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俺は女の子と絡むのが難しい時期にある  作者: 駿河留守
女難期の俺と女の子たち
4/40

幸せ潰し、ジャッジメント

今日も何もなかったかのように授業が終了して帰り道。


「翔平帰るぞ」

「ああ」


俺の機嫌もそこそこ回復した。和成とは帰り道も同じだ。それは隣に住んでいるからどうひねっても帰り道が同じだからだ。ちなみにここ真東高校での俺の評判は上々だ。それなりに頭のいい普通の奴だと認識されている。中学の時のようなホモ疑惑が流れるようなことはない。なんだかんだで学校にいるときは和成といっしょが多い。和成の方かよくついてくるのだ。

 だが、俺の評判がそれなりに頭のいい普通でいい奴だいう認識が今日で無残にも粉みじんに破壊されるのだった。

学校までは徒歩だ。多くの生徒が正門を利用する。男しかいないけど。

そんな正門に見慣れない制服姿の人物を発見した。ブレザーにスカート。明らかに男じゃない。女の子だ。その子はずっと俯いたままだがきょろきょろとして落ち着きがない。


「彼氏でも待ってるのかな?」

「残念だったな。彼氏」


和成と共に彼氏の冥福を祈る。

この学校いる人の恋路を徹底的に邪魔する組織がある。真東高校風紀委員会。通称ジャッジメント。風紀を守るためと言って彼女がいるという生徒を片っ端から襲っている。たまにじゃなくて大抵風紀委員じゃないのが多く混ざっているが気にしない。その行き過ぎた徹底的な邪魔行為は校内ではなく校外にも広がる。たまに飛んでもない兵器とかも持っている。学校公認の組織なのでいくら苦情が来ても壊滅しない。

逆に「あいつに彼氏が出来た。いっしょになって奴をこの世の恐怖を」とか相談を受けて行動に出るようなお悩み相談所にもなっている。相談内容は明らかに捻じ曲がっている。

そんなジャッジメントの縄張りである校門前で待ち合わせとは彼氏も全くバカだ。物影という物影から黒装束のジャッジメントが目を光らせているぞ。

すると彼氏を待つその女の子と俺は目があった。根暗そうだが顔立ちはよく結構美人だ。艶のある黒髪に大きな瞳を持っている。前髪をもっと切って顔をしっかりもっと出せばいいのに思う。でも、あの顔は誰かに似ているような・・・・・・・・。誰だろ?俺に絡む異性は隣のババアくらいだ。

だが、その女の子俺の顔を見ると手に持つ写真的なものと見比べていた。そして、意を決して校門をくぐって帰ろうとする俺の元にやってくた。


「あ・・・・・・・・・あの」


見た目通りの人見知りっぷり。

というかなぜ俺に話しかけてくる!普段ならうれしすぎてうれすぎて発狂するところだが今はタイミングが悪すぎる。


「翔平。誰?その子?」

「誰だ?」(男子生徒A)

「誰だ?」(男子生徒B)

「誰だ?」(男子生徒C)

「誰だ?」(男子生徒D)


ほら、めんどくさいのが集まって来た。ジャッジメント通称幸せ潰し。俺にやって来た春を氷河期に戻すつもりか!


「誰だ?」


和成が再度聞いてくる。


「真面目に答えろよ。さもないと鉄拳制裁が」

「金槌を鉄拳とは言わないと思うが」


俺に話しかけてくれた俺の魅力がよく分かっている女の子はどうしたらいいのかその場でおどおどしている。


「正直に言う。誰?」

「・・・・・・・・それは素の『誰』だな」

「なんだよ。まぎわらしい」(男子生徒A)

「せっかく用意したのによ」(男子生徒B)

「それにしてもあのかわいいな」(男子生徒C)

「死ぬか?」(男子生徒D)


どうやら半分あきらめてくれたらしい。というかなんでチェーンソーを用意しているのかは見なかったことにしよう。

それにしてもこの子誰だ?少なくとも初対面だ。俺はこんなかわいい子を知り合いに持たない。というか知り合いに異性がいるかどうかも怪しい。


「何か用か?」

「何か用ですか?」(男子生徒A)

「困ったことがあれば我に相談を」(男子生徒B)

「女の子の頼みなら命を捨てて叶えます」(男子生徒C)

「わが命に代えても!」(男子生徒D)


お前ら邪魔だ!

人の恋路は邪魔するけど、自分の恋路はまっすぐな変な奴らの集まりがジャッジメントなのだ。結局、自分の恋路を貫いて彼女が出来たとしても今までいっしょになって邪魔してきたジャッジメントによってその恋ははかなく終わるという負の法則が成り立っている。恐ろしい。


「あ・・・・・・・・あの。あ、あなた」

「俺?」


女の子が俺を手招きする。

そうか。よく分かってるじゃないか。


「委員長!安那翔平を拘束しました!」(男子生徒A)

「よし、斎場に連れていけ」(委員長)

「「イエッサ!」」(その他の男子生徒の皆さん)


気付いたら全身ロープで縛られてるじゃねーか!


「待て待て待て!」

「うるさい!死体は黙ってろ!」(委員長)

「いきなり斎場はひどいだろ!」

「女の子と仲良く話すやつなどこの世から消え去ればいいんだ!」(委員長)

「そうだ!死ね!」(男子生徒A)

「腐れ!この野郎!」(男子生徒B)

「この世から消えろ!」(男子生徒C)

「貴様の墓は用意してある!」(男子生徒D)

「うらやましいぞ!」(和成)


女の子から指名を受けただけでこれだぞ。もし、彼女を作ってキスでもしてみろ。そうしたら明日はないぞ。それと和成混ざるな。


「あ・・・・・・・あの。翔平君・・・・・・は、離して・・・・・・ください」


女の子の切実な願い。頭を下げられるとさすがに良心が痛んだのかジャッジメントの奴らは俺を拘束していたロープをほどいて解放してくれた。

だが、俺のだけわざと聞こえるようにつぶやく。


「夜道に気をつけな」(男子生徒A)

「部屋はしっかりカギ掛けろよ」(男子生徒B)

「アサシンに気をつけな」(男子生徒C)

「絶対に殺す」(男子生徒D)


最後は完全な殺意だよな?


「和成大尉。貴殿に翔平の監視の命を授ける」(委員長)

「喜んでお受けいたします」(和成)


お前はジャッジメントに加担してたんかい!しかも大尉ってそこそこ階級いいじゃねーか!それと風紀委員は階級制なのか?


「隙が出来れば殺してしまっても構わない」(委員長)

「いいわけないだろ!」

「隙あり!」

「お前委員長の話聞いてたのか!」


俺は金槌を振り回して突進してくる和成を交わす。俺に隙はない。

すると突然の俺の中でニュータイプ的な勘は走り身の危機を感じた。


「必殺!和成シールド!」


俺は奇襲に失敗した和成を拾い上げて盾にした。和成にシャーペンや三角定規やらが刺さる。こいつらどれだけ鋭いものを持っているんだよ。だが、和成シールドのおかげで助かったぞ。和成は助かってないけど。


「っち」(男子生徒の皆さん)


全員舌打ちをしている。次に投げるものを用意している。カッターとかはさみとか。


「お前らマジで警察に突きつけるぞ!」

「その前に殺す」(男子生徒A)

「その後、焼却炉で燃やして」(男子生徒B)

「山に埋めて」(男子生徒C)

「証拠をすべて消す」(男子生徒D)


たちの悪い犯罪者集団じゃねーか!


「行け!翔平を捕らえて存分に苦しめたうえで殺せ!」(委員長)

「うがー!」(男子生徒の皆さん)

「待て待て!」


もう俺の声なんて耳に入っていた。


「ちょっと!待って!」


俺のことを持ってくれていた女の子が俺とジャッジメントの間に入った。


「危ねー!」


俺は無意識にその子の手を引いて身代わりになった。手の甲に切り傷が入った。ちなみにこいつらはこんなハチャメチャなことをしているが犯罪という一線は絶対超えない。刃物を持っているが大きな怪我をさせるようなことは絶対にしない。と願いたい。


「だ、だ、だ、だ、大丈夫・・・・・・ですか?」

「気にするな。大丈夫だ」


こんな傷は日常茶飯事だ。


「わ、私のせいで・・・・・・」

「君のせいじゃないって」

「でも・・・・・・・・」


あれ?泣いてない?


「バ、バカ!気にするなって俺ってこう見えてドMだからこんな傷は快感に変換できるんだよ!」


だが、その子はぼろぼろと涙を流す。女の子とどう接していいか分からない。経験値不足だ。俺にもっと女の子を優しく扱える精神があればもっといい対応が出来たのに。


「・・・・・・泣かせたな」(委員長)


そんな声がジャッジメントの集団からぼそぼそと聞こえた。こいつらは生徒が彼女を作ったことに激怒してあんな行動を起こすが、それ以外にも激怒することがある。それは女の子を泣かせるという行為をした奴にはそれ以上の制裁を行う。

この件では俺が泣かせたわけじゃない。俺の手の甲を切った奴が泣かせたということになる。そうであってほしい。

すると集団からゆっくりと離れようとしている男子生徒がひとりいた。その手に持つカッターから一滴の血が垂れる。


「女の子を泣かせたあいつはもう仲間じゃない!裁きの時だ!」(委員長)

「裁きの時だ!」(男子生徒A)

「裁きの時だ!」(男子生徒B)

「裁きの時だ!」(和成)

「裁きの時だ!」(男子生徒D)


黒装束の奴らが一斉にそいつに飛び掛かる。


「わざとじゃないんだ!」(男子生徒C)


そいつは黒装束の奴らに取り囲まれると全身をロープで縛られて校舎に連れて行かれた。おそらくこれから彼に待っているのは生きているという絶望だろう。ご冥福を祈ろう。


「さて」


俺は立ち上がる。周りに人はいない。チャンスは今しかない。


「ちょっと移動しよう」


俺がそう話しかけると女の子は頷いて立ち上がった。まだ泣いているのかは分からないがとにかく聞きたいことがある。それにこの子は俺に用がある。そんなうれしいことはこの世には存在しないぞ。

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