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矛盾編1

矛盾をテーマに作品を作ろうとしたのですが・・・

 モビーとブービーは一仕事を終えて一緒に帰宅の途についていた……


「ブービー先生、テッドさんは凄いですね 」


「どうしました。ブービー君 」


「この前のキュードラ男爵との戦い方を見て、僕はまだまだだと痛感しました 」


「あの時のテッドさんは、無双状態でしたからね。敵の先制攻撃を虚言1つでひっくり返す智謀、土下座状態からの奇襲。まさに"体は戦士で頭は軍師、そして尻は凶器"でしたね 」


「テッドさんは、僕たちと出会ってから凄く成長しているのに、僕ときたら…… 」


「自分の成長は人と比べるものでは無いですよ、過去の自分と比べるものです。君にはまだまだ沢山の時間がある。彼と比べるのでは無く、彼から学んでください 」


「はい 」


「彼はボケもツッコミも、高いレベルで使いこなせる(たぐ)(まれ)なる逸材です。学べる事はたくさんあるはずですよ 」


「はい。先生 」


「ただ…」


「ただ?」


「最高のボケと、最高のツッコミがぶつかり合った時にどうなるか……」


「大爆笑ではないでしょうか?」


「うふふ、そうですね。そうあって欲しいですね 」


 ブービーは一筋の懸念を振り払うように遠い空を見上げた。


 ・

 ・

 ・


「お前は誰だ!」

「俺はテッドだ!」

「テッドは俺だ 」

「俺がテッドだ!」

「俺こそテッドだ 」

「テッドは俺だ!」


 俺は、かれこれ一時間もそっくりさんと「俺がテッドだ」と言いあっていた。


 アライブが言う。「僕、そろそろ帰りたいんだけど。いいかな?」


「駄目だ!!」

「駄目だ!!」


「うーん。どちらかのテッドが偽物で、魔王軍の手先という事でいいのかな?」


「何!貴様は魔王の手先か?」

「俺はテッドだ。貴様が手先だな?」

「俺はテッドだ 」

「テッドは俺だ」

「俺こそテッドだ 」

「テッドは俺だ 」

「俺がテッドだ 」


「ちょっといい加減にして欲しいんだけど。そうだ。僕がテッドの事について質問していくから、順番に答えて間違えた方が偽物でいいかい?」


「おう!!」

「おう!!」


「じゃあ、最近テッドが一番気に入っているドラマは何?」


「暴れん坊?皇帝だ 」

「おぅ!素晴らしい作品だ 」


「何、貴様もわかるのか?」

「あぁ、朕の顔を見忘れたのか?と言われて、びっくりする悪党共の表情が(たま)らない 」


「俺はこの前、見ず知らずの敵に言ってやったんだ。朕の顔を見忘れたのか?って 」


「それは面白そうだな 」


「あぁ、そうしたらキュードラ男爵の奴、呆然としちゃったんだ 」


「うんうん」


「そこで、すかさず(ちん)の顔を見忘れたのかと聞いておると、更に問い詰めたんだ 」


「見ず知らずの奴に『見忘れたのか』って、問い詰められたらびっくりするよな 」


「そしたら、ヤバイヤバイ誰だ誰だ。思い出せないって焦っているから 」


「いいね。いいね 」


「朕の顔を忘れるとは何たる不敬。成敗!!って攻撃したんだ。元々、あいつから不意打ちして来たからね 」


(うらや)ましいな。まさに暴れん坊?皇帝ファンにとって夢のようなシーンじゃないか 」


「お前、話がわかるな。ちょっとそこの酒場で、暴れん坊?皇帝について語り明かさないか?」


「いいね。いいね。あの作品の良さがわかる奴に、こんな所で出会う事が出来るなんて 」


「アライブ、ちょっとそこの酒場で語り明かしてくる。お前も来るか?」


「お前も来るか?じゃないよ。でも脳みその出来もテッドにコピーしている見たいだね。今ので、偽物がわかったよ 」


「何?」

「何?」


「キュードラ男爵に嘘をついた話をしたテッドが本物で、その話を聞いていた方が偽物だね 」


「しまった!!」


「疾風剣!!」

「くっ、迅雷剣!!」


 偽テッドが迅雷剣で迎え撃つ。


 俺は問う。「貴様は何物だ!!」

 奴は答える。「俺はテッドだ 」


「テッドは俺だ 」

「俺がテッドだ 」

「テッドは俺だ 」

「俺こそテッドだ 」

「テッドは俺だ 」

「俺がテッドだ 」


「いや、それはもういいから。テッドもテッドを攻撃してよ。」


 俺は背中を偽物に向けて必殺技を放つ!!「わかった。くらえ極炎獄龍波!!」


「迎え撃て!!極炎獄龍波!!」奴はなんと極炎獄龍波を尻からだして迎え撃った。


 ドガーン!!二つの極炎が激突して爆発した。


「馬鹿な!!リーダーの極炎はファイヤーパンツの力。リーダーの真似で出来る事ではないはず 」


「ふふふ、これが大魔王様から頂いた能力だ。武装を含めた敵の能力を、全て魔法でコピー出来るのだ。名付けてフルカラーコピーだ 」


「そうか!だから脳みそもリーダー並みなのか!」


「失礼な事を言わないでくれ。アライブ。奴はクールで知的な気がするぞ 」


「偽物君、君は強い。でもテッドを君が倒しても、テッドがテッドを倒したにしかならない。君の名前を教えてくれ 」


「うーん、いいだろう。オイラの名前はポン吉。ワータヌキのポン吉だ 」


「ワータヌキ?」俺は初めての単語を聞いたので、確認を求める。


「そうだ。人狼のワーウルフ、人虎のワータイガー、そして人狸のワータヌキ。知力と魔力に優れた特殊戦闘員、それがワータヌキのオイラだ 」


「ポン吉君。君は絶対にテッドに負けない自信があるんだね 」


「あぁ、オイラが変化したら、テッドを完全にコピー出来るんだ。それにオイラの元々の能力や経験がプラスされるので負けようがない 」


「わかった。じゃあ今日はここまでにして、明日の13時に中央公園に集合だ。僕はこれから暴れん坊?皇帝を見なくちゃいけないんだ 」


「お前もかい!!」

「お前もかい!!」






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