262熊江さんと元の所有者
「現状の話が途中になったね。現在、今日の狩りを終えた僕らは、解体をして、売り払いのための準備をしている」
「その割りには、ここの人達が解体をしているように見えませんね…」
確かにここは草原で、オークは影も形もない。
ふむ…
単に捨て鉢なだけでは無い芯の強さを持ってるのかな?
「そうだね…解体は別の場所でしているよ。血抜きとかもしてるしね。さて、これを見て欲しいんだけど、熊江さんの予想では、僕らは今ここで何をやっていると思う?」
不可視化していたハイエナの檻を、可視化して見せて質問する。
「この、不思議な行動をしている人達の事を考えると…何かしらの魔法の儀式ですか?」
まぁ…
見た限りでは、同じところで足踏みしながら、呻く変な人達でしかないからね!
「あぁ…こいつらは仲間じゃない、僕の仲間に危害を加えようとしてきた奴等だね。僕はハイエナ共と呼んでるんだよ」
「あぁ…良かった…仲間になったんだから、あんなことしなければいけないかと思った…」
いや、確かに嫌だなぁと思うだろうけど…
無理矢理犯されるより嫌なんですか?
「…待って?さっき言ってた性奴隷としての売却の方がよっぽど辛いと思うけど?何故そこまで安心するの?」
「え?はい、そちらなら、心を殺せば、辛い時間は少ないですから…終わった後はちょっと辛い時間が長いんですけどね」
……笑顔で何言ってんだよ!!
処世術かもしれないけど、気持ち悪いよ!!
こんなとこまで追い込んだ奴…
許さねぇ。
「わかった…ちょっとそいつら殺してくるわ…セーフ、情報を寄越してくれ」
害虫は駆除しないと、いけないよね。
うん、いけない。
「…今は止めな。時期が悪い。それにそのクズを殺して、法に触れるのは瑞木だよ?今回のように襲われてる訳じゃないんだから…」
だから?
「何故?人を人として扱わない奴を害虫として処分することの何がいけない!!」
「ここが法治国家だからさ…その害虫がしたことは、法に許された範疇なんだ…わかるだろ?奴隷は人じゃない。物なんだ。生殺与奪はもちろん、扱いは持ち主の自由だ。人権そのものがない。だから、性奴隷として責め続けて死に至らしめたとしても…合法だ。そういう世界なんだよ…ここは!!」
わかるさ…
言葉としてはな!!
でも、気持ちの部分では納得なんて出来るわけねぇ!!
「まぁ…ラードの中では、法整備によって奴隷は非常に高価になっていますので、絶対数が少ないです。だから、取り締まる法律が出来れば、改善する可能性もありますが…」
そうだね。
「つまり、地下に潜って、犯罪は行われる。さらに言えば、家の中なら犯罪の立証など不可能だね。改悪される可能性の方が高い!!リーフそういうことなんでしょ?」
「はい…ラード国王がそういう判断をした時の事を、話して下さった事があります。ならば、合法として高価にする方が膿も出しやすく、締め付け過ぎないことで、エスカレートしにくいと判断したそうです」
ラード国王の苦悩が目に浮かぶようだ…
「先程から不穏な話をしておいでですが、何事ですか?」
不思議そうに熊江さんが、訪ねてくる…
目の前で話したはずだけど?
「熊江さん達の元主人が、凄く気に食わないから、ちょっと害虫として処分してこようとしたら、嫁さんに止められてる最中なんだけど?」
「まさかとは思いましたが、本当にそういう意味でしたか!!止めてください!!私達は大抵大貴族から、段々下へ払い下げられた者です。幾人かの手を渡り歩いていますから、全てを辿ることなど無理でしょう。もし手繰れたとしても、武力で返り討ちですよ?それに、何が気に食わなかったと言うんですか?」
この世界の常識が!!
それに染まっている熊江さんを見ることが!!
いっそ全てが気に食わねぇよ!!
「…そうだな。物として扱われる熊江さんが当たり前だと認識されることが嫌なんだよ…」
「残念ながら、私は今までは物でしたから…仕方ありません。でもこの先は、人間になっていいんですよね?それなら、それで良いじゃないですか…危険な事などしないで下さい!」
……心配をしてくれているんだね。
そして前を向いてくれる。
そう、本人が言うなら仕方ないか…
「わかったよ。でも、君達に酷いことをした奴等との今後の付き合いは、考えさせて貰うけどな…」
「えっと…奴隷商人に仕方なく私を売った人は良い人でしたよ?愛してくれました。後、最初の貴族様のところは人間扱いされました…」
ん?
「つまり、払い下げられたところでひどい目にあったと?」
「はい!そして、さっき言ったように歩けなくなってから引き取られたところでも、ねぎらって頂きました。まともなお礼も出来ませんでしたから、心苦しかったんです。最後までうわ言の様に名前を呼ぶことしか出来ませんでしたが、優しく抱いて頂きました…困窮して私を手放す時は一杯謝られました」
つまり…
勇者魔法は精神すらニュートラルに引き戻す。
害虫扱い対象の中にも、比較的まともな奴もいる。
そういうことか…
「そうだね…昨日もうわ言の様に、アルフォンソの名を呼べと言われて、それを繰り返すことしか…」
お熊さんが、声を詰まらせた。
「お熊さん、わかったから泣かないで…熊江さんは、その優しい人の元に戻りたい?」
「いいえ。私は何も出来ませんから、あの人の元に行っても足手まといでしょう…結局、私を手放すしか無いほど困窮していたのですし…喜ばれるとも思えません」
そうか…
「なら、彼を支えるだけの実力がつけば、考えるんだな?」
「そんなこと無理でしょう?」
ご冗談を…
時間はかかるけどな…
「オーク位は簡単に狩れる実力はつけてもらうから、大丈夫だよ」
「はぁ?」
全員が驚いている。
やるといったらやるっての!!
「でだ、この蠢く奴等は、暗殺や誘拐を狙ってたんで、捕らえてある。午後からは、オークの売り払いと、ハイエナの雇い主を潰しにいく予定だ…」
「潰すとは?」
物理さんで無双…
したいけどな。
「オハナシに行ってくるよ。雇ったハイエナをぶら下げてな…原因を潰してくるのさ」
「何のために?コイツらこそ殺すべきでは?」
負の連鎖は早めに断ち切りたいよね…
「そうしたら、また別のが来るだけだ。だから、雇い主の意図を探る…」
「わかるでしょうか?」
まぁ、予想はついてるからな。
「暗殺の方は、すでに1つ潰してきたから、残りは1つだしね。他の誘拐その他は、単なる調査に近いからな…なんとかなるよね?セーフ…」
「全く…もしも私がわからないと言ったらどうする気だったんだい?」
そりゃもう…
「まぁ、物理さんで、脅しをかけて?」
「そういうのを行き当たりばったりって言うんだよ!!バカだねえ!」
久しぶりのバカだねえが聞けました…
少し元気が出たなぁ…
「でも、その前に熊江さん以外の子にも、優しかった奴の事を聞きたいな…教えてくれる?」
「はい…、…、…、…」
12人分を聞いていると…大体がピンク色の中身だった…
そういう意味ではないんだがな…
でも、全ての奴を憎まなくても良さそうな位には、まともな話も聞けた。
でも…
「綾小路の馬鹿とナイトハルトの馬鹿だけは、絶対に思い知らせてやるからな!!」
「まぁ、その憤りはわかります。お手伝いします!!」
よろしくね。
「リーフ、ありがとう」
瑞木美孝18才
レベル474(92)
体力値109万(1090)=11億
魔力値109万(1090)=11億
力109万(1090)=11億
知力109万(1090)=11億
俊敏さ109万(1090)=11億
器用さ109万(1090)=11億
幸運値109万(1090)=11億
魅力1100万(1090)=120億
風10万(1090)=1億
水8万(1090)=9200万
火5万(1090)=6400万
土8万(1090)=9500万
光4万(1090)=4800万
称号
貧乳も大好き、心清き者、地母神の養い子、狩人、精霊の親友、魔物の天敵、難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、子煩悩、性の探求者、真の勇者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
呪術・精霊魔法蕩涎級
範囲観測信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・催眠魔法・殺気自在・思考圧縮中級
回復・風・火・転移魔法・馬術・勇者魔法初級
武装レベル:槍232、剣503、投擲495、打撃174、短剣731
妻
リーフ、恵美、セーフ
相性
綱芳(2673)さやか(3712)恵美(13,9)武司(1178)玲子(816)朱音(13,9)メルー(4345)道緒(2385)直(2588)メアリー(2512)燕(2493)レモン(2535)流々(2341)里乃(2442)リーフ(26,5)奈美枝(961)御影(8868)ユリア(2887)枩李花(2385)霞(2493)ミサ(3582)岬(3702)潤(2301)雨音(2513)美嶺(6564)牛江(605)お熊(69)スラー(169)熊江(18)他42名(平均1946)
天河(2665)春臣(1501)君里(2243)秋虎(2193)アーサー(519)太陽(652)七海(498)エース(3398)朋久(1003)他23名平均(1826)
精霊:風(26,4)水(27,8)火(18,4)土(36,9)光(13,8)闇(17,9)
愛奴隷
リーフ・恵美
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・御影・ユリア・枩李花・霞・潤・雨音・美嶺他44人
天河・春臣・君里・秋虎・エース他23人
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