ誤解が生まれそうなんで言っとこうかのぅ。その疲れは、降霊術の回復魔法では回復出来んからな。気を付けるんじゃぞ」

マジで?


「えっ?」 


「当然じゃろう。それが出来たら、回復魔法が使える奴を喚んで対価無しで、使いたい放題じゃぞ?そりゃ無理ってもんじゃよ」


「光の精霊頼むよ」「おう。結婚、おめっとさん」「あぁ、ありがとよ」「じゃな」「ん」


「回復したよ」


「まぁそんな感じじゃな。聞きたいのは、以上かの?そうじゃ、結婚したらしいの?おめでとさん。相手は誰かの?」

結構喋るの好きだよね…


「ここに居るリーフですよ。旧姓は御厨リーフ」「初めまして、御厨玲子さんにはお世話になりました」


「ほっほー。こりゃ別嬪さんじゃ。お主も角に置けんのう。ん?今、今。玲子と言ったか?玲子は元気なのか?教えてくれっ!!儂は玲子の事が心配で成仏出来んのじゃ!!」

やっぱりか。


「お教えするのは吝かではないのですが、まだ聞きたい事がありますし、玲子さんも逢いたがってましたから、成仏しないならという条件付きでお話ししましょう」


「はっ?そんな話までしとるのか、お主!?一体何もんなんじゃ!!玲子が逢いたいって言うなら、逢わずに成仏なんぞ死んでもするわけ無かろうが!!早う教えるんじゃ!!」

もう死後だよ。


「安心しました。玲子さんは今、結婚して榊玲子と名乗っています。旦那さんは、榊武司さんで子供さんも3人いらっしゃいます。旦那さんと物凄く仲が良くて、2人して子煩悩なので、すごく幸せに過ごしてらっしゃいますよ。今日の朝、門扉で会いました。物凄く元気ですよ!!」


「そうか…ありがとうよ兄ちゃん。先に玲子が逢いたいって言ってる事を聞いてなきゃ。儂はきっと成仏しとったよ」

危ないな。

ポーン。スキル取得【交渉上級】。


「聞きたい事ですが…3つです。対価が追加で必要になる要件と呼ぶ人によって対価が違うかどうか、精霊や妖精が知覚できるかが知りたいんです。あと、申し遅れました。僕の名前は瑞木美孝です。どうぞ末長くよろしくお願いします」


「まるで、婚約の挨拶じゃの…ふん。そうか…まぁええわい。対価の追加は物理攻撃の場合は要らん。回復魔法や攻撃魔法は霊力、つまり体力が対価になる」

「必要な対価はのう、死んだ奴がどれだけ古いかで決まるんじゃよ。儂は約三十年前に死んどるからな。儂より古けりゃ多いと思うぞ。ま、そんな奴は稀じゃ、成仏しちまうからのう」

「精霊や妖精は見えるに決まっとるわ。普段はそこらに同化しとるんじゃからな」

よし、知りたい事はこれで全部だ…と。


「ありがとうアーサー。助かりましたよ。用事は済みましたが、僕は他の霊達も呼び出すので…暇なら付き合って貰えると嬉しいんですが…」


「ほっほっほ。未来の曾孫の旦那の為に頑張っただけじゃ。礼には及ばんよ。どうせ、やる事もない霊稼業じゃ、付き合ってやるとするかのう」

バレてるか。


「重ねて迷惑をかけますね。ありがとう」


 だが、そこからは徒労の30分が続いた…

 セーフの調べる亡くなった勇者の名前を降霊術で呼び続けたが、全く無反応だったからだ。

 勿論アリエスも駄目だった。


「せめて、原因を確定したいよね。なんで出てこないんだよ」


「普通に成仏しとるんじゃないか?」

そうなのかな…


「今までの勇者全部が?あっ、木暮さんに聞けばわかるかな?」


「そうだね。聞いてみよう」

と言って逆立ちを始めるセーフ…

また何やってんすかセーフさん?


「急にどうしたの?」


「うっさいね、今集中してんだよ。黙ってな」

普通に恥ずかしいらしく、顔を皆から背け、口を尖らせて逆立ちをしている。

可愛すぎでしょう!!


「セーフ…可愛いよ」


「ぶはっ。いきなり何言い出すんだい。今真剣なんだから止めとくれよ!!」

吹き出した。

腕もプルプルしてる…

なにこの可愛らしい生物!!

触れられないのがもどかしいよ。


「この姿は…」「可愛過ぎるでしょう」

解ってくれた!!

嬉しいよ皆。


「みんなして私の顔を覗き込んで何が楽しいってんだろうね。全く!!」


「楽しいよね?」「「勿論!!」」

イエス!!

朱音さんも少しテンションが戻りつつある感じだ。

良かった。


「瑞木が3人に増殖したよ…何が起きたっていうんだい」

単に真理に気付いただけさ。


「セーフの可愛さを認識できただけだから普通の事なのさ」「「そうそう」」


「もういいよ。瑞木…残念だがね。降霊術で勇者の霊を喚ぶのは、ほぼ不可能って事がわかったよ!!勇者達は、認定外も含めて心残りが、まず無いらしくてね。最速で転生してっちまうらしい。死んだ直後じゃない限り無理みたいだね」

はぁ?

なんだそりゃ。


「嘘でしょ?勇者勇者勇者!!何でもいい、今すぐここに現れてくれ!!お願いだ!!」


 椅子に座りながら行儀悪く貧乏揺すりをしながら呟いた。


とすん

「ああっ、きゃあん」

ポーン。スキル取得【召喚魔法上級】


 突如…

 貧乏揺すりをしている膝の上に女の子の勇者が現れたのだった。


 その姿は…

 裸で頬が上気し、目には涙が浮かんでいる。


「なんじゃ真っ最中じゃったのか。瑞木が悪いことしたのう」

うわっ!!

馬鹿な事を!!


 パッシーン!!


「貴方はだれなの?ここは何処なの?」

すげえ力で僕が平手打ちを貰いました。

直後に、勇者が僕の膝から部屋の角に逃げながら叫んだ。


瑞木美孝18才

レベル28(15)

体力値215(140)=30100

魔力値219(140)=30660

力339(140)=47460

知力231(140)=32340

俊敏さ214(140)=29960

器用さ220(140)=30800

幸運値250(140)=35000

魅力437(140)=61180

風10(140)=1400

水10(140)=1400

火10(140)=1400

土10(140)=1400

光10(140)=1400

称号

貧乳も好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、コボルトの天敵、難病の克服者

スキル

超鑑定

他種族言語理解

スキル取得補正

緊急避難

レベル・スキルリセット

収納ポケット

レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正

叱咤激励

大声

降霊術

精霊魔法信頼級

交渉・召喚魔法上級

解体・身体強化・範囲観測中級

回復・催眠・風魔法・馬術・火魔法初級

武装レベル:槍13、剣8、投擲19、打撃1、短剣20

リーフ

相性

綱芳(340)さやか(653)恵美(595)武司(95)玲子(55)朱音(1021)メルー(72)道緒(83)直(101)メアリー(87)燕(89)レモン(83)流々(88)里乃(81)リーフ(932)天河(53)春臣(63)君里(71)秋虎(72)アーサー(113)

精霊:風(11,2)水(9,3)火(9,1)土(8,7)光(7,9)闇(10,8)

奴隷

朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・天河・春臣・君里・秋虎

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