241現れたプラチナと鍛練のお誘い
「なぁ…美嶺。僕さ、今非常に後ろを振り返りたくないんだけどさ…気のせいだよね?」
「はははっ。それは奇遇だな、瑞木…実は俺も振り返りたくなくて仕方ないんだ…」
既にエースのところに向かって移動しようとしていた矢先の事なので、既に美嶺は僕の背中に待機済みなのだ…
その身が微かに震えているのがわかる…
「しかしなぁ…観測して後ろには何もない事を、確認済みのはずなのに、何故だろうな?」
「でも、真後ろから、プレッシャーって奴が来てるから、確実に何かいるだろ?」
必死で範囲観測で確認してるのに何も見つけられない!
でも、このままだと、美嶺が危険だからなぁ。
もう、腹をくくるしかないか…
「一体何者だ?」
振り向きながら、美嶺を完全に背に隠して問いただす。
「やぁ!!はじめまして、お元気ですか?」
という、白銀色の書き文字が、振り向いた僕と美嶺を出迎えた。
「……美嶺、これってもしかしなくても、噂をすれば影が射すって奴だよな?」
「まぁ、そうだろうな。しかし、この状況を鑑みるに早いか遅いかの違いでしかないだろ?」
確かに、そうだろうなぁ。
この至近距離に近付かれるまで、全く察知できなかった隠形の術を使ってきている事から考えても…
多分、これ、日常茶飯事的な何かだろ?
まぁ、あくまで向こうからすればであって、僕等からすれば恐ろしすぎる恐怖体験以外の何物でもないが。
とはいえ、礼には礼で答えるべきだよな…
「ふぅ…おはようございます。元気ですよ?取り敢えず穏便にお話が終わるなら更にありがたいのですがね…」
「ほぅ!!これは驚きだ!勇者にまともに挨拶が出来るものがいるとは!!長生きはしてみるものだな…」
やっぱり、警戒バリバリでしたか…
書き文字にも、優雅さより驚きが色濃く反映されている。
「まぁ、ご存じなんでしょうが、名乗りますと、僕は瑞木美孝。背中に背負っているのは、娘の美嶺です。よろしくお願いします。あと、勇者の件は内密に願います。訳あって隠していますので…」
「瑞木、俺は嫁と紹介されたいぞ?娘じゃなく嫁と呼べ!」
却下だ、美嶺!
「おぉ…これはご丁寧に、礼には礼で返すとしよう。我輩はスラー、スラー嶺岡だ。種族は見ての通りのプラチナスライムだよ。宜しくな」
達筆な読みやすい毛書体で自己紹介された。
やっぱりかよ!!
最高ランクがいきなり現れやがったよ!!
「それで…いつから僕の事を見ていたんですか?」
「ん?見ていただけなら、最初に森の入り口に、唐突に現れたときかな。強さはそれほどでもないのに、随分と合理的な動きをするもんだと感心した覚えがある」
本当の一番最初からチェック入ってるじゃねえか!!
一体何が目的なんだよ!!
「悟りを開いたあなたにそう言って頂けるとは…光栄ですね。しかし、何故僕の事を観察しているんですか?」
「あぁ、語弊があったな。単に知っていただけで、そもそもは、君を監視していたわけではないのだ。安心したまえ。さやか殿への告白とか、リーフ殿との草原での情事位しか記憶に残っていないよ」
……全て知ってるんじゃねえか!!
絶対他の事もつぶさに把握しているに決まっているよ!!
絶対だよ!!
しかもピックアップした項目に悪意が紛れ込みすぎだろう!!
単にスラーの性根がゲスなだけかも知れんがな!!
「というと…僕の観察は暇潰しですか?」
「まぁ、そうだな。普通ならそうだっだ。君が勇者に覚醒するまでは、な」
ふむ、中々気合いの入った返しだな。
「本来の目的をお聞きしたいですね…」
「そっちは簡単だな。タワーがあるところには、我等の同志がそれぞれ常駐しているのだ…」
あぁ…
そういうことか!
「新しく悟りを開いた仲間を保護するためだね?」
「察しの良いことだな…と言うことは、さっき、そこの美嶺殿と話していた事は本気なのか…」
当たり前だろ?
「当然でしょうが!!僕は戦いは興味がないので、穏便に退場頂けるなら、それで十分なのですが?」
「そうか、十分か…それならば、この地で生まれた同志を我輩が連れて行っても構わんのだな?」
どうぞ…
「お好きにして頂いて結構ですよ?そもそも、僕にそれを止める権利自体がないと思いますが?人を襲う方向の話でなければ問題がどこかにあるんですか?」
「ふん!!アイアンオークですら、莫大な経験値と褒賞金を産むと知っても、同じことを言えるのか?」
うん。
「答えは変わらないな…経験値は、嫁さんと仲良くすればいくらでも手に入るし、お金も精霊陶器があるから困ってないんだよね…ぶっちゃけ、召喚魔法も壊れ性能な感じで稼げそうだし…その程度の要因で危険じゃない魔物を殺したいとは思わないよ?」
「本気のようだな…」
僕にとってはね…
「まぁ、仲間のレベル上げに限っていうなら、経験値に関してはありがたいかなとは思うけど…だからと言って、意志疎通が出来る子を、僕は殺せやしないと思う」
「俺の事も殺せなかったしな…結局、意思の疎通ができる俺は豚の獣人になったんだから。瑞木は、経験値の為だけに殺しをする事はないだろさ」
まぁね。
その実例が君だからね。
「そうか、では私も君らを殺すことはしないとしよう…」
えっ?
っていうことはもしかして僕らは崖っぷちだったのかな?
「何故?なぜ僕らを殺しに来たんだい?」
「簡単な話だ!吾輩たちを知った勇者は大体我輩らの話を聞かないから、喧嘩別れに終わって、同志狩りが始まるんだ」
それを止めるためか…
「さっき言っていた美嶺のいたところに送る話は?乗るのかい?」
「中々悪くない話だ。だが、私がした努力によって、ここ300年で随分と同志が増えた。わざわざ別の地で友好を深めねばならないほど小さい集まりでは無くなっているのだよ。そうだな…200年前なら、新天地を目指して旅だったかもしれんな…」
そうか…
「既にレストには捨てきれないしがらみが一杯あるんだな…」
「そういうことだ。朝の鍛練に付き合う気があるなら、明日にでも森にこい。時間は5時だ。自由参加だから好きにしろ。来るなら、同志を2人ばかり紹介しても良いぞ」
来いってことかい…
「はいはい…参加しても良いけどお手柔らかに頼むぞ?」
「!!。本気か?嬉しいな!!強者との手合わせは、何時でも心が踊るものよ!!」
喜びすぎだろ?
冗談だったのかよ…
「リーフと恵美に吸い取られてるから、まともに相手は出来んかもしれないから、そこのところは了承しろよ?」
「新婚に、そんな無理は言わんよ。瑞木の黒い髪にアイアンの髪を生やせたら面白いと…そう思うだけさ…」
はぁ?
それって、悟りを開けって話じゃねえか…
「戦いにはあまり興味ないぞ?」
「知ってるよ。だが、他に興味があるのも、嫁さんくらいだろ?」
つまり…
「似てると言いたいわけか…好きにしてくれ…」
「勘違いしないで欲しいんだが、純粋に鍛錬が出来る仲間が増えたことを喜んでいるからな?」
あのさ…
「それってほぼ同義なんだよ!!悟りを開いてるかどうかだけの差しかないじゃねぇか」
「瑞木、俺も行って良いか?」
美嶺が来るなら、大所帯になるのが目に見えるな…
「こう言ってるから、嫁さんとその他を連れていって良いのかな?」
「大歓迎だ!!鍛練を望むものを断る口は持ち合わせていない!!」
端から、口で話してないけどな!!
「じゃあ、僕らは狩りへ戻るよ」
「おう!!また、明日な…」
こうして、プラチナの様に輝く体を、周りの風景に同化させながら、最強のスライムは去っていった。
忍者かよ!!
瑞木美孝18才
レベル441(92)
体力値96万(1090)=10億
魔力値96万(1090)=10億
力96万(1090)=10億
知力96万(1090)=10億
俊敏さ96万(1090)=10億
器用さ96万(1090)=10億
幸運値96万(1090)=10億
魅力960万(1090)=100億
風9万(1090)=1億
水7万(1090)=8600万
火5万(1090)=5960万
土8万(1090)=8850万
光4万(1090)=4470万
称号
貧乳も大好き、心清き者、地母神の養い子、狩人、精霊の親友、魔物の天敵、難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、子煩悩、性の探求者、真の勇者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
呪術・精霊魔法蕩涎級
範囲観測信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・催眠魔法・殺気自在中級
回復・風・火・転移魔法・馬術・思考圧縮・勇者魔法初級
武装レベル:槍232、剣503、投擲495、打撃174、短剣731
妻
リーフ、恵美、セーフ
相性
綱芳(2673)さやか(3712)恵美(12,4)武司(1178)玲子(816)朱音(11,8)メルー(4345)道緒(2385)直(2588)メアリー(2512)燕(2493)レモン(2535)流々(2341)里乃(2442)リーフ(24,1)奈美枝(961)御影(8488)ユリア(2887)枩李花(2385)霞(2493)ミサ(3582)岬(3702)潤(2301)雨音(2513)美嶺(3812)牛江(490)お熊(56)スラー(169)他42名(平均1946)
天河(2665)春臣(1501)君里(2156)秋虎(2193)アーサー(519)太陽(652)七海(498)エース(2777)朋久(1003)他23名平均(1826)
精霊:風(24,6)水(27,2)火(18,1)土(36,6)光(13,8)闇(17,1)
愛奴隷
リーフ・恵美
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・御影・ユリア・枩李花・霞・潤・雨音・美嶺他44人
天河・春臣・君里・秋虎・エース他23人
設定
細かい数値を簡略化表示
楽しんで頂ければ幸いです。