48恵美の詩とセーフの変化
これは仮定の話だ…
他愛のない、もしもの話。
僕がレストに来て、さやかさんより恵美さんの方に先に会っていたとしたら、僕は今ここで恵美さんを性奴隷にすることを受け入れているだろうか?
無理だな。
そもそも、僕の食指が動くことすらないはずだ。
何故ならば、僕は貧乳お姉さんが好きなんだから!!
恵美さんと近しく話をするようになる要因そのものが、さやかさんを泣かすことだから、前提がおかしいとも言えるのだけど…
巨乳で尚且つ同い年という、僕の本来の好みとは違う恵美さんにそういう目を向けることは恐らく無い。
いや、絶対無かったはずだ。
でも、今、僕は目の前にいる恵美さんに心引かれている。
真っ直ぐに僕を見ているその瞳に吸い込まれそうだ。
あれ?
超鑑定は?
見つめあったら発動するはずだよね。
無心ってこと?
人はそこまで相手の事に陶酔できるものだろうか?
「恵美さん…」
「はい。『愛しい人、貴方は私の心をかき乱す。これ程まで思っても、いつもすり抜けてしまう。今回もきっとそう。真面目な貴方は私を抱かない』」
あぁ詩のような呟きが聞こえる。
唇が動いていないから心の声だ。
強く抱き締めたい衝動に駆られた。
でも、それはきっと一番不誠実だ。
言葉にすることなく。
ただ抱き締める。
そんなことをすれば、気持ちに火が着くだけ、そして僕は恵美さんを抱かない。
一時の気持ちで流されるつもりがないからだ。
獣欲に身を任せたくない。
だから、抱き締めたら無言で離れる位が関の山…
でも、一番やっちゃいけない!!
それだけはわかる!!
心の声を聞いている僕だからこそ、ぬか喜びをさせることがわかってしまう。
だから…
僕は微笑んだ。
そして、父が子をあやす様に、軽く頭を撫でてこう告げる。
「その覚悟は嬉しいですが、まだ結論が出てませんからね。そのお気持ちは仕舞っておいてください。それに、その頃には僕に幻滅してるかもしれませんよ?」
「あら、これでも人を見る目はあるつもりです。私の愛しい人が、幻滅する様なことをするとは思えません。その時を心待ちにします」
「ありがとうございます。じゃあそろそろ出掛けますよ。一刻も早く皆に恵美さんの料理を味わって貰いたいですから」
「はい。お気を付けて」
「頑張るねぇ。ご苦労さん」
セーフ…
またゲス姐さんに…
店を出て振り返る。
「セー…」
言葉に詰まった。
セーフは泣いていた。
静かに大粒の涙を次々と溢していた。
「急にどうしたの?」
「なんでもないよ。なんでもね」
泣いてるじゃない。
「泣いて…」「違うよ!!」
言葉を遮られた。
「泣いてなんかいないんだ!!」
流れ落ちる涙を否定する。
「悲し…」「出発だよ」
歩き出すセーフ。
一体どうしたんだろう。
セーフが涙を拭って振り向く。
「さぁみんなが待ってるよ」
眩しい笑顔だ…
聞くなってことだね。
こうして、僕はセーフの変化に気付いた。
でも、それが意味する事を掴む事は出来なかった。
でも、構わない。
この優しい元女神が不誠実な事をする訳が無いからだ。
「さぁ!!気合い入れていこう!!」
叱咤激励の効果で、セーフも元気になったみたい。
「あぁ!!喜ぶ顔が楽しみだよ!!」
浮浪者のいる下町へと向かう。
僕は漆黒とサファイアの防具に身を包み、セーフは羽を出して飛翔して、最速で移動を開始した。
この時以降、涙を流すセーフを僕は知らない。
瑞木美孝18才
レベル28(1)
体力値215(1)=215
魔力値219(1)=219
力339(1)=339
知力231(1)=231
俊敏さ214(1)=214
器用さ220(1)=220
幸運値250(1)=250
魅力437(1)=437
風10(1)=10
水10(1)=10
火10(1)=10
土10(1)=10
光10(1)=10
称号
貧乳も好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、コボルトの天敵
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
解体・交渉・召喚魔法・身体強化中級
精霊魔法信頼級
回復・催眠・風魔法・馬術・範囲観測初級
降霊術
武装レベル:槍13、剣8、投擲19、打撃1、短剣20
相性
綱芳(340)さやか(653)恵美(595)武司(95)玲子(55)
精霊:風(10,7)水(8,7)火(9,0)土(8,7)光(7,7)闇(10,8)
奴隷
なし
設定
一部非表示
楽しんで頂けましたか?
今日も何とか間に合いました。なお、明日はお会いできるはずです。
また明日18時にお会い出来れば幸いです。