終局の双六(しゅうきょくのすごろく) その2
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<(盤)双六の規則>
・一マスに六個以上の石は置けない
・敵石が二個以上ある『一荷』の状態のマスに自石を置けない。自石が一個~四個あるマスにはおける
・敵石が一個あるマスに自石を置くと敵石は『ふりだし』(双六盤中央のマス目のない場所で、石がスタートするマス付近)に出すことができる(『石を切る』という)
・二つの賽の出目により一つまたは二つの石を動かすことができる。(一つを動かす場合、出目の通りに二回にわけて動かすこと)
・全ての自石を一荷の状態で内地に格納できれば勝ち
・後戻りはできない
<*この問題に共通の規則>
・自石は白石〇である。この回で白石を全て一荷状態で内地に格納できるとする。
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「じゃあ、答えはこれでいいですね?不正解なら若殿とは二度と会えませんよっ!!」
脅かすように、ジッと姫の目を見つめ様子を窺う。
姫はコクリと喉を鳴らして唾を飲み込み、重大な決心をしたようにウンとうなずいた。
私は姫の解答を記した文をいわゆる『悪者』のところへ届け、次の紙を持って帰り、姫に手渡した。
姫はキョトンとして
「なにこれ?平次兄さまは助かったんじゃないの?次があるの?」
ボロがでないように、表情を引き締め
「これもさっきと同じです。これを解かないと若殿は殺されるそうです。悪者が言ってました。」
姫はしぶしぶという風に、紙に視線を落とし、考え込み始めた。
『
詰め双六その二
|
――――――――|
◎ |
――――――――|
◎◎ |
――――――――|↑ 〇を動かす方向
〇ィ〇ㇿ |この中に白石〇を全て
――――――――|二個以上の状態で
◎◎ |格納すれば上がり
――――――――|
〇〇〇〇〇ㇵ |
――――――――*ここから上が
|白の内地。
――――――――|
〇ニ |
――――――――|
もんだい・・・・二つのサイコロの出目が『二』と『二』のとき、さいしょにうごかす白石〇はどれ?
』
う~~~ん。
「わかりました!これは、ええと、まず〇ニを二マス進めて・・・・」
言いかけるとすぐ、姫が
「ちがうわ!〇ㇵのマスにはすでに五こ入ってるから、おけないのよっ!!」
「あっそっか!じゃあ、〇ィをニマス進めて・・・もダメですよね、〇ニを動かさなければ内地に格納できませんねぇ。」
「そうよ!だからはじめに〇ㇵをニマスすすめて〇ィ〇ㇿ〇ㇵにしてから〇ニをニマスすすめるの!」
答えを『〇ㇵ』と紙に書いて手渡された。
まぁ、別に、ゆっくり考えれば間違えないよねっ!!
また、答えを『悪者』に渡して、次の問題を姫に持って帰った。
次の問題の紙を手渡すと、姫が
「いったい、ぜんぶでいくつもんだいがあるの?いつになったら兄さまに会えるの?」
ほっぺをプッと膨らませ、口をとがらせ呟いた。
次の問題は・・・・
『
詰め双六その三
◎ |
――――――――|
〇ィ |
――――――――|
◎ |
――――――――|↑ 〇を動かす方向
◎◎ |この中に白石〇を全て
――――――――|二個以上の状態で
|格納すれば上がり
――――――――|
〇〇〇〇ㇿ〇ㇵ |
――――――――*ここから上が
〇ニ |白の内地。
――――――――|
もんだい・・・・二つのサイコロの出目が『一』と『六』のとき、うごかす石〇はどれとどれ?
』
ええっとぉ・・・・
〇ニを内地に入れたいから、一進めるためには、一マスに五個あるうちの〇ㇿを動かすとすると、〇ㇿを六進める?
と、あれっ?五より上はマスが無いからダメなのかぁ~~。
だから、どーすればいいの?
〇ㇿを一進めてから、〇ニを六進めると・・・〇ニと〇ィと〇ㇿが一マスに一つずつで『一荷』状態にならないからダメかぁ~~。
とすると・・・・
いろいろな可能性を考えてるうちに、姫が
「こうでしょっ!!」
言いながら答えを書き付けてた。
チラッとのぞくと
『〇ニを六すすめて、〇ィを一すすめる。どっちが先でもいい。』
って書いてあった。
フム。
確かに〇ニを六進めて一番上のマスに置き、◎を切って、その後そこに〇ィを一進めて『一荷』にすればいいのか。
答えを聞くと簡単じゃんっ!!
私だってすぐに答えにたどり着いたよっ!
もーちょっと時間くれればっ!!
(その3へつづく)