315恵美、綱芳の槍さばきとスラーの同志到着
「せいっ!!」
綱芳さんの気合いのこもった声が響いた。
槍の長さを最大限使っての円運動で、斬るようにスラーに攻撃している。
無駄の一切ない攻撃が、切れ目なく続いていた。
しかし、当然の事ながら、能力が2桁以上違うスラーには、全く通じるわけはなく、全てを避けられている。
「はぁっ!!」
しかし、恵美が掛け声と共に綱芳さんの攻撃と息を合わせることで、状況に変化が現れた。
やはり、コンビネーションによって、事態が好転しそうだね…
「この槍の使い方は…なかなか…」
スラーが、そう表現した時には、既に受けきれず、ダメージが入り始めていた。
綱芳さんの槍の斬撃から、スラーが逃げるであろう場所に、恵美が事前に突きの置き土産を大量にしている。
その置き土産がスラーを捉えていたわけだ。
「回転数をあげるぞ!恵美!!」
「はいよっ!!」
2人の掛け声と共に、コンビネーションの動きが更に速くなる。
つまりは、スラーが捉えられ、ダメージを食らう速度も上がっていく。
「ふむ…これならどうかな…」
スラーが、威力の低い綱芳さんの攻撃を避けずに、弾き飛ばし始めた。
とたんに、突きが入りにくくなる。
「待ってたよ!」
カッと恵美が槍を反転させ、石突きで突きを放ち始める。
そして、突きが狙う先は綱芳さんの槍そのもの!!
斬撃を繰り出している槍に、速度と威力を与えて、受け止めているスラーをズバズバ切り刻み始めた。
「何ぃ?」
そう言いながら、スラーが避けに戻れば…
瞬間的に突きに戻って、容赦無く穴だらけにしていく。
「このままだと…」
「じり貧になってくよ!良いのかい?」
2人のギアがまた上がった。
なんか、もぐら叩きを見ているようだ。
随分痛そうだが…
「ふふっ…私がこの状況を作り出している原因に気付かないわけないだろう?」
スラーが、そう宣言すると、2人への的確な攻撃を開始する。
「ぐっ!!さすが…」
「母さんとは違うか…」
今まで、スラーの反撃を読み切り、そこへ攻撃を被せていたため、攻撃の比重がほぼ100%だった2人が、防御にその割合を割かれ始めると、一気に攻勢が怪しくなり始めた。
そう、2人は有効な反撃を封じ込めることで、スラーを相手に有利を得ていたのだ。
うーん、このままだと時間の問題かな…
「君達、着眼点は悪くないけど…有利な間に一撃必殺で勝負を決める方法を模索出来ないと、一旦は押し込んでもこんな風にリカバリーされるよ」
スラーが、余裕でさばき始めてるか…
そろそろかな?
「くぅ!!」
「がぁ!」
スラーの攻撃が、2人にきまって動きが止まる。
「スラーがとりあえず、ここまでだってさ」
「はい…」
「しかし対応早いなぁ」
戦鬼に比べても、対応が早かったらしい。
「いや、素晴らしいコンビネーションだった!!稽古前の非礼を詫びよう。すまなかった。体力値を3億以上持っていかれたな…」
手合せの後にスラーが伝えた言葉だ。
きちんと、反省なり謝罪が出来るって大切だよね。
「いえ、まだまだ実力が足りません。俺に恵美の半分も力があれば、結果が随分違っていたはずですからね」
うあ…
綱芳さんが真面目に、戦いについて話してる。
あの狩りに着いてきて貰った時の、ガクブルの姿からは想像できないな…
「久し振りに、良い汗かいたよ!ありがとう、スラー!!」
恵美も、良い運動になったみたいだね…
「しかし…綱芳さん、あんな使い方だと槍が歪まない?」
「ん?はははっ…実は、母さんにも、そう言われて使用を封印させられた技なんだ…」
まぁ、そうだろうね…
ミスリル製の武器は、高いはずだもん…
打ちつけて、歪ませて良いことなんて無いに決まってるよね…
「はははっ、じゃないですよ?綱芳さん。もう少し道具を労りましょうよ」
「そうだな…でも、瑞木の武器なら今のをやっても歪まないんじゃないか?」
あえて言うなら、わからないって話だな…
「精霊陶器の話なら、多分歪みはしませんが、割れたり欠けたりしそうですね。オリハルコン並みの強度とはいえ、陶器の一種なので、同程度の武器によるダメージはどんな変化を及ぼすやら…普通の陶器と同じなら割れそうですよね」
「そっか…無理っぽいな…」
まぁ、やったことないから実際はどうかわからないけどね…
でも、まぁ武器をいじめるのは好きになれないけどな。
今後を考えるなら、一応実験をしておくべきか。
気乗りはしないけどね!
「さて、朱音さんさっさと鎧をつけてください。美嶺や御影が終わったら、朱音さんの番ですから!」
「えっ?あっ…はい」
未だに半裸のお姐さんが2人、傍らに立っていたので服を着るように促した。
「いくら、攻防戦が素晴らしくても、下着姿のまま見いってちゃ駄目だと思う。女の子なんだからさ…」
「…はぁい…」
朱音さんは、神妙に返事を返すけど…
「リーフ?」
「心外です。これは、美孝さんに真剣に言い訳をしていたので、そのままになっちゃっただけです!!」
なお悪いっちゅうの!!
「まず、服を着てからするべき事だよ!はしたない事はしないでって何回言わすのさ!!扇情的な下着姿のままで、話す言い訳に意味はないよ!反省しなさい!!」
「あ…はい」
暴走しないでよ。
前からだけど、自分の裸を見られることに対する躊躇って、リーフにはホントに無いよなぁ…
真面目に今後が心配だよ!
まぁ、こんな心配をしている時点で、僕はリーフにいかれてるんだよなぁ。
大好きな奥さんなんだし、フォローや諌めるのは僕の役目だよね…
「さて、熊江さん達には、鎧を支給しますよ。受け取って装備してね。付け方がわからなければ、聞いてくれれば良いよ」
「わかりました」
そんなやり取りしてる間に、美嶺が転がされ、御影がへとへとになり、朱音さんは防戦一方だけど善戦した。
「最後に熊江さんたちだね…あとねスラー、この子達は甦生してからまだ2日が経過していないんだ。大丈夫かな?」
「ほぉ、安静にしてないといけない子達を連れて来たのか…まぁ、彼女らの技量ならそもそもの体の使い方からして、激しい運動になどなりようがないから心配いらんが…」
だよね…
連れて来るべきではなかったかな。
「すまない…止めとこうか?」
「いや、さっきも言ったが、どうせ軽い体操か踊り程度でしか動けんよ。ちゃんとフォローするしな。だが、長時間走らせたりはするなよ?1人ずつ来るように伝えてくれ。その方が課題がフォローしやすいし、しっかり実力がわかる。この子達は文字が読めなかったか?」
そうだね…
「御影、通訳を頼んで良いか?」
「わかりました。お請けします」
まだ、男性が怖いのは、さっきの幻覚を考えても明らかだからね。
僕よりも御影の方が相応しいだろう…
「さて、あなた、私は時間になりましたので、メルーと交代します。」
おぉ…
「もう5時半か…早いなぁ。恵美、気を付けて戻ってね…」
「はい、大丈夫ですよ…スラー、稽古ありがとうな、また、たまに誘ってくれると嬉しい…」
まぁ…
今までは極力接近戦は避けてきたからね…
強くなって狩りが簡単だなって思うのと、戦って充足感が得られるのとは、全く別の次元の話なんだってなんとなくわかった。
「是非また来ておくれ。いつでも大歓迎だ…」
スラーの返事を確認してから、恵美が走り去る。
この稽古は定期的に開催した方が良いだろうな…
技能アップは必要だしね!
「瑞木さん!危ないですよ!!避けてください!!」
メルーさんの鬼気迫った声が聞こえた…
あ…
速いなぁ。
恵美が走り去ってから、まだ1分ちょっと…
少し気合い入れて来過ぎな気もする。
早急に誤解を解かないとね。
「ストップ!このスライムは良いスライムだから怯えないで大丈夫です!!」
そう言って、メルーさんがスラーに降り下ろそうとした剣を右手首を掴んで止める。
そのままの体勢で、プラチナスライムのスラーについて語り、それが終わると安心したように、メルーさんの腕から力が抜けた。
「ビックリしました!あの三席が甦ったのかと思って、瑞木さんをお守りしなければと思ったんです!!良かった…」
安心したのか、笑顔になりながらも、涙がポロポロと溢れ出したので、それ以上は綱芳さんに任せることにした。
あぁ…
三席って、あの騎士団を壊滅に追い込んだ馬鹿か…
どんな繋がりかはわからないけど、早く忘れられると良いねぇ…
「さてと…メルーさん、まだ2人ほど来ますので、おんなじ事が起きるとだけ覚えておいてくださいね」
「ん?今説明を聞きましたから、そのお2人の恐怖感を取り除くためには、後はお名前だけなんですよね?聞いておけば、怖い思いをしなくて良いじゃないですか!」
あっ…
そう言えばそうか…
「スラー!!来るっていう同志の名前と容姿を教…」「お待たせ」「待たせたな!」
少しだけ、間に合わなかった…
僕のすぐ左右に佇む2頭って言うか、2人から圧倒的な恐怖感が伝わってくる…
何の気なしに左を見て驚いた…
バニー姿をした見慣れた姿を見つけたからだ…
それは、バニー風の金色のウサギの獣人と化した僕だったわけだけど…
こんなの一体誰が喜ぶってんだよ!!
瑞木美孝18才
レベル497(106)
体力値119万(1320)=15億
魔力値119万(1320)=15億
力120万(1320)=15億
知力119万(1320)=15億
俊敏さ119万(1320)=15億
器用さ119万(1320)=15億
幸運値119万(1320)=15億
魅力1190万(1320)=150億
風10万(1320)=1億
水9万(1320)=1億
火6万(1320)=8100万
土9万(1320)=1億
光4万(1320)=6100万
称号
貧乳も大好き、心清き者、地母神の養い子、狩人、精霊の親友、魔物の天敵、難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、子煩悩、性の探求者、真の勇者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
呪術・精霊魔法蕩涎級
範囲観測信頼級
交渉・召喚魔法・思考圧縮上級
解体・身体強化・催眠魔法・殺気自在中級
回復・風・火・転移魔法・馬術・勇者魔法初級
武装レベル:槍232、剣503、投擲495、打撃198、短剣731
妻
リーフ、恵美、セーフ、さやか
相性
綱芳(3712)さやか(15,7)恵美(17,9)武司(1178)玲子(816)朱音(17,3)メルー(6651)道緒(2892)直(3123)メアリー(2911)燕(2914)レモン(3066)流々(2732)里乃(3004)リーフ(31,0)奈美枝(961)御影(14,7)ユリア(3465)枩李花(2879)霞(2882)ミサ(4091)岬(4463)潤(2883)雨音(2943)美嶺(9101)牛江(605)お熊(75)スラー(621)熊江(72)サリー(555)他42名(平均2239)元奴隷12名(平均53)
天河(3321)春臣(1575)君里(2295)秋虎(2251)アーサー(556)太陽(652)七海(498)エース(3398)朋久(1003)他23名平均(1887)
精霊:風(28,5)水(30,2)火(21,1)土(39,3)光(15,0)闇(18,8)
愛奴隷
リーフ・恵美・さやか
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・御影・ユリア・枩李花・霞・潤・雨音・美嶺他57人
天河・春臣・君里・秋虎・エース他23人
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