188ギガントオークの特殊能力と空を舞う肉塊
「行くよ…散開してね」
2人に告げてから、素早く足を踏み出して加速していく。
いつもの様に、一気の加速ではないので、近くのオークに気付かれたが気にしない。
このまま真っ直ぐ進んでも、既にオークたちが僕に危害を加えられないほどの身体能力があると確信するからだ。
無人の野を進むがごとく、加速だけに気を使う。
「ぐるあぁーっ!!」
オークが叫びながら大剣を振るってきたので、剣にダメージが入らないように、手で優しく受け止めて過ぎ去る。
その次の一歩で、周りにいるオークでは知覚出来ない速さに突入できた。
後は、更に加速してギガントオークの背中まで駆け上がるだけだ…
≪なんだ!?≫
さっきのオークロードの騒ぎを聞き付けたギガントオークが、驚きの声をあげた。
っていうか。
しゃべれたんかい!
「もう遅いな!!」
呟きつつ、ギガントオークの足下に到達し、その太い豚足を踏みしめながら、駆け上がり始めた。
「しかし、こいつはデッカイねぇ…」
完璧なステルス性で、先に待機していたセーフが呟く。
このステルス性能は、元女神であるセーフが、更に御祓をして手にいれたものなので、見破られる事はあり得ない。
「ゴブリンやコボルトの2倍の身長…40m。10階建てのビルと変わらない大きさだな」
言いつつ、肩まで登りきった。
「肩口でも八階くらいの高さか。後は、脛椎を砕いて動けなくするだけだね」
セーフの言葉に頷いてから、背骨付近まで移動してしゃがみこむ。
ギガントオークが僕の存在を掴むまでに脛椎を砕かなければならない…
「セイッ!」
ギガントゴブリンの時のように突き抜けたら、血が飛び散って危険なので、あえて平手で打ちつける。
≪ぐあぁああ!!痛えぇええ!≫
バチンッという音と共に、ギガントオークの脛椎は粉々になって、脛椎があった場所がベッコリ凹んだ。
「これで、体の自由はきかなくなったね…ん?よし、前のめりでなんとか倒れ始めたよ…」
脛椎の1つを粉々にして、その部位にあった神経を完膚なきまでにズタズタにしている…
これで動けたら、それはもう脊椎動物の範疇を外れているとしか言えなくなる。
「一応もう一度砕いとくか…」
「ま、ギガントタイプだからね…念には念を入れといた方が良いだろうね…」
魔物の時点で、元々単なる脊椎動物とは大分違うしな。
砕いた脛椎の2つ下の骨を叩いて、バチンッという音で同じように粉々にしておいた。
血を出させるわけにはいかないからね…
「恵美さん!」「はいっ!!」
気合いの入った掛け声が聞こえてくる。
倒れ始めた巨体を縛り付ける網を、2人が展開してくれてるのだ…
合図によって、展開した網を閉じ始めてもらう。
「人手があると、全く違うね…自分1人でやろうとすると、どうしても、意識が分散するからね…」
そう、今はギガントオークの動向に集中だ!!
「網でくくるところまでいければ、万が一動き出しても、拘束が維持できるからね」
「あぁ、わざわざ大地と炎の精霊達に作ってもらった特製の網だからね…簡単には切れないし、拘束したら動けないからね…」
いかに、馬鹿力だとはいえ、無力化出来るはずだ。
「更に、コボルトの時の反省を活かして、運搬時の衝撃を響かせないための器も用意してきたからね」
「準備万端ってところか…」
その通り。
でも、予測通りにイレギュラーが起きそうだね…
≪この羽虫が!いつまでも俺様の上で、さえずってんじゃねぇぞ!!≫
ギガントオークが言うが早いか。
1つ目に砕いた頸椎が波打ち始めた。
超回復か…
「黙って見てると思うか?」
バチンッバチンッと音を連続で響かせ、その音が響く毎に脛椎が1つ砕けていく。
「ふむ、2ヶ所までは同時に治せるみたいだよ…面倒臭いから気絶させないかい?」
あくびをしながら言うんじゃない!
「特殊能力が超回復だってわかったからって、速攻でだらけモードに移行しないでよ…」
「あぁ…悪かったね。もっと凶悪な特殊能力を想像してたから、気が抜けちまったよ。気合いを入れ直す!!」
その間にも、完治した脛椎の再破壊という、もぐら叩きは続けられ、バチンッバチンッという音が響き続ける。
「そろそろ諦めないか?」
≪うるせぇ!!回復はしても痛いもんは痛いんだぞ!!しかも、自動発動だから止められないぞ!!苦行だぞ!!涙が出てきたぞ!!止めてください。お願いします…≫
お願いしますって言われても頸椎を砕くのは止められない…
いたぶる趣味は無いけど、動きだして逃げ出す可能性のあるギガントオークを野放しに出来ないからな…
脛椎を砕き続ける。
≪ギャァ!!ウアァア…ぬあぁあああ。おおううぅぅうう!!≫
「そろそろ可哀想になってきたね…」
まぁ…
「こいつ…悲鳴しかあげなくなったからね…さて、網の固定も終わったみたいだからもう逃げられないし!!仲間のところに帰りますか!!」
ババババババチンッと現存する全ての脛椎を一気に砕くと、ギガントオークはびくんと巨体を揺らして、気絶した…
その顔はさっきの苦悶の表情にくらべると悟りを開いたかのような、安らかな表情に見えた。
「セーフはここで何かヤバい変化がないか、周囲の確認をお願いして良いかい?」
「ん、承知したよ。超回復で何かやってるかもしれないからね…10分で戻るよ!」
いいながら飛び立つ。
頼むよ。
「ありがとう。さて、リーフと恵美さんを迎えに行ってと…」
左右から、リーフと恵美さんがギガントオークの背に登ってくるのが見えた。
「美孝さん!!」「あなた!!」
リーフから連れに行き、2人を抱えて、ギガントオークの首筋に立つ。
「じゃあ、みんなのところに帰りますから!!しっかり掴まっていてくださいよ?」
「「はい!わかりました」」
急ぎます!!
「跳びますから、気を付けて下さい」
ギガントオークの体の下に入り込んで、持ち上げる。
「重くはないけど、持ちにくいよな…気絶してるから…さっ!!」
気合一閃でギガントオークを持ち上げつつ、大地を蹴ると、超巨大な肉の塊が空へと舞い上がった。
網のせいで巨大なハムのようだ…
「あとは、着地だけだな…みんなのとこには…あと3秒ほどで着くはずだ」
跳躍での空の旅は一瞬で終了して、みんなの待つ着陸台へと到着した。
瑞木美孝18才
レベル421(91)
体力値89万(900)=8億
魔力値89万(900)=8億
力89万(900)=8億
知力89万(900)=8億
俊敏さ89万(900)=8億
器用さ89万(900)=8億
幸運値89万(900)=8億
魅力890万(900)=80億
風8万(900)=7980万
水7万(900)=6740万
火5万(900)=4670万
土7万(900)=6940万
光4万(900)=3500万
称号
貧乳も大好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、魔物の天敵、難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、探求者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
呪術・精霊魔法蕩涎級
範囲観測信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・催眠魔法中級
回復・風・火魔法・馬術・思考圧縮初級
武装レベル:槍232、剣503、投擲493、打撃174、短剣725
妻
リーフ、恵美、セーフ
相性
綱芳(2314)さやか(2797)恵美(5921)武司(692)玲子(55)朱音(6832)メルー(2919)道緒(1974)直(2205)メアリー(2111)燕(2042)レモン(1974)流々(1951)里乃(2076)リーフ(13,7)奈美枝(203)御影(4123)ユリア(2472)枩李花(1998)霞(2113)ミサ(2784)岬(2621)潤(1801)雨音(2082)他42名(平均1611)
天河(2219)春臣(1431)君里(1839)秋虎(1810)アーサー(479)太陽(79)七海(71)エース(1886)朋久(1003)他23名平均(1570)
精霊:風(23,4)水(24,9)火(16,4)土(31,9)光(11,0)闇(15,9)
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・御影・恵美・ユリア・枩李花・霞・潤・雨音他44人
天河・春臣・君里・秋虎・エース他23人
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