女難期、安那翔平
どうも初めての人は初めまして駿河ギンです。
とある小説大賞に応募した作品です。
1次選考は通ったものの2次で落ちてしまった駄作です。
温かい目で見守ってください。
おそらく持てない非リアなみなさんには共感できる話だと思います。
笑わないでほしい。
それが俺の切実ある願いだ。
そして、これは男ならだれでも抱く感情だ。
俺は彼女がほしい!
女の子とお近づきになりたい。仲良くなりたい。お話ししたい。スキンシップした。いっしょに帰りたい。席が隣になりたい。筆記用具とか貸し借りしたい。部活のマネージャーと俺の汗を拭いてほしい。日曜日いっしょに買い物とかしたい。いっしょのご飯とか食べたい。いっしょのカラオケとかに行きたい。ゆくゆくはいっしょに暮らしたい。そして、夜をいっしょに過ごしたい。
そんな女の子とひたすら過ごしたい年頃の俺こと安那翔平16歳。みずがめ座。
そんな男として健全な俺は中学の時、ホモ疑惑で学校中を騒がした。
俺は究極に女の子と縁がない。嫌になるほど女の子と縁がない。最強なまでに女の子と縁がない。女の子とお近づきになろうとするとなぜか男ばかり集まってくる。別に男たちとバカやって遊ぶのも青春で楽しい。だが、俺の健全で新鮮な青春はむさくるしい男どもの中にはない。俺の目指す青春は女の子といっしょのああしたりこうしたりすることだ。男とああしたりこうしたりすることは俺にとって青春と呼ばない。
俺は努力した。女の子にもてるために努力した。
安那翔平の努力その壱。部活。
女の子は部活で活躍するイケメンとかにメロメロだ。つまり、部活活躍して目立つことは女の子にもてること間違いなし。
それで結果。
「先輩さすがです。俺にサッカー教えてください」
「先輩。僕は一生あなたについていきます」
「俺は先輩のためならきっと」
「サイコ―だ!翔平!」
なんで周りの男しかいない!
お前ら必要ないんだよ。ハンバーグとか頼むと隅っこについてくるパセリ並みに必要ないんだよ。いいからメインの女の子が寄ってくるようなシチュエーションを破壊するな。
安那翔平のがんばりその弐。勉強。
女の子は勉強ができるメガネ男子が好きそうだと思う。つまり、学年トップクラスの学力を手に入れればきっと女の子が勉強を教えてほしさに近づいて来るはずだ。
で、結果は。
「翔平。俺ここがまったく分からん」
「僕に勉強教えてほしいな」
「学年一位。俺にノート見せてくれよ」
「今度、俺がお前の家行って勉強会しようぜ」
「サンセー!」
テメーら男はいらないんだよ!
おかしいだろ。女の子が寄ってくるように作った俺のキャラがなぜか男ばかり寄ってくる。俺は男寄せ機か。そんなスキル俺にはいらん。お前らのせいで俺がホモと間違えれるんだよ。
安那翔平の抵抗その参。生徒会。
女の子に近寄ってもらうにはやはり有名になるしかない。そこでだ。俺が生徒会長になって学校中から視線を集める。そこで俺の万能性に女の子はメロメロというものだ。何気に生徒会長は響きがいい。これなら完璧だ。
そんでもって結果。
「ねぇ。あの生徒会長に立候補した奴。ホモらしいわよ」
「私も知ってる。気持ち悪いわよね」
「男に愛される男って不気味よね」
「近づかない方がよさそうね」
なんでだー!
学校中に俺がホモであるということが広まったじゃないか。しかも生徒会選挙では落選するし。俺はただ学校中に男が大好きなホモですと堂々と公言しただけじゃねーか。しかも、票のほとんどが男ってどういうことだ。
安那翔平のもがきその四。進学。
もうこうなったら男が少ないところに進学してやる。そうだよ。男がいるから俺はホモだと間違わられるんだよ。男がいないところに行けばいいじゃないか。簡単な話じゃないか。
つーわけで結果。
「やった!合格した!」
俺は元女子高に合格した。共学になったばかりで女子と男子の割合は8:2らしい。偏差値が高かったが死ぬ気で勉強した。その結果、最高の条件だ。クラスの大半が女の子。両隣が女の子であることはほぼ間違いないと断言してもいい。春が楽しみだ。ハハハハハ!
だが、その合格の二日後のことだった。
「転勤」
「・・・・・・・・・はい?」
おやじと飯を食べているとこのことだった。俺の母さんは物心つく前に死んでしまっている。だから、おやじと二人で飯を食べることは大して不思議な光景じゃなくいつも光景だ。そんないつも食事中におやじは言った。
「転勤が決まった」
「・・・・・・・・・どこに?」
おやじの言った地名は言われぱっとすぐに出てこない県名。それは要するに田舎じゃねーか!しかも、今俺が住んでる都心から通うのは不可能じゃないか!
「新学期になる前に引っ越すぞ」
「待て待て待て待て待て待て待て待て待て!」
「なんだ。落ち着け」
「これが落ち着いていられるか!え?引っ越し?転校?」
「大丈夫だ。今いる中学でちゃんと卒業できるぞ」
「そういう意味じゃなくて!俺が合格した高校に行けないだろ!」
「そうだな。転勤先は父さんの生まれ育ったところだ。父さんの母校に通うといい。校長には父さんから話をつける。お前の学力なら編入を要因してくれるだろうってどうした?もうこの世に絶望以外何も残っていないような遠い目をして」
終わった。俺の努力、がんばり、抵抗、もがきがすべて無駄になった。せっかく周りに男子ばかりのホモが学校生活から脱せると思ったのに。
いや、諦めるな。
「おやじ!その高校はどんな高校だ!」
「男子校」
「・・・・・・・包丁」
「待て!落ち着け!人生まだまだ楽しいことがたくさんあるぞ!」
もう楽しいことなんて何もいなんだよ。男どもにはもう楽しいことなんて何もないんだよ!
こうして俺の女の子とハッピー計画は無残に失敗した。
だが、俺の努力はまだ終わらない。
引っ越し後、俺は新たにお近づきになれそうなお隣さんの女の子を模索すべくご近所周りをおやじと共に行った。
一件目。
「こんにちは」
きれいなお姉さんだ。
やったぞ。最高じゃないか。
「あなた~。お隣に引っ越して来た安那さんよ~」
人妻かよ!
「やや、こんにちは。息子の和成です。15歳です」
しかも子供は男かよ!しかも、同じ年かよ!
「あら、同じ高校何ですか?」
しかも、高校もいっしょかよ!
左隣のお宅。
「こ・・・・・ん・・・・・に・・・・・ち・・・・・は」
超マイペースでのろまなババアとジジイが住んでいた。
その隣、空家。和成の隣のコンビニ。正面、田んぼ。
こうして俺はさらに女の子と縁がかけ離れたところにやって来た。
春がやってきて高校はもちろん男子校で女の子なんていなかった。どこかにあこがれの陸上選手を追いかけてきた女の子が男装して混ざってないかと少ない希望を抱いたが無駄だった。少しでもこの女の子と話したい欲求を晴らしたいと思い、美人教師と仲良くなろうとしたが、まるでゴリラのようながたいをした女教師とまるで鬼のような性格の女教師しかいなかった。美人なんていなかった。
もう、女の子と仲良くなる方法と言えば、その辺を歩く女の子をヒッチハイク(ナンパ)するしかない。
でも、俺と同様に女の子とひたすら縁のないむさい男ども通う高校の制服を着てヒッチハイク(ナンパ)なんかしても相手にしてもらえなかった。
たまに奇跡的に女の子とお近づきになれそうな時がやってくると謎の組織に襲われる。そんな女の子と絡むのが難しい時期、略して女難期が一年続き俺は高校2年生になった。もう、女って何だっけ?という感じまで感覚が鈍っていた。
そんな女難期真っ只中の俺に起きた突然の出来事。奇跡。俺は夢の中にいるのだろう。




