97さやかさんの手とバレバレだった結婚
「ただいまっ!!」
料理屋榊の扉まで2秒で到着、衝突回避のために、屋根の上を突っ切ってきたけど…
さすがに壁をぶち抜いたり扉を蹴破ったりはできない。
「はやかっ…」「ゴメン、緊急事態!!」
恵美さんとの帰宅時の会話を打ち切って二階のさやかさんの部屋へと駆け上がる。
さっき、到着と同時にセーフが窓からさやかさんの部屋へと入り込むのが見えている。
部屋の様子は、確認できるはずだ…
ドアをノックして確認を開始する。
「さやかさん、不躾ながらお邪魔します!!ご無事ですか?もし、ご無事ならこのまま失礼します。お返事を頂いてよろしいですか?」
「…」
返事がない…
「セーフ!!」
「あぁ、ニースを呼びな!!でも…ドアは開けちゃいけない。中に入って来るんじゃないよ!!」
そんなわけにいくか!!
「わかった!!闇の精霊ニースよ!!さやかさんを助けてあげてくれ!!中に出現して鍵を開けてくれ…」
禁断症状対策をしないわけにいくか!!
施術後の回収が必要だろうが!!
「承知しました」
ドア越しにニースの声が聞こえる。
同時に部屋の解錠の音が響く。
「さやかさん!!失礼しますよ」
蹴破らんばかりに部屋へと入る。
そこにいたのは…
全裸で横たわる愛しの女性の…
微笑を湛えながら、快楽に溺れる姿だった…
焦点の合っていない目は僕が部屋へと入ったことも気づいてはいない。
一心不乱にただ悦楽を求めている。
横たわる寝具は乱れ、体液で既にぐっしょり濡れていた。
枕元まで歩み寄ると、ふいに手が止まり、僕に気付いた様子で、手を伸ばす。
「やっと来てくれた…私の…私の勇者様…ふふふっ」
いや!!
待ってよ!!
あんなに疎んでた、憎んでたと言っても良い勇者に様付けって?
こんなんダメだろう?
こんなん違うだろう!?
嫌だ!!
僕は…
僕が壊したっていう事なのか!!
「さや…」
手が僕に触れる直前。
名前を呼びかけた時に、ニースの治療のための闇が、頭へと飛んでくるのが見えた。
「風の精霊!!頼む!!」
恵美さんや綱芳さんを心配させたくない…
風の結界を頼んだ。
思ったほどの悲鳴は響かず治療は終了する。
終了と同時にさやかさんが気絶する。
既に、叫び声をあげるような体力が残っていなかったのかもしれない…
「ありがとう、風の精霊」
結界を解いた風の精霊が、微笑みながら消えた。
「来るなって言ったじゃないか!!さやかのこんな姿を…瑞木耐えきれるのかい?」
あのね…
「扇情的な姿だとしても、これくらいで襲うほどの肉食系なら、既に恵美さんやリーフさんとそういう関係になっているでしょうが…それに、来ない訳にはいかないでしょ!?揺り返しに対処するための、これを回収しないわけにはいかないでしょうが!!」
言いながら、ぐったりしたさやかさんを抱き抱え、さやかさんのあらゆる香りの染み込んだ寝具を収納して取り出す。
洗い立てのような寝具を、片手でできる限り設置して、さやかさんを横たえた。
脱ぎ散らかしてあった服を、収納で綺麗にしてから寒くないようにかけておく。
「違うよ…瑞木…さやかには悪いけど…私はあんたの精神の方が心配なんだ…」
どういう意味さ…
「僕の精神が?大丈夫でしょう?」
「どうだかねぇ…さぁ!!さっさと、退散するよ!!」
セーフ、何いってるの?
「さやかさんに説明は?」
「しない方が良い。互いに」
ニースまで!!
「瑞木!!何を説明する気だい?さやかにとっては、さっぱり理解出来ない話だよ!!このまま眠って、夢だったと思って貰うのが最上さ!!さっさと立ち去るよ!!」
んー、多分…
その通りだ。
この世界の成り立ちを理解しないで、説明されても理解不能に決まってる。
混乱させ、不安になるだけだ。
わかってる!!
「でも…禁断症状が出たときはどうしようするんだ?」
「大丈夫!!瑞木が回収した液から抽出して、ニースが対応できる!!安心しな。さやかは私が常時モニターしとくから、心配無用だよ!!」
ならば、出来る事はもう…
もうない…
「わかった!!」
「いくよ!!」
あぁ…
「ニース、ありがとう。またよろしくな。鍵だけ閉めておいてくれ。さやかさん…おやすみなさい…」
「了解。また、喚んでね」
おう…
「戻ろう…」
ドアを閉めると施錠の音が聞こえる。
部屋から降りていくと、恵美さんが声をかけてきた。
「随分と大所帯を抱え込むことになったみたいですね!!食事のご依頼ありがとうございます」
受けてもらえたか…
良かった。
「はい。そうですね。街道の掃除をするまでの暫定措置なので、終わったらまた随分変わるはずですよ…」
「うーん…奴隷の女の子と奥さんを手に入れたのに、更に変わる事があると!!そう仰るんですね!?是非内容が聞きたいですね…勿論、その中には私の名前はあるんでしょうか?」
勿論あるんだけど!!
無い何て言ったら、包丁の錆になりそうな剣幕だ…
そして、笑いながらだが、目の端に涙が浮かんでいるのが見える…
「もしかしなくても…怒ってますよね?傷付けてしまいましたか?」
「当たり前です!!朝早くにご飯を配りに行ったら、一時間ちょっと位で、使いの人が昼御飯の予約に来るんですから!!しかも凄い美人!!関係を聞いたら奴隷契約を結びましたって言い出すし!!しかも、水の精霊が大ニュースだって言うから聞いたら、瑞木さんが結婚したって話だし!!しかも、相手は元騎士団長!!一体何やってるんですか!!更に帰ってきたと思ったらさやか姉さんのところに直行とか!!ホントに一体何やってるんですか!!私の…わたしのきもちは…」
目の端に溜まっていた涙が溢れては落ちていく!!
わぁ!!
ごめんなさい!!
…一番大事なことから、まず伝えよう。
「まず、恵美さんには僕のお嫁さんになって貰いたいんです。結婚してください。ただし、お願いしたい事がいく…」「はい!!直ぐしましょう!!今しましょう!!早くしましょう!!」
わぁ、まくし立てられたよ。
がっつき過ぎじゃないかな…
「あの…」
「何ですか?」
満面の笑顔だ…
ヒマワリが咲き乱れているような健康的な笑顔だ!
なんと心地良い…
「即答で決めてしまって良いんですか?それに話が途中で…多分恵美さんにとって嫌だなと思う事もあるんですけど?」
「その条件の中に、瑞木さんと一緒に暮らせなくなる事と、私が料理屋を出来なくなる類いの条件が入っているのかしら?」
ん?
「そういったものはないですね…勿論仕事が忙しくて帰ってこれない可能性はありますが…みんなで過ごすための家を買いたいと思ってるところですし」
「あら…気の早い話…まぁ朝出掛けて、その朝の内に結婚してる人なら…当たり前かな…そして!!返答は結婚して下さい…よ!!」
でも…
「ありがとうございます。嬉しいです。末長くお願いしますね。でも、そう言う恵美さんも、結婚の返事が食い気味で即答で返ってきてますよね?」
「こちらこそ、宜しくお願いいたします。あぁ、そうだった…だってこの期を逃したら何処かへ飛び去ってしまいそうなんですもの!!」
確かにここ数時間で目まぐるしい一日だ…
「行きませんよ!!行くんならみんな一緒です。勝手に去ったりしません。約束しますよ…」
「じゃあ…その皆ってのは誰なのか…教えて貰っても良いのかしら?」
勿論です。
「お話ししましょう。是非とも!!」
瑞木美孝18才
レベル2(16)
体力値780(150)=117000
魔力値782(150)=117300
力888(150)=133200
知力781(150)=117150
俊敏さ783(150)=117450
器用さ786(150)=117900
幸運値783(150)=117450
魅力7890(150)=1183500
風156(150)=23200
水104(150)=15600
火103(150)=15450
土99(150)=14850
光91(150)=13650
称号
貧乳も好き、童貞、心清き者、地母神の養い子、殺害童貞喪失、狩人、精霊の親友、コボルトの天敵、難病の克服者
スキル
超鑑定
他種族言語理解
スキル取得補正
緊急避難
レベル・スキルリセット
収納ポケット
レベルアップ時の魅力値上昇十倍補正
叱咤激励
大声
降霊術
精霊魔法信頼級
交渉・召喚魔法上級
解体・身体強化・範囲観測中級
回復・催眠・風魔法・馬術・火魔法初級
武装レベル:槍13、剣8、投擲19、打撃1、短剣20
妻
リーフ
相性
綱芳(340)さやか(732)恵美(663)武司(95)玲子(55)朱音(2739)メルー(72)道緒(83)直(101)メアリー(87)燕(89)レモン(83)流々(88)里乃(81)リーフ(3274)奈美枝(203)御影(104)
天河(53)春臣(87)君里(71)秋虎(72)アーサー(273)太陽(79)七海(71)
精霊:風(15,3)水(9,5)火(9,1)土(8,7)光(7,9)闇(11,7)
奴隷
朱音・メルー・道緒・直・メアリー・燕・レモン・流々・里乃・リーフ・御影
天河・春臣・君里・秋虎
設定
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なんとか、定時更新です。
楽しんで頂ければ幸いです。