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100年前の大戦編31 機転

「騎士王様、私がナレジン殿達の元に伝令に向かいます。前衛も城内に戻って撤退戦の参加で宜しいですか? 」

「うむ、前衛も城内に戻って撤退戦に参加してもらう。大蛇が心配ではあるが仕方が無い 」


「騎士王、私とエルフ部隊が撤退直前まで弓で牽制しよう。少しは違うはずだ 」

「助かる、リアム殿 」

「任せてくれ。それでは私は牽制に向かおう 」

「私も伝令に向かいます 」


「わかった、儂も一つ仕事がある。それでは30分後にまた会おう 」

 3人はそれぞれの場所に向かった。



 大蛇は槍使いの一人を追いかけていた。槍使いはちょこまかと動き回り、舌を(かわ)す。そしてガガガガガンと光の矢の連射が左目に炸裂した。またか、大蛇は右の目玉を上空に向ける。


 黒い点が猛スピードで急降下してくる。大蛇は一度身体を縮めて、口を開き天に向けて大きく身体を伸ばした。


「なんじゃと!! 」

 急上昇する大蛇の顎門(あぎと)を、急降下するナレジンはギリギリで(かわ)した。地面に衝突しそうになりながらギリギリで水平飛行に移ったナレジンに、大蛇の巨大な胴体が上から落ちてくる。


「ウォオオオオ!! 」

 雄叫びを上げて更に加速するナレジン。


 大蛇の巨大な胴体が地面に衝突し大地が揺れる。またもギリギリで躱したナレジンの正面に蛇の巨大な顎門(あぎと)が現れる。


「な、な、な、なんじゃとーー!! 」


 猛スピードで大蛇の顎門(あぎと)に突進するナレジン。全力で進路を右にずらそうとしても間に合いそうに無い。


「パス!! 」


 その時、上空から「 パス!! 」の声が響いた。ナレジンはノールックでナイトを声のする方に勢いよく投げつける。


 高速で投げ出されたナイトを掴んだイルスは、勢いをそのままにナイトを真下の大蛇に向けて投げつけた。


「秘剣!!震天(しんてん)擲穿(てきせん)!!」


 猛スピードで前方宙返りをしたナイトは、大蛇の頭を力一杯叩きつける!!


 ズガガガガガガガガガガーン!!


 勢い良く地面に叩きつけられる大蛇。ナレジンは急浮上し(かわ)して行く。


 ナイトが大蛇の頭の上で立っているとイルスがやって来た。


「ナイトさん、さすがですね。あの流れで大技を決めてくれるなんて 」

「イルス殿が来てくれたおかげで助かりました。イルス殿のおかげですよ……それで後陣の貴方が来たのは何かあったのですか? 」


「ガーゴイル供は大蛇の頭付近には近づいては来ぬが、上空を埋め尽くしておる。計画に何か変更があったんじゃな? 」

 ナレジンが上空から降りて来た。


「はい、ガーゴイルだけで無く緋魔牛の大軍も城を迂回して人族領内に侵攻して来ました。騎士王様は城壁地帯への撤退を決定されました 」


 イルスはナレジンとナイトを見つめる。


「前衛の方々も騎士王国への撤退戦に参加して欲しいとの事で、お伝えに参りました 」

「この城を死守しても、人族領内が破壊され、騎士王国が陥落しては意味が無いという事じゃな 」


 イルスは(うなず)く。


「大蛇はどうするんです? 」

「フロンテ城主のシャード殿が三千の兵と残って可能な限り引きつけます。あと15分ほどで、約1万の兵が騎士王国の城壁地帯を目指して、順次、撤退戦を開始します 」


「私はランティ班のメンバーにも伝えて来ますので、ナイトさん達は城に撤退してもらってよろしいですか? 」


 ナレジンはナイトを見る。


「ナイト、大蛇が怯んでいる今がチャンスじゃ。メンバーを連れて城に戻るんじゃ。リヤの護衛を頼む。リヤ達が城壁地帯に居れば結界は早々には破れまい。

 イルス殿、時間があるまい。儂もランティ班の避難を手伝おう 」


「ちょっと待って下さい、ナレジン様。さっきの転移門を城壁地帯には繋げないのですか? 」

 ナイトが慌てて飛び立とうとするナレジンを引き止めた。


 ナレジンはゆっくりと首を振る。


「転移門は場所では無く、人を繋ぐ門なんじゃ。儂の転移門は騎士王様と繋がっておる。別の人と繋ぎ直す事は出来るが、その為には直接会わねばならん。

 至難の道ではあるが、ナイト、お主は命をかけてリヤを城壁地帯まで送り届けねばならぬ 」


 ナイトは強く頷いた。

「わかりました。ナレジン殿、イルス殿、お気をつけて 」



 ナイト、ナレジン、イルスはそれぞれの場所に向かった。




少し忙しくなりまして、更新が遅れております。しばらく週1回更新とさせて頂きたいと思います。

何とぞ宜しくお願い致します。

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