メビウスのループ編1
ワイはタンペーン世界で活躍して戻って来た。結果はわからへんが、ノルマが無かったので別にOKやろ。ゼロで無ければワイの勝利や。
テッドorアライブの一員として報告に行かなあかん。ワイはアライブはんのお家に向かったんや。アライブはんのお家は、街の外れにある庭付きのお洒落な一軒家や。
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コンコン!
「はーい。」
「ワイや、ウルフンや、報告に来たで。」
「わかった。入ってくれ。」
ワイがリビングに行くと、既に他の4人は揃っておった。ワイも席に座る。
「どうだった、ウルフン?」アライブはんが聞いてくる。
「正直言って良くわからへん。ただ2回目の短編なので、投稿時間に注意を払うつもりやったんや。トップページに乗る時間が長いんで、夕方のピークに長く乗る時間に投稿しようと思ったんやけど、急な仕事が入って夜になってしまったんや」
「…失敗ですか?」ブービーが引きつった顔で聞いてくる。
「失敗とはチャレンジをしない事なんやで。ただし、ワイは大事な事に気がついたんや。こっちは本当に申し訳無いと思っているんや。」
「大事な事?」テッドはんが聞いてくる。
「そうや。光には影が付き従うように、ボケにはツッコミが必要なんや。ワイは両方出来るけど、ツッコミの方が得意や。ワイにはテッドはん、テッドはんが必要なんや〜!!」
ワイは隣のテッドはんに抱きついた…プニッ!
なんや?テッドはんが柔らかいで。
「いやん!ウルフンさんのエッチ!!」
ワイを引き剥がしたテッドはんは、手を大きく振りかぶってビンタを決めた。
バッチーン!!ワイは吹き飛ばされた。
「イタタ…なんや?なんや?」
「ウルフン、君は何て事をするんだ!!」アライブはんが激怒する。テッドはんは床に座りこんで、顔を押さえて泣いている。ブービーはんとモビーはんがテッドはんを慰めている。
「いつものジョーク!ジョークやないか!!ビターンって酷いやないか!!」
「テツコに謝れ。ウルフン。セクハラだぞ!!」
「テツコ??」
「そーだ。僕らのアイドル。アイドル戦士 テツコに謝るんだ。」
「アイドル戦士 テツコ〜?」ワイはテッドはんを観察する。顔はテッドはんや。長〜い付けまつげをしとって、ほんのりと口紅をつけておる。胸は少しあるような気がするが、パットの可能性もありそうや。
足は短い…
「アイドルや無くて、女装戦士やないか!!」
「テツコは、王様連盟の女流アイドル戦士杯で優勝したんだ。嘘じゃない!アイドル戦士なんだ!!」
「なんや、その麻雀大会みたいな武闘会は!!ワイは認めへんで。テツコはんや無い。テッドはんや!!」
「酷いわ。ウルフンさん。」テッドはんがアライブはんを抑えて前に出る。
「私はアイドル戦士テツコ。土星に変わってお仕置きするわ。土星変身!!」
「なんやて!!」
テツコの周りの空気が急速に温度を下げる。そして小さな氷が輪になって集まって回転を始めた。
「駄目だ!ウルフン、謝るんだ!!テツコが土星になったら誰も止められない!!」
ギュィィーン!!輪っかが高速回転を始める。
「お逝きなさい!!サターンハリケーン!!」高速回転する輪っかをまとったテッドはんが猛突進してくる。
ドガッ!!
ワイは土星の輪っかに弾き飛ばされ、身体を引き裂かれて意識を失った…
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「起きろ!ウルフン!」
「う〜ん」
ワイは確か土星の輪っかに身体を引き裂かれて死んだはず…
「テツコに謝れ。ウルフン。セクハラだぞ!!」
「えっ?」
「そーだ。僕らのアイドル、アイドル戦士テツコに謝るんだ。」
「ちょい待ち!!セーブポイント近すぎやないか!!」
「酷いわ!ウルフンさん!!私は相撲戦士テツコ、火星に変わってお仕置きよ!!」
「なんやて!!」
テツコの身体から真っ赤な炎が立ち上がる。炎はテツコの右腕に集まっていく。
「お逝きなさい!火炎の張り手!!炎をまとった張り手がワイを弾き飛ばす!!
ワイは豪炎に焼かれながら意識を失った…
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「起きろ、ウルフン!!」
「う〜ん…」
ワイは炎に焼かれて死んだはず…
「酷いわ!ウルフンさん!!私は冥界戦士テツコ。冥王星に代わってお仕置きよ!!」
「早すぎや!!」
「お逝きなさい!!開け冥界の門!!」
テツコの後ろに巨大な大理石の門が現れる。ドアがゆっくりと開いて、中から無数の手が伸びてワイに迫って来る。
ワイは後方にジャンプして攻撃をかわす。「何度もやられてたまるかい!!」
ハメ技から逃げるチャンスや!!ワイはポケットから煙幕玉を取り出す。
「おさらばや!!」ワイは煙幕玉を床に投げつけた。モウモウと立ち上がる煙幕をバックに、ワイはアライブはんの家を脱出した。
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ワイは全速力でアライブはんの家を離れた。追っ手は来ていないようだ。
一休みや、止まって考えをまとめるんや。
何なんや?女体化よりも怪物化しとるでテッドはん。大魔王倒せるんとちゃうんか…
さてどうするか?ワイの手に負える事態では無いんやで。困った時は誰かに相談するのがベストや。
トントン。
誰かがワイの肩を叩く。
「何や?ワイは忙しいんや!!」振り向くと、遥か遠くから伸びた白い手が一本、ワイの前にあった。
「ホラーかい!!」ワイは白い手を掴むと、近くの大きな木に固結びをした。
これでとりあえずはOKやろ。ただこれを見てまた『酷いわ、ウルフンさん』とか言って攻撃してきそうやな。
時間が無い。とっとと助けを求めに行くんや。ワイはエイマはんの魔法学院に全速力で向かった。