467主の洞窟とゲートキーパーのドラゴンゾンビ
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「おお、ここだ、ここ!懐かしいぜ!中々に趣深い洞窟だよな!あの鋭く抉られた爪痕も変わってねぇ!」
灰冠さんが騒ぎだした。
あのドラゴンは、音に敏感なはずだから、聞こえてるだろうなぁ…
「灰冠さん、少し声のトーンを下げてください!さっき来たときに、主がうるさいって叫びながら出てきたと話したでしょうが!」
「おぉ?そうだったな!忘れてたぜ!すまねぇすまねぇ!ここ何年かは、主に会いに来れてねえからよ!興奮しちまった!」
声がでけえってんだよ!
すまねえって言いながら、音量が変わってねぇ!
「水の精霊、頼むよ」
「はーいー、えいやぁー」
水の精霊に頼んで、灰冠さんの声の大きさを通常時の3分の1に固定した。
「なっ?なんだこりゃ!俺の声がすげえ小さくなってるぜ!どういう原理なんだ?ははははっ!おもしれぇ!」
はぁ、良くも悪くも技術屋なんだなぁ…
怒り出さないなら、まぁいいや。
「水の精霊、ありがとう」
「大丈夫ー、じゃあねー」
水の精霊も帰ったし、さっさと洞窟に行くかな。
「灰冠さん、前に来た時は主ってどのあたりに居ましたか?」
「簡単だぜ?ここをくぐるとな、すぐに道が二又に別れるんだ。右に進むと大きな空間があってな。そこに居たぜ!っていうか、うちの国にゃ、そういう口伝があんだよ」
ふむ…
今回はそこには居ないな。
鱗やコレクションもそこにあるから、普段の居住空間に間違いなさそうなんだが…
ん、見つけた。
「今は左に曲がった先にある迷宮の先で、ふて寝中みたいですね。置いてあるお宝もグレードが高い奴ばかりだし…避難所っていうか、宝物庫に籠ってる感じかな。会わずに帰るなら右に行きますか?鱗が拾えますけど…」
「バカ言っちゃいけねえよ!俺はあの鱗を手にいれるためにガチンコ勝負したんだぜ!今さらそんな盗人みたいな真似するもんかよ!居るんだろ?なら、さっさと左にいって主に会おうぜ!」
ご自由にお持ち下さい状態なんだけど…
コレクションはともかく、生え変わった鱗や爪なんかはどうでも良いと思ってるんじゃないかなぁ…
僕も、素材は本気で山ほどの量を、収納してるからいらないけどさ。
「じゃあ、左で。みんな、迷宮を抜けた先で、迎撃を食らう可能性があるから、その辺りから特に気を付けるんだよ?」
「「おぅ」」
「はいっ!」
いい返事だ。
範囲観測で、迷宮の中身を丸裸に出来て、なおかつ、飛行魔法で地上の敵を無視できる僕らに、死角はないと思っていただこう。
「いる魔物は、リザードマン、サラマンダー、レッサードラゴンとドラゴンゾンビだね。ルート的にはサラマンダー2体とドラゴンゾンビ1体は不可避。特にドラゴンゾンビはゲートキーパーだよ」
セーフの範囲観測情報が伝えられる。
この世界に来て、初めてゴブリン、コボルト、オーク以外の魔物と戦えるな!
「すぐサラマンダーが見えてくるはずだから、僕と美嶺が前衛!獲物の収納をリーフ、お願いね!美嶺、これを使って。じゃあ、散開!」
「行くぜ!」
「わかりました!」
「なんで、そんなことがわかる?マジか?」
範囲観測を常用している僕らには、いつもの事ですが。
なんなら、迷宮全ての魔物を感知できる。
迷宮の正解ルートを、グネグネと曲がりながら飛び、少し大きめの部屋で屯っているサラマンダーを発見した。
体が燃えている二体が、互いにフォローしあっていて、地上は通る隙間が無いほど、ピッチリ身を寄せあっている。
倒さなくても、空中を通れるが、火炎を後ろから吐かれるのは望ましくない。
倒しておこう。
美嶺に目配せして、僕は右側を、美嶺は左側を担当する。
収納から、ゴブリン謹製の短剣を取り出して、サラマンダーの額へ投擲、短剣は障害物が無いかのように、そのまま後頭部から突き抜けて出てきた。
もう一頭のサラマンダーにも、美嶺の短剣が突き刺さり、そのまま突き抜ける。
体長5メートルの、炎を纏った蜥蜴二体が、地響きをたてて横倒しに転がった。
「はい、収納っと!しかし、この蜥蜴ちゃん達は…いったい、どこから来たんでしょうね…ドラゴンの縄張りに入り込むわけがないのに」
レベルが1だから、さっき召喚されたんじゃないかなぁ…
「主が喚んだんだと思うよ?僕らの相手にはならないけどね!」
「でも、次はドラゴンゾンビなんだろ?一筋縄じゃあ、いかねぇんじゃねえか?」
多分大丈夫だと思うんだ。
本来なら、最後にボスとして出てきてもおかしくない魔物だけどね。
サラマンダーの居た地点から、更に空中を進むこと30秒、腐肉の塊になった竜が、僕らを出迎えてくれた。
掠れるような野太い咆哮をあげながら、喉の奥に光を灯し始める。
主の咆哮に比べると、展開に時間がかかりすぎだね。
主なら、既に数十発の咆哮を浴びせられているはずだ。
「それでも、まぁ、咆哮が来る前に、やった方が良いよね。よいしょ、っと」
収納から一本の食器を取り出して投擲。
カッという音が響いて、精霊陶器製のフォークがドラゴンゾンビの額に突き刺さった。
その瞬間に、煩く鳴り響いていた咆哮が途絶える。
フォークの突き刺さった額の周辺から、腐りきった肉が、蒸発しては消え始めた。
まずは頭部が、丸裸になり、憎しみに燃えていた眼球が消え去ると、白い頭骨ががらんどうの眼窩を残すのみになる。
蒸発が首の辺りに迫るに従って、その速度が加速していた。
腐肉に包まれた羽も、臓物が半分以上はみ出て、地面に引きずっていた腹も、折れて動けなかった足も、千切れて半分しかなかった尻尾も、瞬く間に蒸発の波に飲まれて、最後には骨格標本のような動かないスカルドラゴンが立ち尽くしている。
「うぉおおお!すっげえ!」
「美孝さん、これは一体?あのフォークはなんですか?」
「い、一撃だと!なにやったんだよ!」
予想通りの結果になっただけだよ。
「美嶺、凄いのはこの聖別された精霊陶器で、僕じゃないさ。リーフ、あれは皆にご飯をくばった時に使ってた食器だよ。灰冠さん、あのフォークには、アンデッドに対して、特別高い攻撃力を持ってるんです」
「なんていうもんで、飯食ってやがる…っていうか。あれの素材ってなんだ?ん?そう言えば、この鎧の素材も…お?」
おっと、失敗。
僕を含めて、皆の鎧には隠蔽の呪術を使ってたけど、あのフォークには、使ってなかったね。
「ふふっ。美孝さんは凄いんですよ。だから、これは秘密です。仕舞っちゃいますね」
リーフが、満足げな笑みを浮かべながら、フォークと共に、輝くような白さになったドラゴンの骨を一瞬の内に収納した。
「…精霊陶器とか言ってたよな!ぜひとも俺も作ってみてぇ!良いか?」
聞こえてるじゃん!
でも…
無理だけどね。
精霊魔法でやらないと不可能だからさ…
「製法は秘匿しますが、出来るならどうぞ?そもそも、僕も特許とかとった訳じゃないので、誰が作っても問題ないはずですよ?」
「ん!そう言ってくれさえすればいいさ。仁義は通したからな。それだけだ!ま、ダメと言おうが、製法を事細かに説明でもしない限り、従うつもりも無いんだけどよ」
と、言う事は説明すりゃ止めとくのか?
なら、生兵法を使うより、良いかも知れないなぁ…
今回の場合は炎の精霊で死人が出る可能性が高いし…
「わかりました!製法をお教えしますから、3つほど約束をして貰えます?」
「は?いきなりなんだ!?製法を伝えるって!?職人の魂の部分をそんなに簡単に売り渡して良いのかよ?」
別に僕は職人の魂までは、兼ね備えてはいないんで良いっすよ?
「ええ。1つは製法の秘匿、もう1つは日用品以外への使用の禁止、最後の1つは情報提供時の他者への同様の縛りです」
「はぁ?そりゃ別に良いけどよ。俺が作ってたら、広まらない訳ねえけど良いのか?」
灰冠さん以外は、そう考えないからね。
「鎧や剣を作れないのに、希望する人は、まぁいないでしょう?そして、灰冠さん以外は、製法に自力で辿り着けるわけないと思いますから!」
「…確かに、俺以外は武具制作に使えないと意味ないか…わかった!よろしく頼むぜ!」
契約成立だ!
「では、主に会った後で教えますね!」
「はぁ?なんで焦らすんだよ?」
そりゃあ、こんなとこで、喋っていればね。
「だって、主がもう来ますもん…さすがに、優雅に喋りつつ、戦闘は危険すぎます」
「かなり怒ってるぜ!」
「八つ当たりで…レッサードラゴンを握りつぶしました…あっ!リザードマンを全て踊り食いするなんて…酷い!」
不機嫌の頂点ぽいなぁ…
「というわけです。理解頂けました?」
「わかった!瑞木の背中で大人しくしてるぜ!」
よろしい!
『お前ら!何してくれとるんじゃ!我の眠りを醒ますなど、なんたる不遜!殺してくれるわ!聞いてやる!理由を言え!』
そう叫び散らしながら、レッサードラゴンの頭をかじりつつ、主が現れた。
やっぱり怒ってるね。
そして、縛りもキチンと効いてるな。
瑞木美孝18才 Lv520(106)
体力値_132万(1320)=17億
魔力値_132万(1320)=17億
__力_132万(1320)=17億
_知力_132万(1320)=17億
俊敏さ_132万(1320)=17億
器用さ_132万(1320)=17億
幸運値_132万(1320)=17億
_魅力_1320万(1320)=175億
__風_11万(1320)=1億
__水_9万(1320)=1億
__火_6万(1320)=8600万
__土_10万(1320)=1億
__光_5万(1320)=6500万
_称号_
貧乳も大好き、心清き者、地母神の養い子、狩人、精霊の親友、魔物の天敵
難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、子煩悩、性の探求者、真の勇者、英雄、救世主
スキル_
超鑑定、他種族言語理解、スキル取得補正、緊急避難、Lv&スキルリセット
収納ポケット、Lvアップ時の魅力値上昇10倍補正、叱咤激励、大声、降霊術、接続
蕩涎級_呪術、精霊魔法
心酔級_思考圧縮、範囲観測、交渉
信頼級_
_上級_召喚、回復、風魔法
_中級_解体、身体強化、錬成、催眠、転移、勇者魔法、殺気自在
_初級_火魔法、馬術
武装Lv_槍232、剣590、投擲506、打撃225、短剣738
__妻_リーフ、恵美、セーフ、さやか
_相性_
綱芳(4478)さやか(22,2)恵美(23,7)武司(1283)玲子(841)朱音(24,1)
メルー(7802)道緒(3213)直(3405)メアリー(3723)燕(3721)レモン(3411)
流々(3156)里乃(3375)リーフ(44,3)奈美枝(1045)御影(20,9)ユリア(3876)
枩李花(3352)霞(3261)ミサ(4719)岬(5168)潤(3358)雨音(3469)美嶺(16,0)
牛江(618)お熊(102)スラー(795)熊江(228)サリー(1510)レミ(450)
他42名(平均2581)
元奴隷12名(平均182)
ノルン達7名(平均93)
天河(3968)春臣(1575)君里(2300)秋虎(2251)アーサー(638)太陽(668)
七海(513)エース(3515)朋久(2094)レイン(206)ムーン(365)
他23名平均(2064)
冒険者200名(平均88)
ハイエナ冒険者40名(平均7)
白雪(201)うさうさ(205)灰冠(183)
_精霊_風(32,9)水(39,0)火(25,2)土(44,2)光(17,7)闇(21,8)
愛奴隷_リーフ、恵美、さやか
_奴隷_
朱音、メルー、道緒、直、メアリー、燕、レモン、流々、里乃、御影、ユリア
枩李花、霞、潤、雨音、美嶺他57人
天河、春臣、君里、秋虎、エース他23人
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