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友達ごっこ  作者:
4/9

新たなターゲット

 「愛ちゃん、おはよう」


 「おはよう」


 あれ以来、桜宮さんは私のことを“愛ちゃん”と呼ぶようになった。

 名前で呼ばれるのは、何年ぶりだろうか。まぁ、名前で呼んでいるということは、それなりに私を信頼しているととっていい。ということは、周りのやつらよりは、利用しやすいということだ。これほどよい道具はない。


 「愛ちゃん、お昼食べに行こう」


 「うん」


 私はほとんど、桜宮さんと行動を共にしている。共にしていると言っても、彼女は私以外の人間とは全くと言っていいほど話をしない。そのため、彼女はいつも私についてくるのだ。

 私は昼休み、知ってはならないことを知ってしまうことになるのだった。



 「愛ちゃん、私が転校したあとに、クラス内でいじめみたいなのがあったんでしょう?」


 「えっ!?」


 いじめみたいなもの? それって、まさか……。


 「クラスの子のほとんどが、一人のクラスメイトを徹底的に痛めつけるみたいなやつ。友達がそんなようなこと言ってた。誰がやられてたかまでは知らないけど」


 こいつ、あのことを知っているのか。転校したのに。

 私はこの話を聞いたとき、私の頭の中ではすでに、たった一つのことしか考えていなかった。

 “どうやって痛めつけるか”

 それだけで頭がいっぱいだった。


 「そうなの? 私桜宮さんが転校してすぐに違うところに行ったから、わかんないや」


 当然これは嘘。転校したということにしておかないと、このことについて、詳しく聞かれる可能性があるからな。


 「えっ! そうだったの?」


 次のターゲットはあんただよ。桜宮皐月さん。

 さぁ、友達ごっこの始まりだ。


 

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