464灰冠と銀子と主の鱗
「ん?そぉいやぁ、銀子!お前が一番最後に来てやがったよな?客人待たせて、最後に登場たぁ、良いご身分じゃねえか!あぁ?どういう了見か、キッチリ説明しやがれ!」
あれ?
タイミング的には、僕が白雪さんと椿さんを召喚した時点だよな?
執務室を飛び出したのはさ…
結構離れてるのに、眼まで良いのかよ。
このじいさん、素直に尊敬に値するなぁ……
「いやぁ、伝令から話を聞いて、走って来たんですけどな。このお人達の早さには敵いませんでした。すんません」
……走ってはいなかったよね。
範囲観測で確認したから間違いない。
「おぉ?てめぇ…また嘘ついてやがるな!この耳に聞けばわかるって何度言やぁわかるんだよ!こんの馬鹿狐!何隠してやがる!白状しやがれ!!」
銀子さんの耳を引っ張りながら、叱りつけている。
ぷるぷる震えながら涙目になっている銀子さんは、普段のイメージから一番遠い。
昔からの知り合いなんだね。
「うぅ。距離からして楽勝で自分が先につくと思たんで、歩いてきたら、瑞木さん達が先に居ったんです。びっくりしたんですよ」
そうなるように頑張ったのでね。
ギルド長としての権力を、全面に押し出されても困るからさ。
「全く!いつまで経っても、暴走狐銀子のまんまだなぁ…」
やっぱり、昔は荒れてたんだな。
「はぁ…ほんまに事業団長には、いつまでも頭が上がらんわ…でも、こんなとこで立ち話もなんやから、挨拶だけして応接に行かへん?」
十分に気安い気がするのは、僕だけなのかな…
「おぅ!すまねえな!アホ狐の躾に付き合わせてよ!俺は、このレイルクラフト鉱山事業団の団長を務めさせられてるカーマイン灰冠だ!よろしくな!!」
…めっちゃ気安い。
近所の大工の棟梁かよ。
いや、ありがたいんだけどね?
こう、気品とか高貴さ的なものは無いのかな?
「じいちゃん。あたしがいるからって、気安すぎるぜ?いつもなら、もう少し厳かに振る舞ってんじゃねぇか!」
ふむ、白雪さん補正か。
「うるせえな!白雪ちゃんを目の前にして、俺が畏まった話し方して、良いことあったかよ?大抵、途中で吹き出して、大笑いが関の山だ。ここにゃあ、このお三方以外は、身内ばかりなんだから、どうでも良いじゃねぇか!」
身内以外が居れば、どう考えてもアウトだよね?
まぁ、僕はありがたいと思うだけだけどさ。
「まぁまぁ、とりあえず話は紹介して応接でしようや。こちら、ラード王国の新ギルドのオーナーでP級の冒険者、瑞木美孝さん。そんで奥さんの瑞木リーフさん、娘の瑞木美嶺さんやで」
銀子さんが、紹介してくれた。
一礼して名乗っとこうか。
「瑞木美孝です」
「瑞木リーフです」
「瑞木美嶺だ、です」
うーん。
美嶺、惜しい。
「おう!よろしくな!あとは、銀子に白雪ちゃんに、椿か…銀子の言う通り、そこの応接で話そうや。着いてきてくれ」
先導するように、歩き出してるけど…
無防備な背中が、目の前にある。
暗殺とか気にしなくて良いのかなぁ…
「銀子さん」
「ん?あぁ、流石に自分や白雪の紹介じゃなかったら、ああも簡単に背中を晒すこたないで。あと、専門の奴等も近くには控えとるしな」
目配せしたら、わかってくれたらしい…
「アホ狐、何、警備の実体を簡単にバラシてんだ?」
「ん?この人達がその気になったら、警備なんて無意味やからかまへんよ。さっき自分も実感したわ」
実感してくれたらしい。
頑張ったかいがあったね!
「ふん!銀子がそれほどまで言うほどの兄ちゃんか…まぁ、お手柔らかに頼まぁ」
大丈夫っすよ。
「その気になんてなりませんから、安心して下さい」
「…ほぉ。気負いもなく銀子の言葉を肯定とは恐れ入ったぜ!どこまでの実力者かは知らねえが、大した自信だ」
振り向きざまに、ジロリと睨む眼光は、流石国の代表だ。
でも、命のやり取りをしに来た訳じゃないしね。
「単なる事実ですから、気負いも何も必要ありませんよ。僕は、この国そのものの生殺与奪を手にはしてますが、行使する気はないですからね」
「面白い事を言う兄ちゃんだな!銀子!どこまで本当だ?」
「どこまでもや!」
即答した銀子さんの耳は、微動だにしない。
それを見た灰冠さんの顔色が良くなった。
「ふはははっ!マジか!おーし!気に入った!マリーナ、酒だ!応接に用意しろ!」
何を気に入ったか不明だけど、酒を奢ってくれるらしい。
「お気遣いは有り難いですが、飲み会は僕の連絡を聞いてからにしてください」
「…コイツ、本当に真面目なんだな…まぁいいや、着いたぜ。適当に座ってくんな」
促されて入った応接が、ギルド長の部屋とは比較にならない豪華さだった。
まず、広さが違う。
そして、調度品が机と椅子を初めとして泣けそうな位高い物になっている。
ちょっと気圧されそうになった。
「なんだよ。じいちゃんには、何とも思わないのに、高い調度品には緊張すんのか?」
だって、繊細すぎて触れたら壊れそうなんだもの!
素晴らしい物を壊すのは忍びない。
「見る目があるな。俺の作品群に囲まれて、そんだけ緊張するのは、わかってる証拠だ。ますます気に入った!あと、コイツらは見た目ほど脆くないから大丈夫だ!ほれ!」
いや、ほれじゃねぇよ!
自分の作品だからといって、グーで力強く殴るなよ!
確かに、乱暴に扱っても大丈夫だってわかったけど…
億超えの品に乱暴にすんな!
「さて、落ち着いたとこで、本題に行こか。こちらの瑞木さんが、ラードで新ギルドを立ち上げたから、その挨拶に来よったって話からやな」
「それは、さっきので十分だろ?それについては、配慮するし、仲良くやろうってことで、了承してやるから、もう一個の本題に入れ!」
せっかちさんなんだから、当たり前だ。
銀子さんが、目配せしてくる。
はぁ…
全くもう!
焦らして、イラつかせないで欲しいな。
「では、僕から連絡しますね。今日の朝方、レイルクラフト鉱山の主の悲鳴を観測し、厳戒態勢に移行していますが、解除して貰って大丈夫です」
「ふぅ……事と次第によっては考えるが、理由は?」
当然の対応ですな。
わかります。
「理由は、僕が主を完膚なきまでに叩きのめして、泣かせたうえに、理由なく暴れないように躾したんです」
「……それを、言葉だけで信じろと?悪いが俺は主と会った事があるんだ。出来の悪い冗談にしか聞こえないぜ?」
へぇ、あのドラゴンって、問答無用で襲ってくるだけじゃないんだ……
「剥ぎ取った鱗や、泣いたときに採取した涙をご覧になれば、納得頂けますか?」
「事も無げに言うがよぉ。1枚ずつがばかでかいって知ってるのか?オークションにかかる奴の比じゃねぇんだぞ?有るんなら見せてみろよ!」
良くご存じだ。
これなら、納得して貰えるだろう。
「はい。涙と鱗です」
涙は、硝子の器に少量だけ満たして取り出した。
鱗は、さっき出した物と同じものだ。
「うおおおおおおお!マジだ!これはマジもんだ!すげえ!最高だ!まじい!涎出てきやがったぜ!」
興奮しすぎだろう?
「せやろ?素晴らしい品過ぎて、いくらになるか楽しみなんよ!」
「確かに涎が出そうな素材だよな!マジすげえぜ!」
白雪さんや銀子さんも大興奮だ。
「美孝さん、そろそろ仕舞った方が良いですよ?皆さんの目が妖しくなってきましたから」
ん、そうだね。
リーフ。
「確かに、リーフが僕の頭を抱え始めた時の目にそっくりだね。一旦仕舞おう」
「そりゃ仕方ないよな。リーフは、瑞木の匂いが大好きだもん!胸に抱えたら、何も考えられなくなるんだよな?」
美嶺からの冷静な突っ込みに、リーフが真っ赤になる。
「自分がする分には、恥ずかしくなくても、言葉にされると恥ずかしいですね!」
それは……
単に恍惚として、羞恥心を無くしてるだけって奴じゃないのかな?
「まぁ、人前じゃなきゃ、しても構わないから、好きにしたら良いんじゃないかな?」
「はうぅ!そんな良い笑顔はダメですよ!我慢の限界を突破したくなっちゃいます!」
はいはい。
「今はパブリックスペースだから、我慢してね!って事で、そこでジト目で睨んでる方々は、納得して頂けましたか?」
「くっ!」
「イチャイチャと!」
「さっさと素材を片付けおって!」
団長以外は、僕とリーフのやり取りが気にくわなかったらしい。
「返答を頂けると嬉しいんですが?」
「わかった。確かにその鱗は主のもの!しかも、剥ぎ取ってあるから、兄ちゃんが主を怒らせて、更に気を鎮めて帰ってきてる!涙は見たことねえから、わからねぇが、少なくとも素材として特級だ。主の涙なら納得できる」
流石は団長、審査眼も素晴らしいですね。
「つまり?」
「厳戒態勢は、解除しても構わねぇ!ただし、俺と一緒に主の元に行って状態を確かめたらな!その口ぶりからすると簡単なんだろ?付き合って貰うぜ!」
このじいさん、アクティブ過ぎると思う!
嫌いじゃないけどさ!
瑞木美孝18才 Lv520(106)
体力値_132万(1320)=17億
魔力値_132万(1320)=17億
__力_132万(1320)=17億
_知力_132万(1320)=17億
俊敏さ_132万(1320)=17億
器用さ_132万(1320)=17億
幸運値_132万(1320)=17億
_魅力_1320万(1320)=175億
__風_11万(1320)=1億
__水_9万(1320)=1億
__火_6万(1320)=8600万
__土_10万(1320)=1億
__光_5万(1320)=6500万
_称号_
貧乳も大好き、心清き者、地母神の養い子、狩人、精霊の親友、魔物の天敵
難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、子煩悩、性の探求者、真の勇者、英雄、救世主
スキル_
超鑑定、他種族言語理解、スキル取得補正、緊急避難、Lv&スキルリセット
収納ポケット、Lvアップ時の魅力値上昇10倍補正、叱咤激励、大声、降霊術、接続
蕩涎級_呪術、精霊魔法
心酔級_思考圧縮、範囲観測、交渉
信頼級_
_上級_召喚、回復、風魔法
_中級_解体、身体強化、錬成、催眠、転移、勇者魔法、殺気自在
_初級_火魔法、馬術
武装Lv_槍232、剣590、投擲495、打撃205、短剣731
__妻_リーフ、恵美、セーフ、さやか
_相性_
綱芳(4478)さやか(22,2)恵美(23,7)武司(1283)玲子(841)朱音(24,1)
メルー(7802)道緒(3213)直(3405)メアリー(3723)燕(3721)レモン(3411)
流々(3156)里乃(3375)リーフ(44,0)奈美枝(1045)御影(20,9)ユリア(3876)
枩李花(3352)霞(3261)ミサ(4719)岬(5168)潤(3358)雨音(3469)美嶺(15,8)
牛江(618)お熊(102)スラー(795)熊江(228)サリー(1510)レミ(450)
他42名(平均2581)
元奴隷12名(平均182)
ノルン達7名(平均93)
天河(3968)春臣(1575)君里(2300)秋虎(2251)アーサー(638)太陽(668)
七海(513)エース(3515)朋久(2094)レイン(206)ムーン(365)
他23名平均(2064)
冒険者200名(平均88)
ハイエナ冒険者40名(平均7)
白雪(185)うさうさ(205)灰冠(73)
_精霊_風(32,8)水(38,7)火(25,2)土(44,2)光(17,7)闇(21,8)
愛奴隷_リーフ、恵美、さやか
_奴隷_
朱音、メルー、道緒、直、メアリー、燕、レモン、流々、里乃、御影、ユリア
枩李花、霞、潤、雨音、美嶺他57人
天河、春臣、君里、秋虎、エース他23人
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楽しんで頂ければ幸いです。