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閑話 クリスティーナ援軍に参加する(複数視点)

誤字指摘ありがとうございます!

(クリスティーナ視点)


私もペドロ師団長と一緒に行くのですか…いやな予感が当たったなぁ。


『少しは嫌そうな顔を隠したらどうじゃ』


「顔に出ておりましたか、申し訳ございません」


『そんな顔をしていても、行かないと言わないのはクリス自身がペドロと一緒に行く必要があると感じでおるからじゃろう?』


援軍はペドロ師団長率いる魔法師団だけで十分だ。戦略魔法陣一発で終わるはずなので、それ以上の戦力を投入する意味はない。当然ながら戦力的に私が行く意味もない。でもそれは事情を知ってるリンドブルム王国の人間だから言えることだ。

ニーズヘッグ王国側から見れば城塞都市をあっさり落とす敵に対するための援軍が魔法師団のみとは本気で助ける気があるのか?と疑問を持たれることになる。

疑問を持たれるならニーズヘッグ王国に戦略魔法陣で対応できることを明かせは安心するだろう。しかしそれは絶対に出来ない。王都陥落の危機に寝返ろうとする輩が必ず出るからだ。

となると、戦略魔法陣のことは伏せたま魔法師団の援軍のみで対応できることをニーズヘッグ王国に納得してもらわないといけない。

普通なら納得しないだろう。だか、援軍に私が加わったらどうなるか。アクア様の加護を授かった国の要人であり、先だっては、軍とも呼べぬ寡兵で魔導ゴーレム5体を破壊し、ファフニール軍を撤退に追いやった立役者。そんな重要人物を何の策も無しに援軍としてよこすはずがない。学園都市を守った時のような策があるはずだ。と思うだろうな。まぁ実際に策はあるし。


「戦いが始まるまで、ニーズヘッグ王国の不安を抑える事が私の役割ということでしょうか」


『そういうことじゃの。頼めるか?』


「勅命、謹んでお受けいたします」


恐らく私が行ったところで不安を完全に抑えることはできないだろう。だか、王都にはジオ殿下がおられるはずだ。殿下の協力があれば何とかなるだろうか…はぁ、何とかなって欲しいなぁ


・・・・・・


ー ファフニール帝国 ー

(ゼクト視点)


魔導ゴーレム100体の投入により、城塞都市ルシオールはあっさり落ちた。そしてこちらの被害は軽微だ。

エクストラモードを発動した魔導ゴーレムが何体かいたので魔石の補充は必要だが、破壊されたのは1体だけだ。人的被害も多少はあったが気にしなくても良いレベル。全てが順調だ。

ルシオールでの略奪、強姦などの行為は禁じていない。今まで8年間耐えたのだ。兵士たちの多少のガス抜きは必要だ。ルシオールの民には申し訳ないが犠牲となってもらおう。それに次の王都侵攻の布石になる。この残虐な行為を王都でやられたくはないだろう。魔導ゴーレムで王都を囲めば案外あっさり降伏に応じるやもしれぬな。

王都侵攻に思いを馳せていると宰相からの報告があった。


『陛下、ご報告がございます。学園都市サリアの侵攻についてですが…』


「うむ、思いの外、時間がかかったな。どの程度の被害で街を占領できた?いや、防壁すらない都市だ。被害はなかったか?」


『そ、それがですな…魔導ゴーレム5体は全滅、2個中隊は壊滅的な被害を受け、撤退しました』


「なんだと!!どういうことだ!歴戦の騎士すら倒し得る魔導ゴーレムが5体もいてなぜ負ける!?」


『どうやら暗殺対象であったクリスティーナ侯爵令嬢が自らの護衛を指揮し魔導ゴーレム全てを破壊したとのことでございます。敗残兵が戦闘の一部始終を見ていたと申しておりますが詳細をお聞きになりますか?』


「聞こう。それとリョウスケも呼べ」


『承知しました』


・・・・・・


敗残兵から戦闘の詳細をを聞いた。


「なるほどな。女剣士の強力な魔剣の一撃で全ての魔導ゴーレムが破壊されたわけか。

恐らく女剣士はリンドブルム王国随一の魔剣の使い手ソフィアであろう。国の要人クリスティーナの護衛をしていたか…リョウスケよ、今の話を聞いてどう思う?」


『小細工はあったにせよ、恐らくは最大戦力の魔剣士の強力な一撃を初撃にもってくるあたり、エクストラモードを警戒しての作戦としか思えません』


「うむ…そうであろうな」


『研究員が1人消えた時、私と助手は恐らく魔導ゴーレムが戦ったであろう現場に行き状況を確認しております。激しい戦闘の跡が見られたので、エクストラモードを発動したのだと思います。今回指揮した令嬢はその戦闘のことを知っていたのではないでしょうか』


「一令嬢が対策を打ってくるか、リンドブルム王国には完全にゴーレムの情報が漏れていると考えた方が良さそうだな。厄介なことだ」


『ですが、ゴーレムの有用性が失われたわけではございません。今回の戦闘もエクストラモードを発動さえすれば勝利していたはずです』


「そうだな、リンドブルム王国とことを構えることになったら油断せず対応することにしよう」


それから10日後、王都侵攻の準備をしていたファフニール帝国軍に、ニーズヘッグ王国の王都にリンドブルム王国軍の援軍が到着したとの報が届いたのであった。


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