453二千トンで12億ラード
「しかし、瑞木さんよぉ、タイムズサークルのレイルクラフト支店に何の用事なんだ?あそこは紙しか無いし、小売りなんかやってないぞ?」
紙の卸売りで拡大してきた店だからね。
「ん?あぁ、買い物じゃないんです。品物の納品がありましてね。あと何分位で着きますか?」
「ん?5分だね。しかし…瑞木さんはほぼ手ぶらだけど。何を納品する予定なんだ?」
タイムズサークルで扱う商品は1つですよね。
「それは見てのお楽しみですよ!手品をご覧に入れますから…納品にもお付き合いされますよね?」
「そりゃあ、手持ちぶさたで、ボーッとしてても仕方ないから、同行させて貰うけど…」
リーフに連絡は済んでるから、後は収納ポケットから、二千トンの紙を吐き出して納品する予定だ。
「実は納品に関して、変な噂が流れるよりも、情報屋である白雪さんにキチンと見てもらって、まともな情報として、流通して貰った方が混乱の予防になりますからね」
「ん?へぇ……そっち方向の話なのかよ!へへっ、何を見せてくれるんだろうな…」
まぁ、そこまで期待されても、肩透かしになるかもしれませんがね。
「ふむ、ここですか?本社と同様に、ばかでかい倉庫がほとんどですね。流石に倉庫の規模は小さいですけど」
「おう、ここだよ。あそこに見える事務所に受付があるから、行こうぜ」
白雪さんが、先に立ってタイムズサークルの事務所に入っていく。
物怖じしない人だなぁ。
「おはようございます。ごめんくださーい。時任丸子さんの依頼で紙の納品に来ました。運搬証書の確認をお願いします」
「はーい!やっと来たのね!もう在庫が心許なくて、心配していたところよ!あら、アナタ新人ね。荷物はどこかしら?あぁ、白雪さんも久し振り!」
年の頃30位のウサミミ女性が、事務所のデスクから、受付に歩いてきた。
社員と言うより、時任さんの息子の奥さんなのかな…
「初めまして、僕は瑞木美孝と申します。ラードで冒険者を営んでおりますので、タイムズサークルの新人ではありません。運搬の依頼を丸子さんから受けて、紙を運んできたんですよ」「副店長、おはよ!」
「あら?そうなの。これは失礼したわ!大事な商品運搬を、丸子代表が冒険者の方に依頼するなんて初めてでしたので…私はこの支店の副店長を務める、時任うさうさと申します」
えっ?
うさうさって?
うさうさって言ったよね?
鑑定でも本名みたいだし!
ちょっと可哀想だな…
でも、極力顔に出さずに確認へ移ろうか。
「いえ、気にしていませんよ。えっと…うさうささん。証書の確認後に納品に移りたいんですが?よろしいですか?」
「はいっ!嬉しいわ!うさうさって呼んでくれるのは、旦那くらいなのよ!私はこのうさうさって名前が気に入ってるのに、なーんか気をつかわれて、時任副店長とか呼ばれるのよ?折角可愛い名前なのに、誰も呼ばないとか失礼しちゃうわ!」
うさうささん…
わかりましたから、お仕事も進めましょうよ!
「うさうささん?」
名前を呼び、運搬証書を持ち上げて差し出すと、うさうささんの目が羞恥の色を帯びた。
「あっ!私、初対面の人に何言ってるのかしら!ごめんなさい!」
年上女性の恥じらいは、それだけで、魅力的だね。
「いいえ、うさうささんは、名前だけでなく、全てが非常に可愛らしくて、じっくり見詰めたくなってしまいますね。でも、仕事に支障をきたしてしまってはいけません。まずは確認をして頂けますか?」
「えっ?はうっ!な、何を?えっと…うっ、運搬…そうよ!運搬証書を確認しなきゃいけないんだったわね!はい、確認のために預かるわね!」
顔を赤く染めて、可愛らしくしどろもどろする様が愛らしい。
ウサミミも忙しなく動いて、辺りの音をしきりに聞き取っている。
「はい。通常の50倍の量ですが、キチンと時任丸子さんからのサインも、もらってますので…不備は無いですよね?」
「ん?そうね!確かに丸子代表のサインも入っているわ。ただ…運び入れる紙はどこかしら?通常は週に1度か2度運び入れる量の50倍よ?荷馬車の姿が見えないのは何故?証書だけ運んで貰っても意味がないのだけど!?ボーノ、ブルーノちょっと来て!」
当然の帰結だね!
男衆を呼ぶのも、全くもって正しい。
「副店長?」「どうしやした?」
事務所の奥から、筋骨隆々のドワーフ二人が、斧を担いで現れる。
レベルは高くないが、鍛えてはいるみたいだね!
もろ、ドワーフの戦士って感じだ!
「まずは証書の確認が必須だと思いましたのでね!品物の確認は倉庫でしてもらえませんか?ここに二千トンは置けないんです!」
「あらあら?何を言っているのかしら?アナタ、二千トンの嵩を知ってるの?そろそろ詐偽として捕まえたいところね」
完全に疑われたか…
ちょっと品物が汚れかねないから、遠慮したんだけど。
「わかりました。ここにまずは1トン出しますので、見ててください!」
「はぁ?」「兄ちゃん…」「おいおい?」
タイムズサークルの面子の顔が呆れ顔になった。
何て言っても、僕が、いきなり事務所の外に毛布を敷き出したからね。
「待ちなよ、瑞木さん!副店長もあたしの話を聞きな!」
白雪さん、見せた方が早そうなんだけど?
でも、ドワーフ二人は、既に斧を振り上げて制圧に移ろうとしてるから、一般的には絶体絶命か…
「白雪さん、茶番に付き合えって話?仕方ないわね!アナタの顔を立ててあげるわ!」
不機嫌なうさうさ副店長を、ブルーノとボーノが振り返る。
視線で、二人を制したうさうさ副店長に、今度は僕がさっさとしなさいと促された。
流石、副店長さんですね。
貫禄を感じる姿だ。
さっきまでの乙女な反応とはひと味違う!
「ほぉら、瑞木さん。あたしに手品を見せてくれるんだろ?」
ウインクしながら、白雪さんも促してくる。
この人に着いてきて貰って良かった。
穏便に済むことは、是非とも穏便に済ませたいもんなぁ…
例えドワーフ二人の鎮圧が楽勝だったとしてもね。
「とりあえず準備が整ったので、ここに1トンの紙を出しますね。はい」
「おぉ!」
「わぁ!」
「へぇ!あら、ごめんなさいね、失礼な物言いをしました」
「大したもんだね!瑞木さん」
一様に驚いて頂けたようで光栄です。
「こんな感じで二千トンを倉庫に納品したいので、お付き合い頂けますか?置く位置と積み上げて良い高さを把握したいんで、現地での指示を貰いたいんです!それが頂ければ、納品自体は3分もあれば終わりますよ?」
「あと二千トンも、同じように出して、置けるんですね!素晴らしい!!わかりました!こちらです!」
うさうささんが、興奮して倉庫に案内を始めた。
ほっ…
なんとか信じて貰えたみたいだ!
「あっしらも行きますぜ」「おうよ!こいつの力はともかく、副店長1人じゃアブねぇ」
ふむ、当然だね。
出した1トンと毛布を収納している間に、二人が僕とうさうささんとの間に壁を作る。
そして、うさうささんの案内で、白雪さんとセーフを含む6人が、すぐに隣の倉庫に辿り着いた。
「普通に紳士な受け答えだったんだから、そんなに心配しなくても良いと思うけど…」
そう言ううさうささんの顔が、少しだけ上気している。
「職務に忠実な素晴らしい職員さんじゃないですか!慕われてるんですね」
「えぇ!自慢の職員よ!信頼してるわ!」
ですよね。
二人とも自己の奴隷化もしてないし!
良い人材を抱えておいでだ。
「では、ここから向こうに向かって置いていきますが良いですか?」
「ええ、それで構わないわ!高さは、さっきの1トンの倍の高さまでで納めて欲しいのだけど。良いかしら?」
お安いご用ですね。
「はい、いきますよ!」
ついさっき、本店でリーフが収納ポケットに入れ込んだ二千トンの紙は、倉庫の中でとても静かに綺麗に整列した。
「リーフありがとう。納品までは終わったよ」
念話で、リーフに向かって伝えておく。
「凄いわね!」
「すげえな!」
うさうささんと白雪さんが、積み上がった紙を見上げている。
「さて、納品も済みましたので、代金を頂戴しますね。二千トンを1トン当たり60万ラードで買い上げて頂くので、12億ラードとなりますが、問題ありませんよね?」
「ボーノ、ブルーノ!全品物の確認だけお願い!終わったら私に報告して頂戴!!瑞木さん、信用しないわけではないけど、商品確認が済むまでは全額の支払いは出来ないわ!半額の6億ラードをまず払います。確認後に残りを渡すという形ね!」
しっかりした管理体制だね!
中抜きとかされてたら、大事になるもんなぁ。
「結構ですよ!では、まず6億ラードを頂きます。残りの支払いが出来るまでの見通しは、どれくらいですか?」
「概ね1時間です!よろしければ、事務所でお茶を飲みながらお待ち頂けますわ!」
うぅ!
心ひかれるなぁ…
ノンビリお茶を頂くのは、至福だけど。
白雪さんのことも拘束してるんだよなぁ。
「スミマセンね。では、その時間を使って、ギルドに顔を出したいので、その後にまた来ますね」
「「えぇーっ!一緒にお茶したかったのになあ!」」
うさうささんと白雪さんが同時に声をあげた!
いや、貴女方忙しいんじゃないんかい!
瑞木美孝18才 Lv520(106)
体力値_132万(1320)=17億
魔力値_132万(1320)=17億
__力_132万(1320)=17億
_知力_132万(1320)=17億
俊敏さ_132万(1320)=17億
器用さ_132万(1320)=17億
幸運値_132万(1320)=17億
_魅力_1320万(1320)=175億
__風_11万(1320)=1億
__水_9万(1320)=1億
__火_6万(1320)=8600万
__土_10万(1320)=1億
__光_5万(1320)=6500万
_称号_
貧乳も大好き、心清き者、地母神の養い子、狩人、精霊の親友、魔物の天敵
難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、子煩悩、性の探求者、真の勇者、英雄、救世主
スキル_
超鑑定、他種族言語理解、スキル取得補正、緊急避難、Lv&スキルリセット
収納ポケット、Lvアップ時の魅力値上昇10倍補正、叱咤激励、大声、降霊術、接続
蕩涎級_呪術、精霊魔法
心酔級_思考圧縮、範囲観測
信頼級_交渉
_上級_召喚、回復、風魔法
_中級_解体、身体強化、錬成、催眠、転移、勇者魔法、殺気自在
_初級_火魔法、馬術
武装Lv_槍232、剣590、投擲495、打撃205、短剣731
__妻_リーフ、恵美、セーフ、さやか
_相性_
綱芳(4478)さやか(22,2)恵美(23,7)武司(1283)玲子(841)朱音(24,1)
メルー(7802)道緒(3213)直(3405)メアリー(3723)燕(3721)レモン(3411)
流々(3156)里乃(3375)リーフ(43,1)奈美枝(1045)御影(20,9)ユリア(3876)
枩李花(3352)霞(3261)ミサ(4719)岬(5168)潤(3358)雨音(3469)美嶺(14,9)
牛江(618)お熊(102)スラー(795)熊江(228)サリー(1510)レミ(450)
他42名(平均2581)
元奴隷12名(平均182)
ノルン達7名(平均93)
天河(3968)春臣(1575)君里(2300)秋虎(2251)アーサー(638)太陽(668)
七海(513)エース(3515)朋久(2094)レイン(206)ムーン(365)
他23名平均(2064)
冒険者200名(平均88)
ハイエナ冒険者40名(平均7)
白雪(67)うさうさ(141)
_精霊_風(32,8)水(38,7)火(25,2)土(44,2)光(17,7)闇(21,8)
愛奴隷_リーフ、恵美、さやか
_奴隷_
朱音、メルー、道緒、直、メアリー、燕、レモン、流々、里乃、御影、ユリア
枩李花、霞、潤、雨音、美嶺他57人
天河、春臣、君里、秋虎、エース他23人
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楽しんで頂ければ幸いです。