214ハイエナ1号と奴隷救出
「奴隷ですかい?へへっ!!生きの悪い奴なんて、居やしませんぜ!!どうです?こいつなんて、まだ元気に息してやがる」
奴隷商人のアイツことクロガネジョンだ。
本名は畔柳ジョン。
今回の件の発案者兼黒幕だ…
「死人一歩手前の奴隷ばかりじゃないですか!!こんな奴隷を買う奴なんていないでしょう!?」
「何を仰いますやら。どうせ、介抱して無敵の狩人にするんでしょ?そうしなきゃ死んじゃいますしー?あははははっ!って言うか。あんたが買うってわかってるからさ!!早く買えよ!まだまだ一杯いるぜ?ざっと100人!!」
嘘つきめ!!
こっちは、正確な数字を知ってるんだよ!
174人だろうが!!
っていうか、もう仮面が外れるなんて、ほんとに三流だなぁ。
駆け引きとか、交渉とか全く考えないんだね。
まぁ、楽でいいけど…
「いくらですか?」
「150万ラード!!」
3000万円かよ…
「何人分でのお話でしょうか?」
「バカなのか?今、お前が指差して聞いたソイツ1人の値段だよ!!当たり前だろ?」
僕の稼ぎ出した金を、根こそぎ持っていこうって魂胆か…
「通常、奴隷の価格は若い男性で10万ラード。若い女性で15万ラード。珍しい獣人でも、それぞれ一割増しと聞いてますよ?もちろん健康な者で…ですよね?」
「黙れよ!そんな相場は、お前には関係無いんだ!!英雄さんよぉ!!俺がソイツを、その値段でしかお前には売りたくねぇって言ってんだよ!!相場なんか関係ねぇ!!」
そうだよな。
僕が、奴隷ですらない浮浪者を仲間にしてる事は、情報屋には知られてる。
しかも、手厚い手当てを渡している事も…
僕を、慈善家だと判断しての行動だろうね。
ある意味間違っちゃいないけど…
「じゃあ、要りません。他の奴隷を下さい!」
単に搾取されるつもりも、ないんだよ。
その為の準備も出来たしね。
「へ?ソイツ死ぬぜ?」
あてが外れたクロガネは、目を白黒させながら言うが、僕の答えは変わらない。
「死ぬような奴隷を、何故僕が買うんです?しかも法外な値段で?全く意味がわからない…他の奴隷の価格を教えてもらいましょうか?」
「150万ラードだ!!」
コイツ…
馬鹿なんだな…
交渉をする気が無いとはいえ、僕の話をしっかり聞かないのは頭が悪いとしか思えない。
「それは…クロガネさんが取り扱ってる奴隷のその全てが、その金額ということなのですか?全て買おうとしたら、品質に関係なく単価が全て150万ラードだと?」
「そうだ!!助けたかったら1億5000万ラードを耳を揃えて出しやがれ!!」
助けたかったらとか、語るに落ちてるなぁ…
しかも、誓約をゲット。
交渉対象がすべての奴隷になったぞ!
「助ける?何の事ですか?僕は奴隷をお得に購入出来ると、貴方から手紙を頂いてお邪魔しただけですよ?」
部下に手紙を持って越させたよな?
買い集めてすぐとか、どんだけ僕の金が欲しいんだよ…
「うっ!!その通りだが!!お前にも英雄としての誇りとかあるんじゃないの?昨日、一昨日と、弱い奴等を助けてたんじゃねえか!知ってるんだぞ!!?」
もう一押しかな…
「知らないですねぇ…ま、僕は友達居なくてさ…狩りを始めたんだけど、人手が足りなくてね。一緒にやってくれる仲間を募ったら、今の仲間と出会えただけさ!!指揮の才能には恵まれたらしくてね…過分な評価は貰ったよ?でも……誇り?なにそれ?食べられるの?」
「つ…つまり?」
顔が青いね…
「僕は単に金儲けの為に、仲間を集めただけさ!だから、わざわざ死にかけの奴隷を買う理由は無いね!!無駄金を払うのはお断りだよ‼」
「え?えぇ?えぇぇええっ!?嘘だ!!仲間にあんなに法外な報酬をやってるじゃねえか!!」
真っ青になりやがった。
「あれは成功報酬だぞ?頑張った奴を正当に評価しただけだ。僕がいくら稼いでるか知ってるんだろ?今後を考えれば、働きに報いるための微々たる経費さ…僕の手足になるのは得だって思うだろ?」
「当たり前?あの額が?」
まぁ…
全体の3割だからな…
「話がそれだけなら帰るけど…良いかな?」
「いや、いやいや、待ってくれ!!わかった!!わかったよ!!うーっ…1人あたり3万でいい!買ってくれないか?」
いきなり、定価まで下げたか…
僕が守銭奴だっていう噂を広めるっていう目的は達成したけど…
提示額が定価とか…
…舐めてんだろ?
「だから!!さっき相場を知ってるって言ったよな?当たり前の金額で買うわけないだろ?しかも、死にかけの奴等だぞ?馬鹿にしてんのか?」
「えっ!?いや……その…全く、この商売上手!憎いねこの色男っ!仕方ないなぁ…値引きしますよ!!1人あたり2万5千ラードでどうです?」
のってきたか…
「だから…ここの奴等にそんな価値があるわけないだろ?1人当たり5千ラード以上を払う気ない!つか。全員で5千ラードでも多いくらいだ」
真実、ここの100人の原価は5千ラード以下の金額だ。
死にかけの奴隷なんて、それくらいの価値としてしか扱われない。
クロガネに1食抜かれただけで、この有様とか…
どれだけ適当な扱いだったのか…
奴隷達の辛さを思って、涙を我慢しているそぶりを見せないために、奥歯を噛みしめた。
「いや、原価割れですよ…その値段じゃあ…2万でどうです?」
嘘つきが!
でも、いけそうだね…
リーフ、燈佳さんを乱入させて!
念話で指示を送る。
「いい加減にしろよ!!5千だよ…それ以上なら払う気がないって言ったろ?他を当たれよ!!もう帰るから、どけよ!!」
「ま、待って下さいよ!!こんな半死人を回復できる人なんて、あなた様以外に居ないんです!!どうか帰らないで下さい。お願いします!!1万ラードで良いですから!!この通り!!」
回り込んで、すがってくる…
商売人ですねぇ…
根性腐ってるけど!
腐り落ちて原型がないけどな!!
「支配人!!1万ラードならば私が買いましょう!!」
颯爽と燈佳さん登場だ…
「え?この奴隷をですか?」
「いや違う!!、今、支配人と瑞木どのが値段交渉していた奴隷全ての話だ!!」
そうそう、その一言は重要だね!!
「なんだ、クロガネさん。売り先が全て決まったみたいだ…しかも、1人当たり1万ラードだってさ。良かったね。利益も出るんじゃない?僕はもう帰るからね」
「アンタには敵わねえな…わかりました。元副騎士団長の燈佳さんにお売りしましょう…」
おし、言質はとったからな。
契約も成立っと!!
もう逃がさねぇよ!!
「待てよ。瑞木!!コイツらの回復を請け負えよ!!お前は金には汚いけど、腕は良いからな…」
台本通りだね。
「なんだよ?僕だよりの話だったんですか?無計画ですね…1人8千ラードなら引き受けても良いですよ?」
「あのな…こっちは奴隷を大量に購入してるんだ!手加減しろ!!この守銭奴が!」
あと一押しだ。
「うるさいですね…1人1万ラードでしか、受ける気無くしました…嫌なら他あたってください」
「なっ!!人の足元見やがって!地獄に落ちろ!!」
なかなか上手だね…
「2万…」「いや、1万ラードで是非ともお願いします!!」
突然、目の前で繰り広げられる寸劇に、目を白黒させるクロガネ。
予定通りだ…
「全く、調子の良いことで…さっさと支払いして、奴隷の所有権持って下さい!!当然、こっちにも先払いですよ?」
「はぁ、仕方ない。奴隷の代金を人数分払いますから。支配人!さっさとカード出しなさい!!」
わざと燈佳さんがクロガネを威圧する。
「はっ、はい!!」
よしっ!
何も考えないでカードを出させることに成功した。
「じゃあいくぞ。これで、支配人の奴隷は全て私のものです!!続いて瑞木、ちゃんと助けろよ!!約束の代金だ!!」
よし、クロガネと僕に174万ラードがそれぞれ入った。
「じゃあ、作業を開始します!リーフ、恵美、来てくれ!」
瞬時に、現れる奥さん二人。
同時に、会の面子も顔を見せる。
「では、食事と回復を行ってから移動を開始致します」
打ち合わせ通りに、リーフが告げた。
「あぁ、そうしてくれ。お仕事だからな、丁寧にやってくれよ?」
「もちろんです。では、奥の奴隷も含めて、作業を開始します!!」
恵美が扉の奥に走り去った。
「待て。いや、待って下さい!なんで、奥に行くんです?契約した奴隷は100名ですよ?全てここにいます!!」
慌てるよなぁ…
奥の74人は上物だもんな…
普通に定価10万ラード以上で売れる。
しかも、他の奴隷と一緒に二束三文で手に入れてるし!
だがな…
だから、誓約させたんだ!!
「支配人!馬鹿なことを言うな!!さっきの支払いでキチンと174万ラードを支払ってるぞ!?174名分だろ?ちゃんと全員寄越せよ!!この為に散財したんだからな!」
燈佳さんが怒鳴る。
ま、僕から借りてるんだけどね…
「そんな…そんな無茶な!!俺は、ここに居る奴等しか売ってない!!」
馬鹿め!!
「ねえ!!さっき僕に吹っ掛けた時に、奥の奴等も売りたかったんでしょう?」
「えっ!?………はい…」
ふん!!
「だからですよ!その交渉を引き摺っていったからですな!ギルドカードの自動支払い機能にそう判断されたんだ。諦めなさい!!」
「そんなぁ…折角のぼろ儲けのチャンスなのに…お願いです。元副騎士団長!再契約してくださいよ!!」
クロガネが燈佳さんに迫るが…
すげなく断られてるね。
「旦那もなんとか言ってやってくださいよ」
ふん!
今だね…
「あぁ!?人が黙って聞いてりゃ!散々僕に吹っ掛けといて、更に僕の仕事の邪魔かよ!!さっきの失礼な物言いを後悔しながら死んどくか?…なぁ!おい!!」
殺気自在スキルで、最大限の殺気を全てクロガネに叩きつけた。
今までの鬱憤を全て乗っけてやる!
「あ、あぁああ。ああ!」
身体中から体液と固形物を吹き出しながら、クロガネが崩れ落ちた。
口から泡まで吹いて完全に気を失っている。
これで邪魔者は消えた。
さっさと作業をするだけだ。
「ふん!!」
僕が吐き出した鼻息が、作業音にかき消された。
要するに、クロガネが奴隷の主人達を不安を煽って、奴隷達を安く買い叩いて、僕にバカ高く売り付けようと動いてやがったわけです。
性質上、僕だけで対応するのは不可能だったんだよね。
奴隷を買うくらい別にいいけど、雨後の竹の子のように再発待ったなしになるし!
という訳で、まだ、情報が流れていない燈佳さんでないと、足元見られちゃうってことでお願いした。
奈美枝さんだと、勇者だから別の意味で迷惑かかるし。
因みにうちの面子を変装させる方向で使う案は、ばれた時に振り出しに戻る可能性もあったので考慮から外した…
燈佳さんに第3勢力になって貰いたかったのは、元々計画していた事だから一石二鳥とも言える。
なお、この話を燈佳さんにしたら1740倍の能力値を夢見てニンマリ笑っていた。
納得してくれたらしいけど、この後待ってる事務手配については考慮の外みたい…
大丈夫かな?
まぁ、何にしても、みんなを助けられて良かったよ…
瑞木美孝18才
レベル427(92)
体力値91万(1090)=10億
魔力値91万(1090)=10億
力91万(1090)=10億
知力91万(1090)=10億
俊敏さ91万(1090)=10億
器用さ91万(1090)=10億
幸運値91万(1090)=10億
魅力910万(1090)=99億
風9万(1090)=1億
水7万(1090)=8290万
火5万(1090)=5750万
土7万(1090)=8530万
光4万(1090)=4300万
称号
貧乳も大好き、心清き者、地母神の養い子、狩人、精霊の親友、魔物の天敵、難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、子煩悩、性の探求者、真の勇者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
呪術・精霊魔法蕩涎級
範囲観測信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・催眠魔法中級
回復・風・火魔法・馬術・思考圧縮・勇者魔法・殺気自在初級
武装レベル:槍232、剣503、投擲493、打撃174、短剣725
妻
リーフ、恵美、セーフ
相性
綱芳(2573)さやか(3712)恵美(10,7)武司(1178)玲子(816)朱音(11,3)メルー(4036)道緒(2315)直(2514)メアリー(2429)燕(2398)レモン(2463)流々(2267)里乃(2373)リーフ(19,3)奈美枝(961)御影(8006)ユリア(2804)枩李花(2311)霞(2412)ミサ(3499)岬(3612)潤(2211)雨音(2399)美嶺(1002)他42名(平均1926)
天河(2598)春臣(1431)君里(2076)秋虎(2061)アーサー(509)太陽(652)七海(498)エース(2146)朋久(1003)他23名平均(1781)
精霊:風(24,0)水(26,9)火(17,8)土(32,9)光(13,5)闇(16,8)
愛奴隷
リーフ・恵美
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・御影・ユリア・枩李花・霞・潤・雨音・美嶺他44人
天河・春臣・君里・秋虎・エース他23人
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