第20話 魔弓
異世界に来て3ヶ月。
ついに戦闘系のスキルが生えた。
しかも、弓術と魔法の両方ともだ。
努力したかいがあったなぁ。
ギルド講習様々である。
魔法はギルド講習の講師が風魔法を得意としていたので習得した魔法は風魔法Lv1だ。
ちなみにこの世界の魔法の基本属性は、火、水、風、土、光、闇だ。
あとは種族限定の木魔法、精霊や幻獣と契約した者だけが使える召喚魔法がある。
召喚魔法とか厨二ごころをくすぐるな。
弓で戦うか、魔法で戦うか迷っていると、両方使えばいいと言われた。
矢に魔力を込めて放つ、もしくは、矢自体を魔力で生成して放つ、魔弓士というやつだ。
なんか異世界ぽくていい。
実際、矢に魔力を込めて試してみると矢の速度が気持ち上がった。
Lv1ではその程度だが、レベルが上がれば、速度、貫通力が上がり、込める魔力次第だが矢が当たった対象を切り刻むことができるらしい。
今から楽しみだ。
そして先日、ライフワークの・・・ではなかった、強化策の一つ、夜の帝王で自身の強化をしていたところ、なんとスキルレベルが上がり、スキル効果が1つ追加された。
その効果がこれだ。
スキル効果7
奴隷契約した仲間の全能力値10%アップ
奴隷契約することが前提とか相変わらず尖ってるな。
性行し、かつ、奴隷契約すれば全能力値20%アップだぞ。破格の効果だな。
一応奴隷を雇えるものなのか、ニーナさんに確認してみた。戦闘奴隷を雇って依頼をこなす冒険者は少数だがいるらしい。だか奴隷パーティーは良く思われていない。
それは奴隷の雇い主が奴隷を使い潰したり、公衆の面前で酷い仕打ちをしたりと、非人道的な行いが多いからだ。
オススメできないと、クッソ怖い笑顔で言われたよ。確認する相手を間違えたな。
奴隷云々はさておき、戦闘系のスキルを覚えたことだし、そろそろ残念天使との約束を果たそうと思っていたのだが、不運なことにダルさんが王都に仕入れに行っており、ポチはダルさんに付いて行った。ポチに敵を見つけてもらい遠距離から魔弓で不意打ちしてモンスターを狩ろうと思ってたけど、今はできない。
となると、他に安全な方法は誰かに寄生することだろう。
まだレベル1なので戦力にならないオレを快く受け入れてくれるパーティーがあるか不安たが、、、まぁポーションを作るようになってから、なんとなく周りの冒険者の態度が良くなっている気がするし、大丈夫だろうと思っている。
冒険者ギルドに着いて、誰に声をかけようか悩んでいた矢先、声をかけられた。
『あんた、転生者なんだって?
オレは田中一也。
あんたと同じ転生者だ。
この異世界で出会えたのも何かの縁だ。一緒に依頼をこなさないか?』
デジャヴを感じるセリフだな。
「オレはレベル1だけどいいのか?それに弓を使う後衛だが問題ないか?」
『ああ、俺は前衛だし、隙を作ってくれる程度の働きさえしてもらえれば問題ないよ。
王都からこの街に来たばかりでさ、知り合いがいないんだ。同じ転生者だから声をかけやすかった。レベルなんてすぐ上がるから、これから仲良くやっていこうぜ』
田中良いやつじゃーん。




