119黒いゴブリンの影と解体上級を手に入れた御影
「セーフ、索敵結果を教えてくれる…」
「そうだね、中々凄い勢いだったね…」
何が凄い勢いかって?
短剣ですよ…
短剣!!
「セーフが合図を送ったら…雨あられのごとく降ってきたもんなぁ」
「そう、しかも1投目は正確に瑞木の近くにいた奴等ばかりを針ネズミにしたし、2投目以降もはずれなしって状態だよ。女性陣に限っての話だがね!!」
ふぅ…
お陰で僕の周りは敵が本気で死に絶えました。
「あんなこと言うんじゃなかったーっ!!」
「愛されてるねぇ…この幸せものっ!!ご褒美は何を用意するんだろうね?みんな楽しみにしてるだろうねぇ」
ど…
童貞を追い詰めてどうしようってんだよ!!
「ねぇねぇ!!何を用意すれば良いと思う?どうしよっか?どうしたらいいかな!?」
「焦り過ぎだよ?まずは敵に集中しなよ…ここは戦場なんだから!!」
僕にとっては後からの戦場の方がよっぽど辛そうだよ?
「セーフーっ!!お助けを…」
「全く、なっさけないねぇ。別に特別なことなんて要らないだろ?金はあるんだから、欲しいものは?って聞きなよ!!それだけじゃないか!!」
あっ!
そうだよね!!
「だよね!!よかった…下手したら体とか言われたらどうしようとか!!一瞬頭をよぎっちゃってさ…普通だよね!普通の要求だよね…心配しちゃった!!」
「まぁ……それはありうる…ね」
へ?
「嘘つきーっ!!」
「バカだねえ。嫌なら断りゃ良いじゃないか…そもそも自分で予防線引いてただろ?無理なことは無理って言いな!!」
はっ…
「あぁ、そうだね!!テンパりすぎたよ」
「じゃ、結論付いたんだから、狩りに集中だね…」
そうだね。
「うん、やっと初めての上位種に会えたんだから、しっかり観察しないとな…」
「さぁ、来るよ。ラージゴブリンだ」
うん、普通にでかい…
オークを更に一回りでかくしたサイズか…
手にはいつもの短剣ではなく、バスタードソードが握られている。
盾は無しか…
まぁ、邪魔だからなぁ…
そんなことを一瞬思いつつ、槍で額を割り、絶命させた。
「しかし、死体が増えたなぁ。武器も投げた短剣と、端からゴブリンが持ってたやつも、転がってるから、邪魔だよな」
「まぁ、そうだね。この一団を倒したら、回収作業に入って良いんじゃないかい?」
だな。
「まだ、30頭居やがるけどな!!」
まず、短剣を密度の高いところ目掛けて、軽めに投げつけて、5頭絶命。
続いて、近づきながらバスタードソードを振り上げてる奴等の心臓に槍の穂先をプレゼントして、13頭を崩れ落とす。
「あと、12頭…」
仲間の死を見て雄叫びをあげて走ってくる3頭には、短剣を投擲。
残りの9頭は、最速で近付いていって、剣で首を切りつけていく。
「やっぱ剣って難しいなぁ。切れ味は悪くないはずなのに、切るって技術が伴わないとちゃんと倒せないからな」
6頭しか、命が奪えなかったので、瀕死の3頭の心臓に剣を突き刺し、止めをさした。
「さて、行きますか?」
「まずは、ここにあるやつを収納するよ!!」
あぁ。
絶命しているラージゴブリンを収納に突っ込む。
そのあとは、協力者達が倒したゴブリンを回収。
「良し。大体片付いた。だけど…血抜きをどうするかなぁ」
「収納に入れといて、後で処理しなよ。まだ、死んでから数分なんだ…問題ないだろ?」
そっか…
「うん、そうしよう。ここで血抜きまでやってたら厳しいからなぁ」
辺りには血の流れた跡だけになり、周りには平原と、数本の木立だけだ。
「じゃあ、あっちの集合地点だったところの片付けだね。あの辺りは経験値の有効範囲から出ちまうから気を付けな」
収納に集中しようか…
「了解。しかし、こんなに色んなレベルの奴等がいたんだなぁ、きっとコボルトの時も同じだったんだよな」
一番遠くに倒れてるゴブリンを拾いながら話す。
触れるだけで、収納に放り込めるから、無駄口を叩く位の余裕はある。
「そうだねぇ。ゴブリンがかなり高レベルなんだよね。たまにレベル1の奴も混ざってるけど、ラージゴブリンに比べても高いんだ」
なんでだろな。
「お陰で経験値も凄いことになってたもんなぁ。さっき、既にレベル41だったし、リーフさんみたく高レベルじゃなきゃ。20位はゆうに上がっただろうな…」
「独り立ちしても問題無い位のレベルだね…っていうか、トップレベルの冒険者じゃないかい。あの短剣の流星も当たり前だね」
まぁね。
「鎧も凄いから、世界トップレベルの戦士団の完成だね。ただ、僕の我が儘のために、もう少しは一緒に頑張って貰うけどね…」
「今の瑞木が望めば、命だっていとわないだろうからね。そんな程度の我が儘を気にする奴は居ないだろうさ」
はぁ?
「命だって?嫌だよ…そんな関係!!僕はみんなと仲良くやっていきたいだけなんだから!!」
「でもね、瑞木…人って奴は簡単じゃないのさ。力を持てば、窮屈を嫌う奴もいる。勝手をやりだす奴もね。瑞木の力はそれを未然に防いでるんだから…やっぱり凄いのさ」
むう…
「少しだけ、寂しい気もするけど…まぁ僕自身の努力の結果でもあるから…まぁ受け入れますかね。はい、収納完了」
「さて、どうする?」
数が知りたいな…
「索敵を頼むよ…現在の戦果は、確か1235だったね、みんなが既に上位種を200以上討伐してる。後の800頭の動向と、特異種以上の奴等の動き、そして、黒いやつの位置を知りたいな」
「任せな!!ただし、2分貰うよ!」
データが膨大だからな…
「じゃあ、僕は皆に武器を補充してくるよ。まだまだ倒し足りないだろうからね」
「皆によろしく」
「あぁ…」
移動を開始する。
そうだ、足場に固い石とか召喚してみたらどうかな…
いや、後で馬車の邪魔になるなぁ。
でも、今の能力で、普通の地面を蹴ったらクレーター位できそうだし、なんとかならんかなあ。
と考えながら、崖下に到着。
グッとしゃがみこんで、飛び上がる。
「「おかえりなさい!!」」
崖の上に着地した瞬間に、リーフさんと恵美さんが目に入った。
「はい、ただいま!!」
みんなで迎えに来てくれたらしい。
「ご無事で何よりです!!」「あなた、愛してますよ」
リーフさんと恵美さんが抱きついてくる。
嬉しいけど…
「はいはい、ありがとうございます。でも、まだ終わってないですから…すぐ出立しますよ?」
「え?ほぼ全て平らげたじゃないですか」
元騎士団長さんがポエっとした顔で見下ろす。
「まだですよ。あれを見てください。さっきまでゴブリンが集合してた場所に、再度ラージゴブリンとゴブリンヘビーが集まってますよね?これの意味するところは?」
「総攻撃の準備だと言われるんですか?」
うん。
「多分、そういうことでしょう…集まってる奴等自体は何も考えてないっぽいですがね…」
「でも、いきなり何故?」
「1つの仮説を考えました。奴等はレストに存在すればするだけ、レベルが上がってるみたいです。ゴブリンよりラージゴブリンの方がレベルが低いですから」
「そうだとして、何が起きるんでしょうか?」
簡単さ…
「あの、黒い奴ですよ。アイツがゴブリン達をまとめるだけの力を、得たんじゃないかと思うんですよ」
「あの時の黒いゴブリンが…」
でもね…
「大丈夫…リーフさんも、あの時より比べ物にならない位強いですから!!それに、みんなもいます!!」
「はい…」
まぁ、恐怖は拭い去れないよね。
「あれ!?アーサーは?」
姿が見えない。
「あなた…ここに来る前に、移動が苦手だって言ってたから、もう一度還したじゃないですか…」
おう。
「しまった…すぐ喚ぼう。アーサー、我が友よ!!現れて力を貸しておくれ」
「よぉ、結構時間がかかったのぅ。どれ……お、ゴブリンの奴等…200位しかおらんじゃないか…なんぞあったのか?」
ごめん。
「急いで狩りに行っちまったから、呼び出し忘れた…ごめんなさい」
「なんじゃ、別に気にせんよ。瑞木も五体満足じゃな…無事で何よりじゃ」
「ありがとう」
「ところで、瑞木…わしになんかしたか?実は…力がみなぎっておってのぅ。こんなことは初めてじゃ」
…知らないけど。
鑑定。
「すげぇ。レベルが300超えてるよ」
「やはりのぅ。わしのレベルはお前さんの能力値依存みたいじゃな。これならわしも力になれそうじゃ」
嬉しそうだねぇ、アーサー…
僕も嬉しい。
「では、アーサー。お願いがある。これから来る奴等は一筋縄ではいかない可能性が高い。ここにいるみんなを無事に退却するまで頼みたい」
「体をはって守れって事じゃな?ほっほっほ、それこそ騎士の本懐!!任せておけい」
ありがと。
「よろしくね。あとは、ここで血抜きまでしてくよ。ゴブリンに毛皮はないから、解体は必要ないね…取り敢えず血をためる穴を…大地の精霊よ、ミニマムグランドフォール!!」
「さすが、精霊魔法です!!」
よぉ、御影。
「良いところに来たな。はい、短剣。これで、ゴブリンの血抜きをする仕事を命じます」
「えっ!ええっ!!」
素早さ2倍補正の風の短剣だぜ…
「いくぞ」
言いながら、ゴブリンを順に渡していく。
500位で場所が無くなったので、移動して穴を作って再開。
1235頭全てを血抜きして、ステータスを確認すると…
「おめでとう、御影。解体は上級だ。頑張ったな」
「おぉ…私の手にも職がついたのですね…素晴らしいです」
うん。
いつもそうなら、可愛いげがあるのにな…
短剣を返して貰ってと。
「よし、あとはここに武器を出すからね。みんなで敵を減らして欲しい。慎重に投げれば、ゴブリンの殲滅も可能なはずだから、宜しくね」
収納から、短剣と剣とバスタードソードなどを出す。
魔物から回収した武器を全て置く。
「壮観じゃな…」
まぁね。
「じゃあ僕は狩りに戻るよ。投擲は適宜開始して構わないから…頑張ってね、みんな」
瞬間、ザワっとした…
うん…
考えない考えない…
気付かない方が幸せな事もあるさ…
瑞木美孝18才
レベル62(79)
体力値8万(780)=6300万
魔力値8万(780)=6300万
力8万(780)=6400万
知力8万(780)=6300万
俊敏さ8万(780)=6300万
器用さ8万(780)=6300万
幸運値8万(780)=6300万
魅力80万(780)=6億
風1万(780)=810万
水8831(780)=690万
火7153(780)=550万
土8736(780)=680万
光4891(780)=380万
称号
貧乳も好き?、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、コボルトの天敵、難病の克服者、皆のアイドル、鳥人
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
精霊魔法信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・範囲観測中級
回復・催眠・風・火魔法・馬術初級
武装レベル:槍43、剣19、投擲113、打撃1、短剣106
妻
リーフ、恵美、セーフ
相性
綱芳(591)さやか(742)恵美(1782)武司(95)玲子(55)朱音(3468)メルー(748)道緒(563)直(745)メアリー(695)燕(596)レモン(582)流々(647)里乃(715)リーフ(4412)奈美枝(203)御影(733)ユリア(733)枩李花(715)霞(804)他39名(平均666)
天河(669)春臣(614)君里(600)秋虎(642)アーサー(365)太陽(79)七海(71)エース(671)他19名平均(608)
精霊:風(17,0)水(14,5)火(11,7)土(14,7)光(7,9)闇(12,0)
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・御影・恵美・ユリア・枩李花・霞他39人
天河・春臣・君里・秋虎・エース他19人
設定
細かい数値を簡略化表示
楽しんで頂ければ幸いです。