第4話 てへっ
『・・・て』
『・きて、起きてください』
「あれ?」
『良かった、やっと目が覚めましたか』
『ごめんなさい、あのような映像を見せられて混乱したせいか、思わず殴ってしまいました』
『どうか許していただけますか?』
いきなり殴られて、いささか腹が立ったが、あの状況では仕方ないか。俺も結果的に過労死って嘘ついちまったし。
「まぁ、しゃーないっすね」
『良かったぁ、、、バレたらヤバいところだった』ボソッ
また何が漏らしてるぞー
『ては、話を進めてもよろしいでしょうか?』
まぁどうでもいいや、もうさっさと終わらせよう。
「そうですね、話を進めましょう。えーっと、何のスキルが付与されたか知らないんでしたっけ?
ステータスオープン!
ほら、ステータス見せるんで確認してくだ・・・さ、い?」
スキル:不意打ち耐性Lv1 New!!
スキルが増えてる・・・だと?
「・・・・・・」
『・・・・・・てへっ♪』
「てんめぇーこのクソ女神!!スキルが増えてるってことは殴り殺したってことだな!会って5分もたたない人を殺すとか頭オカシイだろっ!」
『なによ!殴ったことはさっき許してくれたじゃない。もう終わったことよ』
「人を殺しておいてごめんで済むか!!」
『もう、面倒くさいわね!アンタとっとと転生なり転移なりしちゃいなさいよ。』
「さっきまでそう思ってたが、こっちは殺されてるんだ。もう一つくらいスキルを貰わないことには納得できねーな」
『出来るわけないでしょ!さっきも言ったけど、スキルはシステムが付与してるの。私じゃどうにもならないわよ』
このクソ女神が、開き直りやがって。さっきまで女神風に取り繕ってたようだが、口調も変わったし、化けの皮が剥がれたな。ただの羽根が生えてる人間に成り下がってるじゃねーか。
こうなりゃこっちも遠慮はしねー、とりあえずカマかけてみるか。
「さっきバレたらヤバいとか漏らしてたな。俺を殺したことがバレたらヤバいんじゃないの?」
『そ、そんな事、ないわよ・・・』
思いっ切り目が泳いでる。
これほど見事な目の泳ぎは見たことがないぞ。
「他の連中がどうとか言ってなぁ?
他の女神様たちにどんな噂が流れるか楽しみだな」
『べ、別に他の女神は気のいい人ばかりだし、噂になっても関係ないし。。。』
なんか遠くの方を見つめてるなー
おーい、こっち見ろ。
今までのお漏らしから推察するに女神が転生させた転生者が活躍すると、その女神に何かしらのメリットがあるんだろう。それなら。。。
「転生したら何もせずにスローライフを目指そうかな〜」
と言ってみる
『うっ・・・ハァ、わかったわよ。
殺しちゃったことは謝るわ。
悪かったわよ。
お詫びに願いがあれば叶えてあげるわ。
叶えられるかどうからないけどね。
とりあえず望みを言ってみて』
よしっ!
『ただし、異世界で活躍するって約束してよね』
そこにこだわるのか。どういう背景があるのか気になるな。