192オークのつがいとオークの仲間
「うはっ!!旨いな!!」
昼飯の欠片と汁と唾液が混ざった何かが、盛大に飛び散る。
「美嶺!!口の中に物を入れたまま叫ぶな!!周りの皆にも、その昼飯にも、恵美さんにも失礼だ!!」
「うっ」
美嶺がもぐもぐ噛んで飲み込む。
「ん?」
「そりゃあ、すまんかった…確かに、折角のうまい飯が口から出れば、その分食べれんな。気を付ける」
中々素直じゃないか…
「うん。気を付けてくれれば良いよ…」
「しかし、この旨い飯は誰が作ったんだ?さっきの恵美さんとやらか?」
恵美さんのご飯は、人間ではない種族にも好評なんだな…
「さっきも言ったな。僕の奥さんの恵美さんが、ご飯の事は一手に引き受けてるよ…ほら、見てごらん。あの人だ!」
美嶺が視線を向けるその先に、焼き飯を炎の精霊とともに作り終わって、こちらに歩いてくる恵美さんが居た。
右手で自分の分の焼き飯を運びつつ、左手で三角巾を外す姿が、格好いい。
仕事人の味というものがじっくりと熟成されているのを感じる…
まだ若いのに…
「えーっと…いま、何か凄く失礼なこと考えませんでしたか?」
恵美さんから、鋭い突っ込みが入った。
何故わかったんだろう…
「三角巾を取る格好いい姿に見とれてただけですよ」
「ま、良いです。さて、その金髪さんの名前はわかりましたか?」
焼き飯をテーブルに置き、座りながらの恵美さんの言葉だ…
「僕が美嶺という名前を贈ったので、美嶺と呼んであげて下さい」
「へぇ…じゃ、瑞木美嶺か…私達の子供にするの?」
……ん?
「えっと…ごめん。考えてなかった…」
「全く…」
セーフ、命を助けるので精一杯だったんだよ。
「あら、珍しい!」
リーフ、僕はそんなに能力高くない…
「あれ?違った?」
恵美さん、気付かせてくれてありがとう。
「妥当な線じゃない?」
朱音さん、確かにそうですね…
「俺の話か?なんで瑞木美嶺になるんだ?」
それはね…
「君の身柄を僕が預かるのが妥当なんだよね…だから、美嶺が望んでくれるなら、僕らの娘として家族の一員になって欲しいんだ。そして、家族の証として、僕の苗字である瑞木を共有すると、君は瑞木美嶺になるんだよ」
「ってことは…リーフたちにも、瑞木と同じ苗字がついてるのか?」
確かに、さっきは名前しか伝えなかったな…
「そうさ。瑞木リーフと瑞木恵美、瑞木セーフだ。まだ、結婚してないから、朱音さんだけは鍵軒朱音だけどね」
「ほう…では、俺は朱音に先んじて、結婚するということになるわけか…興味深いな…しかし、俺とつがいになるとは…怖いもの知らずだな。瑞木よ」
ちっがーう!!
「「「「違う!!」」」」
奥さん達全員からの突っ込みが入った。
「そう!違うよ。僕は既に5人と結婚する方向で話が進んでるんだから、嫁さんをこれ以上増やす気はないよ!!美嶺はあくまでも養子だね…僕らの娘としてって言ったじゃないか」
「ん?なんだそりゃ?養子?意味がわからんな」
そっか…
「きっと…オークには養子って状況が無いんだね。だから、理解できないんじゃないかな?」
「…さあな。とりあえず俺に状況説明をしてみろよ…聞いてやるから」
高飛車だな。
いいけどさ…
「えっと…例えばつがいが居てさ。そこに子供が生まれるよね?」
「そりゃ、何億と生まれるな」
億?
「で…そのつがいが何かの理由で亡くなったとする」
「勇者に斬られたりするな」
この世界の勇者にはあまり関係なさそうだけど…
「そうしたら、子供が残されたりするよね?」
「あぁ…管理されなくなった子供の末路は…酷いもんだ」
いや…
なんとなく心が痛いんですけど?
「その子供を別のつがいが引き取って育てることを、養子にするって言うんだよ」
「あぁ!!あれか!えっと…ここまで出かかってるんだよな。あれ、あの…」
何かピンと来るものがあったらしい…
「無理に思い出さなくても良いよ?そう言う意味で僕たち夫婦で君を…」「あぁ!!思い出した!奴隷か!!奴隷の事だな!!」
おい!!
待て、美嶺!
「違うから!!超絶違うから!!」
「違うのか?」
首を傾げると、金色の髪がサラサラと揺れる。
ちっくしょう、絵になる美形だなぁ…
まぁ、好みじゃないけれども。
「瑞木、そもそも、完全に生態が違うんだから、どうしようもないんじゃないのかい?養子の事を身をもって知ってもらえばそれで良いだろ?」
確かにそうだな…
「生半可に、言葉だけで意味を伝えても、意味がない気もするね…でも、これは責任重大なんじゃないかな?」
「当たり前だよ!子供にするってことは、1人の命をその手にのせるってことさ!!親はなくとも子は育つなんて言うけど…それは、最低限の事をした親の子供の話さ。覚悟も無しに手出しするんじゃないよ」
セーフの目が光る。
「もちろん、覚悟は決めたいけどね…でも、僕は僕でしかないから、きっと足りてない部分が多いんだよね。だから、皆にも助けて貰わないと無理だと思うんだ…頼めるかな?」
「何を当たり前の事を…」「勿論です」「いいよ」「夫婦ですから当然です」
ありがたいな…
「ありがとう、皆。さて、美嶺。僕たちは満場一致で君を養子にして育てることを承知した。美嶺にも納得して欲しいんだ。どうかな?」
「ふぅ…どうせ、俺は浄化されてオークとは別の者に成っちまったんだ…外に居ればオークにも襲われるし、ここでも、人間を襲って日々の糧を手に入れるくらいしか生き延びる術なんざないのさ…その程度はわかってる。どっちにしろ、そこには死路しかない。だから瑞木が望んでくれるなら、喜んで養子とやらになろう」
やっぱり、もうオークとは別の者なんだね…
「良かった。じゃあ、これで美嶺は僕らの子供だね。というか、そこまで気張らなくてもいいか。まずは、共同生活をしてみるって感じだよね。ちゃんとみんなの言うことを聞いてね?」
「わかったよ。俺は一般常識がかなりズレてるからな…色々教えてくれ」
素直な良い子だよな…
命を奪わなくて済んで良かった…
「これで、美嶺も楽しくラードを救う会の仲間だな…よろしくね」
「えっ!!仲間!?俺、仲間になっちまったのか?」
急に焦りだした?
何でだ?
「うん。僕らはみんな仲間だよ?」
「まさか、リーフも、朱音も、恵美もセーフもそうなのか?」
泣きそうな顔で美嶺が問う。
「「うん」」
「そっか…なら、なら仕方ないな。瑞木も仲間になって欲しいんだな?」
そりゃあね…
「そうだね…」
「ふぅ…………瑞木が……望むなら仕方ないな。でも、俺は瑞木の仲間になるんだからな?ちゃんと責任はとれよ?ホントは瑞木だけの仲間がいいんだからな…」
真剣な顔で話している。
どうしたんだろう?
どの辺りで引っ掛かってるんだ?
良くわからないなぁ…
どうしたもんだろ。
「うん!!さっき、その覚悟はそれなりに固めたよ?責任は取るさ。って言うか。初めは仲間だと思えるのが僕だけでも構わないさ…少しずつで良いよ?」
「ホントか?なら、俺はまずは瑞木専用の仲間だ。約束な?絶対だぞ?約束したからな‼」
急に笑顔になったけど…
何か違うのかな?
「わかった…美嶺は僕専用の仲間だよ!!」
僕が宣言した瞬間、ビスッと音がして、空中に契約書が表れ、杭で留められた。
その契約書には、性奴隷契約書と銘打たれている。
主人欄に瑞木美孝、奴隷欄に瑞木美嶺と署名が刻まれた。
雇用条件欄に最初の性交渉は瑞木美孝に限定し、かつ、対象範囲を広げる場合は美嶺の同意を必要とする。
満たされなかった場合は双方話し合いのもと、性奴隷契約の解除が可能と記載されている。ただし、性交渉を行うまでは通常の奴隷と変わらないと注意書きがある
ポーン【瑞木美孝の奴隷に瑞木美嶺が加わった】
「はぁあああ!?なんで、契約完了してんだ!?しかも性奴隷ってどういうことだ!!」
「何事ですか!?」
リーフの突っ込みを受け入れるだけの余裕は全く無かった。
瑞木美孝18才
レベル421(92)
体力値89万(910)=8億
魔力値89万(910)=8億
力89万(910)=8億
知力89万(910)=8億
俊敏さ89万(910)=8億
器用さ89万(910)=8億
幸運値89万(910)=8億
魅力890万(910)=81億
風8万(910)=8070万
水7万(910)=6810万
火5万(910)=4730万
土7万(910)=7010万
光4万(910)=3540万
称号
貧乳も大好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、魔物の天敵、難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、探求者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
呪術・精霊魔法蕩涎級
範囲観測信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・催眠魔法中級
回復・風・火魔法・馬術・思考圧縮初級
武装レベル:槍232、剣503、投擲493、打撃174、短剣725
妻
リーフ、恵美、セーフ
相性
綱芳(2364)さやか(2797)恵美(6137)武司(692)玲子(55)朱音(7077)メルー(2999)道緒(2033)直(2255)メアリー(2162)燕(2093)レモン(2003)流々(2010)里乃(2106)リーフ(14,2)奈美枝(203)御影(4823)ユリア(2531)枩李花(2050)霞(2163)ミサ(2813)岬(2671)潤(1861)雨音(2134)美嶺(1855)他42名(平均1667)
天河(2372)春臣(1431)君里(1889)秋虎(1860)アーサー(483)太陽(79)七海(71)エース(1931)朋久(1003)他23名平均(1610)
精霊:風(23,4)水(24,9)火(16,4)土(31,9)光(13,2)闇(15,9)
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・御影・恵美・ユリア・枩李花・霞・潤・雨音・美嶺他44人
天河・春臣・君里・秋虎・エース他23人
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