表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/101

第72話 フローラ

濡れ場は控えめです

王都のある宿屋の一室。

奴隷に堕としたフローラをこれから抱くわけだが…目の前で神に祈りを捧げてる。

セリフと聞いてると、『恐怖に打ち勝つ力を与え給え』だの、『勇気を与え給え』だの、一体どんな強大な敵と戦いに行くのか、と思ってしまう。

無理もないか。クリス様から聞いた話だとフローラは選定意識が強く平民を見下していたらしいからな。その平民に抱かれるとなれば神にもすがりたくなるのだろうよ。

そんな事を考えていると覚悟が出来たのかこっちに向きなおる。


『えっと…マスター、よろしくお願いします。初めてですので優しくしてください』


「ああ、分かってる。こっちに来い」


そう言ってフローラを抱き寄せキスをする。


『んんっあれ?…嫌じゃない』


さらにもう1度、今度は舌を絡める様にキスをする。


『〜〜〜ふぁ、全然大丈夫みたい…むしろ気持ちいい』


スキル効果だな。夜の帝王様々だ。嫌がる女性を抱くのはちょっと抵抗があったから、気持ちいいと思ってくれるのはオレとしてもありがたい。


『あ、あの、続きを…』


催促してくれるか、本当にありがたい…


・・・・・・


ー 2時間後 ー


『あっ、あっ、あぁ〜〜〜っ!』


さっきまで生娘だったフローラが、俺の上で狂った様に腰を振り快楽に身を委ねている…


「今ので何回いった?」


『5回目ですぅ、ハァハァ、クリスティーナさんには本当に感謝しなければいけませんね。こんな素晴らしい道に導いてくれたんですもの』


やれやれ、相当な好き者になってしまったようだ。構わないけどな。


「フローラ、クリスティーナ"さん"ではない、クリスティーナ"様"だ。身分を弁えろ」


『あぁ、そうでした今の私は卑しい奴隷でした。申し訳ございません』


「間違えたからお仕置きだな」


『あぁ、はい、お仕置きしてくださいませ♡』


・・・・・・


ふ〜っ、まさかあの後3回も間違えるとは思わなんだ。

フローラは横で寝息を立てている。

一番難航すると思っていたヒーラーがこんな形でメンバーになるとは思ってなかったけど、後衛ばかり充実していく。前衛の補充は急務だな。


ん?そうだ、ステータス…お、夜の帝王がLv4になってスキル効果が増えている。


スキル効果9:スキル共有

パーティ内でスキルの貸し借りが可能。ただし、貸したスキルは、貸したメンバーが使えなくなり、借りたメンバーだけが使える。なお貸し借り出来るスキルは1つのみ。


使える場面があるのだろうか?パーティで行動している以上、スキルは誰かが使えれば問題ない。

うーん、何らかの理由で単独行動する場合には個人の強化に便利かもしれない。光魔法を借りて回復手段を増やすとか…使いどころを選ぶスキル効果だな。


『マスター、起きてる?』


レイラが部屋に入ってくる。


『さっきクリス様から遣いがきてね、会いたいってさ。フローラも一緒に』


「分かった…けど、風呂入ってからだな」


・・・・・・


ー フェアリーテール侯爵邸 ―


『クリスティーナ様!この度の件、本当にありがとうございます!この様な素晴らしい道を用意いただき、心から感謝いたしますわっ!!』


『えぇ、ど、どういたしまして』


奴隷に堕とされて開口一番がこのハイテンション…そりゃクリス様も引くわ。


『ちょっとガレス、想像してたのとかなり違うのだけど。奴隷に堕としたことに罪悪感を感じてた私が馬鹿みたいだわ』


「オレとの夜の営みが相当お気に召したようでね。初めてとは思えないくらい楽しんでいたよ」


『そう、初めてだったのに楽しめたんだ…』


…ん?あーオレは知らない内に噂の王子様のハードルを上げてしまったのか。


「クリス様、オレのはスキル効果だから、王子様に期待しない方が良い」


『うるさいな、余計なお世話よ。それに私の場合、まだ先の話よ。

ところで、これからローナに戻るのでしょうけど、一応フローラは国外追放だから、王都にいる間は顔ぐらい隠してよね。

ローナに戻ったら隠さなくてもいいと思うけど』


『それともう一つ。あなたのパーティ、後衛ばかり増えてアンバランスよね。それを解消できるか分からないけど、情報を提供するわ。

サンチェス伯爵家を知ってるわよね。ホセの実家なんだけど、その領地の一部をスアレス男爵家が治めてるわ。最近先代がお亡くなりになってね。急遽、直系の若い女騎士が跡を継いだのよ。でも剣に生きてきた騎士がいきなり領地を切り盛りできるほど領地経営は甘くないわ。

一時期借金があったみたいだけど、それは完済したらしい。でもお金の出処が不透明なの。噂では突然フラッと数日間いなくなり、帰ってくる時には大金を持って帰って来るらしいわ。怪しいことこの上ないのよ。もし悪事に手を染めているなら奴隷に堕としてガレスのパーティメンバーにって…ガレス?どうしたの???』


「借金があった女騎士で、スアレス男爵家って…もしかしてレベッカ・スアレスのことか?」


『知ってるの?』


「知ってるも何も、その大金の出処はウチらだよ。

レベッカはローナに来てオレたちを指名依頼してダンジョンに潜ってるのさ。ウチらは斥候系パーティとしてそれなりに優秀だからな4〜5回に1回は何らかの魔武具を手に入れている。それを売り捌いて大金を手に入れてるさ。彼女とは何十回と一緒にダンジョンに潜ってる。悪事に手を染めていないことはオレたちが証明するよ」


クリスが呆れた顔で話す。


『領地経営の赤字をダンジョン攻略で補填するなんて、何という力技。騎士としては凄いと思うけど、領主としては完全に失格ね。ただ法に触れてないだけの無能者よ。』


今までの話を聞いていたフローラが口を開く。


『おかしいですね。そんな力技がバレれば上からお咎めをう受けることくらい分かりそうなものです。周りの人間が諌めなかったのでしょうか?…もしくは周りの人間は領主が無能の方が都合が良かった、とか?』


「…クリス様、そのあたりを含めて調べてみるよ」


『そうね、お願いするわ』




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ