表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/102

第22話 決着

川村はゴブリンに集団で襲われて死んだ。それを知ったオレは集団で襲われても対処できる方法を考えていた。

川村の死から3ヶ月経ってようやく準備が整った。

だが、まさか人間相手に使うことになるとは思いもよらなかったがな。


さて、方法あると言っても可能性の域を出ない。敵が対処方法を持っていれば、その時点で終わり。オレは死ぬ。

乗るか反るかの大博打だ、いくぞ!!


オレは懐からある物取り出す。

そして風魔法で自分もろとも撒き散らす!


「ウインドブラスト!」


Lv1の風魔法だ。しかも20人全員に行き渡るように範囲を広くした。

田中がオレを罵倒してくる。


『馬鹿か、そんなそよ風程度の魔法に何の意味がある!・・・何?』


『おい、これは!?』


『毒だ!!』


『しかも猛毒だぞ!』


『体の動きが・・・鈍い!?』


『麻痺毒も含まれている!』


そう毒だ。

オレは薬品精製スキルの検証でポーションだけでなく、毒も精製出来ることに気が付いた。

そして薬草採取の傍ら毒草も採取し、猛毒と麻痺毒とその解毒剤の精製に成功した。

その毒を自分もろとも撒き散らした。当然オレも毒に侵されるが、オレには天使の加護(状態異常耐性小)がある。麻痺毒の症状が『麻痺(中)』→『麻痺(小)』に緩和されることは検証済みだ。

麻痺(小)の程度の症状なら、体の動きが鈍る程度、解毒剤を飲むことくらいできる。


ゴクッゴクッ、「ふうっ」

速攻で解毒剤を飲んで猛毒と麻痺を解毒する。

さて、ここからだ。

敵さんは阿鼻叫喚。クルセイダーのメンバーとモレロ一家が苦しんでいる。自前で毒消し持ってる用心深いやつは・・・いないようだな。

流石にレベル1の人間を始末するのに毒消し用意するやつはいないか。

となると、この中で一番強いであろう「ダン」は、どうだ?


『小僧ぉぉぉ!やってくれたな!

解毒剤をオレにも寄こせぇぇぇ』


やっぱり、麻痺(中)でも動けるくらい能力値が高いのか、もしくは麻痺の耐性を持ってるのか襲いかかってくる。

他の連中が動けないのは不幸中の幸いか、コイツに集中出来る!

矢に魔力を込めて放つ!


『無駄だ!小僧!』


キィン!


『オレはレベル70を超えている!毒に侵されていようが、貴様ごときに攻撃は当たりはしない!』


キィン!


ダメか、麻痺と毒で相手の動きが鈍っているとはいえ、こちらのレベルは1。弓術のスキルレベルも1だ。

地力に差がありすぎて簡単に剣で撃ち落とされる。

いや、それ以前にヤツの防具を貫けない。通常攻撃ではダメだ。


一応、レベル差があっても効く攻撃を思いついて検証してる最中だったけど・・・残りの矢は15本

やるしかない!

おっっっと、あぶねぇ、避けるのが遅かったら死んでたぞ。


『ちょこまかと動きやがって』


矢に魔力を込めて、食らえ!


キィィィィィィィン!


やっぱり弾かれるか、くっ、矢を弾いた返す刀で攻撃かよっ!


『オラァ!』


あぶねぇな!

きつい!動きが鈍ってるうえに

重装備なのに相手の方が速い!


「ピコン!」


何だ!?システム音?


「称号ジャイアントキリングを獲得しました。

称号の効果を能力値に反映します」


称号獲得?誰かが毒のスリップダメージで死んで称号獲得の条件を満たしのか。

運が味方した。明らかにさっきより早く動ける!


キィィィィィィィン!

キィィィィィィィン!


『くっ、なぜ動きが良くなりやがった。』


防がれることに変わりはない。

だが、後れを取らなくなった。

それなら何度でも攻撃してやる!!


・・・

・・・

・・・


キィィィィィィィィィン!


『ハァ、ハァ、バカな、目眩がする!?視界が歪む、何故だ、毒は受けているが、まだ体力に余裕があるはずなのに、マトモに立てないだと!?』


ギルドの魔法講師が言っていた、魔法はイメージだと。

オレが矢に込めた魔法のイメージは「音」。空気に作用する風魔法なら、空気を振動させる音も操れると思い矢に込めた。

前世で言うところの音響兵器だ。

デモ鎮圧とか暴動鎮圧で実際に使われたことがあるって聞いたことがあったから検証していた。

まだどの周波で効果があるのか検証中だったから、とりあえず検証中に気分が悪くなった周波で放ってみたが、何とか一定の効果は得られたみたいだな。


さて、とりあえず足を止める事が出来た。

だからと言って近接戦闘は無理だろう。姑息でもいいから安全第一だ。

オレは予備の毒をダンに向けて散布した。


『正々堂々戦えぇぇぇ!』


「アホか、弓士に近接戦闘しろとでも言うのか?無茶言うな!

悪いがこのまま毒のスリップダメージで死ぬまで見届けさせてもらう」



『小僧オオオオオオ!!』



・・・



静かになった。ダンが死んだようだ。

ふぅ〜、ギリギリの勝利だったな。安全を最優先にしてるつもりだったのに、これほど危ない橋を渡ることになるとは思わなかった。


「次に神託きたとき、盛大に愚痴らせてもらうか」


「ピコン!」


ん?今度は何だ?


「称号一騎当千を獲得しました。

称号の効果を能力値に反映します」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ