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もっふもふゴージャス女子になりたかったハリネズミ令嬢

作者: 咲門ぶーる

始めての投稿です。色々不備があると思いますがよろしくお願いします。

「はぁ…」


思わず深いため息をついたマリアンヌの後ろを華やかな装いの女子達が賑やかに通りすぎていった。


マリアンヌはここ獣人が住むガードランディア王国の伯爵家令嬢だ。父母兄と貴族家としては平均的な家族構成に爵位、本人も極めて平均的な容姿のどこにでもいるご令嬢だ。それだけなら何もため息をつく必要など無いのだか、マリアンヌがため息をつかざるを得ないのは目の前にある掲示板に貼り出された来週行われるダンスレッスンのパートナー組み合わせ表の内容だった。


「またリックね…」


リックは鼠族の同級生だ。針鼠族のマリアンヌのダンスパートナーになるのはこれで8回目だ。いや、王立学園に入学してからのダンスパートナーは常にリックだったと言った方が正しいかも知れない。マリアンヌの学年で彼女と背丈が合う男子学生は彼だけなのだ。針鼠族の平均的な身長のマリアンヌと鼠族にしては大柄なリックは組み合わせにはちょうど良いと講師に思われてるのだ。

だが鼠族にしては背の高い彼は鼠族の女子からは人気があり、元々数の多い鼠族の女子学生からはレッスンの度に我々のアイドルを横取りしてる女だと白い目でみられるのだ。しかも女子から人気があるのを自分でもよく解っているリックからはあの鼠族特有の少し甲高い声で、レッスン中ずっとキイキイと嫌味を聞かされるのだ。やれ、君は愛想がないだの僕がパートナーなのを少しも感謝してる素振りが無いだのとマリアンヌが自分をもてはやさないのを非難してくるのだ。


マリアンヌはたった今後ろを通りすぎていった令嬢達をちらりと横目で追った。


黄金の髪をふさふさと風にたなびかせて自信たっぷりに歩く獅子族に、すらりとした四肢を見せつけるように堂々と歩く鹿族の女子学生。着ている制服は同じなはずなのに校則ぎりぎりまで自分色をおしだしてるおしゃれ番長の猫族の女子。

良く言えば柔らかな色合いの金髪と言えなくもない要するにただの小麦色の髪に茶色の瞳、豪華な見た目の令嬢が多い貴族の中では極々普通の容姿のマリアンヌはいまいち自分に自信が持てない大人しい令嬢だった。

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