11証明証とギルド内に響く笑い声
ギルドに向かう途中で、奴隷を手に入れたらどうなるかについてセーフと話した。
結論としては…
「魔力値が上がった分、器用さや知力が上がるから問題は起きやしないよ」
ということらしい。
「ところでさ…セーフ、ステータスを見ると火魔法じゃなくて、召喚魔法が初級になってるんだけど…」
「なんだって!?器用な子だね。炎そのものを召喚したから、さっきみたいに一瞬で消えたのかい」
珍現象ですか?
「珍しいの?」
「まあね。普通は燃やす対象を頭にイメージしちまうから、通常の火がでるけど、瑞木は火そのものが目の前に現れることをイメージしたんだろ?その差が結果に作用したんだね。召喚魔法は上手に使えば頼もしい力になるよ」
そんな話をしながらギルドに到着。
「窓口が三つあるね」
呟くと。
「鑑定で称号を確認しな」
セーフが返事を返してくる。
鑑定で見ると称号は以下の通り。
称号
妻帯者、恐妻家、子煩悩、倹約家、小心者、自己の奴隷化
称号
旅人の守護者、有能、元冒険者、剣豪
称号
処女、常時欲求不満、怠惰、実家暮らし、自己の奴隷化
これは二番目のお姉さんで決まりでしょう。
特に三番目はあり得ないな。
「処女なのに欲求不満って」
と小声で口に出ていたらしく。
「バカだね。女にも性欲はあるよ!!放っといてやりな!!当たり前なんだから!!」
とセーフ姐さんにどやされました。
ごめんなさい。
反省しよう。
「すみません。証明証の発行とギルドで冒険者登録をしたいんです。これ仮証明ですので、よろしくお願いします」
「はい。初めての方ですね。証明証はギルド証と同一の物になりますから、ギルドに登録して貰えば自動的にお渡しするものですよ」
予定通り真ん中の席のお姉さんに声をかける。
胸が小さくて好みだなぁ。
自然に視線を下げてしまうよ。
「胸が小さくて好みだなぁ」
「お客さん?寝惚けてるとしばきますよ?」
かなりドスのきいた声が、受付の中から返ってくる。
しまった!!
心の声が出てしまってた。
「ごめんなさい。余りに好みだったので思わず口に出てました」
「あら、からかった訳じゃないのね?それなら許してあげるわ。じゃあこの書類に記載して。仮証明があるから名前と年齢だけで良いわよ」
よかった。
怒りのオーラが消えてくれた。
「もちろん。真実ですよ。こんなに美しい女性と話せて僕は幸せです。申し遅れました瑞木美孝と言います。お見知り置きを」
「あら、この控えめな胸に心惹かれたと聞こえた気がするけど?」
うぅ。
「確かにその素晴らしい胸が一番魅力的だと感じますけど、先ほどの言葉にも偽りはありません」
「フフフ。ナンパにしては第一声が馬鹿すぎるものね。信じてあげるわ」
ありがたい。
「ありがとう。手数料を支払いたいんですけど」
「うん。ここのところのインフレで手数料は金貨一枚なのよね…払えるかしら?無理なら別の町に行って登録して貰うしかないんだけど?」
榊さんに聞いといて良かった。
こう言うのは事前に知ってると心構えが違うよね。
「実はここに来る前にモンスターを倒したんです。その討伐料金で払いたいのですが可能ですか?」
「良いけど、何を何体持ってきたの?その状態から察するに、肉は持っていないみたいだし、最近は王家から特別褒賞金が出てるけど、普通は一体で払える状態じゃないわよ?」
そりゃそうだよね。
「まず、オークとゴブリンとコボルトの褒賞金額を教えて下さい。その上で足りなければ現金を足しますから」
「……良いわよ。オークが金貨一枚で二千ラード。ゴブリンは銀貨二枚で四百ラード。コボルトは銀貨五枚で千ラードになるわ」
ちょっと困惑気味だ。
新人登録でこんなこと言う奴はいないのだろう。
「じゃあオークで払いますよ。三体分ありますから足りますよね?討伐証明の左耳です」
「はい、確かに。しかもこの切り口は凄く新しい。今日の討伐よね。肉なら普通は大金貨一枚分の一万ラードよ。どう処分したの?まさか肉屋に持ち込んだ?」
耳の切り口を見てからの食い付きが良過ぎて怖いんだけど。
肉の価値からすれば当然か?
「田舎者でして、肉の価値を知らなかったんです。だから倒したところにそのまま置いてきまし」その時、一斉にギルド内にいた冒険者達が駆け出した!!
受付のお姉さんすらも行きたそうに溜め息をつく。
「置いてきましたが、門番の榊さんに譲ったので、もう現地には肉は無いはずですよ?馬で運びに行かれたのでちょうど帰ってくる頃でしょう」
「あら、そうなの?走っていった人たちは残念ね」
僕には辛うじて冷静に返してきたけど、お姉さんの肩が震えてる。
笑いを堪えてるのかな。
「ここには同僚の人と僕しかいませんよ?我慢は体に毒じゃないですか?」
「あははははっ!!」
途端に他の窓口も含めて、3つの笑い声があがる。
しばらく、椅子から転げ落ちて立ち上がれない3つの影がうずくまっていた。
瑞木美孝18才
レベル6(1)
体力値105(1)=105
魔力値105(1)=105
力206(1)=206
知力105(1)=105
俊敏さ105(1)=105
器用さ105(1)=105
幸運値107(1)=107
魅力105(1)=105
称号
貧乳好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人
スキル
鑑定、他種族言語理解、スキル取得補正、レベルリセット、緊急避難、スキルリセット、収納ポケット、レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正、範囲観測初級、叱咤激励、槍レベル3、剣レベル2、投擲レベル5、打撃レベル1、解体中級、短剣レベル4、召喚魔法初級
相性
なし
奴隷
なし
設定
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次は二時ですね