09騎士団の顛末と榊のおっさん
榊武司45才
レベル20(1)
体力値35(1)=35
魔力値21(1)=21
力82(1)=82
知力20(1)=20
俊敏さ25(1)=25
器用さ63(1)=63
幸運値35(1)=35
魅力99(1)=99
称号
門番、鉄壁の守護者、旅人の守護者、妻帯者、愛妻家、子煩悩
スキル
槍レベル21、剣レベル2、解体中級、大声
妻
玲子
相性
玲子(1005)綱芳(126)さやか(183)恵美(150)
奴隷
なし
以上が榊のおっさんのステータスだ。力と器用さと魅力が飛び抜けて高い。
そして、奥さんと子供がいるみたいだ。相性の数値がめちゃくちゃ高い。
さらに、この人自己の奴隷化をしてないのにスゲー強いんだな。
「ところで門番は榊さん一人?」
「それがよぉ。本来は二人体制で三交代制なんだけどよ。門番やってた奴等が一番にケツ捲りやがってな。今は、一人体制で二交代制よ。三人で回してる」
めっちゃ人少ないな。
ブラックな企業並みでしょ、それ。
「酷い話だね。榊さんは逃げないの?」
「俺には嫁さんと子供がいるからな。守りてぇもんがこの町にはある。それに門番にも誇りってのがあると俺は思ってるぜ。残った奴等も、俺と同じで弱いけど良い奴等さ」
いいなぁ。
「榊さん達の事好きだなぁ奥さん達の事も教えて下さいよ」
「おいおい俺にそっちの気はないぜ?」
当然だ。
「安心してください僕にも当然ありません。仕事人の誇りに胸打たれただけですよ」
「ならいいけどな。子供達はもう巣立ったんだ、それぞれ仕事を持ってる…酒場と料理屋と冒険者さ。この町が落ち着いたら訪ねてやってくれ。嫁さんは玲子って言うんだが、家で俺の帰りを待ってくれてるぜ。結婚してからこの仕事での評価も随分良くなったんだ。俺にはもったいない嫁さんさ」
もしかしたら相性とか関係あるのかな…
「早くそういう人を見つけたいものです」
「そうだな。とりあえず仮証明を渡しとこう。代金は大銅貨一枚だ」
高いのか安いのか不明だなと思いながら払う。
「ありがとうございます」
「ギルドでの証明証は多分金貨一枚だ。多分っつーのはインフレのせいで金額が滅茶苦茶だからだ。普段なら銀貨一枚だからな」
十倍になってる…
「マジかい?」
セーフの声が聞こえた。
「それってまさか…更に上がってる可能性もあるんですか?」
「そうだ。あくまでこの町限定だけどな。手数料は各ギルド支部に裁量権があるからな。でもこの周りの町もすぐ上っちまうだろう」
何故だろう。
「なにか理由でも?」
「おいおい。ここは首都だぞ。価格が支配下に伝播するのが普通だぞ?」
おう、そうだったね。
「当たり前でしたね。すみません」
「謝ることじゃねぇけどよ」
榊さんて情報通だよね。
「ところで、騎士団の顛末や王様の対応や食料事情なんかを知りたいんですが」
「どうせほとんど人が通らねぇから構わねぇぞ。ただし、今の情報は情報料が必要だ。本職が金とってる話を無料にしたら色々不味いんでな」
それで飯食ってる人もいるしね。
「いくらです?」
「全部込みで金貨一枚だ。本職なら倍だな。自分の足で稼ぐなら金はかからねぇが、命は金で買えねぇってのが今の街中の現状だ。どうする?」
榊さんの言葉は信用しよう。
「もちろんお願いします」
「そうか。まぁ後で裏を取ることは忘れないこったな」
ニヤリとした笑みを浮かべた。
「そんなこと言う人が騙すとも思えませんよ」
「生き残る為に必要なことさ。冒険者になるなら特にな」
僕の場合は榊さんの旅人の守護者の称号を見てるからね。
「ご忠告痛み入ります。金貨一枚ですね」
「まいどありっ。まず始まりは騎士団の崩壊からだった。この町は城下町って事もあり優秀な騎士団を抱えてた。」
何人位なんだろ?
「総勢五百人。精鋭揃いで週に一度半数をリーフ団長が率いて街道近辺のモンスター討伐に出かける様は勇ましかったぜぇ。お陰でこの町は賑わってたんだ」
どう、つながるのかな?
「賑わってた?」
「そうさ、街道の掃除をすれば喜ぶのは商人だろ?安全は滑らかな物流を生むのさ」
交易主体の都市か。
「とすると交易が盛んで自主生産性は凄く低いんですね」
「良く解ってるな、その通りだ、つまり今の食料事情は最悪ってことさ。騎士団がいなくなって流通が滞り、食料がどんどん無くなってる。生産性は低いから抜本的な改善は交易の再開しかないが、騎士団が壊滅したから手が打てない」
それでインフレか。
「王様はどう動いてるんですか?」
「二つ動きがある。一つは冒険者ギルドへの依頼だな。周辺のモンスター討伐は、相当褒賞金を弾んでるらしいぜ。ただし、この町の冒険者はレベルが低いし、肉の需要が駄々上がりだからな。イマイチ上手くいってないんだけどな」
肉?
「肉とは?」
「食料がねぇって話さ、モンスターの肉は結構旨い。特にオークは元々高級品。コボルトやゴブリンも悪くないんだ。インフレの世の中で倒した肉を捨てる馬鹿はいない。運んでくるのに時間が必要だから回転率が悪くて、大して減らねぇんだよ。高くなった褒賞金より実入りが良いしな」
当たり前だな。
俺でもそうする…
知ってればね。
「ちなみに、レベルが低いのは騎士団が殲滅してたせいで戦闘機会が少ないからですか?」
「見込みのとおりだ。後もう一つの手なんだが、勇者を招こうとしてる。完全な悪手だと思うんだがな」
何故だろうな?
「強いと聞きましたが?」
「強いけどな…勇者だぜ?変態的な行動の逸話に事欠かない。一般人に手出ししないらしいが、自発的に性奴隷になりたいって奴が一定数でるらしい。だから勇者が来る前に逃げ出したいって奴が、武器と防具狙ってヤバイことになってるんじゃねぇか。お前の防具も絶対狙われるぜ」
魅力値のせいだろうなぁ。
「しかし、門番の人達は榊さん以外女性なんですか?」
「いや、呼ぼうとしてる勇者は女だ。そして、性行為至上主義者なんだと。毎晩二人の性奴隷とむつみあい。昼まで寝て、仕事は夕方までの五時間だけって話だ。それでも歴代の勇者の中で一番まともらしい。依頼は受けるからな」
どれだけ酷い勇者しかいないんだよ…
「可愛いんですかね?」
「美人系の顔立ちって聞いたぜ。まぁ玲子に敵う女なんていないと思ってるけどな。おっと騎士団の話から随分遠回りになっちまったな」
そうでしたね。
「週に一回。月に四回の討伐を繰り返していた騎士団に何があったんです?」
「騎士団長リーフが倒れたってのが始まりみたいだな。絶対的カリスマだったリーフがやられた時に連鎖的にモンスターに蹂躙され、まず二百五十名が戦闘不能になり、救援に向かった残りも命からがら負傷者を連れ帰って来たら、弱いと評判だった二十名を残して皆戦闘能力が激減してたらしい」
それって指導法のせいなんじゃ。
「帰還率はどれ位だったんですか?」
「かなり喰われちまってな…五百人の騎士団が二百四十人になっちまった」
生還率が五十%切るとか辛いな。
「リーフ団長はどうなったんですか?」
「一応片足を失ったが戻ってきたぜ。でも、責任をとって騎士団を辞めたらしい。最近じゃ姿を見た奴もいないから、もう死んでるかもしれねぇな。騎士団自体は回復が急務なんだが、激減した能力が戻らない奴が続出して、百人位は鍛練してるらしいが残りの百四十人は、諦めて騎士団を辞めちまったよ。」
規模が二十%に縮小って早期再建は絶望的だろうな。
「ちなみに団長は女性なんですよね?」
「そうだ、紫の髪が特徴的な姉ちゃんさ。目付きが鋭いから気の強い感じに見えるけど美人だな。22才のはずだ。」
騎士団長が女で22才はすげー。
「最後に討伐証明部位はどこか教えてもらえます?毛皮の売値も」
「オークもコボルトもゴブリンも耳だな。左耳を切り取ってくればいい。毛皮はギルドで売れるぜ。値段はコボルトが銀貨五枚で、オークは金貨一枚ってとこか。肉ならそれぞれ金貨一枚と大金貨一枚だな。ゴブリンでも銀貨五枚ってとこか」
肉がバカみたいな値段だ。
「そうですか。じゃあお礼とは言えないかもしれませんが、オークの死体の場所をお教えしますよ」
「マジか?」
目が輝いてる。
「一時間ほど前に殺した奴が三体ほど転がってるはずです。場所はコボルトが点々と転がってますから、たどれば解るはずですよ。証拠はこの耳です」
「確かにオークの耳だ!でも…それなら自分で取りに行けよ」
真面目だな。
「僕じゃ運べないんですよ。荷車も馬も居ませんから。もし榊さんが回収出来るなら食料事情に貢献できますしね」
「…わかった。じゃあこれから行ってくるぜ。ありがとうよ。くれぐれもさっさとこの町を出るんだぜ」
と言うと事務所に入り、仮眠中の職員を叩き起こすと、馬を荷馬車に繋ぎ、一直線に走り出した。
「何があったんです?」
叩き起こされた松本君の眠そうな声が響いた。
瑞木美孝18才
レベル6(1)
体力値105(1)=105
魔力値105(1)=105
力206(1)=206
知力105(1)=105
俊敏さ105(1)=105
器用さ105(1)=105
幸運値107(1)=107
魅力105(1)=105
称号
貧乳好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人
スキル
鑑定、他種族言語理解、スキル取得補正、レベルリセット、緊急避難、スキルリセット、収納ポケット、レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正、範囲観測初級、叱咤激励、槍レベル3、剣レベル2、投擲レベル5、打撃レベル1、解体中級、短剣レベル4
相性
なし
奴隷
なし
設定
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次は0時に待ってますよ