182分身とコボルト殲滅完了
「さて、セーフは全体像を掴んでるんだよね?」
とりあえず、短剣で周りにいるコボルト達の心臓を貫きながら声をかける。
頸動脈の方が楽なんだけど、出血が飛び散るのを避けるために、心臓を狙ってる。
ポイズンコボルトやパラライズコボルトを主に狩ってるから、絶命が速いのも収納にはありがたい。
引き抜かずに、心臓に刺したまま収納してるから、他の獲物に毒が入り込むなんて事も無い…
辺りに居た120頭に短剣を突き刺さした。
「あぁ…コボルトの奴等が1頭残らず、ここに向かって移動してきてるよ…」
僕の範囲観測も同様の結果を示している。
サッサと収納しないと、踏み荒らされそうな位に大量に迫ってきた。
「だけど、ゴブリンみたいに種族毎にまとまって来てないみたいだね…やっぱ黒い奴が何かしてたよね。そろそろ、コボルトロードやコボルトキマイラも到着しそうだ!」
最後のポイズンコボルトの心臓に短剣を突き刺しながら話す。
「あぁ…同心円上に広がってるやつが、そのまま引き寄せられるからね…一番端に居たノーマルのコボルトも、ごく一部生き残ってる奴がいるねぇ」
円の近くと遠くが一緒のタイミングで移動を開始すればそうなるよな…
ポイズンコボルトは、町に近い方に多目に分布していたらしい…
「今は最初中心部付近に居たやつらがみんな来たから、密度がこんなに高くなったんだな」
アホ程コボルトが居やがる。
辺りは多種多様な混成部隊が、所狭しと殺しにかかってくるのが見えた。
倒した奴等を収納して、辺りが開けたからね。
「まぁ、そうなるね…この後は波が去るから、かなり減ってくよ?」
その前に密度が高すぎるってのに!!
「じゃあ危険な奴等はパラライズコボルトだけだから…残りを仮拠点に引き連れてくか…」
知覚できるパラライズコボルトはなるべく倒して、と。
「そうだね。向こうで倒して、血抜きや毛皮剥がしをみんなにして貰った方が、効率的だし、密度も下がるからね」
それと…
「ここで無双してると、あっちに獲物が流れないから、新人さんが狩りの経験を積めないしね」
取り敢えず、パラライズコボルトと、その近くに居た奴等を倒して収納に放り込んでから、空へと飛び上がって離脱する。
そのまま、体を折り畳んで空気を蹴って、仮拠点の方に飛んだ。
僕の居た地点に、集結したコボルト達で山が出来ている。
下にいる奴等は2頭のジャイアントコボルトに踏まれまくって痛そうだなぁ…
「うん、瑞木を狙った奴等が作った山で、勢いがいい具合に殺されたね」
なんか、下の方で瀕死になってる奴等も居そうだけどね…
「加減したから、結構な頭数が僕を見失わずに追ってきてるね…」
コボルトアサシンとコボルトシーフ辺りが中心になって、飛んでいる僕の後を追ってきている。
さすが斥候職と言ったところか…
「しかし、この混戦だとアーチャーが淋しいことになってるねぇ…」
セーフの言う通り、密度が高過ぎて、他のコボルトに押し出されて、前線まで到達し、仲間達に投擲で殺されている。
「さっきも、弓を持ってるのに、近すぎるからか、同士討ちを避けて徒手空拳で殴りに来てたしな」
ハッキリ言って不憫だ…
「まぁ、うちの面子の新人も、かなりレベルアップしたから、狙われても、当たりゃしないけどね」
さすがにコボルト2700頭近くの経験値を得てれば、超人的な強さになるよね…
ギガントコボルトも狩ったことだし…
「さて、気合いを入れて片付けるかな…」
「なんだい、今までは気を抜いてたのかい?」
そうじゃないけど…
「豆粒ほどの遥か彼方では、憧れを抱くほどの姿は見えないでしょ?」
大剣2本を収納から取り出して構える。
「つまり、仲間に無様な姿は見せられないって事かい……バカだねえ」
そんな事言いながら、嬉しそうに微笑んでるのは何故ですか?
「そんなとこだね…相性値は能力値上昇に直結するし、アーマーやナイトは、固くて短剣じゃ面倒なんだよ!!」
シーフやアサシンを排除すると…
やっと到着した鈍足のナイトの1群が目の前に迫ってくる。
仲間達の投擲で、次々に倒れていくが…
固い防具に阻まれて、至近距離まで迫ってくる。
「来たよ!!」
セーフの声を開始の合図にして、大剣2本を振り回していく。
僕の力と器用さで振り回される大剣は、冗談抜きで防ぎ様の無い威力を持っている。
近付いてくるコボルトナイト達は皆、比較的防御力の低い箇所を大剣で粉砕されて、血の海に沈んでいく…
「うーん。ナイトの防具が勿体無いなぁ…再利用を考えると大剣にもダメージが重なるしな…」
良い方法無いかなぁ…
見た目は派手で格好いいんだけどね!
「瑞木…どんだけ稼ぐつもりだい?」
別に、僕個人の資産としては、申し分ないけど…
仲間達との儲けに関して引くつもりはないね!!
「資源は大事にしないとね…ラードで荒稼ぎ出来るのも長いことじゃないし」
右手は振り回したまま、獲物の防具に当てて弾き、左手で体勢を崩した獲物の急所に突き入れる。
「ん?良いんじゃないかい?それ!!もう少しエレガントに弾きなよ!」
簡単に言ってくれるなぁ…
実際に使ってみて思ったけど、剣って難しいんだぞ?
「こうか?」
右手のかち上げはわからないほど素早く行い、左手の急所突きを残像の残る程度の速さで行っていく…
半円状に横に移動しながら刺し殺し、次のもう一度同じ軌道を通りながら獲物を収納してみる。
「おぉう!!凄いね!!瑞木が分身した!!」
分身かぁ…
忍者っぽい感じだな。
でも、一応の目的は達したので僕は満足だ…
「エレガントにはほど遠いけどな…」
「「わぁーっ!!」」
うおっ!!
ビックリした。
何事?
「なんかあった?」
分身を続けながら、セーフに聞いた。
「ん?ちびっこを中心に、瑞木を見ながら騒いでるよ?まぁ一番うるさいのは、御影とリーフだけどね」
マジで?
一旦引いてと…
「まだ、狩りの途中です!!気を抜いてると怪我をしますよ!!しっかりしなさい!!」
「「は、はいっ!!」」
至近距離で、注意を口にしたら、みんなワタワタと持ち場に戻る。
「瑞木さん、ごめんなさい。私も一瞬、目を奪われちゃった!!」
朱音さんが謝ってくる。
「え?そんなに?」
「すっごく格好良かったよ!!さすが私の未来の旦那様!!」
いかん。
僕も本音をもらしてしまった…
「ありがと!!でも、今は気を引き締めてね!!」
「うん!また後で聞いて!!今はコボルトを殲滅しないとね!!」
ぬぅ…
何故、僕の周りには魅力溢れる方々が揃うのか…
これは気合いを入れざるを得ない!!
「ハハハッ、頑張って殲滅しちゃうぞ!!」
「はいはい、頑張りな!!あと、500頭足らずだ」
しかも、その内、足の遅いコボルトアーマーとジャイアントが約200頭と、残りは雑多な混成部隊だ。
数も山を超えてるから、かなり疎らになっている。
毒性の奴は全頭排除済だ…
頑張りすぎたか?
「まぁ良いや!!僕は敵の殿から追い立てて狩ってくるよ!!あの残り500頭は、みんなで狩ろう!!」
「「はいっ!!」」
良い返事が響き渡った。
うん。
頑張ろうって気になるよね!!
気合いの入った言葉をかけられるとさ!!
「行ってきまーす!!」
掛け声と共に空から、殿に回り込む。
「アーマーって、本当に鈍足だねえ…」
まぁ…
セーフの嘆きも仕方ない…
だって、一番遠い奴はまだマザーの塔付近を走ってるもん…
お疲れさま。
「コイツは確実に無理として…他にも5頭ばかり、仲間に経験値が入らないけど良いよね…」
「わざわざ連れてく程の経験値じゃないよ…」
というわけで、サクッと片付けて、次のコボルトアーマーを狩っていく。
「後ろから追いかけてるから、首の後ろに一撃を入れると終わりだね…」
「あぁ…なんか可愛そうになってきたよ!!」
まぁ、重装歩兵が走って移動って事が間違いだからね…
哀れなコボルトアーマーの後は、哀れなジャイアントコボルトが次々に収納に仕舞い込まれた。
「よし、殲滅完了!!後は血抜きや毛皮剥がしの解体だけだね!!」
朱音さんが宣言する。
「そうだね!!ここに積むから、処理をよろしく!!処理済みのはついでに入れてくよ!!」
僕が狩った分を出して、既に処理済みのを収納する。
「売り払いにも動き始めましょうか?」
恵美さんが提案してくれた…
「ううん、ごめんね。もう少し待ってもらうよ」
「あなた、何を待つの?」
首の傾げ具合が可愛いなぁ!
「みんなも作業をしながら、聞いてくれ!!実は後2頭を討伐してから完了したいんだ!!朝のギガントタイプのアイツ等だよ!!」
「「おぉ」」
みんなから声が漏れる…
「勝算は?」
塚本さんか…
さすが年の功。
「朝のギガントコボルトから考えれば10割。でも、相手は国を滅ぼしたと言われるギガントタイプ。気を抜くつもりはありませんよ!!」
「何故、今なのか伺っても?」
ある意味ありがたいな!!
団結力を得るためには…
「理由は2つ!!ギガントタイプ発生の噂が広まったら交易都市ラードの息の根が止まること!!魔物は時間経過でレベルアップするから、先伸ばしにすればするほど危険が増す事ですね!!」
「つまり、ラードを守るために戦うっちゅー事ですな?」
「もちろん!!そして、僕も含めて仲間に被害を出したくないからこそ、今なんです!!力を貸して下さい!!」
「「「おぅっ!!」」」
血の池にさざ波がたつ程の気合いの入った応答だった!!
瑞木美孝18才
レベル288(91)
体力値48万(900)=4億
魔力値48万(900)=4億
力49万(900)=4億
知力49万(900)=4億
俊敏さ49万(900)=4億
器用さ48万(900)=4億
幸運値49万(900)=4億
魅力490万(900)=44億
風5万(900)=5290万
水5万(900)=4470万
火3万(900)=3170万
土5万(900)=4580万
光2万(900)=2340万
称号
貧乳も大好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、魔物の天敵、難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、探求者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
呪術蕩涎級
精霊魔法心酔級
範囲観測信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・催眠魔法中級
回復・風・火魔法・馬術・思考圧縮初級
武装レベル:槍232、剣503、投擲493、打撃50、短剣725
妻
リーフ、恵美、セーフ
相性
綱芳(2246)さやか(2797)恵美(5063)武司(692)玲子(55)朱音(6690)メルー(2848)道緒(1902)直(2131)メアリー(2041)燕(1966)レモン(1900)流々(1871)里乃(2006)リーフ(12,8)奈美枝(203)御影(4031)ユリア(2401)枩李花(1925)霞(2044)ミサ(2716)岬(2552)潤(1720)雨音(2006)他42名(平均1552)
天河(2168)春臣(1431)君里(1786)秋虎(1752)アーサー(463)太陽(79)七海(71)エース(1825)朋久(1003)他23名平均(1530)
精霊:風(23,0)水(24,6)火(15,8)土(27,6)光(10,1)闇(15,9)
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・御影・恵美・ユリア・枩李花・霞・潤・雨音他44人
天河・春臣・君里・秋虎・エース他23人
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楽しんで頂ければ幸いです。