267-1シロガネ冴子の演説と自己の奴隷化をした商人達
「バカな話じゃと?どういう意味じゃ?」
ごめん。
「そのままの意味なんですが、これだけじゃ何もわからないのは知ってます」
「…なんじゃ…つまり、愚痴が言いたいだけか!」
そう、聞いて欲しいんだ。
事情を知っている人にね…
「そうですよ。誰かに聞いて貰わなきゃ、ホント…やってられません!!」
「わかったから、詳しく話すが良かろう…」
アーサーが朗らかに笑ってくれる。
ありがとう。
「発端は僕が英雄に認定されたことらしいです…」
「あぁん?演説でラード国王が言ったって奴じゃよな!」
勝手に祭り上げられた結果がこれとか…
マジで泣ける。
「そうです。そして、その日の内に、大商人達の寄り合いがあったんだそうですよ」
「ん?月に1回の定例会か…」
元騎士のアーサーが何で知ってるの?
まぁ、いいけどさ。
「いえ、今月は3年に1度の役員改選があったようで、偶然ですが大規模なものだったそうです…」
「そこで嫌なことが起きたわけか…なんじゃろな。迫害認定でもされたか?」
迫害か…
そう考えて差し支え無さそうなんだよね…
「ラードは自由の国だ。我々商人が築き上げてきた国だ。偽物の英雄なんて不要だ!!という演説が会長候補によってされたんですって…」
「バカか!!そんなことは実力で、黒いゴブリンを排除してから言うが良い!!ついでにギガント3種をなんとかしてから言うが良かろう!!」
まぁ、無理だけどね…
「奴等が言うには、騎士団は我々商人が、ずっと養ってきた私兵なんだそうで、僕はそこから騎士団長や主要人物をかっ浚っていった極悪人なんですって…」
「運営は国費でまかなわれてる上に、騎士団長のリーフをクビにしたのは、国王じゃろが!!バカも休み休み言うが良い!!」
税金という意味だとしても、勘違い甚だしいよね…
養ってきたのは国民全体でだ。
決して商人だけな訳がない。
「更に、僕は騎士団長の手柄を掠め取って、成り上がった偽物の英雄だそうですよ?」
「言うに事欠いて、なんなんじゃ!?それは!!片足の時の嬢ちゃんがもし万全に戦えたとしても、黒いゴブリンを排除出来たわけなかろう!!アイツは特別製だったんじゃぞ!?」
万全の時に一度負けてるしね…
「えぇ、無理でしょうね…しかも、僕は半年の間リーフを監禁して、魔物の駆除を遅らせて、物価を吊り上げて、利益を貪った大犯罪者らしいですよ?」
「二の句が継げないとはこの事じゃ!!そいつらは、アホの集まりなのか?」
名前はご立派ですよ。
「ラード商人連合会の今回の役員改選で会長になった方の演説内容から抜粋させて頂きました」
「最悪じゃ……本当に最悪としか言いようがないわい!!馬っ鹿どもがあっ!!!……して、何が起きた?」
何が、か。
「その会長って奴が、ラードの商人が自己の奴隷化をする時に使うカリスマだって言ったらどうします?」
「かぁああ!!最悪の底を突き破りおった!!つまり…大抵の商人は、そいつの事を尊敬しとるわけじゃよな?」
実際には何も見えていない会長のくせにね。
「ま、おかげで全部で232名のハイエナが、狩りに付いてきてましたよ…その内の185名が、商会の関係で放たれた間者でした!!」
「目的としては、さっきの話通りに、狩りの内容を確認して、手柄を横取り……だったか?」
笑っちまう話ですけどね…
「ははは…全部で108の商会が色んな理由で、動いてましたよ。……一番多いのは、さすが商人ですね。クソ馬鹿会長の言葉が真実か確かめに来てた奴等です。107商会の176名…」
「ほう…鵜呑みにはしないところは、まだ判断力が磨耗しておらんな…」
磨耗してるんだな…
これが。
「そうでもないですよ…単に、他の商会に遅れをとらないように、送り込まれた間者ばかりでしたから…しかも、主目的は会長が言っていたという、僕の悪事の証拠か、リーフや仲間を操る方法を探しに来てるんですから……真実の再確認をするためだそうです。存在しないものを目指して…救えないですよね」
「はぁ…他には誘拐と暗殺だったか?」
暗殺は、クロガネとナイトハルトなんだよな。
「ええ…暗殺の内の一派は既に潰してある奴隷商クロガネです。誘拐は7組9名全てが、クソ馬鹿会長のシロガネ冴子の手の者でした…」
「つまり、主要人物を誘拐して、傀儡にするとかを狙っておったのか?」
もう少しピンポイントだね。
「残念ながら、頭の悪いことに、僕を誘拐して、全てを奪い、殺す予定だったそうですよ…その後、うちの会を食い物にするとか…」
「は?うちの会で最強の瑞木を?奴等の頭の中には、何か別の甘い甘い蜜でも詰まっとるのか?」
何かに食い荒らされてるかもしれないけどね…
「さぁ…たった2日で、8千頭を狩ったのが、よっぽど簡単な仕事に見えたらしいですよ…リーフに全て放り投げたように見えたんですかね…」
「放り投げたように見えたって…現実に新しい強いゴブリンやコボルトを倒しとるんじゃぞ?まともなら少し考えればわかるはずじゃろ!!」
まともじゃないんだよなぁ…
「普通ならそうです!!普通なら…自己の奴隷化の恐ろしいところはそこなんです…商売なら、大量のものを扱うとどうなります?」
「ん?費用が圧縮され、運営コストが下がると言わせたいのか?」
ご名答!!
「さすがはアーサー…それを狩りに当てはめると?」
「失敗するに決まっとるじゃろが!!ゴブリンですら囲まれれば瞬殺されるというのに……奴等はそれをそのまま当てはめたと言うのか!!」
そのとおり…
「正確には、僕が当てはめて成功したと勘違いしたんですけどね…」
「なんでそんな愚かな考えを持っとるんじゃ?畑が違うんじゃから、失敗するに決まってる!」
そこに気づけないんだよな!
「自己の奴隷化の害ですよ…自分の守備範囲である商いの事にしか興味がないし、適応できないんです」
「まさか…奴等は儲け話があるから、無理矢理ねじ込んできたとでも言うのか?」
自分達の分野だと勘違いしてね…
「正にその通り。シロガネ冴子は単独の暴走と言っても良い。でも、ほかの奴等は自己の奴隷化がなければ、こんなことは起こらなかった!!悲劇ですよ…」
「じゃあセーフは、怒っておったじゃろうな…」
自己の奴隷化を憎んでいるからね…
「激怒という言葉も色褪せるほどの怒りでしたね。放つ殺気で周りが歪んで見えましたから…」
「しかし…瑞木、なんでそんなに落ち着いとるんじゃ?……そうか。もう終わらせたのか!」
えぇ…
さっき潰してきたんだ…
「そういうことですよ…さっきの話は、クソ馬鹿会長のシロガネ冴子本人から聞いた話も含まれてますからね…」
「殺したのか?」
ご冗談を!
「嫌ですよ…あんな奴を殺して業を背負うのは!」
「ならば、どう対処したんじゃ?」
心を折ってきただけですね…
「オハナシしましたよ…僕1人で…誘拐を目論んだハイエナ9名を連れてね」
「1人で乗り込んだのか?」
そうすれば、簡単に中には入れました。
「ええ…奴の話の起点は、僕が弱いと言うことでしたから…」
「しかし、9人を運んだところで瑞木が強いなんて…すぐには納得しないんじゃないか?」
魔法で運んだとかね…
「えぇ…仰る通り、高笑いしながら脅しなんかに屈しないと言ってました。だから、証明して良いかと訊ねたんです」
「瑞木が強いことを、知らしめた…のか?」
そんなに大したことはしていませんよ…
「まぁ、現時点ではそれ位しか、証明の手立てもありませんしね…異世界人だから最近まで居なかった、なんて言っても鼻で笑われるだけでしょうし」
「証明できたのじゃな?」
しましたよ。
「まぁ、どうやってシロガネ以外の人間に証明内容をわからせるかが、ポイントだったんで少し悩みましたが…埋めてやりました」
「そいつをか?」
それ死んじゃうでしょ?
「いえ…奴の家屋敷全てを、地下30メートルまで、押し込んでやりました」
「…死人が出そうなんじゃが?」
大丈夫。
「やる前に転移魔法で、生き物は僕を含めて全員外に放り出しましたから…」
「器物破損は?」
バッキバキですよ?
「開始前に、契約を取り交わしましたよ…奴は高笑いをしながら、サインしたんで…訴えられても勝てますよ!!」
「じゃあ…奴は今…」
目の色が変わってました…
「ええ、使用人と共に必死に屋敷を掘ってますよ…押し込んだ圧力で、屋敷が圧壊してるのを見てますが、帳簿類や貴金属など金庫の中のものは、無事だと思ってるようです…」
「無事なわけないじゃろうな…」
金庫も一緒に潰れて、空かないでしょうね。
無事なのは貴金属のみでしょう…
「勘違いで、うちの仲間達を危険にさらしやがったバカを許す気はありません!!」
「手伝いは申し出たんじゃろ?」
取引としてね…
「えぇ、預金残高の半分でとりだしてやろうか?と聞きましたが、お断りだそうです」
「カリスマも地に落ちるじゃろうな…」
それが狙いだからね。
「えぇ…それをみんなに広めて貰ってますから…」
「つまり、瑞木が強いことの証明をシロガネがしてくれるわけか!」
シロガネのカリスマは邪魔なんだよね!!
名声は地に堕ちて貰おうか!!!
「屋敷に行けば、掘ってますからね…商人達の自己の奴隷化を解く切っ掛けになって欲しいですね!!」
「そうじゃな…ところで、この面子は何するんじゃ?」
あぁ…
「暗殺を目論んだ残りの1つ、ナイトハルト家のバカを殴りに行くんですよ。こっちの因縁は、奴隷でしょうけどね…」
「そうか…しかし、シロガネの馬鹿め!!これ程にラードを救おうと頑張る瑞木を、貶めるなど言語道断じゃ!!気にするな…ワシは瑞木に感謝しておる。いつもありがとうよ。ラードそのものは嫌いにならないで欲しい…頼む!!」
アーサー…
ありがとう…
シロガネに散々嫌なこと言われたから、気分が凝り固まっていたんだ。
そう言って貰えて凄く嬉しい!
「アーサー、来てくれてありがとう!!」
瑞木美孝18才
レベル474(105)
体力値109万(1220)=13億
魔力値109万(1220)=13億
力109万(1220)=13億
知力109万(1220)=13億
俊敏さ109万(1220)=13億
器用さ109万(1220)=13億
幸運値109万(1220)=13億
魅力1100万(1220)=130億
風10万(1220)=1億
水8万(1220)=1億
火5万(1220)=7100万
土8万(1220)=1億
光4万(1220)=5300万
称号
貧乳も大好き、心清き者、地母神の養い子、狩人、精霊の親友、魔物の天敵、難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、子煩悩、性の探求者、真の勇者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
呪術・精霊魔法蕩涎級
範囲観測信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・催眠魔法・殺気自在・思考圧縮中級
回復・風・火・転移魔法・馬術・勇者魔法初級
武装レベル:槍232、剣503、投擲495、打撃174、短剣731
妻
リーフ、恵美、セーフ
相性
綱芳(2723)さやか(3712)恵美(14,2)武司(1178)玲子(816)朱音(14,2)メルー(4613)道緒(2563)直(2726)メアリー(2654)燕(2662)レモン(2714)流々(2421)里乃(2633)リーフ(26,9)奈美枝(961)御影(9628)ユリア(3112)枩李花(2513)霞(2528)ミサ(3741)岬(3900)潤(2511)雨音(2640)美嶺(7011)牛江(605)お熊(75)スラー(169)熊江(28)他42名(平均2121)元奴隷12名(平均31)
天河(2896)春臣(1542)君里(2243)秋虎(2193)アーサー(528)太陽(652)七海(498)エース(3398)朋久(1003)他23名平均(1851)
精霊:風(26,4)水(27,8)火(18,4)土(36,9)光(13,8)闇(17,9)
愛奴隷
リーフ・恵美
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・御影・ユリア・枩李花・霞・潤・雨音・美嶺他57人
天河・春臣・君里・秋虎・エース他23人
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