466入口門前広場の竜巻と障壁の歪み
「白雪さん、すみませんね。交渉の材料みたいな、話の振り方をしてしまって…」
「なんだよ。そんなこと気にする必要なんかないぜ!それより謝るのはこっちだ!頭の硬ぇじいちゃんでゴメンな」
白雪さんが謝ることじゃないと思う。
「いえ。基本的には尊敬できる人だとは思いますけどね。でも、いさめられる人は居ないんですか?」
「昔は冒険者としてならしてて、腕っぷしに自信があるから始末が悪いんだよな。あぁ、ばあちゃんなら…いや、逆効果か…でも、瑞木さんが十分いさめてたじゃねえか!凄いと思うぜ?」
奥さんが出てくると、意固地になるって事かな?
……ツンデレ属性か?
ツンデレなのか!?
じいさんがそれ持ってて誰が喜ぶんだよ!
「まぁ、僕が意見を通せたのは竜鱗という人質がいたからこそですね」
「確かにそっかぁ…」
せめて、命がいらないみたいな言動だけ何とかしたいとこだよね。
「すみませんが、ちょっと行ってきます。二時間ほどで帰ったら、また散策に付き合ってくださいね!」
「おう!喜んで」
白雪さんが可愛らしい笑顔で送り出してくれた。
飛び立つ僕の背中に背負われてる灰冠さんへの挨拶無しだ。
お仕置きだそうで、灰冠さんの寂しそうな顔を、範囲観測で見てしまった。
ついでに、銀子さんと椿さんも、名残惜しそうに僕らを見ている。
そんな目で見ても、連れていきませんから!
特に、銀子さんは美嶺にちょっかいをかけるんじゃない!
「美嶺、銀子さんの言う事は気にしなくて良いから、こっちにおいで。さてと…ちゃっちゃと行きますか」
「待ちな。行く前に、確認しないとまずいだろ?1キロも飛んだら、一度降りな!」
久しぶりにセーフが、発言してくれた。
僕らの行動が不自然にならないように、ずっと黙っててくれたもんね。
「確認かぁ…リーフ、1キロ先で着陸だ。いけるかい?」
「はいっ!」
でも、どの辺りを確認しようか…
リーフと美嶺は、それぞれ単独に精霊魔法で飛行してる。
飛行そのものについての確認は、既に済ませたから、二人して楽しそうに飛んでるから、これ以上は必要ない。
「わかってるんだろ?障壁だよ!瑞木が言ったじゃないか?不意打ちに対応出来ないってね!あれは、障壁の効果を二人で分け合うと強度が低下するから、出た言葉だろ?」
いや、そこまでは考えて無かったんだけど?
普通に、障壁がない状態で潰されたりね…
あのドラゴンが結構素早さ高かったからね。
僕は大丈夫だけど、灰冠さんは死ぬってパターンは、いくらでもありそうだ。
そうこうする内に、森の中で少し開けた広場があったので、着陸する。
「ここで、障壁の強度確認をするよ。二人乗りだと、かなり低下するみたいだから、主に会う前に試しておこう」
「あぁん?さっきやっときゃよかったじゃねえか。出掛け前にも飛びかた講習してただろ?」
その通りだね。
僕が気付いてなかったからでもあるけど…
「あれ以上、銀子さんに情報を提供するのは嫌です。生兵法で怪我をするのは、一回で十分でしょ?」
「あぁ?そういやぁ、あいつ、さっきも興味津々だったよな。生兵法でって言うと、この飛行魔法も完全じゃねえのか?」
当たり前だろう?
「灰冠さんも、完璧な剣なんて出来たこと無いですよね。理由については、ノーコメントです」
「ふん…確かに完璧なんて無理か。ま、反省させないといかんからな。わかった。飛行魔法を試すなら、人のいない開けた場所でやるように言っとくぜ!」
まぁ、無駄だね。
「いや、今現在進行形で生兵法をやってますから、無意味ですね。しかも、やらかしたみたいなんで、絶賛後悔中でしょう。巻き込まれたのも椿さんだけですし、かすり傷で済んだみたいなので、お話は終わりです」
「ほぉ、良く見えるな!でもなんか、彼方にでかい竜巻っぽいのが見えるぜ?あれか!」
その通り、風の精霊に同時に2つお願いした人の末路だね。
竜巻でぶっ飛ばされてる。
室内だと死人が多数出る危険な状態だけど、屋外で開けた場所だから死人はそう簡単に出ないね。
そのうえで、風の精霊に、二人を軟着陸させて貰えるよう、お願いしたから、特に問題ないはず。
「二人して目を回していますが、命に別状はありませんから、安心していいですよ」
「ん?ありがとうよ。瑞木が助けてくれたんだろ?すまねえな…」
そうだけど、肯定したくないね。
現地の目撃者にもばれてないはずだし!
「何の事です?知らないですね…さてリーフ、ここで僕が浮いてるから、障壁を展開した状態で軽く当ててくれる?」
「はい、行きますよ!」
笑顔でリーフが、僕の頭を抱え込みに来る。
そのまま、不可抗力として涎の池を作成するつもりみたいだね。
やらせんよ!
別に嫌じゃないけど、まだお仕事中だしね。
「よし、来い!」
「おいおい、いきなりかよ。お手柔らかに頼むぜ?嬢ちゃん」
灰冠さんの呟きが聞こえると同時に、リーフがカッ飛んでくる。
軽くって言ったんだけどなぁ…
まぁ、いっか。
リーフが突っ込んで来ると、ぶち当たった衝撃で、僕の展開した障壁が大きくたわむ。
ギシギシと音を発てながら、リーフの障壁が、僕の障壁をゴム毬の様に歪め、今にも突き破りそうだ。
リーフさん…
なんでそんなに満面の笑顔で、迫ってくるのかなぁ。
まぁ、理由は確認するまでもないんだろうけど!
「ふむ…拮抗状態にするには、4倍位か?」
「そうだね!それ位の魔力量の追加が妥当だろうさ!」
セーフが分析したなら、間違いないね。
「あぁん!折角あと少しで、障壁を割れそうなのに!割って美孝さんを抱き締めたいんです!」
リーフ…
完全に目的変わってますやん!
「リーフ!魔力を足したら駄目だよ!確認中なんだから!元に戻して。後で引っ付けるんだから良いでしょ?」
「はっ!そうでした。確認中でしたね!ごめんなさい」
リーフが魔力追加を元に戻すと、ゆっくり拮抗状態になり、最終的に僕の障壁が、少しだけ優位になって安定した。
「ふむ…自力の差が最後に残った感じだね!99%の部分さ!」
セーフが宣言する。
確かにそう考えれば辻褄が合うね!
「ありがとうリーフ、離れてくれる?次は美嶺の番だよ!」
「はい、名残惜しいです!」
「じゃあ、次は俺が行くぜ!覚悟しとけよ!瑞木!」
美嶺、なんでそんなに気合い十分なんだよ!
美嶺の障壁も、ゴンゴンと僕の障壁を凹ましていく。
さっきと同じように魔力量の追加をすると、拮抗状態に出来た。
「ちっ!成長した俺の力を見せてやりたかったんだけどな!残念だぜ!」
なるほど!
一人前に成長できたと主張したかったわけか…
残念ながら、お父さんは、まだ成人とは認めてあげられないなぁ。
「はい、美嶺そこまでだよ。ありがとう」
「むぅ。それで?どうなんだよ。確認の結果はさ?」
口を尖らせた美嶺が可愛いなぁ。
「結論から言うと、二人乗りだと、障壁の強度が大体4分の1になることがわかったよ!」
「それは…具体的にどんな影響があるのでしょうか?」
「例のドラゴンと比べてどうだよ?」
「主に対抗できそうか?」
出来るとは思うけどね。
「二人乗りだと、ドラゴンの牙や爪が軽く突き抜けてくる強度になるね!ただし、さっきみたいに強度をあげてやれば、対抗は出来るよ」
「つまり…楽勝ってことだな!」
「そうですね!美嶺!」
「そうなのか?聞いた話だけだと、普通に苦戦しそうだぜ?」
どっちでもないかな…
「不意打ちに注意して、リーフと美嶺にフォローして貰えば、被害は出さなくて済みそうって感じだね!」
「元々の話の通りかよ!」
そりゃあそうだよ。
「灰冠さん、強度のアップは、無理矢理やってますから、移動スピードが落ちます。従って、単体で攻撃可能な二人がいなければじり貧でしょう?」
「つまりは、瑞木の判断が正しかったって事だよな。流石はP級の冒険者だ…」
一応覚えててくれたんですね。
「この中で、あのドラゴンと戦ったことがあるのは僕だけでしょう?ある意味では当たり前ですね」
「ちっ!確かに殴りあいはしてねえがな…ガチンコ勝負は、やってんだぜ?この右腕を賭けてな…」
賭け?
「ふむ、前回行ったときですか?何をしたんです?」
「いや、すまねぇ!つまらねぇ事を言っちまった。忘れてくれ!」
急に顔を赤くした灰冠さんがバッと俯いた。
…だから、この属性をドワーフのじいさんが持ってて何が楽しいんだよ!
誰も得しないと思うのは僕だけか!?
白雪さんには引き継がれて無い感じだし、せっかく可愛いんだからこういう部分を引き継げば恋人ぐらいすぐ出来ると思うんだよね。
瑞木美孝18才 Lv520(106)
体力値_132万(1320)=17億
魔力値_132万(1320)=17億
__力_132万(1320)=17億
_知力_132万(1320)=17億
俊敏さ_132万(1320)=17億
器用さ_132万(1320)=17億
幸運値_132万(1320)=17億
_魅力_1320万(1320)=175億
__風_11万(1320)=1億
__水_9万(1320)=1億
__火_6万(1320)=8600万
__土_10万(1320)=1億
__光_5万(1320)=6500万
_称号_
貧乳も大好き、心清き者、地母神の養い子、狩人、精霊の親友、魔物の天敵
難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、子煩悩、性の探求者、真の勇者、英雄、救世主
スキル_
超鑑定、他種族言語理解、スキル取得補正、緊急避難、Lv&スキルリセット
収納ポケット、Lvアップ時の魅力値上昇10倍補正、叱咤激励、大声、降霊術、接続
蕩涎級_呪術、精霊魔法
心酔級_思考圧縮、範囲観測、交渉
信頼級_
_上級_召喚、回復、風魔法
_中級_解体、身体強化、錬成、催眠、転移、勇者魔法、殺気自在
_初級_火魔法、馬術
武装Lv_槍232、剣590、投擲495、打撃225、短剣731
__妻_リーフ、恵美、セーフ、さやか
_相性_
綱芳(4478)さやか(22,2)恵美(23,7)武司(1283)玲子(841)朱音(24,1)
メルー(7802)道緒(3213)直(3405)メアリー(3723)燕(3721)レモン(3411)
流々(3156)里乃(3375)リーフ(44,2)奈美枝(1045)御影(20,9)ユリア(3876)
枩李花(3352)霞(3261)ミサ(4719)岬(5168)潤(3358)雨音(3469)美嶺(15,9)
牛江(618)お熊(102)スラー(795)熊江(228)サリー(1510)レミ(450)
他42名(平均2581)
元奴隷12名(平均182)
ノルン達7名(平均93)
天河(3968)春臣(1575)君里(2300)秋虎(2251)アーサー(638)太陽(668)
七海(513)エース(3515)朋久(2094)レイン(206)ムーン(365)
他23名平均(2064)
冒険者200名(平均88)
ハイエナ冒険者40名(平均7)
白雪(201)うさうさ(205)灰冠(145)
_精霊_風(32,9)水(38,7)火(25,2)土(44,2)光(17,7)闇(21,8)
愛奴隷_リーフ、恵美、さやか
_奴隷_
朱音、メルー、道緒、直、メアリー、燕、レモン、流々、里乃、御影、ユリア
枩李花、霞、潤、雨音、美嶺他57人
天河、春臣、君里、秋虎、エース他23人
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楽しんで頂ければ幸いです。