173諜報長官の苦言と奴隷スキルの更新
「いきなり、何を笑ってるんですか?」
乾いた笑いを続けている飯田さんに、声をかけてみる。
「…はははっ、あぁ。…失敬。実は、この寮を売りに出して契約まで至ったのは三組目なんですよ…お察しの通り、前の二組は実力不足と判断してお断りしました…」
契約書まで交わして、破棄って…
どんだけ失礼な話だよ‼
「それは…普通は契約とは言わないんですが?」
「あぁ…もちろん違約金を支払ってますよ。契約金と同額ね。だから、二組とも笑顔で去っていきました」
一応、暴力で黙らせた訳ではないのか…
「っていうか…何でわざわざそんな金のかかる方法を使って選別してるんですか?」
「ん?今、この状況で200万ラードの金を捻り出せること…それを判断材料にしてるからですね。違約金は必要経費なんです…私達も人員は少なく、暇ではないのだから」
違約金の4000万円を必要経費と言い切りやがった…
「やっぱ金持ちですねぇ。ラード王国ってのは…」
「そこの部分は否定しません。金にあかせて酷いことをしている点もね。でも…お陰で我が国、初の勇者と交友を持てるチャンスを手に入れられた。しかも、前代未聞の話のわかる勇者だなんて!なんという幸運!!」
勘違いがあるなぁ…
「それがさっきの笑いの原因ですか…あんまり良い趣味の笑いじゃないですねぇ。言っておきますが、ここを買ったからといって、ラード王国の臣下になった訳じゃないので、僕たちはあなた方の命令なんて聞きませんよ?」
「もちろん、そんなことを強要するつもりはありません!!我が城下に、これだけ強大な戦力を持ち、なおかつ清らかで正常な意思を持った団体を繋ぎ止める事が出来ている事実。これが最上の戦果!ただそれだけの話です!!」
税制優遇を見ても、それは明らかか…
「あと、勘違いを一つ訂正しましょう…僕は勇者ではありませんよ」
「な…なんですと!?しかし、リーフ様の足が、確かに再生していますよね!この魔法を使えるのは、勇者のみですよ?」
当然の突っ込みだな。
「偶然、勇者と知り合う機会を得ましてね…リーフの足はその人の力で再生されたのであって、僕の力ではありませんよ」
「……信じがたいですね…その方の名前を伺っても?」
さすが、諜報長官。
鵜呑みにはしないね…
「奈美枝さんですよ。招く予定の方でしょう?」
「…よくご存じで。…勇者の名前を知るものは本当に僅かですからね…信じるほか無いようです」
えっ?
僕には気軽に名乗ってくれたぞ!?
「まぁ、依頼も請けるって言ってましたし、本人に確かめて頂いても良いですよ!?」
「あの…最重要国家機密をなぜご存じなんでしょうか?」
国家機密?
「本人に聞いたからですけど?」
「クククククッ…つまり…我が国は…勇者と見間違うほどの戦力のほかに、勇者ともネゴシエーション出来る人材を手に入れたわけですね?」
いや…
笑顔が怖い!
怖すぎるよ!!
「飯田さん、それくらいに致しましょう!若者を怯えさせてどうしようというのですか?」
えっ、そんなに怯えてた?
「これは、失礼致しました。しかし、瑞木さんは、自分の情報というものに対して、些か扱いが雑というか…軽く考えておいでのようだ…今、私が驚いた情報は全て、100万ラードを投じて得ても損しない情報ばかり…使うものによっては、社会的に抹殺されかねない。言葉にはお気をつけなさい」
だよね…
普通なら黙って利用するよね。
警告してくれてたんだ…
「とすると、最初の話もあえて話してくれた部分が大きいんですね…ありがとうございます」
「さて、…なんのことやら、わかりかねますね」
にっこりと微笑んでくれてるから、正解なんだろうな…
「そうですか。では、お互いに9時の約束がありますし、この辺りでお話を終えませんか?」
「そうですね…お待たせ出来る類いの約束ではありませんからね」
だよな…
「因みに1つだけ聞いても良いですか?」
「なんです?」
「勇者奈美枝さんの拠点を手配するのは、飯田さんですか?」
「それについてはお答え出来る範疇にありませんね。しかし…それが何か?」
ふふっ…
「僕の拠点はギルドの裏でして、彼女、近所付き合いをしたいと言ってましたから…」
「お気遣い頂きましてありがとうございます。担当部署に参考にするように申し伝えさせて頂きます」
だよね…
「そうそう…もし、奈美枝さんの要らない物件があったら、譲って貰えたら嬉しいです」
「ん?そういう意味ですか…これはこれは!!格安でお分けしないといけませんな。また、ご連絡をいたします。ギルドの裏のバー&イン榊を常宿としてらっしゃるのですね?」
少し違うな…
「その店を買ったので…常宿とは少し違いますよね?」
「承知しました…では、失礼します」
消えるようにして去っていく。
「さすがは諜報長官だね。凄く緊張したよ…」
「相変わらず人が悪いおじ様ですね…私も何度か苦言を頂きましたが、その都度、丸で直ってないと叱られたものです…」
確かに直ってないね!!
でも、性格的に無理な気もするな…
「リーフは、そのままが…一番可愛いと思うよ。さて、思った以上に早く終わったな…」
「また、嬉しいことを言っていただけて幸せです。…今、出れば…8時頃に散開が完了しますね」
ふむ。
「それだと早すぎるな。魔物の誕生日だから8時以降に森に入りたいよね…」
「じゃあ、門の辺りで時間調節しませんか?」
悪くない…
「それでいこう!じゃあ皆に出発の準備をして貰って出掛けようか…セーフと声をかけてくれる?」
「はい、メルーと朱音も巻き込んでおきますね」
そうだね…
「お願いします」
「あなた、私は一緒に馬に荷車を装着しますね?」
わかってますね。
「ありがとう。天河辺りも巻き込みたいけどな…」
「「見かけたら、指示しますね!」」
よろしく。
「さぁ、行きましょう」
途中で御影を見つけたので、部屋割りを確認したら、部屋数が多すぎて喧嘩にはなりようがないらしい… 問題なくて良かった。
「取り敢えず広場に荷車は置くからね?みんなで馬を連れてきて繋いでね…」
支度を完了したお手伝いさんが、加速度的に増えていき、荷馬車の準備はすぐに万端になった。
特に塚本さん達の能力は圧巻だった。
流石、プロは違う。
「全員揃ったよ?新規の面子は荷馬車の上だ」
おう!
「ありがとう、セーフ。そう言えば、今日は春ちゃんが牧場でお留守番だよな?ほかに回復魔法を習得してる人っているのかな?」
「居ないよ?恵美が精霊魔法で回復出来るくらいか…奴隷スキルで渡してやりゃ良いじゃないか」
そうだなぁ…
「でも、そうしたら索敵性能が…」
「なんでだい?ほとんどのメンバーが、自力で級上げてるからね…もう自分の物にしてるはずだよ?」
そういうカラクリ?
「知らなかったよ…益々鑑定とか危険すぎて渡せないね…」
「逆だよ…鑑定みたいな級がないスキルは、自分の物に出来ないのさ」
ダメだね…
「超鑑定を忘れちゃダメだよ?」
「そっちは、心清き者をクリアするハードルがかなり高いさ」
なら…
「大丈夫みたいだね。行ってくるよ」
「いってらっしゃい」
こうして、一部の範囲観測中級者以外には、回復魔法を渡し、新人には範囲観測を渡した後、門扉へと滞りなく出立出来た。
瑞木美孝18才
レベル247(91)
体力値38万(900)=3億
魔力値38万(900)=3億
力38万(900)=3億
知力38万(900)=3億
俊敏さ38万(900)=3億
器用さ38万(900)=3億
幸運値38万(900)=3億
魅力380万(900)=34億
風5万(900)=4460万
水4万(900)=3760万
火3万(900)=2700万
土4万(900)=3850万
光2万(900)=1980万
称号
貧乳も好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、魔物の天敵、難病の克服者、皆のアイドル、飛行者、探求者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
呪術蕩涎級
精霊魔法心酔級
範囲観測信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・催眠魔法中級
回復・風・火魔法・馬術初級
武装レベル:槍232、剣162、投擲458、打撃1、短剣570
妻
リーフ、恵美、セーフ
相性
綱芳(1835)さやか(2797)恵美(4597)武司(692)玲子(55)朱音(5884)メルー(2392)道緒(1498)直(1733)メアリー(1662)燕(1517)レモン(1481)流々(1464)里乃(1629)リーフ(10,2)奈美枝(203)御影(3046)ユリア(2024)枩李花(1561)霞(1648)ミサ(2275)岬(2062)潤(1369)雨音(1588)他42名(平均1232)
天河(1759)春臣(1431)君里(1459)秋虎(1412)アーサー(449)太陽(79)七海(71)エース(1433)他23名平均(1183)
精霊:風(23,0)水(24,6)火(15,2)土(26,9)光(10,1)闇(15,9)
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・御影・恵美・ユリア・枩李花・霞・潤・雨音他44人
天河・春臣・君里・秋虎・エース他23人
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