SSゴブリンの持ち物
残酷描写がかなり出てきます。
いつもと、雰囲気も登場人物も違います。
読まなくても本編には全く支障は無いはずですので、お気に召さない方は読み飛ばし推奨です。
あっひゃひゃっひゃっひゃ…
笑い声が響く。
「俺?俺が誰だか知りたいってか?物好きだな。死にたくなっても知らねえぜ?もう死んでるか!?ヒャッハァ!!」
「俺には名前なんてねえんだからな!!そう、誰にも名前を呼ばれたことなんてねえんだ!!」
「しかしよぉ、惜しかったな…最後の最期に、あんな旨そうなもんを見つけたのに、口に出来ずにおっ死ぬとはよう!!」
「オメエは誰だ?いい加減に答えろ?うるせえよ!!俺に命令すんな!!食い殺されてえのか!?」
「ま、俺が死んだ記念に、特別にヒントをやろう。簡単だ…ゴブリンで、体の色が黒くて、心臓が3つあって、素敵な位無敵なハンサム様が…俺様だ!!」
「ゴブリンの顔なんて興味はねえだと!!上等だ!細切れになりたくて、ここに来やがった口だな?望み通りに切り刻んで、貪り食ってやるぜ!!ギャヒャヒャヒャ」
「なんて不味い肉だ!!こんなクズ肉要らねえよ」
「それに較べて、半年前にかじったあの右足は最高だったぜ!!味もさることながら、あの絶望の表情が肴だったのが良かったのかもなぁ。紫の髪が、一気に白く変わったのも面白かったぜ。ヘヒャヒャヒャ」
「あん時は、赤髪の女との遊びも面白かったな。俺の斬撃をあれだけ防いだ奴は居なかったからな…これからだと思ったときに来やがった女のせいで興が冷めたがな。そいつ?聞きたいのか?…俺の糞になったに決まってるだろうがよぉ!!グチャグチャにしてやったぜ!?アヒャヒャヒャ」
「生まれ?唐突だなぁ…おい!100年前だ。俺はダークゴブリンとして生を受けた…何で生きてるのか?もう死んでるぜ!?お前と同じでな!!ギィッハァ」
「不味っ。食えたもんじゃねえな…100年前か、懐かしいじゃねえか…周りの奴等は人間に喧嘩を仕掛けていくしか能の無い馬鹿な奴等だったな。俺か?気ままに生きるのが好きだった。それだけだ」
「闇に溶け込める体も便利だったしな。色んなとこで色んな奴を食ってやった…ただ、面倒臭いことにクソッタレの塔から一定期間離れると、死ぬほど頭が痛くてよ。あぁ思い出したら、むしゃくしゃしやがる!!へへっ、ムシャムシャしてやるよ。ヒャッハハハァ」
「糞食ってるみたいだぜ!!不味っ。ギャハッ。時たま現れるバカどもは塔のすぐ近くに陣取っては、騎士団に狩られてたぜ!!馬鹿だよなぁ、あんな奴等は放って置けば良いのさ…俺は好き勝手に生きる…なんて、言いながら適当に生きてきた」
「間違いの始まりは6ヶ月前か。3ヶ月に一度はクソッタレの塔を見なきゃ頭痛が収まらねぇ、だから、3ヶ月に一度の塔詣での時だ…旨そうな右足を見たぜ!!ソイツが時々現れるバカを相手に、声をあげてるんだぜー、そそるじゃねえか」
「そういえば、食った右足の味を反芻してる時にも、槍を持ったバカが来やがってイラついたな。糞弱くてあくびが出たから、放置したけどな。あんなのは食う価値もねぇ。おめえと同じだ。ギィッハァ」
「不味ぃい。残りの左足と下半身と胸と両腕、頭が食いてえと思いながら、右足の味を反芻してると、思い付いたんだ。ギィェッハハハ」
「あの右足は、町に帰って行った。だから、町を潰せば右足の残りを食えると!!」
「最近増えてきていた馬鹿どもを操って、町に突っ込ませることに決めた。ゴブリン、ゴブリンヘビー、ラージゴブリンは数が多くて、動きもトロ臭いから集めるのに時間がかかった…それ以上の奴等は、順調に素早く整列してやがったはずだった…」
「声をかけ終わって、帰ってきたらどうだ!!いるはずの俺の手足。道具どもは綺麗サッパリ狩られてやがった。しかも、風の刃が飛んできて、俺の体を切り刻もうとしやがる」
「もちろん、ダークゴブリンの特性で魔法の威力は半減。しかもゴブリンロードの特性で、魔法は99%カットしてるから、殆んど効かないにも関わらず、回復力強化魔法を使ってなかったら、体がバラバラになってやがった」
「そのあとも水に閉じ込められ、土の檻と光の槍で縫い止められて、短剣をぶっ刺され、槍で心臓を貫かれた」
「へっ。最期に死んだ振りで一発逆転をかけたんだが…気付かれて、2つ目と3つ目の心臓も貫かれて本当に死んじまったぁ…アイツも旨そうだったなぁ。アレを味見出来なかったのが一番の心残りだ!!ギヒィ」
「で?糞不味くて何度でも甦るお前は俺に何がさせたいんだ?お前の不味い脳髄には飽きたぞ?そろそろ失せろ…」
「ちっ!!馬鹿馬鹿しい話だな!約束は守れよ?」
「どこまでも、うざってえ女だ…ふん!!」
「ゴブリン、短剣と木の盾と皮の鎧だ。これでいいか?」
「…調子に乗るんじゃねぇ!!グヒャッハァ。当分は頭を探してやがれ!!」
「ラージゴブリン、バスタードソードのみ」
「ゴブリンヘビー、鋼鉄製の鎧と盾」
「ゴブリンソルジャー、鋼鉄製の槍と兜と胸当て」
「ゴブリンナイト、ロングソードとライトシールド、鋼鉄製の兜、鎧、具足」
「ゴブリンメイジ、ロッドと手甲とローブ」
「ポイズンゴブリン、両手にメリケンサックと金属入りはちまき」
「パラライズゴブリン、鎖鎌と皮の鎧」
「ゴブリンアーマー、鋼鉄製の槍とラージシールド、兜、鎧、具足」
「ゴブリンシーフ、ダガーのみ」
「ゴブリンアサシン、ダガー、毒仕込み短剣」
「ゴブリンアーチャー、弓、手甲」
「ゴブリンヒーラー、メイス、皮の兜、皮の胸当て」
「ファイアゴブリン、両手に火属性の短剣」
「ウォーターゴブリン、両手に水属性の短剣」
「ウィンドゴブリン、両手に風属性の短剣」
「アースゴブリン、両手に土属性の短剣」
「ライトゴブリン、両手に光属性の短剣」
「ダークゴブリン、両手に闇属性の短剣」
「ウッドゴブリン、両手に木の手甲」
「ジャイアントゴブリン、バスタードソードと鋼鉄製の兜と籠手」
「ゴブリンキマイラ、ダガーのみ」
「ゴブリンロード、大剣と鋼鉄製の鎧と籠手、具足、マント」
「……」
「ちっ!!うるせえ奴だ」
「ダークアサシンゴブリンロード、血塗られた短剣と闇の服一式だ」
「これでもういいだろが!!失せろ!!あ?減刑?知るか!!要らねえよクズが!!」
「ふん。これで、闇に溶けながらまどろめるってもんだ…」
ゴォォーン。
ボッ!!
ゴォォォォ!!
燃え盛る火は、今後1万年消える予定はない。
如何でしたでしょうか?
本編は鋭意制作中です。