第17話 悪意の人々(??side)
ー 冒険者ギルドにて ー
「いい男いないかなー」
私はシスティーナ。冒険者ギルド バスク支部の受付嬢だ。
『朝からブレないっすねー、システィ先輩』
『おい、システィーナ、聞きたいことがある』
「おはようございます。ギルドマスター。怖い顔して何を聞きたいんですか?」
この強面のマッチョはウチのギルドマスターのアラン・ガルシア。一応、子爵の爵位を持っている貴族でもある。全然貴族っぽくないけど。
『顔が怖いの元からだ。
ガレスについてだ。一応、転生者は気にかけるようにしてる』
「ニーナに聞けばいいじゃないですか。ニーナの方がよく話してますし」
『もう聞いた。忖度しないあいつが珍しく褒めてたから気になってな。討伐以外で貢献してるって』
「それはですね、愛ですよ愛。
お互い愛し合っているです♡」
『真面目に聞いているんだかな』
「え?真面目に答えてますけど」
『 ・・・ルカ、どうなんだ?』
「ちょっとヒドくないですかー真面目に答えてるのにー」
『お前の何でもかんでも恋愛に結びつける恋愛脳はどうにかならんのか』
『あのっ、マスター、システィ先輩の報告はあながち間違ってないっすよ』
流石ルカ。私の味方だわ。
『確かにシスティ先輩の恋愛脳はヒドくて信憑性は限りなく低くて、話を盛る癖がありますけど、ニーナ先輩はガレス君のことを気になってると言ってたのは事実っす』
・・・私の味方なのかしら?
フッ
ん?・・・あれ?
さっきそこの影が動いたような気がしたけど?気のせいかしら?
『そうか、すまなかったなシスティーナ』
「え?まぁ、わかれば良いんです」
・・・・・・
・・・・・
・・・・
『ダンさん、報告したいことがー』
ー 市街、某所にて ー
??
「アナタとこうして酒を飲むのも久しぶりですねぇ」
??
『挨拶はいい、用件を言え』
「最近低価格のポーションが出回ってるとか。薬師ギルドとしては面白くないのでは?」
『それならもう片付いた。ステラのとこに弟子入りした小僧が作った物を安く売っただけだった。
もう少し品質が上がったら市場価格に合わせると約束させた』
「それで終わればいいですけどねぇ。」
『どういう意味だ?』
「その小僧が転生者ということはご存知ですか?冒険者を見れば分かると思いますが転生者は厄介ですよ。彼らの強くなるための向上心は半端ではない。
ポーションの作成も同じではないでしょうか」
『・・・』
「いずれ、アナタ方が独占している上級ポーションの市場にも手がとどくのでは?」
『仮にそうだとして、どうするというのだ?』
「芽をつむのは早い方が楽ですよ」
『・・・貴様に何のメリットがある?』
「いえね、ウチの魔導具が最近全然売れなくなりまして、調査したらそのポーションを作っている小僧がライバル店に勤めていたんですよ。その小僧が売り上げに貢献してるらしくてね、こちらとしても消えてくれるとありがたいのです」
『・・・オレの名前が出ないようにするなら金は出してやる』
「ありがとうございます」