232パラライズオークの殲滅と美嶺のファーストキス
「恵美さん、今、何頭狩ったかわかるか?どうも、範囲観測で数えるのが苦手なんだ…とりあえず、波が一段落したことは知覚できるんだがな…」
エースが恵美に聞いている。
確かに慣れが必要なんだよね…
こう、全体をフワッと掴む感じで、数把握を念じるとわかるみたいな…
口では上手く説明できない…
「私が収納に突っ込んだのが、108頭ね。さっき314頭を斬り倒したから、422頭を倒してるよ。って言うか。もう少し、急所を狙いなよ!最初の108頭は半分位、私が止めを刺したんだから、しっかりやってよ」
なんか、最初に会った時を思い出すな。
丁寧語は普段使わないんだよな…
「すまねえな。さっきは燈佳さんが気になっちまって、集中できてなかった」
一番まずいパターンに、はまり込んでたか。
「目は覚めたか?」
ニカッと笑いながら、からかう。
良い笑顔だ…
「当たり前だ!!あのキスで気合いを入れなかったら、俺に明日の朝日を見る資格はない!!後、3300頭全てぶっ倒すつもりで行くぜ!!」
そうだな…
現在のオーク総数は約3500頭だからな。
「なぁ…瑞木…エースの奴なんで、全部を倒すって言わないんだ?差し引きが合わんぞ?」
ん?
それはな、美嶺…
「毒持ちのオークは、僕が200頭駆逐する予定だからだよ!それに美嶺に100頭抜きをするって約束したじゃないか!!」
「おぉ!!俺との約束を覚えていてくれたのか?忘れられたかと思って、少し寂しかったが、杞憂のようだな。良かったぞ!!」
すまんな。
「僕が美嶺との約束を忘れることも、違えることも無いぞ。だが、不安にさせたみたいだな。ゴメンよ。許してくれ!!」
「ふふっ!!謝るなよ瑞木。瑞木は、全く悪くないじゃないか!少し俺が知らなかっただけだ。気にするなよ…さぁ、エースの方にも大群が迫ってるが…すぐそこに固まってる奴等が瑞木の言う毒持ちのオークじゃないのか?」
美嶺…
お父さんは頑張るからね!!
「ありがとう。奴等は正にパラライズオークだな。リーフの近くには、ポイズンオークが固まってる…さっき放った殺気ではない衝撃が、こいつらの恐怖心を煽って、仲間と合流させたらしい!」
「なんか、あまり見たことない奴等だな…って言うか。なんで、こんなに見分けにくいんだ…?」
見分けにくい?
「もしかして、個体認識をしてたりするか?」
「あん?そりゃするだろ?瑞木は出来ないのか?」
無理だ!!
「悪いが、オークの個体認識は不可能だ。美嶺も徐々に出来なくなると予想するぞ?」
「そっかー、確かにさっき範囲観測で、見ていても見分け辛かったもんなぁ…やっぱり俺って、オークから逸脱したんだな…でも、どうってこと無いと思ってたのに、こんなにも寂寥感に包まれるなんてな」
でもね…
「悪いけど、それは僕ら人間の側に美嶺が近づいてくれてることになるから、僕は嬉しいな!!」
「…そうか。そうだな。そういう考え方もありだよな…今の俺はオークじゃないんだから…」
そこの部分は悩んで自分で結論を出して貰うしかないな…
「すぐに結論を出す話じゃないだろ?悩めば良いさ…ただ、あの集団は狩らせて貰うけどな!準備は良いかい?」
「そうだな!!準備は端から万端だ!!しっかり掴まってるぞ…存分にやってくれ!」
僕の背中で美嶺が話す。
首に回した細い腕に、しっかりと力がこもっている事を確認して、僕はパラライズオークに向かって走り出した。
「美嶺の耐えられる最高速度で行くからな?」
「わかった。頑張るよ!」
さっき、エースが見せた分身など、僕にとっては児戯に等しい位簡単だけど、美嶺が背中にいるから出来ないんだよね…
「まずは投擲だな…」
5つの短剣を右手に出し、横凪ぎに短剣を5つ投擲する。
外周で、警戒していた5頭の心臓に正確に吸い込まれた短剣は、その命の泉を破壊に追い込み、5頭の膝を折らせた。
「まずは5頭、美嶺、衝撃は問題ないな?」
「ん?全然問題ないな。今、いつ投げたのかも知覚できないほど滑らかな動きだったぞ?」
ならば、連続投擲も可能だな…
「じゃあ、次は続けて行くからな?気を付けてな!」
言うが早いか、投擲開始。
右手で5つ、左手で5つ、合計10本の短剣が飛んでいき、外周のパラライズオークの命を手折る。
返す刀の様に、払った両手に再度短剣を収納からセットする。
僕の両手が、横凪ぎに振るわれる度に、10頭ずつ膝を折るパラライズオーク。
相手が異変に気付いて騒ぎ出したのは、残り5頭になってからだった。
既にパラライズオーク達の死体は、95頭にも及んでいる。
「なんだ?やっと異変に気付いたのか?迂闊な奴等よ」
一応、技術の勝利なんだけどな…
「そう言ってやるなよ…短剣の着弾音もほぼしないように、気を使って投げたんだから…最初は、座り込んだとしか見えなかったはずだしね」
「ふむ…瑞木の暗殺術が一枚どころか百枚位上手だったってことか」
そうそう…
「逆に、死ぬ前によく気づいたなって、称賛したいところだな…まぁ、粗品として、短剣を心臓に直接プレゼントしに行く位しか、してやれないけどな…美嶺、行くよ?」
「了解」
右足で踏み込む。
一気に加速して、パラライズオークの懐に飛び込みながら、心臓に短剣の刃をつき入れ、そのまま、少し後ろに向かって押しやると、草はらにガサリと音を立てて、死体が転がった。
残り4頭が、倒れた様子に目を奪われるその瞬間に、背後から、短剣を脳天に2つずつ突き刺す。
「あれ?心臓じゃないのか?」
理由があってな…
「コイツら4頭は互いに、お互いの姿を確認して、見張ってたんだ。だから、その中に入り込むリスクを避けて、脳天にぶち込んだわけだよ」
「ほほぅ!だが、なぜ2本も?」
むむっ!!
「それはな、コイツらの体液には、麻痺成分があってな。なるべく血を撒き散らしたくないんだ。すると、刺した短剣をコジって組織を破壊するのは悪手だ。そして、前に脳天に短剣を刺した場合は、一本では絶命しなかったことが有ったのだよ」
「だから、2本か…よくわかった!!」
さて、これで約束達成だね。
「美嶺、これで100頭抜きを達成したぞ?満足して貰えたかな?」
「うん?あぁ…そうだな!!さすが瑞木だ!!あの100頭抜きを一瞬で片付けるとは!!あまりの事に放心してしまったぞ!!」
戸惑いの後に、満面の笑顔を浮かべている。
「さて、いつまでもこうしてはいられない。ポイズンオークを狩りに行かないとね。他の集団のコントロールもやらなきゃな…」
「素早く他事の心配か、相変わらず心配性だな。まぁ、その辺りは、長としての務めだろうがな。瑞木、こっちを向け!!」
やることは多いからね…
んで、何さ?
「どうした?」
「なぁ、瑞木、俺を抱く気は無いんだよな?」
何を今更。
「その結論を変える気は無いぞ」
「わかった。でも、唇位は寄越して貰うぞ!!」
そう言うと、振り向いている僕の唇に、美嶺の唇が重なった。
ぶっちゃけかわす事は可能だけど、さすがにそれは野暮に過ぎるだろう…
軽く触れた唇は、すぐに離れていった。
「満足かな?」
「うん!思ってたより、キスって衝撃的なんだな。軽く触れただけなのに!!ある意味で、燈佳の凄さを知ったぞ!ファーストキスで俺にはあれは出来ん!」
夢中になってたからなぁ…
「そうだな…なんとなく、リーフに繋がるものを感じるけどな」
「どういう意味なんだ?」
簡単だよ…
「僕の初めてはリーフで、リーフも初めてだったと思うけど…散々に蹂躙されたからね。似てるだろ?」
「……なんだ?その精神的な双子は!!ある意味で羨ましい!!」
まぁ、似てるよね。
2人とも、依存しだすと一直線なところとか…
「人それぞれだよ…さぁ、パラライズオークを収納して、次はポイズンオークだ!!」
「今のでレベルが、ドカッと上がったから、限界値が随分上がったぞ!!だから、遠慮しないで、動いて良いぞ!!」
と言う美嶺に…
「じゃあ、背中から降りて、見ていて貰うからね」
と伝えると…
普通に泣かれました。
「待って、すぐ横で、すぐ倒すから、その間だけだよ!!」
「それなら許してやる!!」
機嫌も治ったし、待ってろよ!!
ポイズンオーク!!
瑞木美孝18才
レベル436(92)
体力値94万(1090)=10億
魔力値94万(1090)=10億
力94万(1090)=10億
知力94万(1090)=10億
俊敏さ94万(1090)=10億
器用さ94万(1090)=10億
幸運値94万(1090)=10億
魅力940万(1090)=100億
風9万(1090)=1億
水7万(1090)=8470万
火5万(1090)=5870万
土8万(1090)=8720万
光4万(1090)=4400万
称号
貧乳も大好き、心清き者、地母神の養い子、狩人、精霊の親友、魔物の天敵、難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、子煩悩、性の探求者、真の勇者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
呪術・精霊魔法蕩涎級
範囲観測信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・催眠魔法・殺気自在中級
回復・風・火・転移魔法・馬術・思考圧縮・勇者魔法初級
武装レベル:槍232、剣503、投擲505、打撃174、短剣731
妻
リーフ、恵美、セーフ
相性
綱芳(2663)さやか(3712)恵美(12,4)武司(1178)玲子(816)朱音(11,7)メルー(4325)道緒(2365)直(2568)メアリー(2492)燕(2473)レモン(2515)流々(2321)里乃(2422)リーフ(23,9)奈美枝(961)御影(8468)ユリア(2867)枩李花(2365)霞(2473)ミサ(3562)岬(3682)潤(2281)雨音(2493)美嶺(2638)牛江(480)お熊(56)他42名(平均1936)
天河(2645)春臣(1481)君里(2156)秋虎(2193)アーサー(516)太陽(652)七海(498)エース(2346)朋久(1003)他23名平均(1821)
精霊:風(24,6)水(27,2)火(18,1)土(36,6)光(13,8)闇(17,1)
愛奴隷
リーフ・恵美
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・御影・ユリア・枩李花・霞・潤・雨音・美嶺他44人
天河・春臣・君里・秋虎・エース他23人
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