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第76話 罠解除

ナターシャが加わってから2ヶ月が過ぎた。ダンジョン攻略は階層が深くなることで敵が強くなったものの、苦戦するほどではない。戦闘は順調で85階層まで来たところだ。


『痛い…』


『キャロル、回復魔法をかけるからこっちにおいで』


フローラが子供に接する様に対応する…最年少が最年長に見せる態度ではないな、違和感ないけど。

攻略自体は順調だが、1つ問題があった。階層が深くなるに連れて、キャロルの罠解除が失敗するようになってきたのだ。と言っても解除成功率は95%を超えている。

失敗するのは極々稀だが罠自体も凶悪になってきており、今後が心配だ。


『私の回復魔法ならそれなりの

大怪我でも治せるけど、部位欠損は無理よ。あれは熟練の聖女でないと治せないわ』


そうだよなぁ、今までの失敗は猛毒を食らったり、槍が刺さったりと、欠損に繋がるものはなかったが、今後もそうとは限らない。80階層より前でキャロルの罠解除スキルがレベルアップするまで待つか…80階層より後の階層では宝箱は無視するかの2択かな…と、悩んでいるとレイラがある提案をする。


『ねぇ、キャロル。この前、闇魔法でシャドウの魔法を覚えたでしょ。シャドウで宝箱は開けられないかな?』


闇魔法シャドウ。自身の10分の1の強さの影を作り出す魔法だ。基本オートで動くが、目の届く範囲で意識すればリモート操作可能だ。キャロルの10分の1の強さの影なので、戦闘では使い物にならないと判断し、1度も使っていない。


『うーん、確かにシャドウに作業させて、自分は離れたところにいれば安全だけど、罠解除は細かい作業が多いから近くで見て作業しないと解除に失敗すると思う。失敗しても中身が壊れない罠ならいいけど、良い物に限って中身まで壊れる罠が張られているから対策としては微妙だよ』、


『じゃぁさ、シャドウの形ってある程度変えられる?例えば遠くからでも罠が見える様に』


『できるけど、私の目そんな良くない』


『大丈夫。スキル共有があるじゃないか。マスターから"鷹の目"を借りればいいのさ』


なるほど、それはいい考えかも。ダンジョン内では鷹の目は使ってないから貸しっぱなしでも問題ない。


『それ行けるかも。ね、マスタ、次の宝箱で試して良い?』


「ああ、やってみよう」


・・・・・・


シャドウでの罠解除3回目…


『やった、上手く解除できた♪』


うんうん3回連続で解除に成功した。いい感じだ。罠解除の際に角度的に見えない場合は近付く必要があるけど、基本的に離れた場所からの作業になったから安全性が格段に増した。スキル共有が戦闘以外で役立つとは思わなかったな。


・・・・・・


ー 冒険者ギルド ローナ支部 ー


『はぁ~、魔武具って全然出ないのね〜』


と、ナターシャが不満を漏らす。


「それなりに出てるだろ。光属性の剣とか」


『あのアンデッド特攻の刃が無い剣のことかしら?』


「敵に刺さると爆発する槍とか」


『防御のときに槍で受けたら爆発しかねない危うい槍のことかしら?』


「風属性の乾燥機能が付与された下着セットとか」


『…おねしょでも誤魔化すのかしら?』


横からレベッカが感想を言う。


『あの下着は良いぞ。鎧を着込んでいると蒸れるからな。あの下着を着けていると快適だ。もう何着か欲しいな』


「ほらな、使える魔武具が出てきてるじゃないか」


『戦闘で使えないのよ、戦闘で!!…こんなに出ないものなの?』


「こんなもんだ。最初から長期戦なるって伝えておいただろ。もっと気長に待て」


『ギルドで何を騒いでいるの』


「ニーナか、どうした?」


『朗報よ。ハイこれ』


Bランクのギルドカードとプレートを渡された。


『90階層に手が届きそうなパーティがCランクなのはおかしいからね、Bランクに昇格よ』


Bランクにに昇格か。確かBランクになればレイラの盗むスキルが解除出来るはずだ。


『あ、そうそう、レイラのスキル解除は手続きしてるからそのうち解除の許可が下るわよ』


さすがニーナ、既に手続き済みか。盗みがどんな風に役立つかまだ分からんが、戦術の幅が広がればいいな…などと考えていたらミレーヌさんに声をかけられた。


『ガレス、昇格おめでとう。最近魔剣を探してるんだってぇ?昇格祝いに私の予備武器をやるわ。氷の魔剣"雪花"。剣というより短剣に近いわ』


へぇー、良いじゃん。でもほぼ短剣だよな。となるとナターシャさんよりレイラ向きだと思うけど…ナターシャさんが目をキラキラさせてこっちを見てる。


「欲しいのか?ナターシャさんが扱うには若干短い気がするが…」


『全然問題ないわ。もう1本の剣が長ければ今までと大して変わらないもの』


「ミレーヌさん、臨時パーティですけどナターシャさんに雪花をあげてもいいですか?」


『好きにするといいわ。それはもうガレスの物ですもの』


「分かった、じゃぁナターシャさんにあげるわ。その代わり100階層まで付き合ってもらうからな」


『任せておいて』




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