60暁の露出王のその後と馬鹿王の真実
「そうそう、因みに暁の露出王が、その後にどうなったか知りたくないかい?そして、私しか知らない真実の暁の露出王の姿を」
僕は別に。
「それよりも、どうやってそんなに詳細に見てきたみたいに裏話が語れるのかが知りたいよ。確か、セーフが把握出来るのは、このラードのみの筈だったよね?」
「あぁ、そうなんだけどね。2年前にラード近郊を調査したって話もしただろ?それは今回の話を調べたついでだったのさ」
そういう意味か。
「でも、スタートが30年前なのに、解ったのは2年前なのか?」
「神だって万能じゃないんだよ。特にレストには神が居ないからね。問い合わせなんて出来ないから…こっちに転生して、実地で調査するしかなかったんだ」
御祓の途中でって事か?
「御祓をしながら、見て回ったの?」
「あぁそうさ、御祓はアッチとコッチを行ったり来たりしてたんだよ。虫や鳥だったこともあるんだ。皆短命だったがね」
あれ?
ついこの間老犬だったよね?
「僕が助けたセーフは、老犬だった気がするよ?」
「あぁ、あの子はね…通常の数百倍で老化していくという業を負っていたのさ。だから、まだ二歳にもなってなかったが、体中を癌に犯されてた」
可哀想に。
「結局、暁の露出王の関係者を見つけるのに、27年かかっちまったがね。話を聞きに行った時の私は黒猫だったよ。原因の調査終了のその後、ラードに来たのさ」
猫セーフか。
「誰に逢えたのさ?まさか本人?」
「いいや、本人は既に他界して居やしなかった。話をしてくれたのは、奴の旦那で性奴隷の、勇者アルデバランだったよ」
待て。
「はぁ?暁の露出王って女性なの!?」
「あれ?言ってなかったかい」
称号しか聞いてねぇ。
「有名な話ですから言ってなかったですね」「まぁそうだね」
「ん?馬鹿王と同一人物かもって話があったって事は…」
「馬鹿も女だよ」
やっぱり。
「なんかイメージが違ってたな」
「まぁ、称号を女王とかにすると言い難いから、そっちで定着したみたいだね」
ま、良いけどね。
「取り敢えず、話を続けるよ?アルデバランに逢ったのは、ラード王国の西側にある工業の国、ラインクラフト共和国にある小さな村だった」
何してたのかな。
「アルデバランは何してたの?」
「鍛冶屋さ、良い武器と防具を作ると評判でね。だからこそ訪ねたというべきだね。もう子供も独立したから、趣味に近い依頼しか受けなくなったなんて話もあったんだ」
楽隠居か、いくつなんだろ?
「どうやって話を聞いたのさ?素直にいうとは思えないよ」
「あぁん?私に駆け引きが出来るわきゃないだろが…素直にアリエスについて知ってる事はないかって聞いただけさ」
そうだね…
「そしたら?」
「いきなり喋り出した黒猫に大層ビックリしてたよ。そして、身体検査して、遠隔魔法で操られてる訳じゃなく、猫である私自身が喋ってる事がわかると、ひとしきり笑ってこう言った。「アリエスに再び逢えたみたいだ」と」
セーフに似てたのか?
「随分アッサリしてるな」
「二日に渡って身体検査されたからね。あんまりアッサリでもないさ」
うわっ面倒クサッ。
「結論から言うとね。アリエスは猫の獣人だった。自由奔放な猫そのもののね。アルデバランとは幼馴染みで、子供の頃のある時、勇者の話をアリエスが聞いて、性奴隷の契約を交わしちまったんだと」
ごっこ遊びか。
「仲好しさんだったんだね」
「あぁ、力は十倍になったが性奴隷契約自体には気付かずに、時は流れ二人は愛を育んで、夫婦になった。その初夜の時に勇者になった事を知ったって訳さ」
「あぁ自然発生的には一番ありそうなパターンだよね。普通ならそのままひた隠しのね」
「んで、アリエスの方が目覚めちまったんだよ。まぁその辺は割愛ね。私はその時に合計100時間ほど詳細に聞かされたんだが…聞きたいかい?」
そういう趣味はない…
「割愛で問題なし!!」「「えーっ」」
朱音さんは体験済みでしょうが!!
「まぁ、そういう事してれば、子供が出来るからね。3人の子供が生まれたんだ。高ステータスの二人から産まれたから、かなり優秀らしいね。だが、子育てをしてる最中に、馬鹿王が馬鹿をやりだした」
例の話かい。
「木暮さんを激怒させた事件ですね」
「そうさ。ただでさえ育児でストレスがかかってる所に、死体の山だ。アリエスは切れた。落ち着くために皆を蘇らせたりしたが、馬鹿王が止まらず。被害が増え…結局10年鼬ごっこだったらしい」
何故、元を絶たないんだ?
「勇者なら元を絶てただろうに」
「確かにアリエスもアルデバランも能力的には半端じゃなかった…でもね。アルデバランは鍛冶屋。アリエスは家事手伝いしかした事がないまま勇者になったんだ…ゴブリンの一頭も狩ってないのさ」
うわぁ。
「その状態じゃあ、人を殺す覚悟は無理かもね」
「そうなんだよ。何回か、馬鹿王を殴りには行ったらしいんだ。でも、半殺しで済ませて…止める約束を取り付けた。でも、その度に反故にされ、思い悩む日々。その分燃えたとかアルデバランの馬鹿は言ってたが…」
うん、いい加減にしやがれ。
「ペナルティとして、両手両足を奪われて、なお、歩みを止めない馬鹿王に、遂にアリエスは付き合いきれなくなった。隠されていた、当初からの死人にも気付いてしまった。十年前に殺したその数は1万人。全てを生き返らせて、アリエスのとった行動は…馬鹿王を道連れに、自分も死ぬ事」
そんな…
「何でそこまで思い詰める必要があるんだ?」
「自由奔放ではあったけど優しい子だったんだろうよ。馬鹿王も幼馴染みだったらしいしね」
はぁ?
「何か全体像がさっき聞いた話とは随分歪んできてるよ?」
「そうかい?恋に破れた馬鹿王は、自分自身を奴隷化して、自分の一番欲しかったものの代わりをねだったんだ。応えられなかったアリエスは、全力で止めたが効果はなく。趣味に傾倒する為もあって、死人を甦らせた…内容は一致してるだろ?」
あれ?
アルデバランの話じゃないの?
「アリエス?」
「アリエスさ」
「女性同士だよね?」
「勿論だよ。だから、応えられないとアリエスが悩んだんだから!!」
ゴメンナサイ。
そっちの趣味は理解の範疇外でございます。
「結局どうなったのさ?」
「決行の前日にアルデバランにアリエスはゴメンナサイと伝えたそうだよ。子供を一緒に育てられなくてと、そして、我が儘な私に付き合ってくれてありがとうと」
アルデバラン…
「夫婦なのに…凄くアルデバランが可哀想になってきたよ!!」
「結局、馬鹿王ジェミニをアリエスが抱き締めて、横を向けて突き立てた槍に全速力で突進する事で、2人の心臓を貫いて亡くなったらしいよ」
「アルデバランは?」
「2人の亡骸と忘れ形見の7人の子供と一緒に、静かな工業国のラインクラフトに移住し、そこに墓を建てて二人を葬ったんだと」
「えっと…子供が4人増えてるね。復活は考えなかったのかな?」
「2人は本当に幸せそうな顔で亡くなってたから、仕方ないなと思ったらしいよ。アリエスを甦らせても、悲しむだけだとね」
そうだよね。
「結局、ラインクラフトで鍛冶屋をやって、その後の生計を立てて、7人の子供を育て上げた後は、どうしたの?」
「まだ、そのまま鍛冶屋をやってるはずさ。元々、アリエスの趣味に付き合ってただけで、アルデバランは特殊な趣味を持ってないからね」
本当かな…
「ふーん…」
「私を撫で繰り回すのが大好きだったけどね」
何となく重度のケモナ…
いや…
誰も得しないから止めとこう。
「あれ、リーフさんも朱音さんも途中から無口だったね。どうしたの?」
「伝説の暁の露出王が、こんなに繊細な女性だった事に驚いてしまいまして、絶句していたんです。伝聞で聞くのと実際の話では全然違うんですね。七つの時に母から聞いた話では、アリエスさんは扇情的で、どうしようもない悪女扱いでしたから…イメージが根底から覆されましたわ」「右に同じ…」
「まぁ、皆は勇者を悪く言いたいんだから仕方ないけど…与えた影響は兎も角として、アリエスとアルデバランの2人の勇者は悪人ではないよね」
瑞木美孝18才
レベル28(15)
体力値215(140)=30100
魔力値219(140)=30660
力339(140)=47460
知力231(140)=32340
俊敏さ214(140)=29960
器用さ220(140)=30800
幸運値250(140)=35000
魅力437(140)=61180
風10(140)=1400
水10(140)=1400
火10(140)=1400
土10(140)=1400
光10(140)=1400
称号
貧乳も好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、コボルトの天敵、難病の克服者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
解体・交渉・召喚魔法・身体強化・範囲観測中級
精霊魔法信頼級
回復・催眠・風魔法・馬術・火魔法初級
降霊術
武装レベル:槍13、剣8、投擲19、打撃1、短剣20
妻
リーフ
相性
綱芳(340)さやか(653)恵美(595)武司(95)玲子(55)朱音(939)メルー(72)道緒(83)直(101)メアリー(87)燕(89)レモン(83)流々(88)里乃(81)リーフ(846)天河(53)春臣(63)君里(71)秋虎(72)
精霊:風(11,1)水(9,3)火(9,1)土(8,7)光(7,7)闇(10,8)
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・天河・春臣・君里・秋虎
設定
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