57放っておかれた討伐の話と結婚を申し込んだ朱音
「瑞木と朱音に謝らなきゃならないね。すまなかったよ」
はへ?
「セーフ、いきなりなんだよ?」
「………」
朱音さんはまだ喋れるほど回復してない。
「再度、さっきの魔法も薬も調べ直してみたら、かなり、再発率が高いんだ。多分再発すると思う」
あぁ、その事ね。
「それなら大丈夫さ。セーフ」
「一番再発してない例では、毎日三回ずつ三日間連続で治療…へっ?大丈夫?」
うん。
「さっき、三回も拷問をさせられたからね。魔法の内容をじっくり精査したんだよ。そうしたら、使った魔法があくまで患部のみにしか作用してないことに気がついたのさ」
「だから、全体を洗い流すように言ったよね」
そうだねセーフ。
「そうさ、だから洗い流す時に、患部の中にいた病原菌も抽出して退治できた。更に、その他の部分に取りつこうとしていた病原菌も死滅させたんだ」
「さすが、精霊に祝福を受けた男だね」
大事な事がもう1つ。
「患部の病原菌を死滅させた時に、朱音さんは苦しまなかった。と言うことは、少なくとも今の治療よりは負担が少ないのさ。他にも罹患している奴隷の子が苦しまなくて済む!!」
「全く…この子は。優しすぎるよ」
照れるな。
「称号で難病の克服を手に入れたから、効果は抜群なはずだよ。しかも、精霊魔法だから患部に触れなくても良いのが、僕の精神衛生上最適だし」
「えっ!?私の下腹部に触れるのが、やっぱり嫌だったのね。そうよね…汚れてるものね…」
い…
いやいや違うよ。
「違うよ!!朱音さん、落ち着いて!童貞の僕には単に女性の下腹部に触ることそのものがハードル高いんだよ!!嫌なんかじゃないよ…」
「そうなの…安心した」
ふぅ傷付けるつもりはないからね。
「馬鹿だねえ。魔法で知覚して洗ったなら、何から何まで丸わかりだろうに。今更何言ってんだい」
言うなよ!!
言わなきゃわからないんだから!!
「セーフ、それわざとだよね!!言わなきゃわからないだろ!?言うなよ。恥ずかしいかもしれないだろ?」
「そうなんですか?隅々までさっき洗ってくれましたよね?誰よりも私の中を知ってるのが美孝さんなんですね…なんとなく浄化された気分です!!」
恥ずかしがってねえ!!
むしろ嬉しがるなんて!!
この話題は駄目だ。
性癖の闇に引きずり込まれるのは嫌だ。
「はい、この話はこれで終わりね!!」
「リーフ様に自慢しよっと」
おいっ!!
「新婚夫婦に波風を立てるようなことしないで!!」
「隠す方が不味い事になるよ。他の奴隷の子にも治療してやるつもりなんだろ?後でバレたら。怒りの騎士団長様を相手どるつもりかい?」
「……あぁ…はぁ、そうだね…諦めるよ」
「わーい。自慢しよっと」
喜びすぎだ…
「一緒にリーフさんに報告に行くんだからね!!」
「はーい」
随分明るくなったけど、本質はこっちみたいだね。
浴室の扉を開けると、リーフさんが心配して、扉に張り付いていた。
中から全く音がしないので逆に心配になったらしい。
「リーフ様。美孝さんに病を完治させて貰ったよ。もう、再発もしないって!!しかも、再発させない為に伝説の精霊魔法で私のお腹の中まで洗ってくれたよ」
良い笑顔だ。
「良かったわね!!朱音!!」
涙ぐんでる。
「へへっ。これは自慢ね。お腹を洗ってくれた時にね、美孝さんに、私の全てを知られたんだって羨ましいでしょ」
ホントに言ったよ、この子。
凄く変態紛いなんだけど。
「美孝さん…どういう事か教えて貰えますよね?」
静かな怒りだね…
「まず、精霊魔法を僕が使える事はさっき知りましたよね?」
「はい、ステータスで見ました」
「さっき調べた治癒魔法では完治が難しい事がわかって、精霊魔法で完治させる方法を開発したんです」
「だから完治できたんですね」
「それでですね。方法は水の精霊に体内に入ってもらって、病原菌自体を退治して貰うんです」
「そうすれば再発もしないんですね」
「そうなんです。あれ?再発の事をご存じなんですね」
「社交界では結構有名な話なんですって、酷く苦しいのに治らない事があると…聞いたのは一度だけですから、真偽のほどはわかりませんでしたが…」
まぁ事前に不安にさせる事もないよね。
「実は、もとの治癒魔法もなんですが、体内で病原菌を知覚出来る事が肝なんです。なので、体内の水が何に触れているか、どんな状態かを知覚せざるを得ないんです」
「だから、洗った水が触れた部分全てを知覚したと言うことですね」
「そうです。しかも、その状態で病原菌が罹患してないか調べましたから、ホントに全てを知覚してます。僕が知らない場所は無い位のレベルですね」
「なんて羨ましい。私も美孝さんに知って貰いたいわ」
うーむ、変態的な言葉に聞こえるのは僕だけでしょうか?
「もしもし?本当にそう思ってます?顔色悪いような気がしますよ?」
「バレましたか…正直怖いんです。初めてもまだなのに、すみずみまで知られてしまったら、怖いじゃないですか。でも、朱音の喜び様を見ると羨ましがらなきゃなって」
えっと…
「朱音さん、リーフさんに無理させないでくださいよ。初めてもまだなんですから。リーフさんも、自分の判断で良いでしょ。無理しない」
「あれ?私は純粋に嬉しかったけどな」
マジか?
「どういう意味で?」
「好きな人に自分を知って貰えると嬉しいじゃない!!」
出たての芸人さん?
「まぁいいです。奴隷の子達には、治療を受けて貰います。新開発の魔法には痛みもほぼ無いので…」
「良いね。近しいグループでのピストン感染は、良く起こるからね」
童貞や処女に聞かす話かよ!!
ゲス姐さん!!
「清い体になることは良い事ですよね。でも浮気は嫌ですよ?」
えっとね。
「しないですよ。言っときますけど、元の治癒魔法の方がよっぽど危険な魔法でしたからね!!朱音さんが色々大変な事になってましたから。あれに較べれば、大した事にはならないはずですよ」
「馬鹿だねえ」
えっセーフさん、地雷?
「朱音…何があったか聞きたいわ。美孝さんはちょっと待っていて下さい」
あれ…
浴槽のある部屋へ二人で消えた。
時折「まぁ」とか「えーっ」とか聞こえてくる。
10分程してから二人が帰ってきた。
「さっきの朱音の言動の理由がわかりましたよ」
マジで!?
「何かやらかしましたか?変な事はしてないはずですが…」
「原因は、治癒魔法で最上級の痛みを与えられて、意識が朦朧としている時に、精霊魔法で、優しく洗われた事みたいです。水が触れる度に、天にも昇る心地で痛みが消えた様です」
「だから行為そのものが、美化されたと…」
「多分…」
「それなら、逆に心配なくなったね。精霊魔法のみで治療をすれば、極端な落差なんて無いからね」
おぉ!!
そうだね。
「良かった〜」
治療する度に変態さんを量産するのは嫌だったんだ。
「変態なんて酷いよ」
あれ?
口に出てた?
「口に気を付けなよ。多分、一過性のものだしね」
そう信じたい!!
「でも、慢性的なものだったら責任をとって貰おうかな」
聞き捨てならないな。
「冗談でも感心しないな」
「冗談なんか言ってないよ。一過性のものだって結婚して、その上で性奴隷を前提に付き合って貰いたいと思ってる」
えぇっ?
「えっ?」
「最初から好みだったんだよね。でも、娼婦やってたし、病気も持ってたから無理だって諦めてたんだけど…両方ともクリアして貰っちゃったし。後は押しの一手かな…と」
「真剣か。ならば答えましょう…保留です」
「えぇーっ!!何故?」
「さっきの余韻でそう言ってるかもしれないからね。一週間経っても気持ちが変わらなければ考えるよ。その間に、僕に幻滅するかもしれないし」
「絶対に一週間経っても変わらないと思うわ!!でも、期限があるなら我慢するっ!!」
健気だなぁ。
「じゃあ、話を討伐の話に戻しましょう」
「はい。それと…美孝さんとセーフさんとの話も未だ済んでいないですね」
あぁそうだったね、リーフさん。
瑞木美孝18才
レベル28(15)
体力値215(140)=30100
魔力値219(140)=30660
力339(140)=47460
知力231(140)=32340
俊敏さ214(140)=29960
器用さ220(140)=30800
幸運値250(140)=35000
魅力437(140)=61180
風10(140)=1400
水10(140)=1400
火10(140)=1400
土10(140)=1400
光10(140)=1400
称号
貧乳も好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、コボルトの天敵、難病の克服者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
解体・交渉・召喚魔法・身体強化・範囲観測中級
精霊魔法信頼級
回復・催眠・風魔法・馬術・火魔法初級
降霊術
武装レベル:槍13、剣8、投擲19、打撃1、短剣20
妻
リーフ
相性
綱芳(340)さやか(653)恵美(595)武司(95)玲子(55)朱音(836)メルー(72)道緒(83)直(101)メアリー(87)燕(89)レモン(83)流々(88)里乃(81)リーフ(726)天河(53)春臣(63)君里(71)秋虎(72)
精霊:風(10,9)水(9,3)火(9,1)土(8,7)光(7,7)闇(10,8)
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・天河・春臣・君里・秋虎
設定
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いかがでしたか?
次回はまた明日の18時を予定しています。
またお会いできれば幸いです。