１９８美嶺の笑顔と殺す覚悟
「ところで、美嶺ちゃんについて、覚悟は出来ているのかしら？」
何のでしょう？
「結婚する覚悟ですか？それとも、娘として嫁に出す覚悟の事でしょうか？何にしても、未熟者ですから双方ともに覚悟できてないかなぁ…」
「…違うわ、わかってて言ってるの？瑞木君は美嶺ちゃんの行動に、責任を持たなければいけないの。これは場合によっては、命を奪う覚悟を必要とする話よ？」
はははっ…
言いにくいこともズバリ言ってくれるんですよね。
しかも、仲間の前でも一切躊躇しない…
何てありがたい言葉だ！
「はい…だからこそ、僕が彼女を養子にするつもりです。さやかさんの懸念は２つですよね？１つは、美嶺が仲間の振りをしている場合。もう１つは、意思に反して暴走した場合。双方とも僕の責任において、必要ならば命を断つ覚悟をしていますよ…もちろん、最終手段としてですけどね」
「あら…随分と厳しい判断が出来るようになったのね…てっきり出来ませんと言われるかと思ったわ」
うーん。
「…それが出来なかったからこその苦肉の策でしたからね。この獣人への変化が…です。だから、端から人間に危害を加える存在になってしまったら、僕の責任で暴走を止めなければと思っていますよ…」
「その兆しは？」
ありがたいことに…
「全くありません。こちらの言う言葉に耳を傾け、思ったことをちゃんと伝えてくれてます。しかも、自分の立ち位置まで把握してます…喜んで良いのかわかりませんが、その意味では御影と比べるべくもなく優秀ですよ」
「あら…それは喜ぶべきじゃない？人との意思疏通がまともに出来るなら、少なくとも暴走する心配はないもの。演技の可能性は拭えないけど…」
まぁ…
「申し訳ありませんが、今のあの裏表のない言動が、演技なら僕は躊躇無く美嶺の命を奪えると思いますよ？」
「あら、それほどなの…ある意味凄いわね…」
ふふっ…
「えぇ！自慢の娘ですよ？」
「…完全に子煩悩のお父さんね…自分の子供でもないのにどうしたの？」
えっと…
「さぁ…僕自身良くわかりませんね…でも、うちの面子の子供達にも、男女関係なく、比較的同じ様な思いを抱いていますから。僕の本質的なものでしょうか？」
「あぁ…確かにね。瑞木君は仲間認定すると驚くほど甘いものね…当然と言えば当然か」
あれ？
そんなに甘かったですかね…
と、ここで、僕だけ小声の会話は打ち切られた。
我が子が現れたからである。
「おい!!いい加減に内緒話を止めろよ！俺の話なんだろ？こそこそされるとなんか悲しくなってくる！」
あれ？
そう言えば、こっちに来てた面子をまだ確認してなかったな……
「よう、美嶺。こっちに来てたんだな……今まで何処行ってたんだ？」
「おう。来てたぜ？リーフと一緒に服を買いに行ってたんだ！どうだ？俺の可憐さを引き立ててるだろ？」
新しいスカートをヒラヒラと揺らしながら、クルリと回る美嶺の姿が愛らしい。
ふむ。
中々センスが良いな。
「はい、査定が終わるまでと思いまして、服屋さんに行ってきたんです。美嶺が…その…下着もはいてなかった事に気付きましたので…」
おぅ！
これは大失敗だ!!
「ありがとう、リーフ！ゴメンな、美嶺!!ローブを着てたから完全に失念してたよ。そして、可愛いぞ美嶺」
「ふふっ！そうだろう!!リーフが選んでくれたんだ!!さっきのローブも良かったがこっちのほうが、ヒラヒラが一杯ついてて可愛いって！俺、リーフの事も好きになったぞ！」
うん。
「そりゃ良かった…ほかのみんなとも仲良くするんだぞ？」
「うーん、そうだな…できるといいな」
途端に思案顔になる。
「だよな。まだ、みんながどんな事考えてるかわからないもんな…でも、僕は大丈夫だと信じてるから。僕の事を信用して美嶺からも歩み寄って欲しいな」
「ん？瑞木がそう言うなら、俺が頑張らない理由は無いな!!へへっ！」
いい笑顔だ。
「その意気だ。頑張れ！とまぁ、こんな元気な可愛い子なんですよ。さやかさん。ギルド登録をお願いしますね？」
「あぁ、まぁ、確かに裏表の無い良い子ね…裏切られたら人間不信いえ、獣人不信になること請け合いね。新規登録だから２千ラードね。ギルド証と今日の分の紙データを取ってくるわね…少し待ってて？」
そうだ…
「じゃあ、少し席を外します。仲間たちを仮拠点に待たせっぱなしだったんで…呼んできますよ」
「わかったわ。あぁ、因みに楓加達についてはギルド証も発行済みよ？身分証があったから無料ね。天河に問い合わせられたから、リーフに確認とって発行しといたわよ」
おぉ、仕事が早い。
「ありがとうございます」
「瑞木！俺は裏切ったりしないぜ!!そもそも、瑞木になら、今ここで殺されたって文句は言わないんだからな!!」
美嶺…
「すまんな。あくまでも万一の話だ。僕も美嶺が裏切るなんて思ってないさ！でも、もしそんなことになったら、僕の心が再起不能になっちまうって話なんだから…あとな。僕は美嶺に元気で笑っていて欲しいんだ…殺されたって良いなんて言わないで欲しいな」
これは、僕の我が儘でしかないけどな…
一方で殺す覚悟をしながら、こんなことを言うなんて…
「わかった！大丈夫だから心配するな!!俺は裏切らねえぜ!!だから、瑞木は再起不能になったりしないぞ」
ん…
「おう。じゃ、行ってくるよ」
本当にひとっ飛びで、仮拠点に到着し、残っていたみんなに、撤収を伝えた。
集合はギルド。
馬屋だけは閉鎖して、他人が潜めないようにして、更衣室には鍵をかける。
「じゃ、現地集合で…」
「おう！一応固まって移動するぜ!!」
天河が張り切ってる。
「あぁ!!朱音さんの指示に従ってくれ」
「「おう！」」
「よろしく」
と言いつつギルドに到着。
我ながら速すぎる。
「あぁ、ちょうど良かったわ…はい、これが今日の分の明細書よ…１８回だから、７万２千ラードね。で、こっちが美嶺のギルド証よ」
「あっ。さやかさん…ありがとうございます。はい、美嶺。身分証だから無くさないでね」
「おう、早かったな。これがギルド証か…これで買い食いが出来るな」
まて…
何で食い気？
「残念ながら、そのカードにお金が入ってないと無理だぞ？しかも、現在のラードでまともな屋台は存在しないからな…止めとこうよ」
「残念だ…」
そんなこと位で落ち込まないでくれ…
「さて、査定の内容をお伝えしますよ？ゴブリンが１７０頭で３４万ラード。コボルトが全ての種類を併せて３５６８頭で、３億６７１２万３１００ラードです。この中には毛皮と肉の値段も含みます」
中々の金額だ…
情報を昨日買った紙に、複写しつつ、御影に渡す。
「素晴らしいですね！総額３億超えって!!普通に歯の根が合わなくなりそうです」
まぁ、良いけどな…
「御影、２％じゃないから気を付けろよ？」
「ハウッ!!そうでした。私のバカバカっ!!これだけで２０万ラード近くの損失ですね…全くもってバカでした！」
そう思うなら…
「以後は常識的な行動を行うことだな！」
「うぅ…はい…気をとり直して、７１５万８９３９ラードが計算に対する私個人の報酬額です。戦闘に関する報酬は、総額の２５％を美嶺を除外した９０名で山分けですから、一人あたり１０１万９７９２ラード。私の個人の報酬総合計額は８１７万８７３１ラードですね!!素晴らしい!!今日だけで不動産屋の給料の生涯賃金に近い額を叩き出すなんて、さすが瑞木さんです」
本当にお金が好きだよね…
まぁ、良いんだけどさ。
「じゃあ、みんなが来たら検算してから分配だね…」
「えっと…瑞木君、あなたの個人資産額が大変なことになってるのだけど…聞いた報酬額を配った後だと３億８千万ラードかな？まだ明日も狩るんでしょ？危ないわよ？」
えっ!?
どういう意味で？
瑞木美孝18才
レベル421(92)
体力値89万(910)=8億
魔力値89万(910)=8億
力89万(910)=8億
知力89万(910)=8億
俊敏さ89万(910)=8億
器用さ89万(910)=8億
幸運値89万(910)=8億
魅力890万(910)=81億
風8万(910)=8070万
水7万(910)=6810万
火5万(910)=4730万
土7万(910)=7010万
光4万(910)=3540万
称号
貧乳も大好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、魔物の天敵、難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、探求者、子煩悩
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
呪術・精霊魔法蕩涎級
範囲観測信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・催眠魔法中級
回復・風・火魔法・馬術・思考圧縮初級
武装レベル：槍232、剣503、投擲493、打撃174、短剣725
妻
リーフ、恵美、セーフ
相性
綱芳(2464)さやか(3234)恵美(6963)武司(692)玲子(55)朱音(8053)メルー(3596)道緒(2133)直(2355)メアリー(2262)燕(2213)レモン(2282)流々(2110)里乃(2206)リーフ(14,9)奈美枝(203)御影(6131)ユリア(2631)枩李花(2150)霞(2263)ミサ(3326)岬(3456)潤(2053)雨音(2234)美嶺(3836)他42名(平均1815)
天河(2452)春臣(1431)君里(1932)秋虎(1912)アーサー(493)太陽(79)七海(71)エース(2001)朋久(1003)他23名平均(1670)
精霊:風(23,7)水(25,2)火(16,4)土(32,6)光(13,2)闇(15,9）
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・御影・恵美・ユリア・枩李花・霞・潤・雨音・美嶺他４４人
天河・春臣・君里・秋虎・エース他２３人
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