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100年前の大戦編26 一緒に戦おう

 ナイトの部屋にて〜


「リヤ、すまない 」


「どうしたの?ナイト 」


「君を危険な目にばかり遭わせて……」


「心配しないで、私が危険な戦場で戦っているのは自分で賢者の道を選んだからよ。貴方のせいじゃないわ 」


「うん 」


「私は貴方と出会えて、ニトラルやみんなと出会えて感謝しているわ。この道を歩まなければ出会えなかったかも知れないんだから…… 」


 リヤはナイトを見つめる。


「私の生も死も貴方と共にある。だから一緒に戦いましょう。最後まで……」


 リヤがナイトの手を取る。


「ありがとう、リヤ 」


「ニトラルが言っていたわ。貴方は真面目だから考え過ぎるって。私も一緒に考えるわ。だから無理はしないで……」


「わかった、一緒に戦おう。最後まで 」

「ええ、最後の時まで一緒よ 」


 ・

 ・

 ・

 ・


 修練場

「ん、何でござるか? 」

 ケンマロは複数の気配に気がついて目を向けた。


 修練場に10人ほどの僧兵がやって来て話している。

「皆も聞いている通り、前衛の人数が足らん。我々モンク団の中のAランク以上の10名は前衛に出る 」


 モンク長バリアズは他の9名を見渡す。


「ユヌ、ドゥマ、トロイ、クオ、シン、シクス、セプト、ヒュー、ヌフ。前衛は結界内より遥かに危険になる。お主らの勇気に感謝する 」


「団長、皆、覚悟は出来ています。前衛がいなければ後衛も持ちません。我々が少しでも役に立つのならば、前衛に立ちますよ 」


 背の高い男の発言に皆が頷く。


「わかった。我々は5名ずつでの連携を基本戦術とする。騎士王様の班、リアム殿の班、ナイト殿の班、ランティ殿の班に状況に応じて5名を投入する 」


「4班に分かれては戦力の分散のし過ぎでは無いのでしょうか? 」

 片目眼帯のモンクが疑問を呈する。


「基本は2班が前衛に出て、1班ずつ交代する事で長期戦を耐え抜く作戦だ。この城に集まっていたAランク人材を加える事が出来たので、4班編成で問題無いという判断だ 」


「城からの援護攻撃は期待して良いのですか? 」


「うむ、ナレジン殿の紅炎(プロミネンス)が大蛇の舌に効いたようなのでな、火炎系を中心に準備を進めておる 」


「おぉーっ、蛇の捕食を防ぐ火炎系は、前衛としては非常にありがたいですな 」


「そうだ。そして我々も前衛には出るが牽制と回復、救護がメインの役割になる。そこら辺を詰めていくぞ……」


 ・

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 ・

 ・


 八賢者イルスの部屋にて


「どうしたのですかナレジン殿。そんなに慌てて 」


「最後にイルス殿に話して置かねばならぬ事を思い出したんじゃ 」

 ナレジンは真っ黒な手紙を差し出す。


「あまり美味しくは無いですが、頂きましょう 」



「そういう事だったのですか……」


「うむ、儂はニトラルに後を託された。しかし儂の紅炎(プロミネンス)が前衛の命綱でもある。前衛から離れられぬ事もあり得る。申し訳無いがイルス殿にも背負って頂きたいんじゃ 」


「我々のどちらかが最悪の事態に備えておくと……」


「そうじゃ、大蛇との戦いが全てでは無い。エタールとの戦いも含めての大戦じゃ 」


「わかりました。八賢者イルスの名にかけて、最善を尽くす事を約束しましょう 」


 ・

 ・

 ・

 ・


 聖女ティーダは礼拝所で祈りを捧げていた。

 皆が無事ということはあり得ない。ただ願わくは少しでも犠牲が少なくある事を……我々の戦いが人々の明日への希望に繋がる事を……神の慈悲のあらん事を……


「ティーダ様……」

 若い数人の聖女達が寄って来る。彼女達は回復魔法と光魔法を習得した逸材だ。でもやはり不安なのだろう。


「大丈夫よ。私達は負けない。私達の大切な物は壊させないわ 」


若い聖女達が頷く。


「騎士王様と色々な事態に備えて準備してあるわ。だから……私達もみんなと一緒に最善を尽くして戦いましょう。私達と私達の大切な物を守る為に……」


「はい 、ティーダ様 」


カーン!カーン!カーン!


その時、大蛇の接近を知らせる鐘が鳴り響いた。



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