ブービーの過去編2
「うふふ」
エイマさんが突然笑いだした。顔を見合わせる俺とアライブ。
「先生が大好きそうな人達ね 」
「先生??」俺とアライブがハモる。
「リュートハイム フォン ブートビート。通称ブービー先生の事ですわ 」
「ブービー先生ーー??」
「ブービー先生は世界最高峰の賢者の一人であり、すごく優しい先生なんだけど…最高のユーモアを追い求める、すごく迷惑な人なの 」
「最後の部分だけよくわかります 」俺はしみじみと答える。
「ボケもツッコミも双方出来て一人前ですよ、とよく言われたわ 」
魔法学院で何の教育をしてたんだ。あの男は。
「では先程の4人のドラゴニカルは?」
とアライブが確認する。
「冗談ですよ 」
良かった。世界の破滅は回避された。
「では今回の本当の御用件は何なのでしょうか?」アライブが大事な所を聞く。
「会って見たかったんです。ブービー先生の今の仲間達に…貴方達なら大丈夫ですね 」
「それは?」
「ブービー先生やお友達はちょっと変わり者なので、嫌になる事もあるかも知れません 」
ちょっと???
「まぁ、そんな顔しないで下さいな。テッドさん 」
ヤバい顔に出ていたらしい。
「魔族は強大です。しかも人の心の弱い部分につけ込んで来ます 」
エイマさんが真剣な表情で語りかけてくる。
「一部の限られた人が強いだけでは…力が強いだけでは解決出来ない難問が、降りかかって来る時がきっと来ます 」
真っ直ぐな目で俺とアライブを見つめてくる。
「その時に、ブービー先生達の力になってあげて下さい。お願いします 」
そう言うとエイマさんは、徐に頭を下げた。
「まぁブービーにもモビーにも言いたい事は山ほどあります。それでも彼等は大事な仲間です 」
俺は本音を答える。
「助けられる事が多いけど、たまに助けているしね。4人でテッドorアライブだしね 」アライブも爽やかに答える。
「ありがとうございます 」
エイマさんが最高の笑顔に変わった。