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女神とともに転移した世界がまるで地獄(エロゲ)でした  作者: 瑞木美海
第8日目 ドワーフの国へ出かけよう
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SS御厨パワーと静谷飛鳥の爆破岩討伐録5 (終)

今日は1時間前にも投稿しています。

よかったらそちらもご覧ください。

「あの…団長?私たちが呼ばれた理由を一応確認しても宜しいですか?」

「私もお聞きしたいです!」


「あ、悪いね。急いでたから、話し忘れてたよ。ごめん」

ここは、既に王宮の待合室…

国王様に呼ばれるのを待っているところだ。

皆と別れてからは、私の足の限界に挑戦という趣だった。

ベテランの二人に私が敵うわけが無いので、早々に諦めて頑張って精一杯速度の維持に努めておいたので、邪魔にはなっていないと思いたい。

やっとたどり着いた王宮で、一息つけたので、こうして確認している。


「国王様に呼ばれてしまう前に、手短にお願いします」

メニーが、かなり焦ってる。

下っぱの私と違って国王様から話を振られる可能性もあるから、ある意味では当たり前だ。


「本当は、僕だけでも良かったんだけどね。今回大活躍の二人に、着いてきて貰いたくてね。爆破岩討伐の功績者として、お伝えしたいんだ。あと、僕の未来の奥さんを、国王様にお伝えしないといけないんで、そういう意味でも飛鳥に付き合って貰いたくてね!」

へ?

今…

何て言った?

お、奥さん!?

誰が?


「あの?ど…」「パワー騎士団長!国王様がお呼びです!入られよ!」

ちょっと!

私に理解する時間をくれ!

メニー!

てめえ、ニヤニヤ笑ってんじゃねえよ!

マジですか!?

マジなんですか!?


 飛鳥は、混乱したまま、団長と3人でラード国王の前で膝を折った。


「3名とも面をあげよ。パワー、この国の存亡に係わる火急の用だったな!何が起きた?説明を許す。くまなく話せ」

私とパワー団長が…

結婚?

意味が?

目の前のおじさんの話なんか、耳に入らないって!




「…というわけで、我が騎士団の8割が死に絶え、現状は残った2割で戦死者の捜索と、当該の塔の見張り、明後日の討伐のための準備を整えております」

パワー団長の声が途切れた。

次は私の番かな?

いや、違うはず!

あのおじさんが、苦悩した表情で、何か言おうとしてるし。

まだだ。

まだ言われんはずだ!

誰か言わないと言って下さい。

お願いします!!


「近衛部隊100名のみが生き残ったと言ったな?」

「はい!その通りでございます」

うぅ。

お腹痛い!


「生き残りで、現状の維持は可能だと思うか?」

「短期間ならば、耐えられます。いえ、耐えてみせます!しかし、次第に不眠不休を強いられる可能性は否定できません!従って、ご提案を3つさせて頂きたいのですが、お許し頂けますか?」

団長の声が、染み渡るなぁ…

このまま、眠りの世界に旅立ちたい。


「そうか…提案を許そう。言ってみよ」

「有り難き幸せ!1つめは人員の早期補充。2つ目は発生する魔物の固定。3つ目は勇者による討伐補助です!」

あぁ…

このまま夢の世界に旅立とう。

というか、ここが既に夢の世界?

いつの間に私眠ったのかな…


「ふむ…1つ目は当たり前だな!早速、我が国の職員から、余剰人員及び希望者を募ろう。新規募集も行うが…どっちにしろ、すぐには使い物にならんだろうな…2つ目は弱い魔物で固定するということであれば問題ないな。ただし、肉の確保は必要だ。考慮のうえで対処せよ。あと、勇者か…勇者なぁ…」

「はっ!新人は何とか早急に叩き上げます。肉の確保については、マザーの出現時に見極めを行います!…やはり、勇者は交渉事態が難しいでしょうか?」

あははっ…

私ってなんでここにいるんだっけ。


「ドラゴンメイルの事を覚えておるか?騎士団全員に貸与しておる鎧なんだが」

「ええ、我が団では、この飛鳥以外の団員は着装しておりますが…それがどうつながるのでしょう?」

あっ、蝶々だ!

まてまてーっ。

はっ。

私は今何を?


「素材は我が騎士団による捕獲だったため費用がかかっていないにも関わらず、作成費がかなりの金額になっておってな…今年に限っては財政がかなり逼迫しておる。防衛の要である騎士団の守備力強化が裏目に出たな……だから、勇者の雇い入れはかなり厳しいのだ…」

「そのようなことですか。簡単ですよ!そのドラゴンメイルを売り払えば事足ります!頂いた鎧を返還させて下さい!国の一大事に、戸惑うものなど我が団員に居ようはずもない!」

まぁ、ぶっちゃけ、マザー相手にも、止まっている魔物相手にも、ドラゴンメイルは過剰装備だ。

反発はほぼ無いだろうなぁ…


「だが、誰のものを返還させるのだ?今後の遺恨は避けたいぞ?」

「確かに!では、全員のドラゴンメイルを召し上げてください。全てを売り払うべきです。もちろん、価格が維持されるスパンで!」

思いきった事をするなぁ…

でも、全員のものを集めたなら遺恨は残らないね!


「待て!多すぎるぞ?団員の数の回復まで3年かかるとしても、鎧の新調と勇者1人の雇用を賄うには大きすぎる額になる!」

「そこの部分を気にする必要はありません!貸与品ですし、元から国庫で作成されたものです!もし、ご考慮頂けるなら、勇者へ地形の回復をご指示下さい。また、今回のような危機に対応するための、方策の礎として頂ければ、嬉しく思います」

流石はパワー団長!

伊達に影で小さな巨人なんて呼ばれてないね!


「…ふむ。わかった…現在の勇者は、話のわかる者だと聞く!我が名ラード竹虎にかけて、手配すると約束しよう!」

「では、まずは、我が鎧から返還致します。お納めください!」

え?

ガバッと脱いだ鎧から、上半身裸で、下半身下着1つの裸体が現れたんですけど?

これ、なんてご褒美?

うわぁ、涎がたれそう!


「まぁ、待て。パワーよ。騎士団長の鎧は、マザードラゴンから作り出した破格のもの!今後のこともあるから、返還は我が許さん!娘さん達の前だ。さっさと着直せ!」

「しかし、それでは、団員達に示しがつきません!」

あぁ…

躍動する筋肉が美しすぎます団長!


「許さんと言ったろう!では、さっき既に許したが、これは400名もの団員の落命を防げなかったお主への罰と心得よ!今後も何があろうとも、命をつないで、指揮をするためにな!」

「くっ……はっ!申し訳ありません。失礼いたしました!」

あぁ…

愛しい団長の筋肉が、仕舞われてしまった…


 コトっという音と共に、メニーが鎧一式を揃えて、目の前に差し出した。

 姿は薄着ではあるが、パワー騎士団長の様にあられもない格好ではない。

 静かに片膝をついている。


「団長が団長なら、団員にも、教育が行き届いておるな…全く、そこまで急ぐ必要は無いのだぞ。全くもって畏れ入るわ!メニーだったな。そなたの忠節嬉しく思うぞ!爆破岩の際の活躍もすばらしいものだ。我が騎士として、そなたがいることを本当に嬉しく思うぞ!これからもちからを尽くしてくれ……」

「有り難き幸せ!」

メニーが涙ぐんでる。

国王様のファンだもんなぁ…

そりゃあ嬉しいだろうね!


「さて、そこに控えているもう一人は、飛鳥だったな。そなたにも、後日褒美をとらす。我が騎士団の誇りだ。今後も活躍を期待するぞ!」

「ありがとうございます!」


「国王様、私的な事ではございますが、実は1つ短い報告をしたく思いますがよろしいでしょうか?」

「ふむ、良かろう。パワーの私的な報告など初めてだな。どうした?」

へ?

まさか?

始まるの?

いや、待って欲しい!

心の準備が!


「前々から早くせよと指示を頂いていた結婚の件ですが、そこに控える飛鳥と夫婦となります!ついては、ご許可を頂きたい!」

うぁ!

骨太な宣言だ。

いや、普通に嬉しいんだけど、急展開過ぎる!!


「ん?パワー、ついにお主の心を捉えたおなごが現れたのか!ただ……それは、相手にも確認しておるんだよな?飛鳥の顔が驚愕に包まれておるが……お主はたまに、そういうところで先走る事があるからな。大丈夫なのだよな?」

あっ、国王様、正解だね!

あんまり大丈夫じゃない。


「……あっ!確認してなかった…」

「大馬鹿者だなぁ…して、飛鳥よ。こんな馬鹿者だが、心根は真面目で良い奴だ。婿には悪くない物件だと思うのだが?どうかな?」

そんなん、確かに大丈夫じゃないけど、答えは決まってるよ!


「喜んで結婚したいと思います!というか、私から頼みたいです!パワー団長!結婚してください!」


「はははっ!良かったな、パワーよ。相思相愛のようだ!」

「飛鳥…ありがとう!」

パワー団長が、こちらを向いて、両手を広げてる!

これはもう、飛び込むしかないよね!

国王様の前とか関係ない!


「パワー団長!大好きです!!」


 二メートルを超える長身の飛鳥が、170センチのパワーに向かってすっ飛んでいく。

 ガシィっという音と共に、危なげなく飛鳥を抱き締めたパワーが、笑顔と共に飛鳥をくるくると回すと、飛鳥の両足からブンブンと風切り音が聞こえている。

 その時、メニーは心の中だけでジャイアントスイングかよと突っ込みを入れた。


「見せつけてくれるなぁ…パワー、このお嬢ちゃんのどの辺りが気に入ったか教えて貰えるか?」

あっ!

私も聞きたいな!


「全てが…ドストライクに好みです!僕より高い身長…鍛練のために短く揃えられた髪型…長いまつげのつぶらな瞳…いつも困ったような眉…整って美しい顔…健康的な日焼け…広い肩幅と長い手足…そして、慎ましやかな胸!!しかも、それら全てを思い悩む仕草!!!最高です!」

待て!


「パワー団長…それって全て私のコンプレックスになってるところなんですけど?」


「知ってるさ。それを思い悩む姿が最高だもの!可愛すぎて、誰にも渡したくない!」

……まぁ、パワー団長に気に入って貰ってるなら、それで良いか。

でも、1つ気になる!


「騎士団の薔薇って二つ名なんですけど……」


「僕が発端だね。僕にとって、飛鳥は真実、美しくて素晴らしい、得難い薔薇にしか見えないから…」

むぅ……


「その二つ名だけは頂けません!今後は飛鳥と呼んで頂けますよね?」


「うーん!その恥じらいを我慢しながら伝える表情が最高だ!我がスイートハニー!!もう薔薇とは呼ばないから、永遠に僕の隣に居ておくれ!」

す?

スイートハニー!?

私のこと?


「あの…一緒には居たいんですけど、私ってずっとそう呼ばれるんですか?」


「うん!良い表情で恥じらってくれるからね!ハニー!」

うぅ!

惚れた弱味だから仕方ない。


「パワー団長、意地悪ですねっ!でも、好きです!」


「お主ら、いい加減にその甘ったるいやり取りを中止しろ。結婚は許してやるから!ただし、現在は問題が実際に山積みなんだから、式は勇者が仕事を始めた後にしろよ?布団の中で仲良くするのは止めないがな!」

「はっ!まずは、山積する問題を二人で片付けます!」

ふ?

布団の中?


「あの…パワー団長?」


「ハニー、一杯可愛がってあげるからね!」

すっごい良い笑顔で笑ってるけど、完全に布団の中でも、私を制圧する気満々だよね?

私、更にパワー団長に溺れちゃうのかな…


「飛鳥、おめでとう!良かったね!!」

メニー…

全てをわかってて、それを言うのかよ!

そのニヤニヤ笑いを隠してから、そういうことは言えっての!

まぁ、いいや!

えいっ!


「ふむ、キスは嫁さんからか。パワー、好かれとってよかったな」

これくらいはさせて貰わないと割りに合わないからね!

楽しんで頂ければ幸いです。

パワーと飛鳥の爆破岩討伐録は終わりです。勇者が来るまでも、来てからも色々思い悩む二人ですが、幸せにはなったようです。

次からは通常投稿に戻ります。

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