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メビウスのループ編3

「謎は全て解けた。説明しよう。」

 博士が先ほどまでの事を無かったかのように、皆を見渡して説明を始めようとする。



「さっきの写真は何やったんや?」


「………」


「ウルフンさん!!」エイマはんに怒られる。


「冗談、冗談や。冥界戦士が来る前に説明を頼むわ。」


「ゴホン!」博士は咳をしてから説明を始めた。


「異世界の我々は、魔力の減少と大魔王軍の侵攻の2つの危機に悩まされていた。魔力の減少に関しては短編世界などから魔力を繋ぐ方法で対処する事にしたのだが、一点問題があった。」


「パラレルワールドとバタフライエフェクトですね。」エイマはんが答える。


「そうだ。異世界転移によってバタフライエフェクトが発生しパラレルワールド化してしまう恐れだ。」


 皆が博士を注目する。


「それを星屑の巫女様の予言と合わせて、最善のパラレルワールドを選択し、大魔王軍の脅威に対抗する作戦を立てたようだ。」


「どういう事や?」


「大魔王軍が支配する中央大陸セントラルから、我々の大陸ウエスタンに派遣されてきた魔軍総督の吸血姫ネタギーレン。彼女に会う事が男性では不可能に近いのだ。」


「かといって現状の女性勇者達だけでは、ネタギーレンを倒すのは不可能に近い。」


「ま、まさか。」


「そうだ。ウルフン君。君は死に戻りのスキルを得る為に、転移者に選ばれた。そしてテツコシリーズの中でも最強のテツコを引き当てたのだよ。」


「確かに、冥界戦士テツコは大魔王以上の恐ろしさで鳴り響いています。」エイマはんが情報を捕捉する。


「それは怖いやろ。尻から出た手で冥界に引き込まれたら…」


「そう。SSランクのスペシャルレアだ。もう1つの当たりは、Sランクの土星女王のアイドル戦士テツコだから、君の引きは半端無いのだよ。」


「そして我々には最重要な作戦がある。」


「最重要な作戦?ワイは聞いてないで。」


「ウルフン君。君は緊急 勇者会議に重要なパーティが参加していなかったのに気がついたかい?」


「重要なパーティ?皆、いた気がするで」


「君達テッドorアライブの天敵がいなかっただろう。」


「マ、マッドマキシマムはんかい!!」


「そうだ。彼らには魔族領セントラルへの侵攻という最重要な作戦がある。その準備の為に彼らは参加出来なかったんだ。」


 博士は一息ついて話しを再開する。


「魔族領侵攻を成功させる為には、ネタギーレンを抑える必要がある。その為に君は転移者に選ばれた。これは人類を中心にした勢力 対 大魔王勢力の存亡をかけた一戦に繋がる大戦略の一端なんだ。」


 予想していたより大変な事態みたいや。ワイは正直言って、行き当たりバッタリだと思ってたんやが。


「ジョーシュ君、みんな。関係各所に連絡だ。作戦行動を開始する。」


 ・

 ・

 ・


 翌日 〜城塞都市〜


 ワイのミッションは、マッドマキシマムの魔族領侵攻を成功させる為に、ネタギーレンはんの行動を抑える事や。そのミッション参加メンバーを待ち合わせ場所で待っていたんや。


「ウルフンさん。」

 青い髪の小柄な可愛らしい感じの聖女がやって来た。


「マカデミアナッツの聖女ココと申します。」


「ワイはテッドorアライブのウルフンや。よろしゅー頼むわ。ココはん、1人か?」


「いえ、ミーネさんとテツコさんと一緒に来たのですが、テツコさんがウルフンさんに会わせる顔が無いと、そこの角で止まってしまって…」


「そうか、ワイを冥界送りにしようとした事を反省しているんやな…」


 ワイは一息ついてから大きな声を出す。

「おーい、テツコはん。ワイも悪かった。お互い様や。仲直りしようや。」


 トントン。


 肩を叩かれたワイが振り向くと、向こうの角から伸びた白い手があった。


 ガシッ!


 ワイは白い手としっかり握手した…


 ・

 ・

 ・

 ワイとテツコはん、ココはんとミーネはん。これが今回のミッションメンバーや。ワイ達は馬車に乗って目的地に向かっておった。


「ねぇねぇ、ウルフンさん。」

 赤い髪をポニーテールにまとめた元気娘、パーフェクトオーダーのミーネはんが話しかけてくる。


「どないしたんや?」

「ウルフンさんは行商人なのに、何でテッドorアライブに入ったのか知りたくて。」


「ワイは中立派の狼男やからな。安心して商売出来るのがベストなんや。大魔王はんは絶対的な支配者やから、自由を愛するワイとは合わないんや。」


 みんなの視線がワイに集まる。


「自由といっても無秩序やないで。みんなで同じルールを守っていきましょうって事や。そうやないと商売なんて出来へん。」


「うんうん」ミーネはんが目を輝かして聞いてくる。クールな外見とはイメージが違うやないか。


「それで無限迷宮で偶然にテッドorアライブにあった時にスカウトされたんや。いきなり副リーダー扱いや。ワイにfeatして欲しいって懇願されたんやで。」

 レディが多いので刺激臭の話しは伏せておく。ワイは紳士なんや。


「元の世界の私…テッドさんはどんな感じなのでしょうか?」


「ワイの世界のテッドはん…ワイの世界のテッドはんも英雄やで。城塞都市のピンチを救い、数多のミッションを乗り越えてきたんや。」


「そっちの世界でも私達を救ってくれたのね。テツコさんは最初は怖い人かと思ったけど、本当は凄く良い人だったの。」


「ワ、ワイの世界でも似たようもんや。」


ワイは目的地に着くまで質問攻めにあったんや。このチームでもワイがリーダーになりそうな雰囲気なんやで。そして目的地についたんや。




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